おのにち

おのにちはいつかみたにっち

佐藤多佳子「明るい夜に出かけて」感想-夜の底でも明るいどこかへ

佐藤多佳子さんの「明るい夜に出かけて」を読んだ。

主人公は訳あって大学休学中、現在はコンビニのアルバイター。
彼の1年間を描くこの物語には、青春のこそばゆさ、もどかしさがぎゅっと詰まっていて、読みはじめてすぐに引き込まれた。

若者の1人称で誰にでも読み易い、入りやすい物語だと思う。
人と違う自分に生きづらさを感じている人、かつてそんなふうに感じていた大人たちに読んで欲しい一冊。
深夜のコンビニで、行き場のない寂しさを紛らわしたことのあるあなたなら、きっと響く物語です。

 

明るい夜に出かけて


ある事件がきっかけで大学に行けなくなり、実家にも居られなくてコンビニのアルバイトと一人暮らしを始めた主人公富山。

仕事や同僚にも少しずつ慣れてきた頃、深夜のコンビニで変わった客を見つける。
ピンクのジャージ、ぼさぼさの髪。

中学生にしか見えない少女がリュックに付けていたのは富山がいつも聞いている深夜ラジオでネタを採用され、選ばれた者だけがもらえる憧れのカンバーバッヂ(カンバーと書いてあるバッチ)。
富山思わず「カンバーバッヂ!」と声を上げてしまったことで、奇妙な縁が繋がっていく。

 

ラジオ番組「アルコ&ピースのオールナイトニッポン」の大ファンであり、ネタが何度も採用されている『虹色ギャランドゥ』ことヒロイン佐古田。
自身もアルピー(アルコ&ピース)が大好きで、『トーキングマン』の名前で投稿している主人公富山。
それからコンビニの同僚であり、人気歌い手の鹿沢。
主人公の幼馴染で、アメーバピグの配信をやっている永川。

4人が深夜のコンビニで出会って、繋がりあうような作品を作る1年間の物語。
陳腐な感想だけど、すごくすごくすごく面白かった!

おとなしく地味めだけど、ファッションにはこだわりがあり、行きつけの美容院やスタイリングもばっちりなメガネ男子富山。
ピンクジャージで目がくるくる、不思議なセンスだけれど才能に溢れた女子、佐古田。
ナチュラルな性格で女性にモテるのに、不思議ちゃんが好きでつかみどころのない鹿沢。
ぽっちゃり体型、いつも一言余計だけれど打たれ強くて面倒見のいい永川。

他にも厳しいけれど掃除が好きで仕事一筋な副店長のアニさんや、スナックで働く気さくなミミさんなど、様々なキャラクターがみんな生き生きと描かれている。
どの人も姿が目に浮かぶ。

コンビニという店内が想像しやすい場所が舞台なこともあって、脳内で映像化しやすくドラマや映画を見るように楽しめた。中高生でも読める青春物語だと思う。

歌い手、Twitter、動画配信なんて、すごく旬の話なのだけれど、主人公とヒロインがラジオのハガキ職人と言う昭和の私にもわかる設定なので、引き込まれて読んだ。

 

ブログを始めた頃、暗い夜に羽虫を放つような、心もとない気持ちになった。1日1PV、2PV。本当に他の人のパソコンからも私のブログが読めるのだろうか?と不安に思っていたあの頃。
画面の向こうに本当に人はいますか?と問いかけたくなった夜もあった。

やがてTwitterを始めて、雲の上の人だと思っていた人気ブロガーさんと話せたりして、オフ会なんかも行っちゃったりして。

書くことで繋がるキラキラした楽しさを、小さなバッチがきっかけで始まる物語の中にもう一度見つけたような気がした。
誰かに言及したり、されたり。自分の言葉が繋がって、広がっていく楽しさ。

インタビューを通じて色んな人と知り合ったり、まだ数人だけれど実際にお会いした方もいる。アラフォーだし、普通のおばちゃんだから…と腰が引けていたけれど、よく言われるように『今日より若い明日はない』んである。

会った方は皆ブログ通りの語り口で、初めてなのによく知っている、という不思議な既視感があって面白かった。

 

もちろん世界は楽しい事ばかりじゃない。誰かに嫌われたり、暗い夜もある。

物語はそれでも「明るい夜に出かけて行こう」と優しく歌う。
ラスト歌い手の鹿沢がみんなで作った歌を生配信し、衝動にかられた主人公たちが集まるシーンに泣きそうになった。

私はこの歌が聞きたい。
この本を読んだ人ならきっと、いや絶対にこの歌を聞きたいと思うはず!

この本は絶対売れるし、ドラマ化映画化間違いなしだろ!と言う勢いのある作品。
いや、もう頼むから売れてください、本屋大賞とってください、ドラマ化映画化してください。
そして私にこの歌を聞かせてください…!

 

世界は優しいことばかりじゃない。自信を失い、うずくまりたくなる夜もある。
孤独で死にたくなるような夜は、自転車を走らせたらいいと思う。
コンビニ、ファミレス、夜の底でも明るいどこか。

それでも埋め合わせできない孤独なら、#チーズインハンバーグって呟いてみるのもいいかもしれない。
誰かと交わす些細な会話が、きっと暗闇を照らしてくれるから。

私もいつか、あなたに会いたくなりました。
ほんのちょっぴり、寂しさを感じた夜にオススメの1冊。

それでは今日は「明るい夜に出かけて」の感想でした。

 

明るい夜に出かけて

明るい夜に出かけて

 

 

イメージがチータラ

仕事が忙しくて昼食も取れないような日があった。

課長が頑張った女性陣一同に、と奮発してコンビニでお菓子を買ってきてくれた。
きゃーっと色めき立つ私たち。
笑顔でお菓子を配る課長。

ところが、課長の配るお菓子は一個一個ものが違うのである。
しかもランダムではなく、あなたはこれ、あなたはこれ、といちいち確認しながら配っている。

ある人はバウムクーヘン、ある人はクッキー、ある人はフィナンシェ、ある人は豆大福。そして最後に私の番。
袋から出てきたのは…
チータラ。


バームクーヘン、クッキー、フィナンシェ、豆大福、チータラ。
バームクーヘン、クッキー、フィナンシェ、豆大福、チータラ。
国語の仲間はずれを探せ、と言う問題文のようである。


