表題通り。
今月はなろう小説にハマってしまい相当数読破したので、オススメ順に感想を書いていきます。
1・本好きの下克上
『小説家になろう』の完結小説を読み始めるならまずはこれから!
私がなろう小説にハマったきっかけは『本好きの下克上』第一巻を図書館で借りたことからでした。面白すぎて続きが即読みたくなり、結局サイトから3日ほどで読破してしまいました。
前世(極度の本オタク)の記憶を持ち、魔法の存在する異世界に生まれ変わった少女が活躍する異世界転生ファンタジーですが、めぼしい敵はおらず、主人公の目標も本に囲まれた生活を送ることと至って現実的な部分が面白い。
知識はあるけれど体力0ですぐ死にかけるという虚弱設定も物語を盛り上げてくれます。 世界設定も良く練られていて、荻原規子さんの「西の善き魔女」を思い出しました。児童文学のかほり漂う良質のファンタジーです。
小説家になろう「本好きの下剋上」へのリンク
http://ncode.syosetu.com/n4830bu/
2.無職転生~異世界行ったら本気出す
トラックに轢かれて命を落とした30代無職引きこもり男性が異世界に生まれ変わり、今世こそは本気出す!と成長していくファンタジー。
「本好きの下克上」もそうですが、幼少期、少年期、学園編とパート毎に分かれていて共感しやすく読みやすい構成になっています。
エルフの幼馴染、格闘系お嬢様、合法ロリ先生が登場するハーレム系ですが、主人公の家族が主要な登場人物になっている所が面白い。
強く、勝てなかったはずの父親がいつのまにか腑抜けて自分を頼り切っていて…みたいな家族ドラマがハーレムものに混じってくるの、ちょっと珍しいですよね。
男友達が主人公の添え物じゃなく個性を持ったメインキャラクターとして物語に絡んでくるところも良い。
単なる恋愛ハーレムじゃなく、家族、友情という絆を描こうとしている所が面白かったです。
そういえば前段で紹介した『本好きの下克上』も両親や姉といった血縁者が重要なキャラクターとして最後まで登場するんですよね。
私が子どもの頃読んだファンタジーは主人公が孤児だったり、孤独なパターンが多かったのですが…いつごろからファンタジーの世界に家族や、大世帯の仲間たちの登場が増えたのでしょう?
子ども部屋のように個(孤)の時代から、シェアハウスなどの全体で共有する文化へ社会が移り変わって来たことが、物語世界にも反映されているんでしょうか?
どの時代から物語の様式が変化してきたのか、調べたら面白そうです。
話が脱線してしまいました。
そんな訳で無職転生、なかなか盛り上がるファンタジーでした。
残念なのはラストが少し静かすぎる所かな?
続編があるのかも知れませんが、ここから先は別のお話…的な〆は少し盛り上がりに欠けました。
https://ncode.syosetu.com/n9669bk/
3.盾の勇者の成り上がり
これはちょっと人を選ぶ作品かも知れません。でも物語の設定がきっちり練られていてラストも盛り上がり、面白いです。
ただ…主人公がゲスい。あまりにもゲスすぎる。
普通の、ちょっと孤独なオンラインゲーム好きの大学生が別世界に召喚され勇者となる、しかしスキルがショボかったことから差別やとんでもない裏切りを受け一人城を後にする…というツラミな地点から物語が始まるので仕方がないのですが。
主人公の強さの根源も「恨みつらみ」ですからね。FFのトンベリかっ。
終盤村を作り、たくさんの仲間を作るあたりでだいぶ報われてはくるのですが、そこまでの恨み満載過程がちょっとキツイしゲスい、それに残酷要素満載。
ただこれだけアクの強い、個性が前面に出てくるファンタジーって珍しい。
自分の好きに書ける「なろう小説」ならではの物語ですね。
しかし世界を襲う波の襲来や異世界融合という設定は『幻想水滸伝ティアクライス』やん⁉と思いましたが… 多分読んでる中高生は知らないのでネタバレせずに済むのでしょう。私はオチが分かってしまってちょっぴり興ざめしました。
https://ncode.syosetu.com/n3009bk/
4.聖女の魔力は万能です
こちらはまだ完結していないのですが、「本好きの下克上」のように文章が綺麗で読みやすく、丁寧な設定が好感度大の作品。
ハードワークで疲れ切ったヒロインが世界を救う聖女として異世界召喚されるのですが、一人のはずの聖女がなぜか二人も。
一人は可憐な女子高生、ヒロインは疲れ切ってクマを作ったメガネの会社員。
王子さまは女子高生を聖女認定し残されたヒロインがブチ切れる…という所から始まるファンタジー。
社畜体質なヒロインは平穏な王宮暮らしに落ち着かず、放置されているのを良いことに植物研究所でポーション作りに精を出します。この製薬作業が「エリーのアトリエ」っぽくて楽しい!
