おのにち

おのにちはいつかみたにっち

繁殖と本能の話-私の不妊治療体験

今日こんな記事を読んで、面白そう!この書店に行ってみたい!と思った。

 

toyokeizai.net


でも今日はこの書店の話じゃなくて、インタビューの中に出てきた「現代人と動物的な本能」というお話。

現代を生きる私達は本当に動物的、肉体的なものと切り離されてしまったんでしょうか?記事を読むうちに、昔の自分が思い起こされてきたので、今日はそんなことをつらつらと書いてみます。

 

女性と動物的な本能?

 

さて、最初にあげた記事は吉原で遊郭関連の本の復刻本などを出版するカストリ出版という出版社が、ソープ街のすぐ脇に「カストリ書房」を開店した、というインタビュー記事である。

途中、こんな話が出てくる。

(書店の客がほとんど女性だ、という話を受けて)「何かどろどろしたものを求める気分が僕の中にはあるんですが、それは来店する女性たちにもある気がします。怖い物見たさというか……。」

なぜだろう。映画の『吉原炎上』とか、漫画の『さくらん』とか、春画展とか、女性が遊郭に関心をもつきっかけは最近継続してあった(2015年に東京の永青文庫で開催された「春画展」も、若い女性客が多かったことで話題になった)。 「女性のほうがレバーを食べる、男性はあまり食べない」という本連載前回インタビューでの女性の発言もあったが、男性のほうが今は、動物的、肉体的なものと距離があるということではないか。 女性は毎月いやでも自分が動物であることを肉体で実感する。対して男性のほうがパソコンやゲームなどのデジタルなものや人工的なものだけに浸って生きてしまいがちだ。生活全体のデジタル化に生理的に満足できない、リアルさを求める心理が女性のほうでより強いということかもしれない。

 最初の「」内が店主の言葉、その後がこの記事を書いた社会デザイン研究者、三浦 展さんの言葉である。

男性の方がパソコンやゲームなどデジタルなものや人工的なものに浸ってしまいがち…というのは一部のギークな男性だけの話ではないか?女性が月のもので自分が動物であることを実感するなら、若い男性は毎朝動物であることを実感しているのではないか?などと一部同意しがたい部分もあるのだけれど、基本的な部分は同意である。

デジタル化していく生活、便利なもの綺麗な日々に押さえこまれてしまいがちな私たちの本能。

もっと動物的に、本能のまま生きよう…という意識の表れが「どろどろとしたものを求める気分」なのかも知れない、と思った。

 

人は理性では繁殖できない?

 

さて、私自身が一番本能的なものを感じるのが「繁殖行為」である。
子どもを二人持つ私、もちろん本能の赴くままにすぐ出来ましたがな…と言いたいところだが、生憎若かりし頃の私は頭でっかちだった。

今もそういう生真面目な部分は残っている。
だからこそブログではふざけたいのだろうな、と分析してみたりするのだが。

私は20歳の時から5年間付き合った人と25歳で結婚した。
25歳という年は当時の結婚適齢期。
思いっきりテンプレである。
もちろん「出来ちゃった結婚」など許せない頭でっかち。

新婚旅行中に出来るのも恥ずかしい…などと戯けたことをほざいていた。
今思うとなにが恥ずかしいのか。
あの頃の私の石頭をかち割りたい。

結婚後も、すぐに子供が欲しいのに、仕事のことばかり考えてなかなか上手く行かなかった。

今は人が不足している。出産予定がこの時期だと職場に迷惑を掛ける。
育休を取らせてもらうなら仕事が忙しくない時期に。人が足りているときに。
新人さんが入ったから、この人が仕事に慣れてから…なんて考えていたらベテランさんが辞めてしまったりして。

あの頃の私に言いたい。
その態度、社会人としては相応しいかもしれないけど動物としての本能に反している。

いわば社畜ファースト。
新入社員で仕事も覚えないうちに妊娠するのは…とか、転職してすぐに育休を取るのは…なんて、真面目な人間ほど「社会の常識」に縛られて遠慮してしまいがち。

それは確かに社会人としては正しい。
でも、そんなに色々考えて、計算づくで繁殖が出来ると思うのは甘い…かも知れない。

色々色々考えて、基礎体温を測りグラフを描き、計算づくで挑んだ私は結局2年間子どもが出来なくて、不妊治療に移行した。

その後もなぜ出来ないのかは原因不明のまま、尻に注射を打ちながらタイミング法を続け、毎週の不妊治療という精神的なストレスと、出世と共にどんどん忙しくなっていく仕事に病み、生きていくことの何が楽しいのか分からない、と泣くようになった。
人としての限界を感じて一度仕事と不妊治療をやめた。

子どもは諦めてもいいよ、ちょっと一休みして、もう一回人生を考え直そうよ…。
そう夫に言われて注射も薬も仕事も辞めて、自分の人間としての不甲斐なさに打ちひしがれ、とにかく泣いてばかりいた30歳の夏休み。

私が妊娠したのは、どん底から人生を見直そうとしていた時期だった。
仕事も、排卵誘発剤もやめて、タイミング法も忘れて一か月。

あんなに頑張ってもダメだったのに、諦めて肩の力が抜けた時に妊娠はやってきた。

今思うのは、ガチガチガチガチ、計算づくだった私の頭の固さが敗因だったのではないか、と言うこと。

 結局二人目もそうだった。
一人目を産んだあとは妊娠しやすいと聞き、休職中に頑張ろう…と3年間頑張ったがダメで、一人っ子でも仕方ないか、と諦めて職についたら一ヶ月に妊娠した。

