おのにち

おのにちはいつかみたにっち

夏を悼む

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こんな話を読んだ。

 

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文章が上手いだとか、作り話だとか。

色んなコメントが付いていたけれど、私は人に文章を読んでもらう時の気恥ずかしさが描かれているのが良いと思った。

それから店主が亡くなった後に、その娘さんと思い出話をするところも。

そうやって語られることで故人の記憶は受け継がれていく、そう思わせてくれる所が素晴らしい。

  

父を亡くして、今年がはじめてのお盆だった。
様々な来客が訪れて、父の思い出話をしてくれた。


そうやってたくさんの人から見た父の話を聞くと、新しい父親像が構築されていくようで、なんだか感傷的な気持ちになる。


寡黙で静かな人だったから、友人やかつての同僚たちが語る姿が余計に眩い。


もちろん亡くなった者について語られる言葉が皆、優しく暖かいというのもあるのだろうけど。

それでも多少の美化くらいは許されるでしょう?もうこの世にいないのだから。

 


そんな風に綺麗に再構築されていく父の話を聞いていたら、死後というのもそんなに悪くないものであるような気がしてきた。


もちろん仏壇前で交わされる会話は父には届かないのだけれど、それでもね。

神に願う気持ちがほんの少し、分かる歳になったのかも知れない。 

 


父の葬儀を自分で取り仕切ったおかげか、煩わしいと思っていた親戚付き合いも、多少は板についてきた。

結婚式に呼ばれる数はどんどん減って、これからは友人や職場、親族の葬儀に向かう機会が増えるのかも知れない。

 


これから知り合いを亡くした時は、私もその人との小さなエピソードを一つ、優しい言葉で語ってこようと思う。


残された家族のために。

きっとそれが、亡き人を悼むということだから。

 

 

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