おのにち

おのにちはいつかみたにっち

本末転倒チェックリスト

「チェックリストは苦手なのよね」

そういわれた日のことを唐突に思い出した。
10数年前、手続きに膨大な書類が必要な窓口に勤めていたころの話だ。

短い白髪を奇麗な赤に染めて、グレンチェックの洒落たコートをまとった女性が、必要なものが多すぎて忘れそうと笑った。

私はよく分かります、と頷いてチェックリストを差し出した。
大きく読みやすい文字で、必要書類が分かりやすく箇条書きされた、A4サイズのチェックリスト。こちらの書類を揃えればお手続きは簡単に終わります、という塩梅だった。

ところが女性は苦笑いしてこう言った。

「チェックリストは苦手なのよね、書類を揃えてチェックを入れるだけで全部が終わった気分になっちゃって。肝心の手続きを済ませるエネルギーが残らないの」

「なんていうか、チェックリストにチェックを入れることが目標になっちゃうのよ。肝心なのはそこから先なのに」

その頃の私はまだ若く、時間の余裕も持ち合わせていたので彼女の気持ちが理解出来なかった。そうなんですね、とお茶を濁して話は終わった。

 

あれから4010余年。押し寄せる白髪肉波シミ小じわ、今ならわかる貴女の気持ち(唐突なきみまろ口調)。

チェックリストで終わった気分、チェックリストが目標。
日々そんなことばっかりだ、脳内のチェックリストに追われて。

 

掃除洗濯布団はフカフカ、毎日三食栄養バランス。
確かに全部達成できた日には満足して眠りにつけるのだけれど、時折目標を見誤ってしまう。

例えば掃除と洗濯が終わらないからと子どもの試合の応援をサボってしまった時。
掃除を終わらせることが、洗濯物を干すことが最終目標ではないのだ。
それらは全て私の最終目標「家族みんなの幸福値を高める」ための一手段にすぎない。

チェックリストをこなすことを目標にしてはいけない。
家の中が多少散らかっていようが、晩御飯が冷凍ピザだろうが、今日は頑張ったねぇ、凄かったじゃん!と喜び合いながら食卓を囲んだ方が幸福値は上がるはずなのだから。

 

小さな目標をクリアしていくと簡単に達成感が得られてそれだけで満足してしまうからいろいろ危険なのである。

例えばステップアップのために日々勉強するのは大切である、資格を取るのも。 しかし一日1時間勉強することにこだわりすぎて肝心の昇進や転職チャンスを得られる場に出かけなくなってしまったり、資格を取るだけで満足してしまって活用を忘れたら意味が無いのである。

ええまさに自分の話ですがなにか⁉みーみーがーいーたーい!

 

…さて、耳なし芳一状態になってしまったところで私の最新☆本末転倒チェックリストを紹介したい。

 

・お酒は週末だけ。
・お菓子や甘い飲み物は摂らない。
・夕食は就寝2時間前までに済ませる。
・運動一日1時間。

 

ダイエットのためにこの4か条を実践すること1ヶ月、ちゃんと達成できているし健康になった気はするのですが…

 

健康過ぎて体重が増えました。
運動、禁酒して睡眠時間もバッチリ、秋のゴハン美味すぎぃ…!

 

で、でも健康診断でウエストが増えたと咎められたことから始まったダイエットだから…肝心なのは体重じゃないの、最終目標は健康のはずなの、でもやっぱり納得いかなーい!

本日の後悔は以上です…

 

ツリーチェックリスト

ツリーチェックリスト

 

 

ネガティブ・ケイパビリティが教えてくれる、萌え絵嫌悪論への抗い方-その2

さて、前回はシュナムル氏によるTwitterでの発言から始まったラノベ表紙問題、NHKの特設サイトに登場したキズナアイが批判されたキズナアイ騒動…そういった萌え絵嫌悪論はかつての有害図書問題の焼き回しなのではないか、そして出版側は待つこと耐えること、つまりネガティブ・ケイパビリティという力で事態を乗り切ってきた、という所までお話ししました。

 

yutoma233.hatenablog.com

 

 

今回は萌え絵嫌悪派はかつてのPTAのような一大勢力となり得るのか?そしてPTAが行った有害図書規制は本当に正しかったのか?というお話です。

 

そもそもかつてPTAが行った有害図書問題とは、本当に子どもを暴力や性的表現から守るためだけのものだったのでしょうか?

