おのにち

おのにちはいつかみたにっち

読書

私たちの「今」を考えるーユヴァル・ノア・ハラリ『21 Lessons』

『サピエンス全史』が大ヒットしたイスラエルの歴史学者、ユヴァル・ノア・ハラリの『21 Lessons』を読んだ。 サピエンス全史は人類の過去、ホモ・デウスは未来を描いていた。今回読んだ『21 Lessons』は今ここー私たちの現在についての物語である。 ハラリ…

一番最初の「マークスの山」を読む

さて、今日は1993年に刊行された小説「マークスの山」・早川書房版の感想である。 なぜ今、こんな古い本を?という感じだが、2010年にWOWOWで連続ドラマ化され、大ヒットしたらしい。 その人気ドラマ版と映画版を両方見たお友達のマリさん id:mari1216 から…

面白いしか出てこない~三体Ⅱ 暗黒森林

三体Ⅱが、めったくそ面白かったぁ! 今年の賞を総なめにするのは確実だし、素晴らしいレビューもたくさん書かれているので詳細は語らないがとてつもなく面白い。ストーリーが混み合いすぎててうまく語れない、というのも多々あるが。 面白い、おもしろいんだ…

いつか花咲くその日まで-宮内悠介『あとは野となれ大和撫子』

今日は宮内悠介さんの『あとは野となれ大和撫子』を読みました。時を忘れてイッキ読み!非常に勢いがあって面白かった! 舞台は中央アジアの架空の小国、アラルスタン。 この国では初代大統領が側室を囲っていた後宮を、女性の高等教育の場に変え、未来の官…

わからないことをわかろうとする努力

昨日読んだ、山岸慎平さんのインタビューがとても良かった。 themmagazine.net シスレコードから月イチで届くオーダー用のFAXが面白いんだけど、視聴もできないから名前や写真がなんとなくかっこ良いものをチェックして購入したり。するとね、たいていハズレ…

今だから、モンハンやったり本を読んだり。

暖かくなったら収束するかと思ってたのに。そうやすやすとはいかず、日々の話題は相変わらずコロナ一色です。 それでも会津の公立学校は4月から新学期、部活も始まります。お弁当生活が終わるだけでもかなり有難い…! 福島県は広いので、いまだ会津地方では…

傑作中国SF『三体』感想・めっちゃワクワクする物語!

今頃読み終えました、アジア圏初のヒューゴ賞受賞作品『三体』。 この作品、高評価レビューがめちゃくちゃ多く、三体以前・三体以後なんて言葉も見かけ、正直そんなか?そんなにか?『三体』はSF界の『銃・病原菌・鉄』なのか?と疑ってかかってたんですが…

突っ込みどころが多すぎる-『Iの悲劇』米澤穂信

米澤穂信さんのミステリ『Iの悲劇』を読みました。 少年少女のほろ苦いミステリでは不動の地位を築く米澤穂信が挑む、過疎地域再生プロジェクトミステリという地味な大人向けジャンル…なのですが、うーむ。 オチありきで書きだしてしまったのかな?確かに思…

相沢沙呼『medium 霊媒探偵城塚翡翠』・まんまと騙されました

遠田志歩さんの美しい表紙に惹かれて、ミステリー『medium 霊媒探偵城塚翡翠』を読みました。 遠田さんの表紙といえばAnotherや屍人館の殺人が浮かんできます。どちらも独特の世界観を持つミステリーですが、このメディウムもめっちゃ良かった…! 霊媒の能力…

『僕は会社員という生き方に絶望はしていない。』を読んだ

人気はてなブロガー・フミコフミオ氏の著作「僕は会社員という生き方に絶望はしていない。ただ、今の職場にずっと……と考えると胃に穴が開きそうになる」(タイトル長げぇよ)を入手したので今日はその感想を書いてゆく。 まずは数ページめくって思ったこと。…

森の奥には怖いものがいる

三浦しをんさんの『白いへび眠る島』を読んだ。 古い因習が残る島で行われる儀式、島の人間が当たり前に受け入れる『この世ならざる者』という感覚。盛り上がりには欠けるが綺麗にまとまった佳作であった。 白いへび眠る島 作者: 三浦しをん 出版社/メーカー…

小説で描く疑似科学-『彼女がエスパーだったころ』宮内悠介

宮内悠介さんの短編集、『彼女がエスパーだったころ』を読んだ。 ライターの「私」が様々な事件に取材を通じて関わっていく、ノンフィクション風のSF短編集。 筆致は冷静でリアルなのに、扱われる題材は疑似科学ばかり。火を扱う猿にスプーン曲げの出来る美…

このオチはアリなのか?怪作『予言の島』澤村伊智

『ぼぎわんが、来る』で日本ホラー小説大賞を受賞された澤村伊智さんの新作『予言の島』を読みました。 基本的には面白かったんですがこのオチはありなのかーー⁉と感想を書かずにはいられなくなる怪作でした…。 物語の舞台は瀬戸内海にある小さな島、霧久井…

『天気の子』は『ハイドライド3』より『雲の王』に似てる!と思った件

おっさん社会人ブロガーコバさんのこんな記事を読みまして。 www.cobalog.com いやいやいや、ハイドライド3って何やねん?マニアックすぎるやろ! しかし、実は私も『天気の子』のCM動画を見て以来これってアレやろ、あの作品に似てるやろ…とひそかに思って…

閉ざされた陸の孤島ミステリ/今村昌弘『魔眼の匣の殺人』

今村昌弘、『魔眼の匣の殺人』読了。主要ミステリランキング第一位を総なめにした話題作『屍人荘の殺人』の続編です。 メインキャラ2人は前作から引き続き、ストーリーの流れも前作ラストで登場した謎の組織を追って山あいの集落へ…という感じなので、前作は…

華文ミステリ入門編にピッタリ!陳浩基/ディオゲネス変奏曲

華文ミステリの第一人者と呼ばれる陳浩基さんの短編集『ディオゲネス変奏曲』を読みました。 2017年に発行された「13.67」は香港を舞台に現代から過去へ、時代を遡る形式の警察小説&本格ミステリというちょっと凝った趣向の本で、2018年の本屋大賞翻訳部門2…

五十嵐貴久/マーダーハウス感想-とっても素敵なシェアハウスにようこそ!