なぜチータラ。
オチか。私はオチ要員なのか。
私は声高に課長を問いただした。

「なんとなく、イメージで…」
イメージがチータラ。

40年近く生きてきて生まれて初めて言われました。
イメージがチータラって。

悔しいけれどなんとなく理解。
甘いものがあまり好きじゃなくて、飲み会はビールとホッピー、炙ったイカをちびちび食べてる私。

以前美人ブロガーさんからいただいたお土産もビールと高級あたりめでした。両方とも凄くおいしかったです。

おいしかったのだがッ…!
いつからイメージがビールとつまみに固定してしまったのかっ…!
私のキャラ戦略(あったのかよ)の何処に誤りが…!

ふぇええ~ん、めそめそ、おら赤べこ乗って家さ帰りてぇだよ~~!(だから何だよこのキャラは)


…まぁそんなみどりの赤べこちゃん(お前の血は何色だ)はさておき。
ブログ上のイメージがビールとスルメであるならば、職場でチータラ扱いされるのも納得と言うものです。

ブロガーにもいろんなイメージが固着した人が見受けられます。
サッポロ1番の人、源さんの人、女社長の人(それ役職)。
それぞれ職場ではどんなイメージなのか、聞いてみたいものです。

ただ『それぞれのイメージにあった贈り物』って、真心は感じられますが難易度高いですよね。年の近い子どもに別々のおもちゃをあげるのは喧嘩の元になったりしますし。

今回課長も若い女の子2人(違うのは目方だけ)に一方はフィナンシェ、一方は豆大福というちょっと危険なミスを犯しています。

豆大福もフィナンシェもどっちも可愛いけれど、若い時はそういう差の付け方に傷つくのが乙女心だと思うの…!赤べこちゃんには分かるのよ…!(意外と使い勝手のいい赤べこちゃん)

また男性社員にはあげなかったので、差別だと言う声もチラホラと。
はじまりは善意だったのに…食べ物の恨みは怖いですね、課長。

結局チータラにはガンガン問い詰められ、若い男性社員からは「お菓子…!」と飢えたハイエナのような目で見つめられていた課長。
次回からはみんなで分けられる大袋のお菓子を買ってきてくれるそうですw

というわけで今日は職場のおやつで揉めたよ、という小さなお話。
みどりのチータラがお送りしました(結構根に持つタイプ)♡

 なんだかんだ言ったけどチータラ美味しかったよチータラ!

 

 

世界的ダンサー菅原小春さんがスゲー!スゲーとしか言いようがないがスゲー!

最近ダンサー、コリオグラファー菅原小春さんの動画を見かけまして。
すっげぇ!かっこいい!とドはまり。深夜まで動画をハシゴしてしまいました…。

私は今頃ハマったのですが、2015年に情熱大陸に出演、三浦大知さんのMVにも出演されている有名人なのですね。

ダンスをまるで知らない、ど素人の私が今更語ることなど…と思ったのですが、そんな『ただの横好き』を書けるのが底辺個人ブログのいいとこなんじゃね?と思ったので身勝手な愛だけをこっそりと綴りたいと思います!

 

小春さんを一番最初に見たのはダンスストリームというサイトで紹介されていた「URBAN DANCE CAMP」でマライア・キャリーのEmotionsを踊っている動画。

 

dance-stream.com

 

笑顔!お腹!
元気で、清々しくてカッコよくて…!

「URBAN DANCE CAMP」とはYouTubeや世界ダンス大会で有名なトップスターが講師を務める世界的規模のストリート・ダンス・ワークショップ。
小春さんは講師をつとめているのだけれど、彼女が踊ると靴が飛んでくる!(もちろん賛美w)表現豊かで、ホントにカッコいい。

 

youtu.be

 

ヤバい、ホントにカッコいいだけで終わってしまいそう…自分のダンスを語る語彙の少なさに絶望してしまいます。

このアーバンダンスキャンプの動画を漁ってるだけでもホントに楽しくて、やめられない止まらないになってしまいました。

 下の動画は資生堂のプロモーションで公開されたダンスなのだけれど、繊細ヤンキーゾンビみたいなダンスが最高なんだよ!例えが最悪だけど最高なんだよ!

 

 

youtu.be

 

 小春ちんはちょっと姿勢の悪い昔のヤンキーみたいなポーズ(だから例え)が最高に似合うっすなぁ…。首とか鎖骨、肩甲骨の動かし方がたまらーん。

 「さよならひとり」もたまらんのです…ってホントに張りたい動画が多すぎて、キリが無くて。重くなりすぎるのでこの辺でやめときます。

 

youtu.be

 

 自由に体を動かすことの大切さ

 

http://65.media.tumblr.com/60a91c8d91a8024aae0cd76bb9c2b417/tumblr_ni2n9zo5Gi1u0uuleo1_1280.jpg

 

 (写真はオフィシャルサイトより。音注意!)

Koharu Sugawara | 菅原小春 Official site

 

実は三十過ぎて太りやすくなる頃まで、極力運動を避けて通ってきた私。
楽しんでやっていたスポーツは20歳過ぎて始めたスノーボードくらい。

子どもの頃から運動が苦手で、長距離や縄跳びをやると目の前がクラクラしてしまっていました。

中学生の時の血液検査で重度の貧血だと分かり、鉄剤を飲むようになってから問題は解決したのですが。

その頃には運動嫌いが染みついちゃってました…。

子どもって素直で、残酷ですよね。
他の人と違う動き、不格好な人間がいたら「へん!」ってズバッというじゃない?

