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寝ない子デブる?-『脂肪の科学』とホルモンバランス

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『脂肪の科学ー痩せりゃいい、ってもんじゃない!』という本を読んだ。
著者は最近ライザップでダイエットした森永卓郎さん、医学博士の柴田 玲さん。

メタボ代表・森永卓郎と、脂肪細胞研究の第一人者柴田玲が対談形式で脂肪細胞が出しているホルモン、アディポネクチンについて分かりやすく解説する、という一冊である。

今までただの厄介者と思われていた脂肪だが、近年脂肪細胞には、食欲を操る、血管を修復する、糖尿病・癌を予防するなどの働きがあるのではないかと見直されて来ている。

脂肪は必ずしも悪ではない、太りすぎず痩せすぎない、脂肪細胞が理想的な大きさである時(つまり標準体型)が一番アディポネクチンが分泌され、結果的に健康で長生きできる、という話だった。

 

なお「アディポネクチン」の説明はこちら。

www.healthcare.omron.co.jp

 

『脂肪の科学』で語られる痩せる秘訣は至って普通である。

体を動かし、健康的な食事をし、よく眠ること。

ホルモンの分泌は1ヶ月ほどで変わってくるのでダイエット後はそれを維持するのが大切だそう。とにかく太りすぎでも、痩せすぎでもない体型を維持させるのが健康には一番、という話だった。

40過ぎて付け焼刃ではない、無理なく恒久的に続けられるダイエットを探していた私、結局当たり前の生活習慣が一番なのだな、と納得した。

 

この本、分かりやすいし読みやすいけど発行から年数が経ちすぎているのであまり推奨しません。個人的にはいい本だった。

痩せりゃいい、ってもんじゃない!―脂肪の科学 (文春新書)

痩せりゃいい、ってもんじゃない!―脂肪の科学 (文春新書)

 

 

睡眠と女性ホルモン

 

『脂肪の科学』の中で何より大切だ、と言われていたのが睡眠時間である。
どんなに健康的な生活を送っても、睡眠時間が足りなければアディポネクチンは分泌されないそうなのだ。

 

40代前半、だんだん更年期が訪れる頃合いの私、今一番気になるのはやっぱり女性ホルモンの分泌である。

納豆を毎日1パック食べたらいいのか、豆乳も飲んだ方がいいのか。
女性向けのサプリもたくさんあるし、それなりに努力はしているつもりであった。

ところが忙しかった今年の夏、自分の時間が取れなくてついつい睡眠時間を犠牲にしてしまった。 そのツケは翌月、目に見える形で帰ってきた。

月に2回来る生理、大量出血…!

貧血でクラクラしながら婦人科へ行くと、女性ホルモンをぐっさり注射された。
もうそんな時期が来てしまったのか、納豆も豆乳も取っていたのに、養命酒?命の母は効きますか?と錯乱しながら医者に尋ねると「まずは1日8時間寝なさい!」と怒られた。

先生曰く、どんなにいい食事やビタミン剤を取っても、睡眠時間が足らなければ結局意味がない、というのである。

理想は一日7時間。体調不良や改善したい症状がある時には+1時間で8時間睡眠を取ったほうがいい。それでも改善しなかったら長期的なホルモン療法を考えていきましょう、という話だった。

就寝時間が24時を過ぎがちだった私(起床は6時)、なんとか23時までには寝るようにして一日7時間、早く寝られるときは8時間目指して1ヶ月頑張ってみた。

再度病院で測ってもらった女性ホルモンの数値は正常!
すげえよ睡眠…。

高いお金を出して色んな薬を飲むよりも、まずは規則正しく寝ることが大切なのかも知れない。そういえば99まで元気だった私の祖父は、水戸黄門(16時)を観ながら晩御飯を食べ、20時には寝る、という生活だった。

今の私には到底真似できない生活習慣だけれど、早寝早起きが祖父の健康、それから長寿の秘訣だったのだろう。

 

脂肪細胞と新しい学説

 

最後に、本の中で気になったのは人間の脂肪細胞の数は3歳の時に決められる、という一節。

脂肪細胞が多い人は太りやすいし、少ない人は太りにくい。
だから小さい頃太っていた人はより注意をしなくてはいけない、という話だった。

子どもの時の体型が将来を決める、というのは昔から言われているし、幼児期の肥満が将来に響く、と母子手帳にも書かれていた気がする。
確かに小学校の時の友達を思い出すと子ども時代太っていた人は大人になっても変わらない人が多い。

しかし最近その話に相対する学説が出てきた。

DOHaD(ドーハッド)仮説。
Developmental Origins of Health and Disease、直訳すると「健康と疾病の胎内発育起因説」。胎児期の発育が悪く、低体重で出生した者は成人後に生活習慣病を発症しやすくなる、という学説である。 

DOHaDとは | 昭和大学DOHaD班

この学説は未だ仮説であるようだが、一つ腑に落ちない点がある。

低体重出生、つまり未熟児の子どもは小学生くらいまで小柄で低体重な子が多い。
幼少期の脂肪細胞数うんぬんはどうした?と疑問に思ってしまうのだ。

しかしここでアディポネクチンの話を思い出すと、痩せすぎも太りすぎも悪い、というのはこういうことなのか?と納得できる気がした。

 

しかしデブもダメ、ガリもダメとは厳しすぎやしませんか、脂肪細胞さんよ…と愚痴りたくもなるのだが、医者曰く、思い悩む暇があったら寝ろ、なのである。

賢明なる読者諸君、このブログを読んだら早く寝るべし!
ネットサーフィンすんな!ブクマは許す!(何様?)

 

ねないこだれだ (いやだいやだの絵本)

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DOHaD その基礎と臨床―生活習慣病の根源を探る:胎生期から乳児期までの環境と成人期の健康問題

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