こんにちはみどりの小野です。
今日は今週読んだ本の感想。
「EPITAPH東京」 恩田陸
久しぶりの新刊!と思って喜んだのだけれど小説というかエッセイというか。
筆者の日常の話、吸血鬼を名乗る吉屋という人物の話、それから筆者が執筆中の戯曲「エピタフ東京」。三つの話が代わる代わる繰り返されて行って…という物語。
私は断片だけ語られる戯曲の方が読みたかった。
マンションの一室で、甘いお菓子を食べながら籤引きで殺しの仕事を引き受ける女達。複数の女たちが語り合う中で少しずつ謎が解けていく。
恩田陸は群像劇が上手ですよね。
この戯曲も、短いながらもお菓子を食べながら互いを伺う緊張感なんかがすごく上手い。
出てくるモチーフや、断片はみんな魅力的なんですが、今回は短すぎて少し物足りなかったかな。
やっぱり私は小説が読みたいです。恩田陸マニアなら面白いけれど、初読の人にはおすすめしずらい一冊でした。