もちろん本当に、子どもの事を考えて行動した親も存在したのだろうと思います。

しかしヤングサンデーなどの青年誌にまで規制の手を伸ばすのは明らかにやりすぎですし、1950年代の悪書追放運動では手塚治虫の「鉄腕アトム」までもが焚書の憂き目に合わされています。

私が疑問に思うのは、鉄腕アトムを燃やした人が、月刊マガジンの「いけないルナ先生」を回収に追い込んだ人たちが、本当にその作品のことを知っていたのか?ということです。

1950年代は漫画全てが、そして1990年代にはちょっとエッチな漫画が、その内容に関わらず槍玉に挙げられていたように思えます。

その根底には新しいコンテンツはとにかく避けたい、見たくないという「生理的な拒絶」が隠れていたのではないでしょうか?

 

私自身、なんとなく子どもにYOUTUBEを見せたくない、という不条理な感情に囚われたことがあります。しかし小説に良書と悪書があるように、YOUTUBEが全て悪である、などという不条理な事態はあり得ない訳です。根底にあるのは私自身がYOUTUBEを見慣れていない、という拒否反応だけ。

そんな拒否反応もYOUTUBEのフィットネス動画を見慣れたら止みました。
アニメもマンガもVチューバー動画もラノベの表紙も、あくまでコンテンツの外側にしかすぎません。本と同じく、良いものも悪いものもある。
大切なのは自分の感情が不条理であると気が付くこと、そして苦手なものを学んでみることだと思うのです。

 

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 さて、現代の萌え絵問題に移ります。

 ラノベ表紙問題、バーチャルアイドル騒動は単に萌え絵だけの話ではなくジェンダー論争と複雑に絡み合っています。
今回はシンプルに、萌え絵への嫌悪感だけを議題に上げたいと思います。

 

例えばこちらの児童書の萌え絵化というTwitterまとめ記事。

togetter.com

 

基本は最近の絵本に萌え絵が使われているのは時代の流れである…というもっともな話ですが、中にはやはりこの絵柄は酷い、こうした本を与える親の気が知れないとおっしゃるかたもいます。愕然としたり、違和感を覚えたり。

これもまた、新しいコンテンツへの「生理的な拒絶」なのでしょうか?

  

「なんとなく、気持ち悪い」

 

萌え絵の問題はマンガよりも複雑です。

萌え絵についてはマンガのように見慣れないもの、新しいものという意識よりも、表舞台に出てきてはいけないものという禁忌感を抱いている人が多いのではないかと思うのです。

 もしかしたらその「禁忌」は1990年代の、苛烈なオタクバッシングから生まれた感情なのではないでしょうか?

 

“宮崎勤”を探して

“宮崎勤”を探して

 

 

実は私自身、地元の山中を走る萌え絵のラッピング電車を初めて見かけた時は少したじろいでしまいました。猫と女の子が描かれた可愛い電車に、何故羞恥を覚えてしまったのでしょう?

私の中にも未だ、オタク的要素を表に出すと叩かれるというあの当時の禁忌感が残っているのだと思います。

 でもそれはあくまでも1990年代の苛烈なオタクパッシングを生きた人達、そしてそういう親に育てられた子どもだけに通じる価値観です。今を生きる子ども達は過去の事件など知りません。ただ流行りの絵柄を消費しているだけ。

 昔の絵本も現代の絵本も、絵柄が多少変わっただけで内容は同じです。
人魚姫の露出も同じ、子ども向けですから過度に性が強調されている訳でもない。

 

もちろんエログロ暴力はゾーニングされなくてはいけません。
でも絵本の絵柄が今時だからと言うだけで子どもに与える人の気が知れない、とまでおっしゃるのは行き過ぎではないでしょうか?
きっと鉄腕アトムを焚書にした人達も、その当時はこう信じていたのでしょう。

この本は子どもに悪影響を及ぼすに違いないと。

 

 

