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『世界一の生産性バカが一年間、命がけで試してわかった25のこと』が面白い3つの理由

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『世界一の生産性バカが一年間、命がけで試してわかった25のこと』という本を読んだ。職場の同僚から、これ面白かったよ、オススメ!と言われて借りたのだが、実は正直渋々…と言った感じだった。

だって、タイトルから漂う、意識高い系ビジネスマンのかほり…

主婦&平社員の自分と接点あるかなぁ、と恐る恐る読み始めたのだが(オススメされて借りたからには感想を言わなくてはいけないという小市民的発想)これが思いがけず面白かった。

 

世界一の生産性バカが1年間、命がけで試してわかった25のこと (T's BUSINESS DESIGN)

 

この本の著者、クリス・ベイリーは、高校生の頃から「生産性」に興味を持ち始める。 生産性とは、生産諸要素の有効利用の度合いである。

ベイリーは生活の中の生産性を高めることで1日有意義に使える、自由時間が増える、と主張し、大学卒業後の一年を「生産性の1年(A Year Of Procutivity)」略してAYOPと名付け、プロジェクトをスタートさせる。

その一年間の成果がこの本、『世界一の生産性バカが一年間、命がけで試してわかった25のこと』であり、彼が学び取った生産性を向上させる方法をなんと25個も学べる一冊…なのだが正直彼が教える25の項目は割とどうでもいい。

重要なタスクを見極める、タスクを三つに絞る、集中力がアップする時間帯に最も重要なタスクを持ってくる、瞑想を上手く活用する、などなど。

なるほど、と思える項目もあるがどこかで聞いたような話が多い。
25項目がつまらないなら、なぜこの本が面白いのか?

それはこの本の著者の生産性バカっぷり。
1週間で35時間瞑想する、1ヶ月間飲み物は水だけにする、自家製ソイレント(栄養機能食品)を作ってみる等々。

彼が25の法則を発見するために費やした1年間の試行錯誤がめっぽう面白いのである。

残念ながらベイリーの発見した『生産性を高めるための25の法則』はどっかで読んだ感がめっちゃ高い。
それは仕方がない。彼はこの一年間で生産性と名のつく本、役立ちそうな本を読み漁り、それを自分で実践してみた、その経験談をまとめているのだから。
つまりは体験レビュー。

しかしながらその何でも試した一年間はオリジナリティに溢れている。
生産性のプロに俺はなる!と就職を蹴り、奨学金の返済に怯えながらもわずかな貯金で食いつなぐ。

生産性やビジネスに関する本を読み漁り、これ!と思ったものは片っ端から試してみる。もちろん失敗も多い。

そうして学んだことを自分のウェブサイトに書き込んでいく。
彼は私たちが身近に感じるブロガーでもある。3つの法則やら25のことやら、数字にこだわるあたりがいかにもそれっぽい(ちなみに今日の記事のタイトルの3つの理由、もそこからパクってきた。正直私は数字を書けば読まれるなんて馬鹿じゃねえの、と思ってるけど。25とか、誰も数えないでしょ?)。
 お金のない1年間でも自分のブログには広告を貼らない、なぜならそこはお金を儲けるためにやっている場所ではないからだ、なんて意地もほほえましい。
どっかで見たよね、こんな人。

とにかく彼の1年間は面白い。
1週間で35時間も瞑想してみるが生産性とは程遠いことに気づく。 夜型人間なのに朝型を目指し、毎朝5時半に起きてみるものの夜遊びがしたくて人生に絶望する。 食事を作る時間を節約するために自家製ソイレントを作るが、美味しいものが恋しくてブログが食べ物の話で埋め尽くされる。

取り入れた法則は他人からの受け売りでも、評価するのは自分自身だ。
そして生産性を高めるためには余暇時間の使い方が大切なのだ、と気が付いていく過程がいい。

運動や瞑想、何を食べるかから友達との夜遊びまで。
一見無駄に見えることでも、自分にとってはかけがえの無い楽しみもある。
人生からすべての無駄を取り除いてしまうと、モチベーションの低下に繋がり、結局は生産性を低下させてしまう。

つまりこれは単純に生産性を上げる25の法則を教える本じゃない。
クリス・ベイリーという若者が、自分にとっての生きがいとは何なのか?を知っていく物語でもあるのだ。

『世界一の生産性バカが一年間、命がけで試してわかった25のこと』はなんだかアンバランスな本だ。

売り方はとにかくあざといし(表紙も数字も、内容にあまり関係のない4コマ漫画がついている所まで。ちなみに同僚はFORTUNEのベスト・オブ・イヤー受賞!のキャッチコピーに釣られて読んだそうだ。FORTUNEって何?と聞いたら知らないと言っていた)25のことは他人の受け売りばかり。 多分人から勧められなかったら手に取らなかった本だろう。

でも中身には20代の若者の、とりあえず1年間死に物狂いで頑張ってみました!感がぎっしりと詰まっている。

その瑞々しさがなんだか表紙とそぐわなくて、アンバランスだけど面白い。

普通は生産性を高めるために一日8時間も瞑想しないと思う。修行僧か?
他にもお金がなくて彼女のお父さんちに同居させてもらったからネガティブになったり、十日間一人きりで地下室にこもる実験を行い、やる気をなくしたり。

著者、クリス・ベイリーさんには是非これからも生産性バカ道を追究して行ってほしいと思う。10年20年30年、是非ライフワークにして欲しい。
そしていつかまとめ上げる『生産性を高めるためのコツ・完全版』こそが本当の意味で人の役に立つ本になるのだろうな、という気はする。

でも若者のフレッシュな、1年間死ぬ気でやってみた本、としてはすごく面白かったので、そういう読み方をするならこれはとてもオススメな一冊です。

理由、ちゃんと3つあった?

 

世界一の生産性バカが1年間、命がけで試してわかった25のこと (T's BUSINESS DESIGN)

世界一の生産性バカが1年間、命がけで試してわかった25のこと (T's BUSINESS DESIGN)

  • 作者: クリス・ベイリー,Chris Bailey,服部京子
  • 出版社/メーカー: TAC出版
  • 発売日: 2017/09/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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