貧血で青白い顔でフラフラしてる私なんて恰好の獲物ですよ。
へ―ん!が怖くて、体育が怖くなってしまった私。

ダンスなんて大敵でした。
私は動きが不格好だから人前に出ちゃいけない、と思いこんでたんだよね。

子どもの頃の私は人目を恐れ、本の世界に逃げ込んでいました。
おかげで今でも本は近くにあって、書くことも楽しいです。

でも大人になってようやく、表現する方法は書くことだけじゃない、と分かってきました。

自分の気持ちを文章にすることによって、考えがまとまりやすくなる。
私にとって書くことは脳内の言葉を一元化する作業です。
(たまに分岐してしまう事もありますが)

それから、思ったことを声に出すこと。
普通に暮らしていれば普通に話せるだろう、と会話を少し甘く見ていたことに就職してから気が付きました。

その場に合った声の音量、話し方もあるよね。
私は数年声を潜めて話す静かな職場にいた後、スーパーで実演販売のバイトをしたら大きな声が出せなくなっていて困りました。元々販売やってたから、恥ずかしいとかじゃないの。物理的に出ないんです!声も筋力だったのね。

あと最近iPhoneで音声入力しているのだけれど、誤変換が出ないようにもっと活舌や発音を良くしたい、アナウンサーのように話したい!という欲が湧いて来ました。

自分の声って録音して聞くと思ったより高くてびっくりします。
もっと大人の話し方を身に付けたいです。

そして身体の動かし方!
30過ぎて太りやすくなって、ようやく歩いたり動画を見てエアロビ的なものを始めたのですが。

動くと頭がスッキリするし、体調も良くなるし寝付きも良くなるよね。
そんな当たり前で大切なことに今さら気が付きました。

 

最近、先日書いた『他人に上手く助けが求められる人』について考えていて。

 

yutoma233.hatenablog.com

 

言葉はもちろん大切なのだけれど、言葉の前に演劇的に体が動く人、しまった!失敗した!を分かりやすくオーバーリアクションで出来る人って、伝わりやすいと思いませんか?

表情豊かだったり、行動が分かりやすい人には話しかけやすいし、親しみを感じますよね。もちろんダンスが苦手な私はこういうリアクションも苦手。

 

小春さんのダンスもいい意味で「分かりやすい」んです。感情がすごく伝わってくる!何より自分の体がこんな風に、思うように動かせたら気持ちいいんだろうなぁと思う。

私も少しづつ自分のために体を自由に動かすことを覚えていきたい、楽しんでいきたいと彼女のダンスを見て感じました。

筋金入りの運動嫌いの私に「すごい!私もやってみたい!」と思わせる小春さんの「心を動かす力」はすごい。

人の心を揺さぶるものは世界に沢山あるよね。音楽、ダンス、スピーチ…。
私は本や文章ばかりに頼りすぎていたので、もっと身体全体で自分を表現していかないと、と思いました。

 

…と、まぁカッコつけたこと言ってますけど、要するにボケ防止に早口言葉練習して四十肩防止にダンスしようってことだよ!みなまで言わせんな恥ずかしい!

 

私は友達の「へん!」に負けてしまって、自分自身を固めてしまいました(おかげで肩も腰も大変やねん…)。

小春さんは周りからの『人と違うビーム!』や、『型にはめよう圧力!』に負けなかったから自分の世界を見つけられたのかなぁ。

折れないしなやかさ、逞しさがあるからこそ美しいのかもしれない。
彼女の自由でかっこよく、セクシーなダンスを見ながらそんな風に思いました。

私の肩甲骨と首筋の凝りも、あんな風に踊れたら楽になるんだろうか…?とモニター前で肩を回しながら動画を見る日々…踊れや!

今日はとにかく菅原小春さんが好っきやねん!というお話でした。

【はてなブロガーズインタビュー】『あざなえるなわのごとし』が運んでくるのは幸福か災いか?

【はてなブロガーズインタビュー】第6回!
今回は『あざなえるなわのごとし』azanaeru氏。

 

azanaerunawano5to4.hatenablog.com

 

皆さんご存知、はてなを代表するこじらせ系サードブロガー人気雑記ブロガーさんです。

平和を愛する管理人がまったりのんびり更新するお茶目なブログ☆

なんてプロフィールに書いてありますが、「紅茶とスイーツを愛するほっこりブログ」くらい心温まるセリフですね!わぁいほっこり!

この記事を書くために過去記事を読み漁ってたらちょこちょこ上がる血煙に腰が引けたのはナイショだぞ♡

もう知り尽くしてるわ!って人も最近の記事しか読んでないって人も、私自身も。
かつてあざなわと呼ばれた男の話を、一緒に聞いてみましょうよ(絶賛存命中)。

 

ブログ編 

 

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ーブログを始めたのはいつ?

 

このブログは2012年の11月からです

 

 ーきっかけは何だったんでしょう?

 

ちょうどiPhoneアプリ系ブログが乱立している最中で、毎日のように「神アプリ」と題された記事が毎日並んで辟易して「こんなのでいいなら自分でも書けるわ」と思ったのが再開した切っ掛けです

 

ーはてなブログを選んだ理由は?

 

このブログ以前にはてなダイアリーで書いていたこともあって、新しくはてなでブログが始まったと言うので始めてみました。

 

ー なるほど、もともとダイアリーで書いてて、そこからブログに移行したんですね。
しかし『こんなのでいいなら自分でも書けるわ』って言いぐさが…言いぐさがw

 

ー「あざなえるなわのごとし」の前には何か書いてましたか?

 

ブログは、これで4つとか5つとか。

 -結構書いてる。もはや書くことは習慣ですね。

 

  ー名前はazanaeruさん、なんですね。(あざなわさんだと思ってた…)
かなりシンプル、プロフィール欄もあっさりしてます。
なにか理由があるんでしょうか?