私は昭和の有害図書問題も現代の萌え絵嫌悪も、根底にあるのは知らないもの、そしてかつて忌み嫌われていたものへの生理的な拒絶だと思っています。勿論有害図書問題から時が過ぎ、性的なコンテンツが台頭しすぎた感は否めませんが。

しかしこうした拒絶は新しいコンテンツが一般的に普及し始めた時によく起こり得る問題です。NHKに登場したキズナアイに関する騒動などは、正に新しいものへの抵抗感を覚えた方も多かったのではないでしょうか。

 

 さて、では萌え絵嫌悪派はかつてのPTAのように多数派になり得るのでしょうか?
それとも萌え絵やバーチャルアイドルはかつての漫画のように当たり前のコンテンツとしてお茶の間に君臨するのでしょうか?

 

これもまた、時間の問題のような気がするのですよね…だって会津の山中でさえ、かわいい萌え絵電車が走っているのですよ?誰だってそのうち見慣れてしまうと思うのですが。

 

現在Twitterなどで萌え絵への抵抗感を表明しているのは30代over、オタクへの誤った価値観を植えつけられた大人と、そんな彼らに育てられた子ども達ではないでしょうか?

10~20代、多くの若者たちからは既に、オタクは恥ずかしいという意識が消えているように思えます。

 

勿論萌え絵を用いたコンテンツにもゾーニングは必要だと思いますが(成年向けよりも過激な作品が最近増えて来たのでは?)萌え絵のすべてが気持ち悪いなんて論調は10年後には発言者にさえ理解しがたい、古びた感覚となっているはずです。

漫画への抵抗感を時間が解決してくれたように、萌え絵が常識となる未来は多分すぐそこです。

慣れないもの、嫌いなものに抵抗感を覚えてしまうのは仕方がないことですが、もしもそれが言語化しようのない「なんとなく気持ち悪い」という感情論ならば、時間が解決してくれるかも知れないと信じて、曖昧なままにしておくのも前記事で紹介したネガティブ・ケイパビリティ、この世界を生き抜く知恵です。

そして萌え肯定派の私たちもまた、かつての漫画がそうだったように時間が解決してくれる問題だと信じて、口を噤んでおくのが良策なのかも知れません。

 

本当に素晴らしいもの、私たちが愛するものはどんな規制にあってもきっと、滅びないのだから。 

 

 

ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 (朝日選書)

ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 (朝日選書)

 

 

ネガティブ・ケイパビリティが教えてくれる、萌え絵嫌悪論への抗い方

 黄金頭さんのこの記事を読んで、帚木蓬生氏の『ネガティブ・ケイパビリティ‐答えの出ない事態に耐える力』という本を買ってみた。

 

goldhead.hatenablog.com

 

これがしみじみ面白い。
作家であり、精神科医である著者が「人生を生きやすくする負の力=ネガティブ・ケイパビリティ」について語っているのだが、このネガティブ・ケイパビリティという能力こそが、逆境を生きぬくために必要不可欠な力なのではないかと思わされる。


では具体的に「ネガティブ・ケイパビリティ」とはどのような能力なのか?

本の中では『「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力」あるいは「性急に証明や理由を求めずに、不確実さや不思議さ、懐疑の中にいることができる能力」を意味する』と書かれている。

世の中に溢れている「こうすれば、簡単に、苦労なしで問題が解決できる」系の本はネガティブ・ケイパビリティの逆、ポジティブ・ケイパビリティと呼ばれている。

簡単にいえば自分の悩みをスッキリ解決できる、すぐに得られる答えを求める能力がポジティブ、逆に解決しない答えを抱えていても持ちこたえていくことが出来る能力がネガティブ、ということなのだろう。

 

私はずっと、例えば強制収容所のような過酷な環境で、生き残る人と命を落とす人の違いはなんなのかと考えていた。

体力や年齢の違いは勿論、それ以上に不条理を生き抜く意志の力が必要なのではないかと。その意思の力に「ネガティブ・ケイパビリティ」という名前をつけてみれば、実にしっくり収まってくれる。喝采モノである。

早急な解決だけが良策ではないと語る本に、スッキリを覚えるのは我ながら短絡的で矛盾しているのではないか、と苦笑したくもなるのだけれど。

 

