おのにち

おのにちはいつかみたにっち

2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

あなたの声が聞きたくて-仁木英之『千夜と一夜の物語』感想

仁木英之さんの「千夜と一夜の物語」(ちよとひとよのものがたり)を読んだ。これはちょっと奇妙な物語だ。 冒頭は物語のヒロイン千夜の、新しい職場の歓迎会から始まる。大手化粧品メーカーの研究員という、中途採用としては恵まれたスタートを切る千夜。し…

きっといつかあなたに会える-辻村深月『かがみの孤城』感想

辻村深月さんの「かがみの孤城」を読んだ。ポロポロポロポロ、涙が止まらなくなる。悲しいだけじゃなく清々しい、暖かで柔らかな涙。 あなたは一人じゃない。 そんなメッセージがずっと伝わってきてたまらなかった。いじめられた経験がある人、現在進行形で…

イキイキママかく語りき

ウェーイ。みんな羨むイキイキママだよ。みんなの頭を踏みつけて、私だけは今日もイキイキハッピー☆ なんて思って生きてると思うのか愚民どもが。人体なんか踏まねえよバカ。ぐにゃっとするだろ、ぐにゃっとして生暖かくて気持ち悪いだろ人体なんか踏んだら…

『世界一の生産性バカが一年間、命がけで試してわかった25のこと』が面白い3つの理由

『世界一の生産性バカが一年間、命がけで試してわかった25のこと』という本を読んだ。職場の同僚から、これ面白かったよ、オススメ!と言われて借りたのだが、実は正直渋々…と言った感じだった。 だって、タイトルから漂う、意識高い系ビジネスマンのかほ…

寝ない子デブる?-『脂肪の科学』とホルモンバランス

『脂肪の科学ー痩せりゃいい、ってもんじゃない!』という本を読んだ。 著者は最近ライザップでダイエットした森永卓郎さん、医学博士の柴田 玲さん。 メタボ代表・森永卓郎と、脂肪細胞研究の第一人者柴田玲が対談形式で脂肪細胞が出しているホルモン、アデ…

今頃見終わったメイドインアビスがとってもナナチだった件

メイドインアビス全話、ようやく見終わりました! いや、実は初回はほぼリアルタイムで見てたんですけどね。かわいらしいキャラクターに綺麗な映像、王道の探検物語、好感の持てる人物たち。 すごくいい話だと思うんですけど、正統派の児童ファンタジーを読…

限りなく現実に近いディストピア-中村文則『R帝国』感想

中村文則さんの「R帝国」を読み終えた。 近未来の架空の島国・R帝国を舞台にしたディストピア小説である。 あまりにも暗く、救いのないストーリー。でも現実に限りなく近いところが面白く、色々考えずにはいられなくなる一冊だった。 物語は「朝、目が覚め…

追憶の上の王様

昔昔その昔、指輪をお断りしたことがある。 場所はスキー場のリフトの上だった。 行き場を無くした指輪は送り主の手によって崖下へ投げ捨てられ、白い雪が積もって見えなくなってしまった。 思いがけない出来事の記憶というのは忘れられないもので、風が冷た…

週に2回は休肝日、を週に2回は飲んでもいい日に。With P

さて、健康のために週に2回は休肝日、を細々と実践してきた私であるが、このたび大幅に政策を転換することにした。 迫りくる中年脂肪国の侵攻をくい止めるにはもはや予防策では追いつかぬ。 防衛だけではダメだ、こちらから攻め込まねば。いまこそ憲法改正…

歌野晶午「ディレクターズ・カット」感想-作り物の事件、作り物の死

歌野晶午さんの「ディレクターズ・カット」を読み終わった。相変わらずどんでん返しが冴えていて、面白い。 冒頭は著者お得意の口が悪く乱暴で、サイコパスじみた若者たちの無軌道なお遊びから。 コインランドリーで水着姿になり動画配信、洗濯物を取りに来…

『BLAME! THE ANTHOLOGY 』感想-豪華すぎる階層世界の物語

「BLAME! THE ANTHOLOGY」を読み終わった。 小川一水、野崎まど、飛浩隆と実力派揃いの豪華アンソロジー小説。 アンソロジーのテーマとなる「BLAME!」とは、月刊アフタヌーンにて1997年から2003年にかけて連載されていた弐瓶勉の人気SF漫画である。 遠い未来…

私の方が大変アピールと、自己憐憫の違いは何?

心沈む連休明け、明らかに私より不幸そうな女子が職場のロッカールームに居たんですわ。 休暇後なのに金曜日より疲れ切った顔、目の下に浮かぶクマ。 そういえば産休明けたばっかりだっけ…と彼女に同情する。 休むより仕事をしていたほうが精神的に楽、とい…

ほのぼの均等割

同じ会社の別の課に、ロッカーや廊下ですれ違えると嬉しい女性が何人かいる。 その人たちはいつもほんわか笑っていて、冷蔵庫の忘れていたチーズがかびていたんだけど、ブルーチーズだってはじまりは洞窟に忘れられたチーズだよね?もしかしたら私新しいチー…

選択肢が多すぎる

昔、トラピスト修道院に憧れたことがある。 トラピストクッキーは尼僧が焼いていると思い込んでいて、子どもが自立して旦那と死に別れて、それでも足腰が元気だったら修道院に行って私利私欲を無くし規則正しい生活を送りたい、と夢見ていた。 実際にはトラ…

花柄ガラガラ

基本無地です。もちろん服の話です。なお、お肌も無地です。家紋、入れてません。 概ねユニクロ、もしくはGU。 良く言えばシンプルベーシック。 しかしその実態はモブ。 基本紺白グレー、黒茶色! 空前絶後の光学迷彩! 職場のキング・オブ・モブとは俺のこ…