メシマズ話をネットでよく目にする。
でも、誰でも最初から、美味しい料理が作れるものだろうか?
子どもの時から家の手伝いをし、料理の基本を学ぶ。それが理想だとは思う。
実際はどうだろう。私は実家にいた頃は料理も掃除も洗濯も親に丸投げのダメダメ女だった。
結婚して15年。
今はようやく手際良く作る料理のコツや掃除はマメにすれば楽なこと、洗濯物を干すハンガーにこだわることなど(肩幅の合った厚みのあるハンガーに干してそのままクローゼットに入れれば型崩れ知らずで楽チン!)を覚えてきた。
キレイに片付いた家で旬の物を使った料理を少しずつ何種類も食べられるのが一番の幸せ、そして料理や掃除をするのが楽しいと思えるようになった。
はてなブログにはプロ顔負けの美味しい料理や作り置きのコツを教えてくれる人がいっぱいいて、結婚して初めて料理を覚えた人間の拙い知識なんて書くほどの物でもない。
でも25歳で初めてごはんを炊いて味噌汁を作る所からスタートしたような人間の話だから、同じようなレベルの若い人、これから一人暮らしを始める人の役には立つかも。そう思って書いてみることにした。
今日は私が美味しいごはんを作れるようになるまでの話である。
オレンジページ・COOKPADは上級者向け
料理を始めて、まずはコンビニで売られている雑誌を参考にご飯を作ってみた。
料理雑誌の定番、オレンジページ。
しかしなぜか美味しくない。
書いてある通りにきちんと計って作ったのに。
それに塩コショウの分量が適宜だったり、途中工程の写真が無かったりしてわかりにくい。
料理雑誌の定番、オレンジページ。
しかしなぜか美味しくない。
書いてある通りにきちんと計って作ったのに。
それに塩コショウの分量が適宜だったり、途中工程の写真が無かったりしてわかりにくい。
ある程度料理ができるようになって気が付いたのだけれどオレぺ、クックパッドは基本的に料理中~上級者向けだ。分量や工程をしっかり確認しなくてもだいたい理解できる人のために書かれている。味付けを自分の好みで目分量で出来るレベルの人向け。だからきっちり計って作ったオレぺの料理はいまいち物足りなかったのだ。
同じく初心者が頼りがちなクックパッドも中級者向け。
自分で味付けが出来る、料理の基礎が出来ている人向けだし、火の入れ具合なども調理器具によって違うので、目分量が理解できるようになってから頼りにした方がいいと思う。
自分で味付けが出来る、料理の基礎が出来ている人向けだし、火の入れ具合なども調理器具によって違うので、目分量が理解できるようになってから頼りにした方がいいと思う。
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今日の料理は最高のテキスト
オレぺに見切りをつけ私が次に買ったのは「今日の料理」。これは初心者には最高のテキストである。なにより映像で作る過程が確認できるのがいい。まずTVで料理の工程をチェックし、それから本で分量を確認しながら作る。
料理本の分量通りに作っていくと本によって全体的に薄味、逆に濃いめ、と言った個性が出てくる。今日の料理のいいところはそういった個性が少なく万人に美味しい普通の味付けであること。
我が家の味って大丈夫?そう心配している人は今日の料理を読んで、食材も調味料も工程も、『書いてある通り』に作ってみるといい。それが日本標準の味だと思うから。
最近は「今日の料理ビギナーズ」という初心者向けの番組、本が出ていてそちらは更にオススメである。
今日の料理には工程の少し難しい、上級者向けのメニューも載っているのだけれどビギナーズはその名の通り時間のかからない簡単なメニューばかり。
それでいて作ってみたい、美味しそうというレシピが多い。番組の放送時間は月曜日~木曜日の21時25分から30分までの5分間。可愛らしいアニメなのでさらっと楽しめて明日の献立も思いつく。ぜひ見てほしい。
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たくさん作りすぎるのはどうして?