五十嵐貴久さんの『マーダーハウス』読了。ミステリだと思ってたけど終盤かなりホラーテイスト。春の夜に震える読書と相成りました…。 物語の舞台は鎌倉。バス停からは徒歩15分。人気のない林を抜け、坂道を登った先にある瀟洒な洋館、それがシェアハウス『…

マディソン郡の橋と渡辺淳一

職場で住宅地図を見ていたら『マディソン郡の橋』という名のアパート、もしくはマンションを見つけた。 すごい名前だよね、と平成生まれの後輩に振ったら『宗教施設かなんかですか?』と怪訝な顔をされた。 大ヒット映画、マディソン郡の橋は1995年の映画。…

『ゴールデン街コーリング』-街と酒と本の物語

馳星周さんの『ゴールデン街コーリング』を読んだ。 主人公は北海道から上京してきた大学生、坂本俊彦。本が好きで、コメディアンにして書評家の斉藤顕に憧れを抱きファンレターを出す。斉藤から返信を貰ったことがきっかけとなり、彼が店主を勤めるゴールデ…

まっすぐおうちに帰れない-「ずったらずったら-関内関外日記」感想

長い石段の途中で見た、夕闇の星を思い出しました。あの町の空気はいつだって澄んでいて、だからこそ人は馴染めない場所だった。 色んな人が弾き出されて、森や山は原始の凶悪さを取り戻したかのように生き生きと町を侵食していって。 石段で振り返ったラン…

アイスランド行きたい!-入江亜季『北北西に曇と往け』が尊すぎる

今日は最近、新刊が出たばかりのマンガの紹介です。入江亜季さんの「北北西に曇と往け」! もうタイトルからかっこいいのですが中身ももちろんかっこいいです。美女が出るよ!イケメンもいるよ!ジジイ素敵すぎ! 不思議な能力を持つ主人公、御山慧(帽子の…

ゾンビが町を救ってくれる?-越谷オサム『まれびとパレード』

人生を変えてくれたのは、人間ではない何かでした――。 今日は越谷オサムさんの短編集「まれびとパレード」の感想です。 物語に登場するのは、ゾンビ、座敷わらし、泥田坊、邪鬼と人ならざる「まれびと」達。ちょっと不思議で、でもほんわか心が暖かくなるよ…

【小説家になろう】おすすめ小説10作品・感想つき

正月に山ほど読んだなろう小説の中からオススメの物を10点、紹介しておきます。 なろう小説のオススメリストって数が少なくて、探すのに苦労するのですよね。少し古い名作はランキングに出てこないし。 そんな訳で今日は自分の備忘録がてら、なろうリスト集…

なろう小説たくさん読んだからオススメ&感想

表題通り。 今月はなろう小説にハマってしまい相当数読破したので、オススメ順に感想を書いていきます。 1・本好きの下克上 本好きの下剋上?司書になるためには手段を選んでいられません?第一部「兵士の娘I」 作者: 香月美夜 出版社/メーカー: TOブックス…

40代ですが40代に蹴られました

月980円で読み放題の、Kindle Unlimitedを利用している。 実際には読み放題より借り放題という言葉の方が実際にそぐうサービスだが(返却が必要)有料図書館だと思えばそれなりに便利。 ただしラインナップに偏りがある&読める本が定期的に変わるので、読み…

豊満たる女王の物語-『炎と茨の王女』

この週末はレイ・カーソンの『炎と茨の王女』シリーズ三部作を一気読みしていました。ジャンルでいうとYAファンタジーかな? 炎と茨の王女 (創元推理文庫) 作者: レイ・カーソン,杉田七重 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2013/12/21 メディア: 文庫 こ…

忘却のプレインヨーグルト

インド風のチキンカレーを作りたくなって、スーパーでプレーンヨーグルトを買った。 そういえば梶尾真治さんの本のタイトルで、「地球はプレイン・ヨーグルト」なんてのがあったなぁ、と懐かしく思い出したのち愕然とする。 ドンナ…ナイヨウダッタッケ… プレ…

【Kindle Unlimited】で読んだ、幸せの秘訣本

しばらくお休みしていたKindle Unlimited、先日のプライムデーから再開しちゃいました。2ヶ月99円なんだもん、これは買いでしょ。 Kindle Unlimited、便利なんだけどつい読み流してしまう、内容がきちんと頭に残らない気がして一度辞めたのですが(やっぱり…

森博嗣『ψの悲劇』感想-長く続く物語と付き合う喜び

森博嗣Gシリーズ11冊目、『ψ(プサイ)の悲劇』読了。 前作「χ(カイ)の悲劇」に続き、『すべてがFになる』のキャラクタが活躍する賑やかな物語である。かなり派手なアクションシーンもあり、なにより第一作から登場しているお馴染みのキャラ、島田文子さん…

虚飾の塔と深水黎一郎『ミステリー・アリーナ』

深水黎一郎さんの『ミステリー・アリーナ』を読み終えました。殺人事件が起こる閉ざされた雨の山荘と、華やかなTV局のスタジオ。 二つの世界が入り乱れる虚構と虚飾の物語の結末は、一体どこにたどり着くのか?表紙に描かれた空っぽのバベルの塔のように、…