萌え絵とネガティブ・ケイパビリティ

 

まぁそんな訳で、簡単に解決できない問題に対して性急に答えを求めない能力「ネガティブ・ケイパビリティ」は多種多様な価値観が言語化されるようになった現代にこそ、必要な気がします。

例えばシュナムル氏によるTwitterでの発言から始まったラノベ表紙問題、NHKの特設サイトに登場したキズナアイが批判されたキズナアイ騒動。

こうしたジェンダーに関わる炎上を見るたびに、短文で簡単に自分の言いたい事だけを発言できるTwitterで、複雑な問題を語るのがそもそもの間違いなのではないかと思ってしまうのです。

強い言葉を吐かざるを得ない意識の根底にはその人が過去に経験した出来事ー強い干渉、もしくは非干渉があるのではと思います。でもそうした根底にある物語はたった140字では書き表せません。そもそも書いている当人ですら、自分の根底にある痛みから目を逸らしている場合もあるのかも知れません。

 

男女共に自分が生理的不快感を感じるものを探し、その根底にある「なぜ」を追求することこそが、各々の解決に繋がると思うのですが、見たくないものからは目を逸らしたいのが人間のサガと言うものです。分かりやすい悪を探し、お気持ちで自粛を要請する。ポジティブで現代的なやり方です。

そもそもTwitterというコンテンツそのものが分かりやすく、インスタントにーつまり「ポジティブ寄りに」出来ている。こうした場所は、置かれた価値観、常識によって答えが変わってくる複雑な問題を語るには向かない、議論の場に適していないと思うのです。

では、どうするべきなのでしょうか?いくらネガティブ・ケイパビリティが大切だと言っても、分断を放置しっぱなしにしておくのはどうも落ち着きません。

 

過激なラノベの表紙や、バ―チャルアイドルのノースリーブ衣装は本当に女性の権利を侵害しているのでしょうか?
私は過去に起きた事件に答えがあるような気がしています。

 

キズナアイと有害図書問題

 

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そもそも萌え絵は本当に、女性の権利を侵害するものなのでしょうか?

私自身はラノベ、アニメ、ゲームといったオタクコンテンツにどっぷり漬かった萌え肯定派の人間です。

ラノベの表紙は昔からあんな感じだし、キズナアイちゃんはマシーナリーとも子の次にカワイイ。衣装だって普通としか思えません。

しかし私の考えがオタク文化に親しみすぎた、歪んだ物なのではないか、と危ぶむ気持ちも多少はあります。

 

権利侵害という言葉を聞いて真っ先に頭に浮かんだのは1950年代ごろから始まった有害図書問題です。

PTAが主体となったエロ、グロ、暴力表現への抗議活動により、各都道府県で青少年保護育成条例が制定され、各知事の指定を受けた性や暴力に対して露骨な表現のある作品は18歳未満に対しては販売してはならない、という制定が出来ました。

1990年代には有害コミック運動が勃発。
当時人気だった「北斗の拳」や「ドラゴンボール」まで暴力的であると批判を受けたそうです。

そして特に槍玉にあげられたのが性的な描写を含む漫画。
月刊マガジンの「いけないルナ先生」やヤングサンデーの「ANGEL」などは書店から回収される騒ぎに。今考えると少し不思議ですね、両誌とも子ども向けではないのに。

今一部のコミックに付けられている「成年向けマーク」はこのときの騒動を受け、それぞれの出版社の自主規制、自主判断でつけられたものなのです。

 「いけないルナ先生」が回収だった時代から考えれば、確かに昨今のラノベの表紙は少々過激であると言わざるを得ません。

シュナムル氏の「ラノベ表紙を気持ち悪いと娘が言った」発言はジェンダー、性の抑圧と一見現代的な要素をまとっているように見えますが、主張自体は1950年代からPTAが言ってきた内容となんら変わりありません。

子どもに性的なものを見せるな、というゾーニングの問題です。

 

有害図書~有害コミック問題は主に子を持つ親が中心となって全国的な騒動になり、多くのマンガが槍玉に上がりました。
親たちが子どもに暴力的なもの、性的なものを見せるなと要求し、その結果多数の本が回収や発禁に追い込まれ、有害図書や成年向けマークと言ったゾーニングが当たり前になりました。

現代のPTAにはあの頃のような活気はなく、マンガもまた子どもに対する強い影響力を失いました。

あの頃のPTAに変わって盛り上がっているのがフェミストと呼ばれる女性達、そしてマンガに変わって槍玉にあげられているのがバ―チャルアイドルや萌え絵のような、子どもたちに強い影響力を持つコンテンツなのではないでしょうか?