どうやら私の着床はストレスに左右されるらしい。
「頑張ったら」ダメなのだ。

あんまり考えすぎないで、本能の赴くままにするのが私の繁殖のコツだった。
そういえば子だくさん一家のお母さんはあまり深く考えていない人が多い…ような気がしなくもない。(ただしハダカの美奈子一択)

だいたい今の世の中、理屈で考えたら家も車も子どもも持てない。
全ては「贅沢品」の言葉で表されてしまう。

レバーを愛し、遊郭を懐かしみ、「どろどろした物」に惹かれる若い女性達。
それは頭でっかちな現代の私たちが忘れていた本能ファーストの復活なのかも知れない…と言ったら大げさでしょうか?

もちろん理性も倫理も、私たちが人間として生きる上で身につけてきた大切なこと。
でも絶対に人に迷惑を掛けない、自分のしたこと全てに責任を持つ…ってガチガチに考えすぎたら。

そこは袋小路なのかも知れないな…と思いました。

人も所詮動物。
時には肩の力を抜いて、自分の本能に聞いてみることも大切なのかもしれませんね。

あなたが求める「どろどろしたもの」は何ですか?
下ネタはやめろよバカ野郎、と釘を刺して今日は終わり!

 

私たちは繁殖している (1) (ぶんか社コミックス)

私たちは繁殖している (1) (ぶんか社コミックス)

 

 

脳を鍛える!40代からの大人のブログ術

ブログとは何ぞや?
色んな意見がありますよね。
趣味の一端、社会参加、新しい生計。

そこの所を深く突き詰めないまま、なんとなくぼやーっと書いてきたおのにちですが、ブログ歴2年目にして閃きました。

ブログって、脳トレじゃね?

 

40を過ぎ、痴呆防止という言葉に胸のときめきを感じるようになり、様々な脳トレの本を読み漁りました。
その中で気がついたこと。

このトレーニングの数々…みんなブログで賄える!

今日は成果や周りの評価ではなく、ただ己の脳のためにブログを書く、という新しい脳トレブログ術のお話です。

 

1・始めるだけでも脳にいい

 

これはブログに限らず何にでも言えることなんですが「新しいことにチャレンジする」というのは脳にとって最高のトレーニングになるのだそうです。

私は3年前から毎年一つ、新しい事にチャレンジしようと思って色々やっています。

最初はFacebook、次はブログ、今年は読書メーターです。
正直Facebookは飽きてしまってほとんどやっていないのですが、最初の設定に一番頭を使うので、続かなくてもいいんです。

特にブログの設定は知らないことが沢山あって難しかった!
デフォルトのままなら悩まないのですが、続けていくとデザインや読みやすさにこだわったり、色々カスタマイズしたくなるものです。

たとえ続かなくても、設定するだけで新しい刺激になるブログ。
取りあえず、作るところから始めてみましょう。

 

この本は読んでない…けど設定はできました。

「はてな」ではじめるブログ生活―はてな公式ハンドブック

「はてな」ではじめるブログ生活―はてな公式ハンドブック

 

 

2.回想するのがいい

 

昔のことを思い出しながら語ると脳に刺激を与え、精神的にも安定するのだそうです。

毎回同じ話をするお年寄りもいますけど、あれもボケ防止にいいらしいんです(同じ話する時点でボケてんじゃねぇか、という正論はやめろ)、聞いてあげましょう。

だから自分の思い出話をネタにすることは、実は脳にいいんですね。
身バレに気をつけつつ、まずは自分の思い出話や得意なこと、好きなことを書いてみましょう。調べる必要のない、自分の物語なら初心者の方でも書きやすいと思います。

 

 3.書き慣れないことを書こう

 

さて、自分の得意ジャンルを書き慣れてきたらハードルを少し上げてみましょう。
自分の思い出話や好きなことは下調べなしで書けてしまう。
慣れてくると脳トレ効果も減少してしまいます。

書いたことのないジャンル、調べなくては書けないようなことにチャレンジしてみる。色々なことに興味を持つ、調べながら書くことは脳にとても良いのだそうです。

 

私も最初は『自分に向いているジャンル』というものがよく分からなかったので、とりあえず目についたもの全てにチャレンジしました。

まずは本の書評、それから昔の話、家族のこと、アニメ、マンガ、料理、ファッション、社会論、恋愛論、ブログ論、ネタ系。

…結果としてどれが向いていたのかは、実は未だによく分からず(笑)ネタに走りすぎて炎上したり、色々と痛い目も見ましたが今思えばそれも全て脳トレ…(本当か?)

最終的に気がついたのは、どれも自分が書いているんだから自分らしさなんかに思い悩む必要はないということ。

所詮素人の個人ブログ、お客様受けばかり狙ってどうする!