ブログは社会的な地位や学歴、資格など関係なく、等しく何かを書けば読まれる場所ですので、特にハンドルネームなども決めず何かしらの雑情報に左右されない……イメージとしてはビル・プロンジーニ「名無しの探偵」やハメット「コンチネンタル・オプ」、バロネス・オルツィ「隅の老人」のように「名前がない管理人」が理想だったんですが、固有名詞がないと呼びづらいらしく結果としてあざなわだの何だのと言うことになりました。なのでどう呼ばれてもそれはそれで。

 -アザーでもナワーでもいいらしいですぜ、みなさん!(ゲス顔で)

 

ーブログに個人情報が極めて少ない!読書、ファッション、映画、音楽という趣味嗜好、それから仕事が忙しそうだと言うのは分かるけど年齢や私生活は想像もつきません。こういうことはあえて書かないようにしているのでしょうか?

あえて書いていませんね。自分の考えを書きたいだけでして、自身のことを知らしめたいわけではないので。特に隠しているわけではないですが、書く必要性もないので。

 

ーブログ名の元ネタは「禍福は糾える縄の如し」だと思うんですが、なぜこの言葉を選んだんでしょう?

 

なんとなくです。

 

ーつれねえ男だなオイw
禍福は糾える縄の如しとは史記に出てくる言葉で、災いと幸福は表裏一体、まるでより合わせた縄のようにかわるがわるやって来るものだという意味だそう。
不幸だと思ったことが幸福に転じたり、幸福だと思っていたことが不幸に転じたりする。成功も失敗も縄のように表裏をなして、めまぐるしく変化するものだということのたとえなんですね。

 災いも幸福も飲み込むように書いているあざなわさんにはぴったりのブログ名じゃありませんか?なんとなくなんだ、ふーん(笑)

 

 ーブログを始めて良かったことは?

自分の書いたことが「面白い」と言ってもらえることですかね。

 

 ー逆に悪かったことは?

嫌われたり、敵が増えたところ。

 

ーこちらの記事から書くスタンスが垣間見えた気がしました。

 

最後の手段は「死ぬこと」ではなく「逃げること」 - あざなえるなわのごとし

 

ネットは繋がるべきでないひとにまで繋がってしまう。
暗い思考は伝染性を持つ。
だからこそ撒くべきではない。コンテンツにするべきでもない。
そんなことすら想像も出来ないなら頭に斧をつき立てたまま黙ってるがいい。

―こんな風に書かれていましたが自分の中で「こういう記事は書かない」など決めているルールはありますか?

自分自身の詳細についてはあまり書かないですね。他人の私生活とか、どうでもいいです。ひたすら感情任せの記事も書かないし、嘘も書きたくなので。面白いことは面白いと書き、つまらないものはつまらないと書くようにしています。

ーつまらないものはつまらないと書くスタンスが先ほどの「嫌われたり、敵が増えた」に繋がっていくのかなー。しかしそれがあざなわイズムでもありますね。

 

 ー逆にどんなことを書きたいと思っていますか?

面白かった本とか映画とかその面白さを忠実に記事に再現できればいいんですが、残念ながら文才がないので面白さが伝わらなくてとても残念なことが何度も……。

―書くことに誠実に向き合ってることが伝わる答え。
残念なもどかしさは私も毎回感じてます…。

 

ー最近シミルボンに寄稿されています。
本のレビューを何本か書かれていますが、ブログとは感覚が違いますか?
意識していることがあったら教えてください。

シミルボン

 

シミルボンに関してはブログと違って書評、感想を専門に読みに来ている人がほとんどですので、ウチのブログだという前提がなくても読んでもらえるようなものを書くようにしています。

 -ウチのブログ、って言い方がいかにも。

 

ーお気に入りの記事、自分らしいと思う記事を教えてください。

 

azanaerunawano5to4.hatenablog.com

 

相棒の甲斐享犯人説の回がひどかったので書いた記事。この杉下不在の相棒って思いつきが我ながら好きでして。実際にやったらかなりおもしろそうなんですけどね-。

 -相棒改善案…!なんとも『らしい』記事です。

  

書いている人について 

 ここからは普段は語られないあざなわさん個人について、少しだけ。

 

ー好きなことは?

効率的な業務、予定のない休み

 

ー嫌いなことは?

非効率的な業務、無駄な残業

 

ー仕事のことばっかり…!

 

ー趣味はなんでしょう?

読書(ミステリー、SF)、映画、テレビ(バラエティ、ドラマ、NBA)、音楽(洋邦ロック、アイドル、ジャズ、ラップ)、ゲーム

  

ー自分の性格を一言で言うと?

人見知り、めんどくさい

 

ー周りからはどんな風に評されますか?

仕事はできるが性格的にめんどくさい

 

-まためんどくさいが登場wめんどくさそう!

  

ーどんな人が好き?

かしこいひと

ーどんな人が嫌い?

あたまのわるいひと

ーうん、めんどくさい(笑) 

 

ー昔はどんな子どもでしたか?

このまんまです

 -子どもの時からめんどくさい⁉

 

ー通信簿によく書かれた言葉は?

もう少しやる気を出しましょう

ーなんか分かるような…やる気を表に出すのが苦手そうな気がします。

 ー今一番楽しい事は?

ファミコンミニのDrマリオで対戦プレイ

ーごめん、地味や…!

ー今一番欲しいものは?

起業のアイデアと資金あと勉強と読書する時間 

 ー今一番やりたいことは?

資格試験に向けての勉強と積読消化

 -とにかく時間が足りてない感じですね。忙しそうや…。

 

ー最近失敗した!と思ったことは?

ブログの記事が今ひとつ時流から外れてる感じ。とはいえ書けるものは限られてるので自己流でやるしか無いですが。

 

ー最近一番嬉しかったことは?

シミルボンの記事が好評なのは嬉しい。ブログを知らないひとに読まれて評価してもらえるというのはなかなか。

  

ーどんな時に幸せを感じますか?

休日の朝。

 

ー10年先の自分は、どうしていると思いますか?