全ては形を変えて、同じことを繰り返しているだけなのです。

 

1990年代、マンガに対する強い弾圧に出版社側は本を回収し、販売を停止したりマークを付けたりと配慮の姿勢を見せました。

そして年月が経ち、今や大人も子どもも、マンガを当たり前のコンテンツとして受け入れています。作品の内容に関わらず「マンガを読むとバカになるから子どもには読ませたくない」そんなことを言う親が、かつては本当に実在していたのです。

こうやってかつてはさんざん悪書扱いされたマンガへの評価が変わったのは、やはりネガティブ・ケイパビリティ、すぐに解決できない問題に耐える力だったのではないでしょうか。

マンガを読んで育った世代がそのまま大人になり、マンガが悪いものだという価値観を持つ者が居なくなった。早急に答えを求めず、待ち続けることで事態は改善されたのです。

では萌え絵嫌悪論者にも、そんな風に待つことで立ち向かえばいいのでしょうか?
しかしそもそも萌え絵嫌悪派はPTAほどの勢力を持つ多数派なのでしょうか?
そして子どもを守れとPTAが行った有害図書規制は、本当に子どものためだったのでしょうか?

 

長くなりすぎたので続きはまた次回。
次回は見慣れないものを拒絶する心理というお話です。

  

ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 (朝日選書)

ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 (朝日選書)

 

 

リンダキューブアゲインの思い出

飲み会の席でクリア出来なかったゲームの思い出、という話で盛り上がった。ポートピア連続殺人事件と共に浮かんだのが『リンダキューブアゲイン』である。

ポートピアをクリア出来なかったのは私がまだ小学生で、攻略サイトもない時代(ファミ通頼り)だったせいである。迷路で死にまくり、その後犯人はヤスだと友達から聞いてやる気が失せた。

 

リンダキューブは大人になってから購入したプレステのゲームで、シナリオA、Bはクリアできたのだが最後のメインシナリオ、動物を100種類集めるというのが地味に面倒くさくてクリア出来なかった。つがいを揃えないとダメとか、一撃で倒すと体が飛び散ってしまい捕獲したことにならないとか、色々設定が厳しかった思い出が。

 

リンダ キューブアゲイン PlayStation the Best

リンダ キューブアゲイン PlayStation the Best

 

 

そんな訳で結局私の箱舟は旅立たなかったのだが、このゲームのことは今でも記憶に残っている。猟奇的で暗いストーリー、気味の悪い動物たち。

 

さすがに飲み会の席で他人に勧められるようなゲームではないので、ブログで勧めておくことにした。残念ながら今はPS3かPSVitaがないと遊べないようですが。

 

一番好きだったのが、日が経つにつれて町から人がいなくなり、廃墟を歩いているような気分になれる所。

隕石が落ちて滅亡することが決まっている惑星から、様々な動物を救うために箱舟に集めて旅立つ主人公と、その彼女の物語なので、箱舟に乗らない他の住人達は普通に宇宙船で他の惑星へと、一足先に逃げ出してしまうんですね。

誰もいなくなった都市は異様で、素敵なんだけどお店が次々閉店するのでのんびりしていると何も買えなくなってしまうという難易度の高さ…

 

 

田中達之作品集CANNABISWORK

田中達之作品集CANNABISWORK

 

 

 田中達之さんの絵も暗くて大人っぽくて、好きだったなぁ。

終わりを迎える惑星に、最後に残った者の物語。
小説だと『屈折する星屑』というタイトル通り屈折した青春SFもオススメ。
舞台設定も物語の救いの無さも、どこか似ています。

 

屈折する星屑 (ハヤカワ文庫JA)

屈折する星屑 (ハヤカワ文庫JA)

