おのにち

おのにちはいつかみたにっち

命を繋ぐということ‐『ギフト 僕がきみに残せるもの』

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今日出勤前にあさチャン!を見ていたら、元プロスポーツ選手の物語が紹介されていて朝からメイクがヤバいことになってしまった。

出がけに泣かすのやめろよな!と思いつつ一日中頭を離れなかったので、今日はそのお話を。

 

スティーヴ・グリーソンの物語

 

スティーヴ・グリーソンは元アメリカンフットボール選手。
成功を収め引退、美しい妻と結婚。
しかし絵にかいたようなアメリカンドリームに、暗い影が刺す。

スティーヴは徐々に体中の筋肉が動かなくなる難病、ALS(筋萎縮性側索硬化症)だと診断されたのだ。

少しづつ体が動かなくなり、やがて車椅子、いずれは話すことさえ叶わなくなる。
絶望の日々に彼が貰ったかけがえのない希望は、妻のお腹に宿った新しい命。

わが子を自分の腕に抱きたい。最高の父親になりたい。

その夢は、生きるための希望になる。
いつ話せなくなるか、命を落とすか分からない日々の中で、彼は息子に宛てたビデオレターを撮りはじめる。

やがて子どもが生まれスティーヴは夢を叶える。

子どもが乗るソリを電動車いすで引き、二人で一緒に庭を駆け回る。
たどたどしい声でアイラブユーを伝えれば、子どもは覚えたての言葉で「パパ!」と叫ぶ。

その光景は幸せに満ち溢れているように見える。

 

でもビデオレターは続く。

 

今日が自分で話せる最後の日になるかも知れない、そう言って堪えきれない感情を表に出すスティーヴ。

今の自分には叫ぶことしかできない。

叫ぶ、叫ぶ、叫ぶ!

 

言葉数は少ないけれど、この世の絶望がすべて詰め込まれたような、辛い映像だった。

 

子育てに大切なこと

 

子育てで一番大切なことは、自分が愛されているということを子どもに実感させることだ、と聞いたことがある。

愛情の多少はあれど、親は子どもを愛しているものだと思う。
自分で育ててみて実感した。
ほったらかしでも子は育つ、なんて言葉は大嘘で、実際には新生児などほんの数刻目を離しただけで死んでしまうような危うい生き物だ。

自分の足で歩けるようになるまで育て上げるだけでも一苦労。
愛情無しで成しえることではない。

私自身親とは上手く行っていなくて、放置されていると思い込んで育った。
自分のことはなんでも自分でやって大きくなった…つもりでいたのだが、そんなことは不可能で、私の欲しい形ではなかったけれどちゃんと愛はあったのだ、と今は思えるようになった。

 

スティーヴの息子は、いつか大きくなってビデオレターを見た時にどう思うんだろうか。

父はもう子を抱くことが出来ない。子守唄を歌うこともできない。
それどころか、もはやこの世にいないかも知れない。

 

それでも、暗い箱の中に閉じ込められていくような絶望の日々の中で、最高の親になろうと父は抗い続けた。

その叫びだけで、愛は充分伝わるんじゃないかと思った。

 

父親にとって、自分はかけがえのない存在だった。
そう感じることで自分を大切にしよう、いつか自分も父になろう、と思えるのだと思う。
そうやって受け継がれていく命こそが、最高のギフトなのかも知れない。

 

実はあさチャンでやっていたのは現在ヒューマントラストシネマ有楽町などで放映中のドキュメンタリー映画『ギフト 僕がきみに残せるもの』の宣伝でした。

 

transformer.co.jp

 

全米が泣いた、とかキャッチコピーはベタですけど、私はたった5分ほどの映像で号泣してしまいました…。

映画館は想像しただけで脱水症状になりそうなのでやめておきますが(こういうのホントに弱いからダメー!一人でこっそりDVDを見たい)、TVを見なかった方、興味が湧いた方はいかがでしょうか?チャリティコラボ前売り券もありました。

 

叫ぶことしかできない、と本当に叫び声を上げるシーン、是非あなたにも見て欲しいです。こんな悲痛があるだろうか、と映像が頭から離れないのです。
そして子どもと向かい合う、希望に満ちた笑顔も。