味付けは今日の料理を参考にすることでバッチリになった。
少し料理が上達した頃の私の悩みは『量を作りすぎる』。
特に八宝菜や筑前煮など具沢山なメニューは2人暮らしなのに大皿に山盛り作ってしまい困ることが多かった。
何回か作りすぎを披露した私にダンナが言ったのが、『食材の分量も量ってる?』という一言。
初心者が陥りがちな罠。
調味料はきちんと計っているのに野菜やお肉は目分量だった。
少し面倒だけれど野菜もお肉もきちんと計って一度酢豚を作ってみた。
2人前の酢豚は玉ねぎ半分、ニンジンも半分。ピーマン1個。たったそれだけ。
他にお肉やタケノコ、お好みで賛否両論のパインなどが入るから合わさって2人前の分量になる訳だ。
他の料理も何度か計って作ってみると1人前の分量、というのがだんだん把握できるようになってくる。
いつも作りすぎてしまう人は何度か家族の人数分だけ計って作ってみてほしい。一度把握してしまえば作りすぎは減るから。
ダイエット中と言う人は一度ごはんも味噌汁もおかずもちゃんと重さを量って、500キロカロリーの食事、というのを体感してみてほしい。売っている一人前のお弁当はあきらかに多い、と気が付くはずである。
そうはいっても、きちんと計って作っても必ず皮か具の余る餃子のような料理もあるのだけれど。私はいつも余った具はスープに、皮はミニピザ風にしている。それはそれで美味しいけれど、一度はぴったり包んでみたいものだ、と思う。
基本の味付けをマスターする
きちんと計る、料理本の通りに作る。そこから一歩進んで本を読まなくても失敗しない味付けができるようになったのは豚の角煮にハマったからである。
当時の行きつけのお店の看板メニューが豚の角煮で、これがすごく美味しかった。
しかし高い。たった2切れで800円もする。この角煮と同じものを作りたい。だがお店のレシピは非公開。そこで私は色々な本に載っている角煮の作り方を試してみた。
そして一番店の味に近かったのが「基本の和食」という定番料理の本に載っていたレシピ。その本には和食の基本の味付け、黄金比が紹介されていた。
そう、黄金比が味付けのコツだったのだ。(同じ本はありませんでした。多分これが改訂版だと思うのだけれど。)
今でも煮魚や照り焼きは一度計量カップでたれを合わせてから作る。
といっても基本は酒、みりん、しょうゆを1:1:1、同じ量を合わせるだけ。それに水は5。これだけでいつも同じ味になる。
毎回味が違う、と言う人は是非試してみてほしい。
料理本としては「基本の~シリーズ」もおすすめ。昔からの定番で分かりやすく美味しい。
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料理が好きでいられるように
以上、さぞや料理が上手いかのように書いてきたが無論そんなことはない。
私がしたのは頼りになる料理本を見つけ、分量工程通りに一度作ってみることを覚え、煮汁の基本比率を意識するようにしただけ。
本当に料理上手な人は教わらなくても目で覚え味付けも簡単に再現して見せる。
でも実際そんなセンスのある人はほんの一握りだと思う。
私はプロの料理人にはなれないけれど基本の家庭料理は作れるようになった。
けれどパンは焼いたことがないし、エスニック料理はまだまだ。そばもいつかは打てるようになりたいと思っている。
料理は好きなので、予定のない休みの日はもらった野菜を漬けたり、作り置きのおかずやお菓子を作る。
でも実は休日まで料理を楽しむようになったのはここ数年。
専業主婦で、毎日三食料理を作ることが「仕事」だった頃はこんなに楽しめなかった。休みの日に外食するのが週に一度の楽しみだった。
料理が趣味、楽しいと思えるようになったのは私がまた働き出して、旦那が週に二回程私の代わりに晩御飯を作ってくれるようになってから。
もともと兼業主婦の母の下に生まれなんでも自分でできるようにとしっかり叩き込まれていたダンナ。結婚当初から私より家事が得意で、共働き子梨の結婚当初は早く帰った方が晩御飯を作る、作ってもらった方は後片付けをする、が我が家のルールだった。
その後子供が生まれ専業主婦期が数年。その頃はさすがに家事は私がやっていた。(子育てのヘルプはあった)ご飯も三食作るのが当たり前。
そして二年程前からまた働きだし結婚当初のルール、「早く帰った方が夕飯を作る」が復活した。
久しぶりに復活したダンナの晩御飯を食べて味わったのは仕事から帰って温かいご飯が待っている、というごく普通の幸せ。でも今まで毎日毎日献立を考えて暮らしていた私には天国のような日々だった。
仕事帰り、LINEで今日は早く帰れたから晩飯作る、から揚げでいいか、なんてメッセージが来る。
もうスキップ。料理は好きなつもりだったけれど、毎日毎食自分で作るはそこそこ負担だったらしい。
一人暮らしの人は健康のためにも基本は手料理にして、週に二回くらい外食で美味しいものを食べるのはどうだろう。自分で作ってみると人に作ってもらうありがたさがわかるし、外食をしても見方が変わってきて面白い。作り方や味付けをついつい考えてしまう。そして美味しいものは家でも作ろうと思う。
もしうちの奥さん、彼女がメシマズで…と言う人は試しに「今日の料理」通りにちゃんと計って料理を作り基本の味を確かめてみてほしい。あなたの味覚がおかしい、という場合もあるのだから。
やっぱり奥さんのせいだ…と言う人も投げ出さないでほしい。私がなんとか料理上手になったのはダンナの適切な指導のおかげでもある。
一緒に料理を作ってみる、その時間がないのなら自分が美味しいと思っている店に奥さんを連れて行き味を覚えてもらう。
適切なインプット無しでアウトプットは難しいのだから。
私は家のごはんの味は家族で作っていくものだと思う。仕事が忙しいのはわかるけど、お父さんも是非料理に参加してみて下さい。
それから料理の上手な方。ここから更にプロレベルにステップアップできる料理のコツを伝授して下さい!切実に!
老後の夢は夫婦で居酒屋経営。実はそんな野望がある、ビール大好きみどりの小野です。