 

 

明るく希望に満ちた物語も好きだけど、暗くて辛くて、救いの見えない物語に惹かれる時もあります。

誰もいない町で、何処に行くかも分からない舟に乗せる凶暴な生き物を集める。己の仕事に疑問を覚えながらも暗い雪の中をさまよい歩き、動物を爆殺して捕獲失敗、時には返り討ちに合い、武器が買えずに行き詰まる…。

お金も時間も足らない、ままならない人生のような物語。
それがリンダキューブなのです。

…えっと、ゲームがあまりにもリアルに世知辛すぎて、色々悲しくなってきましたが…
とにかく今日はリンダキューブが好きだったよ、という浅い話でおしまいです。

それではマタンゴ。

 

なにごとも継続なのだ-ダイエットの続け方

なろう小説沼(本好きとか無職転生とか。主人公が生まれてから大成するまでを描く成長モノって長編ほど面白い)にどっぷりとはまり込んでしまい、ブログを書く暇が無かった今週。

 

本好きの下剋上?司書になるためには手段を選んでいられません?第一部「兵士の娘I」

本好きの下剋上?司書になるためには手段を選んでいられません?第一部「兵士の娘I」

 

 

今日書かないと1週間休みになってしまう!と慌ててパソコンを立ち上げました。
週に2~3記事が私の更新目標です。

緩い目標だけれど、なんとか今まで達成できていたので、今週もサボらずなんとか書きたい。自分で決めた目標を守らないとそのままズルズルダラダラ、書かなくなってしまう未来が目に浮かびますから…。

 

ダイエットは永い友?

 

何事も継続、目標を守ることが大切。
それって人生の色んな事に当てはまりますよね。

私が今一番重要性を感じているのは『ダイエットの継続』です。
先日、健康診断(主に腹囲)でいやっちゅうほど思い知らされてきました。
今年は悪魔に負けたんだパトラッシュ…!

 

yutoma233.hatenablog.com

 

アルインコのエアロバイク買ったけど、運動したから食べていいじゃダメやねん…!

今はナイキのトレーニングアプリ(無料。NTCとかいう奴。貼るの面倒なので自分で検索してね)と、あすけんのアプリ(これも無料。食事のカロリー計算が出来る)をスマホに入れて、継続しようと頑張りはじめたところです。

 

このナイキのアプリが結構良くてですね、動画をみながら10分程度の筋トレをするだけなのですが、デスクワークで運動不足気味の女性なら確実に翌日筋肉痛になれるのではないでしょうか。つか私はなりました。ええ、バッキバキです。

筋肉痛の日はエアロバイクで有酸素運動、その次の日はナイキ…と交互に運動しています。時間は短いですが何事もやらないよりはマシ、と信じて継続。

 

ナイキはトレーニングを終えるごとに自分でチェックを入れる形式です。
初心者向けコースは4週間、週に何回運動するかを自分で決めて、その回数に合わせて日々違うメニューを組んでくれる。

こういう達成していく型の運動って、ゲーム好きな私には向いてる気がします。

空白の持ち物欄とかマップを全部埋めてからクリアしたいタイプだったので、チェックリストとかむっちゃハマるんだよう…!

 

Basic Training Bootcamp [DVD] [Import]

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ビリーズブートキャンプも同じような理由でハマり、全メニューこなしました。ビクトリー!

ただしゲーム型やりこみ派にも弱点はあります。
それは全てやりきると満足してしまい2周目がないことだっ…!

ビリーのときはそれでも若かったので2年くらい痩せてたんですけどねー。
今は歳のせいか筋肉が落ちるのがむっちゃ早くなってしまったので、とにかく継続あるのみです。

ナイキもクリア間近になったら別の何かを探さないと。
ビリー、カーヴィーダンス、TRFのエクササイズ、YOUTUBEのダンス動画など、今まで様々なものにハマってきました。

どれも痩せます、ただし全部覚えちゃうと飽きる。
ゲームと同じと割り切って、クリアしたら次のソフトを探すのがダイエット継続のコツなのかも知れませんね。

そんな訳で天高く馬肥ゆる秋、お互いブログもダイエットも継続できる方法を探しながら頑張っていきまっしょい!