検索流入を狙うならジャンルを絞った方がいいですが、脳トレには興味が向いたことを色々書く、調べてみるのがおすすめ。

ニワカだっていいじゃないですか、興味を持つことが大切だと思うし、知らない人が書けば自然と初心者に優しい文章になるはず。

 私のオススメは勉強にもなる社会論、オピニオン系。

なお私がニワカで書いた社会論の記事がこちら。
かなり初期のオピニオン記事なので、正直自分の意見は甘くて調べたことの羅列ばかりですが、その後もベーシックインカム、という言葉を新聞や雑誌で見かけると目を通すようになったので、書いて良かったと思います。

 

yutoma233.hatenablog.com

 

とはいえ、この記事を探すのに「ベーシックインカム」という言葉が出てこなくて「最低生活保障」でググっちゃったのですが…。

短期記憶を長期記憶にするためには、もっともっと書く必要があるようです。
この間はチルド氏の名前が出てこなくて「赤いおじさん」と呼んじゃったしなー(チルド氏は短期記憶)。

物忘れには亜鉛がいい(亜鉛が効くのは息子じゃなかったっけ?)と職場の人が言っていたのでこの冬は牡蠣をむしゃむしゃ食べます。

 

4.炎上も脳にいい…かも知れないが怒りには注意

 

さて、さきほどは社会論、オピニオン系をオススメしちゃいましたが、実ははてなブログでオピニオンを書くと燃える率が高いです。

なので打たれ弱いと自覚している人は避けた方がいいジャンルかも知れません…。
でも記事は書いて終わりじゃない。
失敗した!と思う時は謝罪してもいいし、記事を修正したり書き足してもいい。
きな臭い匂いがしてきたら思い切って記事を消してしまうのも手です。

ただ、あなたが誰かを貶めることなく、よく考えた末の自分の意見を書いているのなら気に病みすぎず、こういう考えもあるんだな、で済ませてしまいましょう。

私は自分の考えを書いたし、ブックマーカーさん達も自分の考えを述べているだけ。

世の中に「絶対に正しいたった一つの真実」なんてありません。
視点が違えば見え方も違う、賛同も批判もあって当たり前。

世界は広いと知ることも、脳トレ脳トレ!

40代50代、職場では批判なんてされたことのない貴方こそ、オピニオンを書いてみるべきなのかも知れません。現実社会では若者にコテンパンに言われる経験なんて、なかなか味わえないと思いますから。

ただ、稀に意見じゃなくてただの中傷を書いてくる人もいます。
怒りたくなりますが、ぐっと我慢ガマン。
怒りをガマンすることも前頭葉の鍛錬になるのだそうです。

だから子どものワガママを叱る、我慢を教える、というのは脳の発達にとても大切なことなんです。子どもに我慢を教えてるんだから、自分も怒りを抑えなくては。

怒りは健康面にも影響を与えます。ストレスであなたが胃を傷めたら相手の思うツボ。感情的になっても、いいことは一つもありません。

氏ねとか脅すような文句、事実にない誹謗中傷を書いてきたときはサクッと通報するのが早いです。

逆に、この人はなんでこんなことを書いたんだ?と色々勘ぐっていく、というゲスい楽しみ方もあります。非常にゲスですが相手のことを色々想像する…という点において、とても脳に良さそうなのでオススメです。

 

 炎上参加者の属性や人数の統計から分析した本。ネガコメに悩む人は是非!

ネット炎上の研究

ネット炎上の研究

 

 

5.手を使え!音声を使え!

 

兼業主婦の私、ブログを始めたばかりの頃は子どもを寝かしつけた後3時間~4時間かけて1記事を仕上げていました。
つい夢中になってしまい、深夜まで書いてしまうこともしばしば。

その手法だと犠牲になるのが睡眠時間。
寝ないと脳の働きが明らかに低下するのでホントに危険。
毎日運転もするし、これはさすがにダメだ…、と夜11時以降の執筆は辞めることにしました。しかし週末は子どものスポ少などもあり、書き貯めも難しい。

じゃあ諦める?ノンノン!
2~3時間のまとまった時間を手に入れるのは難しいですが、10分~20分、毎日の隙間時間を足し合わせればそのくらいにはなるはず。

そこで、仕事の合間やお昼休みに手書きでメモを取り、それをIPhoneのメモ機能に読み上げてデータ化という奇妙な書き方を編み出しました。

この手法だと勤務中に草稿を作り、帰宅前、車の暖気中の5分間にiPhoneに読み上げてデータ化、自宅で寝る前にデータの誤字脱字を修正、見出しや画像をつけて予約投稿まで辿り着けます。

最初はスマホのフリック入力に慣れなくて始めた手書きでしたが、実は手で紙に書く、という行為がとても脳にいいんですね。文字を書くために手を使うと、脳がより活発に働くせいではないか、と言われています。

今はフリック入力にも慣れ、最初からスマホの方が早くなりましたが、脳のために昼休みは手書きしてます。

それから、音読も脳にいいんです!
物忘れしない元気な脳には音読がいい、と川島隆太先生も言っています。

 

脳を鍛える大人の音読ドリル―名作音読・漢字書き取り60日

脳を鍛える大人の音読ドリル―名作音読・漢字書き取り60日

 

 

先ほど書いたように、私はiPhoneの音声メモに手書き文書を読み上げ、データ化しています。iPhoneの音声聞き取り機能はかなり優秀。
早口でもちゃんと聞き取ってくれるのがエライ。