経済的にはもう少し安定して、余裕も欲しい。ブログは10年後まで書いてるといいですねぇ(遠い目)。

 -読みたいですねぇ(微笑み)。

 

ーこれからの目標みたいなものがあったら教えてください。

ブログだけってのも寂しいし変化がほしいのでちょっと色々やってみたいなぁ、とは思いつつ忙しくて。電子書籍出すとか、イベントとかできれば面白いのになぁ、とか……。

 -イベント!面白そうだなぁ、期待です。
いつかあざなわさんが主催するオフ会に行ってみたいものです、めんどくさそうだけどw
ではでは、長々とありがとうございました~!

 

まとめ~謎の男あざなわへの考察 

 

インタビューしても、やっぱりあざなわさんは謎の人でしたね。
年齢すら不詳。

青二才さんより少し年上くらいかな?と思ってたんですが記事中に『あなた』(小坂明子)なんて渋い歌が出てくるし、好きなラノベがロードス島、夢枕獏、火浦功とかめっちゃ被ってるんですが。

 

azanaerunawano5to4.hatenablog.com

 

渋い趣味の若者かなぁ…。
年が近い感じはしないんですよ。いつかお会いしてみたいものです。

 あとはこんな記事もありまして。

 

azanaerunawano5to4.hatenablog.com

 


『はてなで鍋をやると聞いて。(...不参加に○)』(そもそも誘われてもいないというオチw)

こんなめんどくさいこと言ってるこの人は実は寂しいはてな―代表なんじゃないかなぁと。

欠落したこころを埋めたい、ネットで無視され、ブクマされず、スターもつかず、拡散も一切されない。それはとてもさみしい。

 これはあざなわさんの本心なんじゃないかなぁ…と思ったりもしましたけど。
素人の深読みですよね、うふふ。

めんどくさい、ちょっと皮肉屋のあざなわさんは「シニカル・ヒステリー・アワー」のキリコちゃんみたい。

これからもチラッチラッ|д゚)なんて言いながらはてなの海を渡っていくんだろうな。

 そんなあざなわさんのブログを、これからも読んで行きたいなぁ、と思いました。(ただ心臓に悪いんで言及はご遠慮くださいw)

 今日はそんな感じです!おしまーい。

「気持ちがわからない」という人がわからない、という本末転倒

増田で、たまたま2連チャンで「気持ちがわからない」シリーズを見たので。

記事の内容がどうとかじゃなく、「気持ちがわからない」と言えるあなたの気持ちがわからないよ!とお前もわかんないって言ってんじゃねぇか的本末転倒記事を軽く。

 

anond.hatelabo.jp

anond.hatelabo.jp

 

 

私は「気持ちがわからない」と否定的論調で、バカにする感じで言える人の気持ちが分からない。

気持ちが分からないこと、が世の中にあるのは分かる。

でも「分からない↺」(語尾アゲ)と言えちゃう人の気持ちが(ネットならまだしも、リアルで!)分からない。

分からない(だから教えて?)の『分からない』ならわかる。

だけど「私こういう人の気持ち全然わからなーい↺」の『わからない』って拒絶だし侮蔑だよね?
この人バカじゃねーの、的ニュアンスが含まれてるよね?

万に一人もいないような特殊な事柄ならともかく、えっ?その属性あなたの周りに沢山いますよね?って事柄を『わからなーい』ってデカい声で言える根性が私には分からない。

 

たとえば釣り好きの課長の前で「昨日の合コンの男、趣味が釣りだってさー」「うわっ、若いのに何その趣味。分かんなーい」「ねー、意味分かんない」はスゴイよ。

ヤバくね?先週課長が釣ったアカハラ一人一匹ずつ貰ったじゃん。
確かに会社で生魚は困るけれど。あっ、だから?嫌がらせに対する嫌がらせ?
ブロックザ生魚的な?

課長の肩が震えてるからやめて差し上げて!

 

居酒屋で見た初デートカップル?も凄かった。

「何食べる?」
「えーと…あっゴメン、たばこイイ?」
「え~、やだー。タバコ吸う人って意味分かんなーい!お金出して健康損ねてるようなもんじゃーん?」

…いや、正しいよ?あなたが言ってるのは正論だよ?タバコなんて吸わない方が体にいいんだよ?
でもここは安居酒屋で周りは煙草の煙でモクモクしてんじゃん?
ほら近くのヤンキーっぽいお兄ちゃんたちが明らかに「なんだぁー⁉」的顔したじゃん!怖いってば!

いや、吸っていい?って聞かれたし、断ってもいいと思うよ?でも角の立たない断り方ってあるじゃん?
「ごめんねー、私タバコ近くで吸われると咳が出ちゃうんだー」とか「気管支弱くてー」とかさぁ。

結局彼はものすごーくしらけた顔してすぐに帰っちゃいましたけど。

女の子は友達に電話。
「ちょっとー、先帰ったんだけど!マジ信じられない!」
いや!あれで相手が気分を損ねないと思う君が信じらんないからっ!

 

確かにせーかいはひーとつはキレイごとである(イッツアスモールワールドには申し訳ないけれど)。

分かんない人はいるし、分かり合えないこともあると思う。
でも「わかんなーい↺」は拒絶だよね。

分からないから聞きたい、教えて、はいいと思う。
聞いた上で、でもやっぱり分からないし、自分の考えが一番正しいや、と思うかもしれないけど。

和解出来なくてもいいから、同じテーブルに着くことが大事なんじゃないかな?
対立しあってる国が急に仲良くなれる訳じゃないけど、意見は平行線のままでも、一度対話が始まれば休戦になることもあるよね?

 

分かんなーい、あんたバカぁ?は世界を分断しちゃう。
分断されてるから、私はあなたのことが分かりたいけど分からない、って言ってしまう。分からないんだけど教えて?なら理解できるかも知れないのに。

 

分からないけどそういう人もいることは理解してる、の方がたとえ混じり合わなくてもあなたの国土は広くなるんじゃないのかな?かな?

