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おのにち

おのにちはいつかみたにっち

「山をなめるなおじさん」の気持ちを代弁してみた

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「日本を滅亡から救うため、登山初心者が槍ヶ岳に登ってきた」という記事のブコメ欄に「山をなめるな」おじさんが湧いていました。

 

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記事自体は日本の中心を槍ヶ岳から眺める!というおバカな企画で、なかなか体を張っているし面白かったのですが「単独行であること」、「軽装に見えること」「登山初心者と謳ってしまったこと」が問題だったのでは、と思います。

実は私もタイトルを見たときは「山なめるなゴラ!」と思っちゃいました…。

実際の記事ではちゃんと山小屋に泊まり、時間をかけてゆっくり登っているようですし、何より無事に帰って来れたので問題は無かった訳ですが。

多分私や「山なめるなおじさん」が憤ったのは記事を書いたりょーすけ君に対してではなく、「初心者で」「単独で」「軽装で」山に登る人に対しての怒りが噴出してしまったからだと思うのです。
それから今秋遭難したたくさんの人への怒りが、記事に向かってしまったのかと。

なんで私たちが怒るかって?

それは地方財源、それから警察や消防、消防団の話になってくるのです。


山をなめるなおじさん代表。

 

日本を滅亡から救うため、登山初心者が槍ヶ岳に登ってきた

追記にもあるが、山をなめるな。無事に生還できたのはたまたまだ。ネタ企画のために命かけるとかどうかしているし、これを見て気軽に挑戦して死ぬ馬鹿が現れたらどうするのか。山はワンミスや不運で死ぬ。なめんなよ

2016/11/02 20:08

 

ツインテールで瞑想と運動と野菜350gをすすめるマンに怒られるのもキツイよなぁ…。でもこの人も自営業だし消防団なんじゃないか、という気もする。


会津遭難事情

 

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会津は会津百名山、なんてリストがあるほど山に囲まれた場所です。
燧ケ岳、飯豊山、そして会津磐梯山。他にも尾瀬や駒ヶ岳など、自然に恵まれた場所。

登山ブームの昨今、観光客も増えました。
するとどうなるか?紅葉も美しく天候にも恵まれた今秋。

遭難者もてんこ盛りな訳です…。
10月は、ほぼ毎週末遭難者情報が出ていたような気がします。
半分が亡くなり、半分が助かる、厳しい秋となりました。


遭難するとどうなるか?


山で遭難するとどうなるか、ご存じでしょうか?

・本人が携帯で道に迷ったと連絡してくる
・家族が帰宅時間までに帰らないと連絡してくる
・予約した山小屋や宿の主、駐車場の管理者が予定時刻に帰らないと連絡してくる

だいたいこの3パターンで遭難が発覚します。

駐車場代をケチり、無断で物陰に車を止め、家族に言わず登山申請を出さずに一人で山に登るような人は遭難したら終わりです。
運が良ければ春先山菜取りの人に白骨を見つけて貰えるでしょう。

 

遭難者が出ると警察、消防、それから地元役場に連絡が行きます。
天候が良ければ防災ヘリが出動します。
警察、消防は福島県では無料です。
特に防災ヘリは莫大な予算が掛かりますし、長野県など有名な山のある地方ではそれらの出費が問題視されているようです。

天候不良の時は消防、警察の登山隊が山に登ります。
それでも見つからない場合は、家族などの承諾を得て、役場が消防団へ出動を依頼します。

彼らはあくまでも副業として消防団に参加していますので、仕事を休んで救助に参加することになります。
従って僅かばかりの日当が出ますが、この費用は福島県では遭難者の家族が負担します。

ですから家族と連絡のとれない、単身者の場合は消防団が出動できない事態もあります。厳しいけれどこれが現実です。

消防と警察は無料で探してくれますが、公務員はガンガン縮小されているので人数に限りがあります。
また捜索には何日間、という区切りがありその期間が終了したらたとえ見つからなくても捜索は終わりです。
それでも探してほしいなら、自費で消防団を雇ってお願いするしかありません。