最初は時短が目的だったので、とにかく早く読み上げる努力をしました。
結果最初は1000字5分だった音読が、今は3分で読み上げられるようになりました。
早口で知られる、黒柳徹子さんが350字/分だそうなので、ほぼ同じくらいの速度です。

他に効果はというと…いつも電話で困っていた、長い長い他社の社名がサラッと言えるように!明らかに滑舌が良くなったし、言葉に詰まることも減りました。

とりあえず早く読めるようにはなりましたが、まだまだ発音が悪いせいか誤字脱字が多いので、今後の目標は聞き取りやすく話すこと、ですね。

あなたのスマホやパソコンではどうかな?一度試してみて下さい。
音声メモ面白いですよ。

 

他にも思いついたときはなんでもiPhoneや手帳にメモ。
出勤前の10分で書く、料理の煮込み時間に書くなどちょこちょこ書きで乗り切っています。

一度に一記事を書き上げようとするとどうしても時間が掛かるので、ぼんやりした全体像のイメージで100字くらいの文章のまとまりをいくつか書く。

その後段落を並びかえたり削ったり、継ぎ合わせて1記事にしていくと楽です。

スマホのフリック入力も諦めずにちょこちょこやってると出来るようになりました。
何事も慣れ、諦めないことが肝心!

一番時間の無い時には料理をしながら音声で「こんにちは!おのにちです」もやっています。料理をしながら歌を歌うなど、二つの事を一度にやるのが脳にいいと書かれていたので、やること全てが脳トレです。

しかし音声だけで、紙に起こさずにブログを全部書くのはまだ難しい…。
書きかけの文章を補完するだけなら音声でもいけるのですが。
脳内の考えを整然と言葉にする。これが出来るようになれば話し上手になれそう!

今年はお風呂やトイレなど、色んな場所でフリックじゃなく音声入力にチャレンジしてみたいと思います。

 

 6・ほどほどに楽しむ

 

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さて、最後に自分にも言い聞かせたい言葉がこれ!
脳トレとしてブログを考えるならのめり込み過ぎない、やり過ぎない!

私も子ども達がいない休日など、1時から5時まで、気が付けば水も飲まずトイレにも行かず、ひたすらパソコンに向かってたりします。

もともとオタク気質なので、ハマりすぎるとヤバいタイプです。
いくら考えることが良くても、休息は大事!

ずっと座っていると血流が悪くなります。足はむくむ、肩は凝る。
せっかくの脳トレが逆効果に。

適度な運動や水分補給も脳には大切なので、じっくり書きたくても1時間起きに休憩やストレッチをする、歩きながら音声で書くなど、気分転換しつつ書いていこうと思ってます。いくら書くのが楽しくても、健康を害するようじゃ問題外。

他所様のブログ運営報告なんかを見ると、みんな景気のいい話ばかり。
私もたまにお金に目がくらみそうな時もありますが、学生時代コピー誌をトントン+ジュース代ぐらいで売って、感想を貰ってきゃっきゃうふふしていたあの頃を思い出し初心に帰ります。

本を読んで感想を書き、少し貰ってまた本が買える。
その位のサイクルで楽しく書く方が続くのかなぁと。
そこまで厳格に検索流入を意識しなくても、記事数が増えるにつれて自然と検索も増えてきますから。

 無理せず、のんびり自分のペースで。

運動を始めたり、資格試験や語学の勉強を始めるのも脳には最高。
それを持続させるためにブログで日記をつけたり、仲間と交流するのもいいですよね。

ブログで生活出来てしまう人もいる世の中。
やる気元気前向き!で情熱溢れるブログ論ももちろん素敵。

ただのんびり、脳トレ気分で楽しく自分のために書いてみるのもいいんじゃない?
今日は大人のための市民講座的ブログ術…のお話でした。

 

この本読んでブロッコリーと鮭をよく食べてます。
高齢者向けですが、食事に重きを置いているところが他の脳トレ本とは違い、役に立ちます。朝はゴハンがいいらしいんですが、やっぱりパンが好き…。

100歳までボケない101の方法―脳とこころのアンチエイジング (文春新書)

100歳までボケない101の方法―脳とこころのアンチエイジング (文春新書)

 

 

こちらも分かりやすく取り入れやすい本。
ちょうどkindleUnlimited 読み放題対象なので、サービス利用中の方は是非。 

脳が冴える15の習慣―記憶・集中・思考力を高める (生活人新書)

脳が冴える15の習慣―記憶・集中・思考力を高める (生活人新書)

 

 

最高のガールズストーリー・坂木司『女子的生活』感想

坂木司さんの「女子的生活」読了。

かわいい表紙にかわいいタイトル。
量り売りのシリアル、フレアタイプのショーパンにエアリーブラウスが今日のコーデ。お気に入りの洋楽が目覚ましで、今日のメイクは夜の合コンに合わせて少し遊んじゃおうかな。

ヒロインの朝の始まりはいつもこんな感じ。
ガーリーでラブリーでフェミニンな世界。

アラフォー主婦の私が最初に感じたのは違和感でした。
この世界、馴染めないよ…?ホッピーとスルメはどこ…?