 こちらもいちおう続けたいのですが…既に飽きる予感満載!?

   

一晩でバーチャルYouTuberになれる時代到来!?カスタムキャストでニコキャス初体験。

人気ブロガーけいろーさんのこちらの記事を読んで、勢いでアプリ『カスタムキャスト』をダウンロードしてしまいました。

 

blog.gururimichi.com

 

すごいぞ!『カスタムキャスト』、『ニコキャス』、二つのアプリをスマホに入れるだけで、あなたも簡単VTuberに!
バーチャル時代キター!って感じですね。

 

今日は午前中が息子の試合の応援、午後は家族でお出かけだったんだけど、合間時間にちょこちょこ設定してたらなんとか素人でも出来ました。私のiPhoneの設定が長押しじゃなくて強く押すになってること気がつかなくてしばらく連携できなかったんだけれども…

 

そんな訳でこちらが私の作ったアバター達です。

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可愛くないっすか!?実物と違う?知ってるわーー!

 

なんか乳周りばかりが入念に設定できるあたり、キズナアイ事件が脳裏に浮かび大丈夫か…と戦慄しましたが。基本着せ替え人形感覚で楽しい。もう少し女性目線欲しかったけどwスカート丈が調節できたらロングドレス風になって更に楽しかったかなー。
運営さんどうかお願いします(*´∇`*)

なお、何をどうしても美少女にしかならないので自分に寄せるのは諦めて、思い切って理想を追求してみました!

そんな訳で憧れのロングヘア!
くせっ毛なので伸びてくると収拾がつかず切ってしまう私。アバターはみんなロングにしてみました。セーラー服も着たかったんだ…いいよねーバーチャル。
みんな生身を捨てバーチャルで話そう、きっと楽しいぜw

 

しかし生身を捨てても中身は自分のまま。
誰も聞いていない第一回はさんまの炊き込みご飯の話をしました。
生 活 感 ...!

 

大勢の前で話すの下手くそなんで、練習に...と思ってはじめたラジオトークが挫折気味なので、今度はこちらで頑張ってみようかなぁ。まぁすでにネタ切れ気味なんですが。

いつか書くことと同じくらい喋ることも楽しくなれたらいいのですが…
そんな高望みをしながら、細々もう数回は配信したいです(目標低っ

 

次回はTwitterであらかじめ告知してからやりますんで、もしよろしければTwitterフォローお願いいたします…!

 

 

それではまたっ。

 

40代ですが40代に蹴られました

月980円で読み放題の、Kindle Unlimitedを利用している。
実際には読み放題より借り放題という言葉の方が実際にそぐうサービスだが(返却が必要)有料図書館だと思えばそれなりに便利。

ただしラインナップに偏りがある&読める本が定期的に変わるので、読みたい本が揃っている月だけ入会するようにしている。
入りっぱなしだと結局読まなくなって会費だけ払うようになってしまったり、勿体ないですからのう…(貧乏性)

さて、そんな貧乏性なので入会している間は普段読まないような本もどんどん借りて読む。 定額制だと数ページで辞めても惜しくない。そんな気楽さが嬉しい。

最近ではホリエモンの『多動力』が面白かった(現在はUnlimited対象外)。
いくら彼の著作を読んでも、メルマガを購読したとしても、真似なんか出来っこないじゃん!という独自性が凄い。

もちろん玉石混淆で、読んで良かった、後日紙の本も買いたいなんて思える名作と出会えることもあれば数ページで合わないと諦めてしまう本もある。

 

さて、私は基本つまらないと思った本のレビューは書かないことにしている。
面白いとかつまらないとか、その感想はあくまで私の主観でしかないし、時間のムダ、なんて正直にレビューに書いたらその本を本当に必要としている人に届かなくなる。

『すごくつまらない、時間のムダだった』という人と『とても面白かった!泣けました』という人が両方存在しうるのが本の当たり前なのである。

だから「その本がつまらなかった」のではなく、私が「その本のターゲット層ではなかった」のだろうと、大人しく本を閉じている。普段は。

だがしかし…
今日はどうにも喉の奥に小骨が刺さっているので、ほんの少し愚痴を言わせてもらいたい。苦手な人はここで離脱しちゃってください!