世界も家もほどほどに広い方がいいだろうが!1LDK掃除楽チンだけどーーー!


あと分かんない人は分かり合えない人をどうしたいのか、ってのもある。
『わかんない』けど存在は認めてますよ、ならいい。

だけど考えを改めよ、は怖くね?
あなたが思う通りあなたの考えが一番効率的で無駄がなくて素晴らしかったとするじゃない?みんなが悔い改めて同じような意識の人間しかいなくなるとするじゃない?そんな世界ホントに望ましい?
人類補完計画かよ。魂をひとつに?それってすっごく気持ち悪い。

 

わからない、は確かにある。分かり合えない人もいる。

でも一方で『わからない』ってすごく面白いよね。
私はなぜバターを揚げる?と思うけど世界のどこかでは餅の上に乗ってるミカンはなんだ?って思ってる。
揚げバターを食べる人はなぜバターを揚げたのか整然と説明できるのだろうか?私はミカン(ほんとは橙?)が載ってる理由を知らないぞ!

後はまぁ、私たちの意識なんて結構流動的なもんだからあんまりでかい声で言うもんじゃ無くね?というのもある。

結婚する意味が分からない人もその後劇的な恋愛しちゃってこいつはやっぱり永遠だと思って神の前で誓っちゃって子ども産んじゃって、授乳しながら自分の投稿した増田見て「こんなこと思ってた時代もあったわね~懐かしいわ~」とか思う日が来るかも知んないじゃん?(や、増田が男か女か分かんないけど性転換も流動的世界ならありかもしんないからどうでもいいや)そんでたまたまやってたモンストにハマって娘に卑弥呼ってつけちゃうかも知んないじゃんもしかしたら!(邪馬台国はシワシワネームかな?)

あなたが今見下してる誰かは未来のあなたかも知れない、ってことでそこんとこよろしくぅ!

 

最後に二人の増田さんへ。

私は「気持ちがわからない」気持ちは分かんないけど、「シワシワネームが嫌いな理由」と「結婚して永遠を誓いたくない理由」はなんとなく分かるような気がします。

前者は自分の名前にコンプレックスがあるのかな?と思うし、後者はまだ未成熟で責任が怖いのかな、と。
名前は大人になるとそんなに気にならなくなるし(みんなシワシワしますから)、結婚という契約は、むしろ未成熟な私たちが後腐れなく別れるためにあるのかも知れないと思う。

離婚届を出したらきっぱり終われるけど、もしもだらだら10年付き合ったら何となく捨てられる?乗り換えられる?偽装だからって永遠の愛も誓えないような人がそこまで不誠実になれる?

結婚も怖いけど結婚しないで別れるのも重いよ、と言っとく。
懐は痛まないかも知れないけど、世の中には金払った方が楽だな、ってこともあると思う。

…二人には全然違うよ、って怒られそうだけどw

増田はオールナイトニッポンみたいで好きです。深夜ハガキの向うの人を想像してたことを思い出すから(と昭和の人しか分からないようなことを言い出す)。

 

そして気持ちがわからない人の気持ちがわからない私も分からない人なんだ、ってわかんないループでおしまい。

わかってる分かんない?稚内?試される大地北海道!と、よく分かんない〆ですが。

 

分かった?分からない?分かったら「分かった」と、分からなかったら「分からなかった」と・・・

分かった?分からない?分かったら「分かった」と、分からなかったら「分からなかった」と・・・

 

 

他人に上手く助けを求められる人~ノックができる大人になるために

 fujiponさんが人に助けを求められる人間である方が人生は生きやすい、という話を書いていました。そしてそうした練習を子どものうちにしておいた方が良いのではないか、とも。

上の子ども(もうじき中学生になります)が小学校に入学したばかりの頃、ちょうどそんなことを考えて色々わが家なりに取り組んでいたことを思い出しました。

今日は子どもたちを他人に上手く助けが求められる、自分の状況を周りに伝えられる大人に育てるためにした小さな練習について、書いていきたいと思います。

 

fujipon.hatenablog.com

 

我が家は両親2人、子ども2人の核家族。

5歳差の次男が生まれるまで長男は一人っ子で、結果大人と接する時間の長い子供でした。また初めての子育てと言うこともあり、私も夫も丁寧に接していたと思います。

 

後から気がついたのですが、彼は実に育てやすい「いい子」でした。

1歳を過ぎた頃から「お菓子は一日1個」という言葉を理解し、スーパーでワガママを言う事もありませんでした。

当時の私には「子供だってきちんと言い聞かせればわかるのに、スーパーで寝転がるような子供は親の常識が無いのでは」なんて甘っちょろい意識があったものです。(そんな甘ちゃん思想は後にスーパーの床を転がって移動しながら買ってアピールに余念がない次男の登場で無残に打ち砕かれましたが)


おとなしく、本を読むことやミニカーや怪獣を整然と並べることが好きだった長男。
女の子と遊ぶことが多いのが少し気がかりでしたが、大人の話をきちんと聞けるので保育所の先生からの評価は高く、劇の主役や卒業生代表もきちんとこなしていたので小学校に行っても何とかなるだろう、と思っていました。

小学校に上がってからも勉強は難なくこなし、友達は少ないけれどいじめに遭っている様子はなく、大人しいながらも人前での発表はきちんとこなせる、といった様子で我が家に小1クライシスはない、と胸を撫で下ろしていました。

 

破綻が訪れたのは初めての授業参観の時。

その日の授業は体育で、彼の得意なフリスビーをドッチボールのようにぶつけ合うドッチビーという競技。

運動が少し苦手だった息子、今日は得意科目でかっこいい姿を見せられると思ったらしく、はりきって出かけていきました。

しかし実際の授業では早速異変が。

息子のクラスは秋冬生まれの子が多く、小1といってもまだまだ小柄で見た目は保育園児のようです。担任の先生は30代の女性で、子供達はお母さんの様に甘えきっている様子、なんだか空気がだらけています。

