この間テレビで、修行僧の話を聞いた。
かなりうろ覚えで、どこの神社仏閣だったか、どのような名前の修行だったかもわからないのだが、どうやらその修行が始まると最低でも7年間関係者以外と会うことができず情報も絶たなくてははいけないらしい。
毎日同じ場所で寝起きし、勉学に励む規則正しい修行の日々が7年。
修行が終わった朝は、どんな気分なのだろう?と考えた。
TVも新聞も読まない、俗世のことはなにも知らない。
自分の家族や友人だって、もしかしたらこの世にいないかも知れない。
竜宮城から帰ってきたら家も家族もなかった浦島太郎のように、寂しい気持ちにならないだろうか。
映画「オールドボーイ」では主人公は15年間監禁される。
ただしTVを見ることは許されていたので、情報収集は出来ていた。
それでも家族も時間も失われてしまった。
すごく残酷な復讐の物語だと思う。
7年間、TVも新聞も読まずに、情報を断絶して暮らすことは可能だろうか。
TVもパソコンもスマホも持たない、本や雑誌を買わない暮らし。
多分やる気になれば可能だろう、とは思う。
そうやって出来た空白の時間を、何で埋め合わせたらいいのか?と思うと怖くなるのだが。
ただ時折、考えたりもする。
時代に取り残されないようにと、日々情報を摂取しているけれど。
この沢山の話題のうち、私にとって本当に必要なものは何なのだろう、と。
誰かの事故、悲しい事件。
みんな考えさせられるけれど、そこにはいつも距離がある。
誰かの不幸にチャンネルを合わせながら、普通にご飯を食べる生活。
それは本当に、必要なニュースなのだろうか。
7年目の朝に、修行僧は何を感じ、何を見るのだろう。
断絶の先にあるものを、見てみたいなと思いました。
私も少しだけ、デジタルデトックスしようかな。
とりあえず無駄なネットサーフィンは辞めたいです…。