ところがヒロインがそもそもフェイクである、という裏切りから始まって、物語は小気味いい展開に。

私は私らしく、日々を戦っていけばいいんじゃないの?と勇気を貰える物語でした。

 

「女子的生活」あらすじ

 

女子的生活

 

主人公みきはアパレル会社員として働く20代。

仲のいい友達とルームシェアして、お洒落なインテリアに好きなファッションで夜遊びし放題と夢の東京生活を送ってきたけれど、そんな日々に暗雲が。

彼氏が出来た友達が、部屋を去ってしまうことに!
一人で払うには高すぎる部屋代と、快適な生活に揺れているミキの前に、高校時代の同級生が現れる。

「もしかしてお前…小川幹生?」
そう、みきはトランスジェンダー。

完璧にカワイイ彼女の秘密。
みきは 女の子が大好き、女の子になって女の子とカップルになりたい、という女装男子だったのです。

完璧にかわいいみきと、イイ奴だけど鈍感な男、後藤。
高校の同級生がふとした縁でルームシェアすることになる所から始まる、不思議な「女子的生活」はどう転がっていくのでしょうか…?

 

物語の感想

 

 とにかくヒロインみきが魅力的。

明るく才色兼備、機転が利くし気も強い。
トランスジェンダーとしての生きづらさを感じながらも、やり方次第で何とかなる不況の今を逞しく生き抜いてる。

ストーリーは合コン、仕事とみきの日々の物語なのだけれど、日常に潜む小さな差別やブラック企業の捉え方、見下したい男子やめんどくさい親子関係、女同士のマウンティングと「あるある!」の世界をビシビシ叩き切ってくれます。

 みきの語り口は結構、強い。男性にはそこそこ、怖いかも。
でも私は合コンでミキが好みの女子にわざと口論を仕掛けるくだり(みきが好きなのは頭が良くて気の強い女の子)、大好きです。

ならちょっと、投げてみよう。

「ね、ここだけの話そういうカッコって寒くない?」
耳元で囁くと彼女は口元だけで笑った。

「寒くないよ。質のいいコットンは保温と保湿性が高いし、本物の皮は温度調節もしてくれるから」
いいね。じゃあもう一球。

「そうなんだー。でも本革って私は苦手。動物を殺して皮膚をはがすなんて、考えただけで怖いもん」

 少し沈黙。やりすぎた?
あ、違った。演技の「間」だった。

「-わかるよ。私も毛皮問題とか、考える。 でもこのブーツは牛革なんだ。食用肉の余った部分の再利用。そのために殺した訳じゃないの」
「そっかぁ」
「命を奪ったら最後まで使い切ってあげないと。私はそう思うんだ」
わあ、完璧。ならもっとすごいの、投げちゃおうかな。

「えー、でも私だったらやだなぁ。死んだ後、自分の皮膚が居酒屋のトイレにこすりつけられるとか、あり得ないもん」
さあどう出る?

彼女は口元だけをきゅっと吊り上げた。そして私の耳に、それを寄せる。「あんたの皮なんか、牛以下だよ」

きたきたきた。
私は「信じられなーい」と言う表情を作って、固まってみせた。
すると、重めの球が投げ込まれる。

「-このゆとりビッチ」
キャッチ。いいじゃん。最高!

                  (「女子的生活」より)

 これ、合コンの席の会話ですからね。
小声なので、周りの男性陣は女の子同士がにこやかに話してると思ってる。
これを怖いと受け取るか、痛快!と受け取るかで、物語の好き嫌いが分かれる。

痛快派ならハマる!絶対爽快な気分になれるハズ。

 

私自身はこういうささやかなマウントポジション争い、割と好き。

さすがに『牛以下』とか『ゆとりビッチ』なんて言葉を実際に口に出したことは無いけれど、褒めるフリして貶されたお返しはちゃんとするタイプです。
だって、家に帰ってから悔しくて眠れない、なんて人生の損失大っ嫌いなんだもん。

 

言葉だけじゃなくて、対等とは認めてないぞ感とか、あなたのことなんて覚えてもいなかったわ感とか、人生には色んな戦いがあります。

ただそれを感知できる人と出来ない人がいるのかも?
本を読んでいてそう思いました。
旦那もそういうの気がつかない方かなー。

「女子的生活」の中では、そういう世界の分離を「単純」と「複雑」という言葉で表現してました。

 単純と複雑、どっちが良い、悪いじゃなく折り合える世界で物語が終わるのもいい。

とにかくしっくりくる解釈ばかりで「あるある!」「そうそう!」と肯定ばかりしてました。主人公みきの元気な物言いも好き。

 

日々色々なことがあるけれど、そんなの表に出さないように、ちゃんとお風呂に入って早く寝て、明日のコーデも考える。

そういう「当たり前」が小さな強さになっていくのかな、と思いました。
人生色んなことがあるけど、笑い飛ばして前を向いていこう。
そんな元気を貰える一冊です。

日常を戦ってるあなたにこそ、オススメしたい本でした。

 

女子的生活

女子的生活

 

 

真梨幸子「イヤミス短編集」感想-嫌な気持ちになりたいあなたに?