消防団の人数もどんどん減少していますし、大人数で捜索はもう無理なのかも知れません。寒暖差の高い山での救助は時間が大切ですから、生存率は下がってくるのだろうな、と思います。


遭難と自己責任

 

もちろん山に行く人なら誰でも、遭難する可能性はあるのです。
毎年山に行く熟練者でも、ふとした気のゆるみから滑落し、命を落とすこともあります。

ただやはり毎週末遭難する人たちは「初心者」「単独」「軽装」で、山を舐めている、と言いたくなる人が多いのは事実なのです。
彼らのために毎週末駆り出される関係者なら、「山なめんな!」と言いたくなる気持ちも分かるのではないでしょうか。

私のダンナは100kg超級の人を4人がかりでタンカで山から降ろしたことがあります。
天候不良でヘリが飛ばなかったのです。
仕事だから、金もらってるから…では済まされない気がします。


でもやっぱり山は楽しいよ


地方に負荷が掛かりすぎている、山なめんな!助けるほうの身になれ!と思う一方で、もし装備も人数も登山計画もガッチリ作って絶対安全に山に登れ!という社会になったら山は楽しくないんだろうな、と思っている私もいます。

100㎏超えを山から降ろしてボロボロのダンナに、私が「そういう奴は山に来んな!」と怒ったら彼は「山はみんなの場所だからなぁ」と笑っていました。
マジ天使…山神…。

そんな惚気はともかく、命の危険を感じる、恐怖を覚えることもまた山の楽しみなのかなぁ、とは思うのです。
もちろん本当に死んでしまう事もあり得るし、他人の浅はかな命試しに振り回される人間の身にもなってくれ、という怒りは感じますが。

私は冒険や探検物のノンフィクションが大好きですが、彼らも一歩間違えば他人に迷惑をかけるかも知れない立場な訳です。
絶対に他人に迷惑をかけてはいけない世界になってしまったら、血湧き肉躍る冒険も味わえなくなってしまいます。

遺体を発見する方の身になれよ、バカ!とか遺体すら見つからない、行方不明者の家族の気持ちを考えたことあんのかよ!なんて責める気持ちもある一方で、高い装備買って準備バッチリで山に来い、って世界になったら山は金持ちの場所になってしまう、とも思うのです。
だって完璧な登山用品ってホントに高いんだもん。

迷惑かけんなバカ!と思う一方で、出来たら山を楽しんでほしいと思っている私。
矛盾してるけど、やっぱり山は楽しいから。

子どもが出来てから夫婦では登らなくなったけど(夫婦で遭難したら無責任すぎだから)子どもが大きくなったらまた再開したい。
体力つけておかないと。

なぜ山に登るのか、というと「死ぬかもしれない」という根源的な恐怖と身一つで向き合える場所だからなのかも知れません。

頭でっかちになってる自分が溶けていく場所、というか。
自分なんて大したことないし、出来ることしか出来ないんだなぁ、人を助けるなんてもってのほか!と思えますよ。
だって体力的に他人のザックなんて背負ってあげられないんだもん。

 

りょーすけ君は最後顔が死んでましたが、出来たらもう一回、日本のヘソにチャレンジしてほしいな、と思います。
今度は山岳部や経験者の力を借りて、登山計画をちゃんと立ててルートを探して、槍ヶ岳からじゃなく日本のヘソに直接立ってみて欲しい!

山と山の間。あそこは絶対楽しいよ、冒険だよ。
まぁ絶対儲からないだろうし、ブログの域を超えてますが。

ホントに楽しい事はきっと無理の先にあるんだよ…と他人事だからテキトーに言っときますw
まぁそれはネタとして、今度はみんなで楽しく登って山で笑顔を見せて欲しいな。
山はホントに楽しい場所だと思うんで、もしよろしければ。

 

最後に私信。
せっかくのりょーすけ君の楽しい記事に水を差してしまって、ごめんなさい。
ヘソを探して実際に一人で山に登るバイタリティは本当にスゴイ!と思います。
実際に歩き出す若者に年寄りは敵わないよ。
これからも楽しい記事をばんばん書いて下さいね。

そんな感じで、今日は終わりっ!