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おのにちはいつかみたにっち

和菓子と小さな幸せの物語「アンと青春」

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やっと出た!

坂木司さんの「和菓子のアン」続編、『アンと青春』読み終わりました。

あいかわらずほんのり甘くて優しくて、元気が出て。
疲れた時に口に入れたくなる小さな甘いものみたいな作品。

和菓子のように細やかな幸せをくれる物語でありました。

 

アンと青春

 

和菓子のアンあらすじ

 

和菓子のアン (光文社文庫)

和菓子のアン (光文社文庫)

 

 

かなり売れた和菓子屋短編小説、日常の謎系コージーミステリでもある「和菓子のアン」。

未読の方に簡単にあらすじを紹介しますと、やりたい仕事も特になくぽや~っと生きてきてしまったぽっちゃり系ヒロイン梅本杏子(あだ名はアンコ、のアン)が唯一の趣味「食べること」を生かしてデパ地下和菓子屋のアルバイト店員として成長していく物語。

何事にも自信のなかったアンちゃんが、自分の好きな「食べること」を生かして、少しづつ和菓子について学んでいき、成長していく様子が楽しかった「和菓子のアン」。

 

今作「アンと青春」でも、アンちゃんは変わらず東京デパートの地下、和菓子屋みつ屋で働いています。店長や、乙女男子立花さんも健在。

接客にも慣れ、和菓子の説明も上手く出来るようになったアンちゃん。

教わったことを一通りこなせるようになり、そこから先へ行きたいな、と感じ出したアンちゃんは、どんな大人になっていくのでしょうか?

 

「アンと青春」アンちゃんの淡すぎる恋模様?

 

アンと青春

アンと青春

 

 

前作ではとにかく自分に自信が無かったアンちゃん。

周りの先輩達に支えられ、少しづつ「この仕事が好き、この仕事に私は向いているのかも知れない」と思い始めているようです。

バイトのままでいいのかな、と仕事へのプライドも目覚め始めている様子。

前作はみつ屋のお客様とそこで働く人達中心の物語でしたが、今回はアンちゃんが他のお店のお菓子を食べたり、京都に行ったりと毎回美味しそうな食べ物が更にパワーアップしてます。

ついついお菓子を食べながら読みたくなるので、夜中に読むには危険な本!

 お菓子と、優しいアンちゃんの語り口で少女マンガのようにサクサク読めます。

それでいて周りのキャラクターや、物語の芯がしっかりしているのでお仕事小説や日常の謎ミステリーとしても楽しめる。

 

今回は前作の人気キャラクター乙女男子立花さんに次いで、洋菓子男子柏木さんが登場。
ライバルの登場に立花さんがちょっぴりモヤッとしていて、でもアンちゃんにはちんぷんかんぷんで。

淡い淡い恋が物語に差し込まれてまいりました。

さすが青春、キューンとしまっせ。

ラスト、冬の初めの駅のホームで甘酒を飲むシーンなんて、映像が浮かんできて「ドラマ化希望!」と呟いてしまいました。

途中少しだけ福島を取り巻く事にも触れられていて。
県民としてはそう!そうなんだよ!と深く頷かされました。

 

さて、今回の作品の欠点を1個だけあげるとしたら。

アンちゃんが、特に今回のアンちゃんはね。
とってもいい子、なのよ。
いい子。ハウス劇場に出て来そうないい子。
それは悪い事じゃない。でも汚れっちまった大人にはちっとまばゆい。

目が、目がぁ~!

 

前作のアンちゃんは自分らしくいることに少し罪悪感を持ちながら、でも私はこの道しかない、と歩いていく子だったけれど。
今作では受け入れられて、皆に肯定されて。

けれど自分が辛い事を上手く言えなかったり、人に気を使いすぎてたり。
いい子であろうとして、少し我慢しすぎに見えます。

アンちゃんの言葉はみんなまっすぐで正論。
それはすごく正しい。

例えば嫌味や嫉妬の気持ちをトゲのある言葉や態度に出してしまう人の気持ちを大人げない、と真っすぐに思う。

だけどアンちゃんは誰かを憎んだり羨んだり、心ない言葉で人を傷つけてしまう、そんなモヤモヤをまだ味わったことが無いのかも知れないなぁ、と思いました。

 

もともと「和菓子のアン」は坂木司さんの作品の中でも一番ストレートで優しい物語。

デビュー作はひきこもり探偵のミステリ、他にも自分の息子の存在すら知らなかったホストとか、「失敗した人のそれから」を描く作品が多かった坂木さん。

 

今作「アンと青春」のタイトルで思ったんですが。
和菓子のアンシリーズは、アンちゃんが大人になってゆく日々の物語なんですね。
自分に自信が持てなかった少女が天職に出会い、少しづつ歩きだしていく「和菓子のアン」。
周りに助けられ成長したアンちゃんが今度は周りの人を少しづつ救っていく「アンと青春」。

次回は「アンと結婚」もしくは「アンと恋愛」を期待!

まっすぐでいい子で、真面目にも程があるアンちゃんが恋をして、仕事でミスしたりモヤモヤしたりヤキモチ妬いたり。

そうやって、「正しさだけでは割り切れない事」に向き合っていくアンちゃんの成長が読みたいです。
今作のラストから言っても、次回は絶対恋愛編だと思うので。

 

アンちゃんには仕事の上でも是非ステップアップしていって欲しいから「アンのビジネス」編も期待!
アンの係長、アンの部長…サラリーマン金太郎かw

 

本のあとがきを読むと、アンちゃんが作者や周りに愛されてる特別なキャラクターだってことが分かります。

「誰かの『お助けあんこ』になって欲しい物語」って素敵ですね。
だからこそ続編が出るまでにこんなに時間がかかったんでしょう。

次回作は…もう少し早く読みたいな。
女性向けの物語ですが、少女マンガの好きな男性ならきっとハマる作品かと。

ではでは、今回は和菓子コージーミステリ「アンと青春」の紹介でした。

 

和菓子のアン 1 (花とゆめCOMICS)

和菓子のアン 1 (花とゆめCOMICS)