真梨幸子さんの『イヤミス短編集』読了。
怖い話、気持ち悪い話が多くてまさにイヤミス…とドロドロさせられました(笑)
短編集なのでちょっとドロっとしたい?時にはいいかも。

全6編、タイトル通り全てが嫌な物語の短編集。
簡単な感想を書いていきます。

 

イヤミス短篇集 (講談社文庫)

1999年の同窓会

 

タイトル通り1999年、ノストラダムスの大予言の年に小説家になった男性の話。
小学生の頃同級生だった憧れの女子から電話をもらい、人類が滅亡する前に会おうって約束したでしょ、と言われるのだが…。

周りに詐欺師しかいない主人公が凄い。
騙されやすい人はこうやって騙され続けるのかな…と腹の底が冷たくなるような話。


いつまでも、仲良く。

 

ダイエットに成功した主人公ヨシエは、母親と二人暮らし。

ダメ出しが厳しく、娘を褒めた事がない母はヨシエにたらふく食べさせるのが日課。
結果肥満が常態化し、仕事も恋も上手くいかない娘に『中身より容姿を優先する世の中が悪い。あんたは悪くない』と吹き込んでいる。

その泥沼から、ダイエットドリンクでようやく抜け出せたヨシエ。
でも、母が作ってくれるようになったダイエットドリンクは私のモノより美味しくて、なんだか体重が増えていくようで…?


愛情じゃなくて、依存で繋がる親子関係。
テレビの前で、お菓子をつまむ太った母娘。そんなよくある光景が怖くなる話!

 

シークレットロマンス

男性会社員×2と女子社員の恋の話?と思いきや物語はどんどんおかしな展開に。
BLかと思ったら凄いオチだった。

女子向け?と思いきや、一番血なまぐさい話かも…。
そんなひねくれ具合も真梨さんらしいと思える一編(笑)

 

初恋

 

14歳の初恋が拗れて怖いことになっていく話。
殺虫剤やら伏線が詳細なのに細部ははっきりしていない所が怖い。
本当は何が起こって、誰が一番悪かったんでしょうか…?

色々考えたくなるラスト。

 

小田原市ランタン街の惨劇

 

飽き飽きしていた彼女から最後のメールを貰った主人公。
これで終わり…と思っていたら職場に弁護士が現れる。

どうやら彼女が自宅で堕胎し、子供を殺した罪に問われているらしい。
知る余地のないことだったが、生々しいメモを読み証人を引き受けることを承諾する。しかし、付きあい始めた時期と妊娠の計算が合わないことに気がつき…。

ボタンの掛け違えのようなイヤミス。
悪意がないように見えてそこそこヒドイ弁護士は、星新一のキャラクターを彷彿とさせます。


ネイルアート

最後の話が一番リアルで一番気持ち悪い。

小説家を夢みて、ライターとして忙しい日々を送っているヒロイン。
とある電機メーカーから、育児サイトの管理人を頼まれる。

給与も良く、楽な仕事に思えたがそこの掲示板は度々炎上していて…。

ヒロインが持つ管理人権限という設定が面白い。
削除権限があったり、書き込みが自演であることが分かったり。
しかし児童虐待をほのめかす書き込みから、ヒロインの身辺が脅かされて…。

ネイルアートのタイトル通り、爪にまつわる話なのですが…怖い!怖いよこれ!
しかも後味悪いよーー!これぞイヤミス…。
じっと自分の爪を見てしまいました。

最後の告白で冒頭の印象がガラッと変わって来るのも面白かった。

 

おわりに

 

気持ち悪いし、怖いんですけど。
たまに覗きたくなるイヤミスの世界。

それは最後のお話で管理人権限に夢中になるヒロインの心理に似ているのかも知れません。怖いものほど、覗き見たいのさ…!?

ではでは、今日はドロドロしたイヤミスがサクッと読みたい!人にはオススメの一冊を紹介させて頂きました。

爽やかで明るい気分になりたい人は、読んじゃいけませんよ絶対に…!

 

イヤミス短篇集 (講談社文庫)

イヤミス短篇集 (講談社文庫)

 

 

 

令丈ヒロ子「ハリネズミ乙女、はじめての恋」感想-ハリネズミ×美少女漫才!?

この本、表紙見たときは児童文学とか、ファンタジーみたいな感じかと思ってたんでっせ。

中読んで見たら、そんなん違いましたわ。
主人公は関西のお笑いに揉まれて育ったべっぴんさん。

そんな彼女が天使のようにカワイイ僕、ハリネズミの白ハリくんと、人×ハリネズミの漫才を繰り広げスターダムをのし上がるというお笑いエンターテイメントでんがな!

 

「ハリネズミ乙女、はじめての恋」あらすじ

 

…こんにちは、みどりの小野です。
いきなりエセ関西弁から始まってごめんなさい。
今日は、読み終わると誰もが関西弁でハリネズミの腹話術ごっこをやりたくなってしまうという(?)素敵な物語「ハリネズミ乙女、はじめての恋」の紹介です。

さきほど白ハリくんの紹介にもありましたとおり、これはお笑い大好き、関西弁でペラペラしゃべる天才ハリネズミ白ハリと、小さい頃から動物の言葉が分かるヒロイン、コノカの物語。

表紙の印象から児童文学っぽい?と思っていたのですが、世間知らずのコノカがバイトや芸人としての経験を通して成長していく、青春物語でした。

 

ハリネズミ乙女、はじめての恋

 

表紙は童話っぽい印象ですけど、読んで見るとお仕事ストーリーとしても楽しめまっせ。今ならお試し版もありますさかい、試しに読んでみてやー。

 

www.kadokawa.co.jp

 

ハリネズミ漫才Twitterで拡散中!?