まずくじ引きで外野を引いた男の子が外野は嫌だ!と転がって駄々をこねだしました。これでは授業になりません。

先生は私の息子ともう1人背の高い女の子を招き、外野を頼みました。
慣れた様子で2人は承諾、ゲームが始まりました。

しばらくして上手く友達に当てた息子。ところが今度は当てられた子が外野に移動しようとしません。当たったことを認めず徹底抗戦の構えです。

結局先生はアウトなしの特別ルールでゲームを再開しました。

ぶつけても誰もアウトにならないつまらないゲーム。
キャーキャー楽しそうに内野を駆け回る友人たちをよそに、息子ともう1人の女の子は死んだ魚のような目でフリスビーを投げ続けていました。

先生にその場で言いたいことは山ほどあったけれど、私はぐっとこらえて息子の手を握り、家に帰りました。

帰り道、息子は堪え切れない様子で静かに泣き出しました。
「僕も内野やりたかったな」うん、と私は静かに肯定しました。
「いつも僕ばっかり外野なんだよ」
そうだね、と肯定しながら私は息子に話しました。


お母さんは君がフリスビーが大好きで、内野をやりたかったのを知っている。
でも先生は君のことをよく知らない。
君が自分から『僕は内野をやりたいです』と言わなければ、ずっと外野でも文句はないんだな、と思ってしまうかもしれないよと。

でも、言っても…と息子はうつむきました。
誰もやりたがらないし、先生の言う事は断れないんだよ、と。

声を上げても世界は変わらないし、自分だけが我慢していればいい。

それはかつて子供だった私も考えていたことです。
そしてノックするのが苦手な人たちが考えていることだと思います。

でも私は息子に言いました。
それでも言ってみようよ。言葉でうまく伝えられないなら手紙でもいいよ。
いちど先生に思っていることを話してみようよ、と。

 

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次の日、手紙を携えて学校に行った息子は満面の笑顔で帰ってきました。

「今日の体育は教頭先生も一緒にやったんだよ。ちゃんと正式ルールで遊べたよ。僕もたくさん当てたし避けたよ」

私は手紙を書いたおかげだね!よかったじゃん!と大喜びしました。

 

実は授業参観の際、周りの大人たちの間でも冷ややかな空気が流れていました。

だって駄々をこねる子どもの言う通りにするだなんて、保育園でもそんな甘やかしはしません。これは苦情が殺到しただろう、と思いながら私は担任の先生にこっそり電話しました。

そして息子が泣きながら言った話、そのことについて書いた手紙を持って明日学校に行くので受け取ってあげて下さいとお願いしました。

やはり電話がじゃんじゃん来たようで先生は弱りはてているようでした。
なかなか言うことを聞かない生徒が多いので、ついしっかりしている息子をあてにしてしまって…と言う話でした。

結局クラスはその後補助教員を2人追加し、何とか持ち直しました。
元気でやんちゃ、じっとしているのが苦手な(後に次男坊がやんちゃ代表になるとは予測もつきませんでしたが)男子児童が多いクラスで、先生1人では収拾がつかなかったようです。

当時は心配しましたが、今になって思い返すと息子が乗り越えたトラブルは『適切な壁』だった気がします。

授業中、私が手を挙げて「甘すぎるのではないですか」と意見するのは簡単です。
他の親たちも賛同することでしょう。

でも、それをしてしまったら子供たちは先生のことを完全に舐めきってしまいます。
息子も困った時は親を頼ればいいと思ってしまう。

社会に出ればこんなふうに不公平なドッチビーが毎日繰り広げられている。
常に助けてあげられる訳ではないのです。

本当は頼りになる先生に安心して子どもをお願いできる学校が理想です。
でも先生だって同じ人間、未熟な時もある、自分の問題を抱えていたり体調が優れない時もあるでしょう。

職場でも、理想の上司とはなかなか出会えません。
完璧ではない先生とどう付き合っていくか?というのは子どもにとって後の社会に繋がる良い勉強になるのでは、と思っています。

 

『声を上げても何も変わらない』と思い込んでいた息子が、手紙を書いてすぐに結果を得られた事は最高の成功体験になりました。

それからも怒られることを怖がって忘れ物をしたことを言い出せなかったり、友達に悪口を言われたことを抱え込んでしまったり、様々なトラブルがありました。

それでもマンガ『柔道部物語』を読んで柔道を始めたことで度胸がついたり、口が達者な弟が生まれて負けないように自己主張が強くなったり、今ではすっかり逞しく成長してくれました。

 

練習はいつでもできるから

 

さて、これは私の息子のたまたま上手く行った成功体験の話です。

こんな風にしてくれる親はいなかった、とか子育て自慢をするな、とか思われるかもしれません。
しかしそもそも私が子育てが下手だったから、息子は怒られることを怖がる子に育ってしまったのだろうな、と今は反省しています。

私は長男を一人の人間として、公平に扱おうと思って育てました。
彼は人の話をきちんと聞ける子だし、話せば分かると思ったのです。
ただ一方で彼の気持ちを尊重しすぎた、彼の望まないことをやらせないで育ててしまった、という後悔があります。

もっと色々、失敗してもいいからトライさせる。
たまにはできないことをやらせて不条理でも怒る。

失敗すること、怒られることは怖くないんだよ、ということを小さな頃からもっともっと教えておけば良かったなと今は感じています。

それが出来なかったのは子どもに嫌われたくない、という当時の私の弱さからだったと思います。

今私は下の息子をガンガン怒っています。
怒らざるを得ないのです、怒らないと死んでしまうようなことを平気でやる子ですから。ガンガン怒る中で気がついたのは、どんなに怒っても子どもは親のことを嫌いにはならないのだな、という真実です。

長男の時は、子どもよりも私が臆病だったようです。

 

でも、大人しい、気が弱いけれど優しい長男も私は好きでした。
もしも担任の先生がそんな子どもの意をきちんと汲んでくれる人で、もしも柔道を始めなくて、もしも弟が生まれなかったら長男はそのまま優しい草食系で育ったことでしょう。

