おのにち

おのにちはいつかみたにっち

窓口の専門用語はお控えなすって

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年度末である。

最近職場の窓口が、ギッタンギッタンに混み合っている。
こういう時期は職員もお客様も、どうしてもイライラしてしまい、トラブルが増える。そしてそういう空気の時に限って、めんどくさい客もやってくるものなのである。

今日窓口に立った、四角くてグレイで、Minecraftに出てきそうなババアは、バサッ!とカウンターに書類を置くなりその大きなお口にそぐわない小声と早口で、廃棄物13号ナントカ届!と言い放ち、それで自分の役目は終わり、的な感じで席に戻ろうとした。

だが待て。
お待ちなすって、と止める。そのナントカ届、当方は初耳である。
廃棄物13号(仮名)とやらも名前すら聞いたことがない。
ナントカ届は分かりかねますが、この書類があれば〇〇のお手続きはできます。どうなさいますか?と聞くと何でもいいから早くしてよ、と答える。

絶対にこれじゃない気がする…と思うのだが、ババア廃棄物13号ナントカ届も知らないなんて!とドヤリティ顔で、とりつく島もない。

手続きを終え、声をかけると案の定ババアは〇〇じゃなく× ×にしたかったの!と言い出す。それは私の会社では取り扱っていない手続きだったので、その旨伝えると結局仙台に行かなきゃダメなのね、早く言いなさいよ!とプリキュアしながら帰っていった。

妖怪早口呪文ババア…と思ったが、でもこれって多分仙台の知らない会社の誰か、私たちサービスを提供する側の問題なのだ、と思い直す。

 

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廃棄物13号ナントカ届、で検索すると(パトレイバー以外の)答えが返ってこなかった。× ×申し込み、ならいくつかの会社がヒットする。
ホームページにも、× ×のお申し込み、と言う平易な言葉しか使われていない。

廃棄物13号ナントカ届、は多分それを取り扱っている会社の内部での呼称だ。
× ×の手続きがしたい、と仙台に来たお客様に対して、はい、廃棄物13号ナントカ届ですね、とか答えてしまったバカがいて、お客様はなるほど、廃棄物13号ナントカ届と呼ぶのか…と思い込んでしまったのでは、と私は想像する(第二候補:お客様の覚え間違い、もしくは謎電波受信)。

専門用語を使いたがる人はどこにでもいる。
私も役所で〇〇の手続きをしたい、と言ったら「はい第28条(数字は適当)ですね!」と言われた。

知らんがな。

もちろん書類には28条なんて書かれてはいない。
多分何かの法律の28条に則った手続きだから、内部、もしくは正式名称は28条と呼ぶんだろう。

しかし申請する側としては知ったこっちゃない。
クセで言ってしまうんだろうな、と思うから聞き流しているが。
お前んとこの様式、専門用語が世界共通の言語だと思うなよ、とはいつも思う。

人の言葉を専門用語で言い換えるのは、あまり気持ちの良い行為じゃない。
もし私が、こうした扱いを受けて『そっか、〇〇手続きは28条って言うのね…』と思い込み、次回の〇〇手続きの時(多分数年後)窓口で堂々と38条!と言い放ったらどうするのだ。

確かに、いろんな手続きを毎日何十件も処理する私たちはいちいちそれらを〇〇手続き、なんて言葉では呼ばない。
法律名なり、書式名なり、短い言葉で縮めて処理する。

ただそれは何十件もあるからこその便宜なのであって、数年に一度、必要なときだけ手続きに来るお客様側にとって専門用語を覚えるメリットは一つもない。

私たちサービスを提供する側だって、窓口で18号!とか叫ばれてクリリンの奥さんか?となるよりは、〇〇の手続きがしたかったんだけど…ときちんと言葉で相談された方が早く、確実に処理できるではないか。

 

あと、たまに勘違いしたバカがいるが、金融用語だろうが法律用語だろうが、働く側が専門知識を持っているのは当たり前のことだ。

相談に来たお客様を難しい言葉でコケにしてどうする。
『誰にでも、平易な言葉で分かりやすく』説明できなくちゃ、知識が身についているとは言えないんじゃない?

客が店員に求めるのはひけらかされる賢さじゃなく、求めるサービスを的確に迅速に提供してくれることだと思うけど。

 

という訳で今回は、サービスを提供する側は、接客の際にあまり専門用語を使わないほうがいいよ、と言うごく当たり前の話。


ただお客様の側にも、もうちょっと説明してくんない?しゃべったら死ぬ病?当店にはカメムシいないから口開いても飛び込んでこないよ?と言いたくなる人がたまにいる。

次回は、そういうお客様は損をするかもしれないよ、と言う話を書きたいと思います。ではではまた。