 

この物語は関西のお笑い一家に馴染めないまま育ったヒロイン・コノカがとりあえず上京、たまたまペットショップで出会ったカワイイ白ハリネズミと言葉が通じあってしまう…?というファンタジーのようなオープニングから始まります。

ところが白ハリくんと二人で話している所を動画に撮られ、Twitterに拡散されてしまう…というところから物語は急展開。

二人はハリネズミ×人間の腹話術漫才というネタで大人気になってしまうのです。

その後も、お笑い一家で育ったコノカへのやっかみがあったり、ストーカーめいたファンがいたり、ぎゅうぎゅう詰めの仕事にクタクタになったり…とファンタジーが働く女の子の成長ストーリーになっていくところが面白かった。

最後は少しほろっとしつつも、彼女の成長に素直に拍手が送りたくなる。
悪い大人としては世の中こんなん甘ないで~!なんてケチをつけたくなる気持ちもありますが、たまにはこんな優しい物語に癒されるのもいいよね。

ミルクティーとかクッキーとか、そんなお菓子といっしょに読みたくなる、かわいらしいお話でした。

関西弁の白ハリくん、めっちゃかわいいで!隣にいて欲しいわ~。
ほな、今日はこのへんでさいなら。

 

ハリネズミ乙女、はじめての恋

ハリネズミ乙女、はじめての恋

 

 

あなたを嫌いでもいいですか?「ど根性ガエルの娘」感想

青柳美帆子さんの記事を読んで、「ど根性ガエルの娘」を買った。
最初は試し読みしようと思ったら、あまりの人気にサイトが開けなくて(今日は解消されている様子)、結局電子書籍を購入してしまった。

 

www.excite.co.jp

 

結果、読んで良かったと思う。
確かに怖いし、衝撃的なのだけれど。

これは心のどこかで親を愛せない、家族が全肯定できない人にとっては救いの一冊にもなるんじゃないだろうか。

何より私はこう思った。

愛と憎しみは隣にあっていいのだ。
辛い思い出を抱え込んでいてもいいのだ。

ああ、親を嫌いでもいいんだ、と。

 

未読の方は田中圭一さんのマンガ、それからヤングアニマルの最新話を読んでみて下さい。二つの漫画が同じ家庭を描いているのだ、と気が付いた時背筋が凍ります。
 

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ヤングアニマルDensi

 

親を愛さなくてはいけない、という枷

 

ど根性ガエルの娘 1 (ヤングアニマルコミックス)

 

親を嫌うことは、悪いことだとされている。
誰に言われなくても、私自身の胸が痛む。

自分が子どもを育てていく中で、親には本当に大変な苦労を掛けたのだと実感できた。また、いつまでも小さなトゲにこだわり続ける自分はどれほど子どもなのだ、と思う。

私の人生は私の責任で出来ている。
もう誰かの所為にして生きていられる年ではない。

 

私の母は子どものように無邪気な人で、いくつになっても女性であること、娘より自分の方が美しいこと、かわいいことにこだわり続けて生きている。

母は今でも娘にマウンティングを仕掛けるのが大好きだ。
干してあった私のジーンズのサイズをわざわざ調べ、自分の方がワンサイズ小さいと笑う。

『まだまだ、お母さんの方がスタイル良いわね』
それがもうじき70になる人の言葉だ。

母にとって、幾つになっても娘は女としてのライバル。
その醜悪さに吐き気がしながら、私は笑う。
『もう、お母さんったら』

 

そうしなければ、昼下がりの幸せは壊れてしまう。
子どもたちはおばあちゃんの持ってきたオヤツを幸せそうに食べている。
夫も、母のことを子供のような人だと思っている。

私も今は、母が私より子どもである、と諦めて保護者を気取っている。
でもそこに隠れる欺瞞も気がついている。

私はそうやって世話焼きの娘を演じることでしか母と向き合えない。
仲の良い親子のロールプレイングゲームを演じているのだ。

 

もし私が母と、素の自分で向き合ったら周囲の人をハラハラさせてしまうだろう。
親を大事にしなよ。
思春期にはそんな言葉を腐るほど貰ってきた。

母が私を傷つけるような言葉をいくら吐いても、親の心配の名のもとに許される。
グズ。ブサイク。デブ。

新しい服や化粧品を買っても、母はいつも勝手に身に付けた。
娘のものは自分のもの、そう信じて疑わない人だった。
お母さんの方が似合う、お母さんの方がきれい。

思春期の私は諦めて、いつも黒や紺の少年のような恰好をしていた。
そうすれば母も興味を示さなかったから。

ピンクはいまでも苦手だ。
それは小さい頃から「おかあさんが着る色」だったから。

小学校の入学式、母がその色を着るから、選べなかった桜色のワンピース。
下らない感傷だ。新しい洋服が買って貰えなかった子も沢山いる。
贅沢だと分かっているけれど、痛みは確かにそこにあったのだ。