それならそれでも、なんとかなったのでは?と私は思います。

 

それはかつての私自身も、大人しくて先生や大人のいう事に逆らえない、困ったことがあっても人に聞けない「ノックの下手な子ども」だったからです。

 

私が声を上げられるようになったのは軽いブラック企業に就職してからです。

黙って言うとおりにしていたら14日間休みなしなんて無理なローテーションを組まれてしまう。サービス残業は当たり前、ひどい先輩になると私に任せて勝手に早退し、タイムカードは定時に押しといて、なんて無理を言う。

そんなブラック企業でブチ切れた私はもう辞めてやる!という覚悟で好き勝手を言い、労基に相談し、先輩たちの悪事もすべてぶちまけました。

当時は世間知らずの子どもだったから、かなり怖かったのです。
労基や先輩の悪口なんて持ち出したら、もう地元で働けないかも知れない。

どこか遠い町で住み込みの仲居をやる覚悟で、私はドアをノックしたのです。

 

そうして実際に声を上げてみると周囲が前より優しくなりました。
会社は無理難題を言わなくなったし、踏み倒された残業代も少しは帰ってきました。

世の中には見ていてくれたり、助けてくれる人もいるもので、結局私は前よりいい条件で、似たような職種の会社に拾ってもらい、楽しく働けるようになりました。

 

息子も「内野がやりたかった」と泣いたあの日のように、いつか堰が壊れる日が来れば否が応でもノックせざるを得なくなる。

一度誰かに助けを求めてみれば、それはそんなに難しい事でも、恥ずかしい事でも、迷惑をかけるような事でもないんだ、って気がつくはずです。

でも心が壊れるまで我慢してしまう人もいるので(私自身も円形ハゲが出来ましたし)、そんな風にギリギリまで待つんじゃなくて少しづつ練習してみるのもいいかも知れませんね。

 

私が子どもたちによく言うのは「周りにエスパーはいません」という言葉です。
親は子どものしたい事、望む事をつい察して先回りしてしまいます。

でも本当はお母さんも先生も、周りの人はみんなエスパーじゃないんです。
あなたが抱え込んでいる悩みも不満も問題も、適切な言葉で伝えてくれなくちゃ届かない。「察してちゃん」のままじゃ、誰にも助けて貰えません。

だからこの世にエスパーはいません。(伊東よごめん)
でも「困ったな…」と小さな声で呟いたら振り返ってくれる人はいるかも知れませんよね。たとえ伊東がゴム手袋を上手く割れなくても、世界には手を差し伸べてくれる人がいるかも知れませんよね。

 そしてたぶんそれって、伊東の成功確率よりは高い気がしています。

職場の小さなデザイン

11月になり、仮まとめしていた様々な書類が巨大バインダーに収まらない厚みになってきた。

そろそろ分類して簿冊名をつけ、紙のファイルに綴り直し棚に納めないと。
背表紙にはテプラで名前を貼り付けよう。

並べたときすっきり見えるように、前年度のファイルを参考に作ることにした。
だが変だ。

(カッコが【すみつきカッコになっているのだが職場のテプラで変換できない。
文字が丸っこくて太いのだが同じフォントが見つからない。

???と頭が疑問符でいっぱいになっていたら隣の席の人が教えてくれた。
「前任者はマイテプラ使ってましたよー」

マイ・テプラ。

生まれて初めて聞く言葉である。
職場には大体の文具が揃っている。
ペンや付箋なんかの小物は自分で好みのものを買うこともあるが、まさかマイ・テプラとは。

自分用に、しかも職場にテプラを買う?マジか?
テプラだの、タックインデックスだのは職場に置いてあるものを使うという意識だった私。

テプラってそもそもいくらぐらいするの…?
調べてみた。

簡易的な機能しかない安いものからPROという名前のついた高いものまで様々あるのだが、いろんなフォント、【が選べるものを探す。

  

キングジム ラベルライター テプラPRO  SR530

キングジム ラベルライター テプラPRO SR530

 

 

 い、一万円だと…!
高っ!テプラ高いよ!

多分前任者のテプラは職場のモノより新型だからフォントや飾りが多彩だったのだろうと思う。
彼が作った(前任は40代男性)ファイルは業務ごとに書体を変え、こだわっているようだった。こういう楽しみ方もあるのか、と感心した。
凝っていてうざいかわいい。

 

 しかしデザインなど分からない、こだわらないと思っていた私だが、気がつけばいつも前年度のファイルを真似て、テープの太さ、文字のフォントを揃えて並べたときに違和感が出ないようにしていた。

こんな当たり前の行為も生活の中の小さなデザインなのかもしれない。
そしてそんな細やかなデザインの楽しさに気がついた私、今揃わない背後のファイルを意識してちょっぴりイラッ☆としています(笑)他人のテプラ借りるわけにもいかないしさぁ…ぶつくさ。

職場のファイルの背表紙は明朝かゴシック、どちらかに統一した方が美しく見えると思うのですが、そこんとこどう思われますか皆さん!
そして職場にマイ☆テプラとかマイ☆タックインデックス持ち込むのはいまや常識なのですか皆さん!

 

そんな話を同僚に愚痴っていたら「私なんてメールで印象づけようと少し丸みのある書体使ってたらキレイキレイと似たような字だって言われてさぁ。裏で液体石鹸の女って呼ばれてたことあるよ」と血の気の凍る話をしてくれました。

 

キレイキレイ 薬用 泡ハンドソープ シトラスフルーティの香り 本体ポンプ 250ml+詰替大型 450ml (医薬部外品)

 

(キレイキレイの名前の文字に似ていたと思われ…何書体だったんだろう?)

 

フォント怖いよフォント。
フォント怖いよホント(うわっ)

 んじゃ、今日は短いけどそんな感じです!

【今日の魔王】
フォント警察が来るよ、怖いよお父さーん!

【今日の豆知識】
【これの名前はすみつきカッコ。