 

さて、私が読んだのは手軽なコミックエッセイである。
40代の日常あるあるネタを軽いタッチで描いていく。白髪、物忘れ、体力...読みやすく共感しやすい話ばかり。

しかし後半に思いがけないどんでん返しが待ち受けていた。

 

だって40なんだも?ん!

だって40なんだも?ん!

 

 

ある時、町で高校時代の同級生にすれ違った作者。
かつてはプライドが高かった彼女が今やスニーカー、垂れ下がった尻におばさんクサい恰好、やつれたスッピン姿で歩いていた。 これが43歳の現実なのか…とショックを受け声もかけられない。

でも…!私は40代になっても美味しいものもオシャレも大好き、情報ツウで人気者。
若い頃となんら変わらない、私は私なりに40代の真実を作っていこう!そう気を取り直し、 END。

 

ちょ…待てよ!

あ…ありのまま起こったことを話すぜ…俺は自分ら世代のあるあるネタを楽しく読んでいたつもりだった…しかし終盤に突然日曜日の自分が登場、仲間だと思っていた作者はそんな俺にショックを受け、でも自分は違うもんね♡と後ろ足で砂を掛けていった…な…何を言っているのか分からねーと思うが俺もなにをされたのか分からなかった...恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

 

例えば10代20代向けのティーン誌で、テンプレ通りのおばさんを登場させ『ああはなりたくなーい』と嘲笑うのは昭和の時代からのお約束である。今さらとやかく言わない。他にもギャルがオタクを嘲笑うとか、決して許されることではないけれど属性の異なる者同士が理解できない、と互いに悪口を言い合うのはよくある話である。

 

でもまさか、白髪が増えたとか物忘れが増えたとか、さんざん40代あるあるを描いてきた作者が「でも私はあんなおばさんじゃないもんね」的オチを持ち出すとは思わなかった。 このラストはなんなのか。どこ目線なのか。

さすがにこれはインディーズだろ、読者目線を持てなかっただけだろ…?と裏書きをみたら主婦の友社だった。 いいのか主婦向けでこのネタ!?編集者つかなかったのかな?

怒りとかつまらなさ以前に驚愕を覚えた。なかなか味わえない読後感だった。

 

とにかく『○○に比べたら幸せ』みたいな比較は非常に愚劣な行為だと思う。 自分の幸せくらい誰かと比較検討しなくったって分かるでしょうがバカチンがぁ!

○○よりは幸せ、と自分の心を慰められるのはアンネ・フランクのように本当に苦境に置かれた人くらいだ。 収容所送りにされた友よりは幸せなのだから、と己の境遇を慰めるのは生きるための最終手段だから仕方ない。

 

でも、もしも。
おしゃれで美味しい物や流行をたくさん知っているはずの作者が。
あの友達よりは幸せ、という基準でしか自分を慰められないのだとしたら?

それはとってもスースーしてくる想像で。
冷たくなった秋の風と相まって私の心を凍てつかせたのでおでん煮ました...

おでん熱っつ! くらいでいいじゃんねぇ、幸せなんて。
誰かよりは幸せ、なんてコスい幸せに浸るよりおでん汁ダクにしとけやでんでん!
それじゃ昆布もグダグダになった所で今日はおしまいっ!

 

おでんくん―あなたの夢はなんですかの巻

おでんくん―あなたの夢はなんですかの巻

 

 

こんなオチじゃアレなので面白かった本も紹介!

 『玉妖綺譚』は宝玉に宿った精霊を使役し魔を倒すという『破妖の剣』を思い出すファンタジー。文章が綺麗で正統派児童文学の匂いがする所が好き。続き買います!

玉妖綺譚 (創元推理文庫)

玉妖綺譚 (創元推理文庫)

 

 

『名探偵の証明』は名探偵とは何ぞや?を描いたハードボイルドミステリ。メタな雰囲気が好きなシリーズ。苦悩を抱えた名探偵蜜柑ちゃん良いっすよ…!

名探偵の証明 《名探偵の証明》シリーズ (創元推理文庫)

名探偵の証明 《名探偵の証明》シリーズ (創元推理文庫)