物語は今だ中盤?なのですが、聖女の力の源に読者はほとんど気が付いている、知らないのはヒロインだけ…くらいの地点で止まっております。
くっそうイチャイチャしやがって…っ!世界を救うのは所詮愛なのかよ⁉とヒロインのスローテンポな恋愛に地団駄を踏んで下さいw
https://ncode.syosetu.com/n8139dg/
5.竜の子を産んだら離縁されたので森で隠居することにしました
こちらも未完結作品。
書籍版が発売されているのでラストはそちらで読めるのかな?
『竜の子~』は異世界転生ではなく、竜が稀に現れる世界で100年毎に竜の子を産む血筋に生まれた人妻が主人公のファンタジー。
竜の子を産む、といってもファンタジーだから目が覚めたら竜の赤子が…的な話かと思ったら普通に分娩シーンがあって少し凍りました。
ウロコが!爪がっ!
竜の子を産んだヒロインは離縁され、子どもと二人森で暮らすのですが王子様と結局イチャイチャしやがってリア充爆発しろ…という物語。
ヒロイン人妻、出産、子育てという展開が面白いですね。
ボリュームも文庫本一冊分くらいなので長大な『なろう小説』群の中では読みやすいと思います、完結してないのですが…。
https://ncode.syosetu.com/n4895df/
6.借り暮らしのご令嬢
ちくしょうイチャイチャしやがってシリーズパート3!
美しい伯爵令嬢から蔑むような眼差しで見られたことを根にもっていた貧乏騎士の主人公は腹いせとして没落した彼女を使用人として雇い入れます。
「ざあまみろ、こきつかってやる!」
…とあらすじは黒いのですが主人公が朴訥とした働き者でイイ奴、ヒロインも当初から素直で素朴ないい子なので実際はものすごくほのぼのとした恋愛ものですw
食べ物やドレス、建物など描写が丁寧だから絵が浮かんできて楽しい。
登場人物もみんなほのぼのしてますし。
可愛らしく優しい、童話のようなファンタジー。
こちらも文庫本一冊程度のちょうど良いボリュームなのでサクッと楽しめます。
https://ncode.syosetu.com/n8162dc/
7.武姫の後宮物語
行き遅れの軍人令嬢が帝国の権力争いに巻き込まれ、後宮へ。
愛憎渦巻く後宮で、優しい年下皇帝に思わずときめいてしまうのだが…。
前半は恋愛に疎い元軍人のヒロインが不慣れな後宮でトラブルに巻き込まれるというありがちな展開ですが、なぜかお嬢様だらけの宮中でブートキャンプを始めてしまうあたりから物語は急展開。
ひたすら筋トレ、体力、バイオレンス。
筋肉は世界を救うという素晴しく脳筋な物語でした…どうしてこうなった…
美人なのにおバカで人間を超越したヒロイン、ヘレナが可愛いです。
完結済みなのでイッキ読みできます。少女マンガチックなのに格闘やらサバイバルやら、いろんな要素が混ざっていて楽しいですよー。
https://ncode.syosetu.com/n1037cw/
8.夜伽の国の月光姫
とある小国に美しいお姫様が一人。しかしお姫様は人とは違う白い髪と赤い瞳を母親から忌嫌われ、高い塔の上に幽閉されていたのです…。
なんて童話のように美しい設定のファンタジーなのですが、さすがはなろう小説。
お姫様の前世はひきこもり気味、酒とギャンブルピンサロが大好きなおっさんだったのです…!
そんな訳で塔の上から王子様に救い出されたお姫様は、『理想の引きこもり生活をぶち壊しやがってこのリア充野郎がッ!」と王子を逆恨み。
王子様とのラブストーリーならぬ、いかにして優しい王子様をぶちのめすか?という逆襲型コメディドラマが幕を上げるのです。
タイトル同様、静かで美しい表紙ですが静謐なファンタジーを想像していたら詐欺に合いましたが(笑)ピントの外れたヒロイン(おっさん?)アルエがとにかく可愛い。
眉目秀麗、言葉遣いはたどたどしい幼女キャラなので周りから愛されまくってますが中身はおっさん、見た目は月光、特技は激昂というブチ切れキャラです。
中身がおっさんなのでもっと男性向け展開になってもおかしくないのですが、基本童話タッチのほのぼのした可愛らしさで女性にも読みやすく、楽しめます。
第一部は完結済み、今は第二部が連載中です。
かわいいお姫様(だがおっさん)とネズミの執事の可愛らしいファンタジー、ほのぼのしながら爆笑したい方におすすめです!
https://ncode.syosetu.com/n4138ck/
さてさてそんな訳で急ぎ足ですが「小説家になろう」サイトで読める小説を数点、紹介させて頂きました!
今現在も「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった」「金色の文字使い」「北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし」「薬屋のひとりごと」などをブックマークし同時進行で読み進めています。
物語に全身で浸り込める長編一気読みも楽しいけど、色んな本を1章づつ読み進めるのも好きなんですよね。チョコ食べて次はポテチだ!みたいな感じで。
しかしハマりすぎて睡眠時間が足りてません…
とりあえず読書の秋、手軽にファンタジーが楽しみたいなら「なろう小説」なかなかオススメですよ!