かつて私を傷つけた、言葉や態度の数々。
そこから蘇ってくる地獄のような嫌悪を、私は三角コーナーに投げ捨てる。

大月さんの漫画は、そんな口に出せない三角コーナーを全て露わにしたような作品だと思った。

言ってもどうにもならない、世界を傷つけるだけだ、私が憐れまれるだけだと分かっている醜悪な嫌悪たち。

私は誰にも憐れまれたくなんてない。
だから一生、態度には出さない。
良い娘のまま骨を拾ってやる覚悟はある。

 

それでも、一番キツイのは『母を嫌う自分の酷薄さを責める自分』だ。
自分の心の中をジャッジして責めたてる私がいる。
それが一番痛い、苦しい。

 

漫画を読んで、すごく苦しいのだけれど、怖いのだけれど、私は肯定された気がした。

表面上は仲良くしていても、忘れられないこともある。

それでもいいのだ、と許されたような気がした。
心の底に嫌悪を抱いていてもいいのだ、と。

愛と憎しみは遠い彼岸ではない。
いつも私の隣にある。

時に私は過去に悩まされ母の無邪気なディスを憎む。
それでもある日は母がしてくれたことに感謝するし、この人もまた生きづらさを抱えているのだ、と憐れむ。

それはどちらも私の感情だ。

でもそれはすべて私の心の奥底にある。
他人に理解できるものじゃないし、理解してほしいと願うのも甘えだと思っている。

だから私は今日も笑って、単純な世界を生きる。

 でも「ど根性ガエルの娘」が自分の中の割り切れないモヤモヤを、表に出してはならないと思っていたものを露わにしてくれたことで。
私は救われた気がした。
過ぎ去ったはずの憎しみを、今も抱え込んでいてもいいのだ、と。

 

たとえ親が変わっても、自分が大人になっても、心の何処かに布団を被って泣いていたあの日の私がいる。

けれど一方で、そうやっていつまでも抱えていることを子どもだ、人のせいにするなと責める私もいる。

漫画を読んで私は、思うことは自由なのだ、と許された気がした。

 

たとえ外面だけでも、幸せに見えればそれでもいいのではないだろうか?
未だに母に会いたくない、という痛みはほんの少しだけ残っている。

親だって人間。
理想の親なんていない。

そんなこと腐るほど分かっているけれど。
表には出さないから、これからも嫌いでいてもいいですか?

私にとっては、赦しのようなマンガでした。

  

ど根性ガエルの娘 1 (ヤングアニマルコミックス)

ど根性ガエルの娘 1 (ヤングアニマルコミックス)

 

 

ど根性ガエルの娘 2 (ヤングアニマルコミックス)

ど根性ガエルの娘 2 (ヤングアニマルコミックス)

 

 

あまりにも暗くなってしまったので、追伸。
ブログを読んで下さる方ならお分かりのように、今の私はのほほんとした日々を生きていますし、母とも仲良くしています。
ただほんの時折、小さなディスやマウンティングに昔の傷が痛むのは確か。

家族との確執を抱えていない人でも、昔自分をいじめた、裏切った人が改心したからといって心の底から仲良くできるか?と考えたら「ど根性ガエルの娘」の描きたかったものが分かるかもしれません。

愛も憎しみも同じテーブルにあって、でもそれは共存できる。
そういう作品だと思いました。

ただ世の中には「過去は過去!今日からお前は俺の友達だ!」と少年ジャンプのように、本気で言い切れる人が存在しているのかも知れなくて。
羨みながらも、私には信じられないのです。
そんな風に単純な世界が。(うわ、今日はやっぱり暗かった…)

 

他動的読書のすゝめ

北海道の豊かな大自然の中で子供時代を送ったはずの私。自慢ではないがインドアの記憶しかない。

試される大地北海道!では近所の友達の家に遊びに行くだけでも片道30分。
牧場の友達の家に遊びに行った帰り、地吹雪に巻き込まれ死ぬ思いをした私は(北海道では年に1人は凍死する)熊さえ寝ている冬に外に出るなど自殺行為、と悟り長い冬をひたすら読書で過ごすようになった。

楽しい読書三昧の日々…といきたいところだが、致命的な問題があった。
肝心の本がないのである。

小学生の頃、お小遣いは友達とファーストフードに行けばすぐになくなる程度。
自分で本を買うなど問題外。
クリスマスや誕生日には全集をねだり、お年玉も図書券でいいから2割増にしろと交渉した。

しかしそれでも本が足りない。
学校の図書館は蔵書が少なく、町の図書館は徒歩一時間。
スマホどころか、パソコンも無かった時代、とにかく読む物!といつも活字を探していた。

読む物のない活字中毒者はどうするか?とにかくそこにある文字をハイエナのように漁っていく。

まずは父の本棚。
星新一、ブラッドベリ、フレドリック・ブラウン、夢枕獏はここで覚えた。

それから母や祖父母の雑誌。
暮らしの手帖、私のカントリー、家の光、月刊農業。

自営業だったので、付き合いで新聞をいろいろ取っていたのもありがたかった。
北海道新聞(地元じゃ道新)、朝日、毎日、スポニチ、赤旗。
新聞を数紙読むと、同じニュースでも少しずつ論調が違うことを学べる。
それぞれ自社の主張があり、世の中に「絶対正しい」はなくて、自分で選びとるものなのかな、と気がつく。
特に赤旗の押しの強さは、子供の目にも明らかだった。
一紙だけ取っていたら、思考の偏りが結構やばかったと思う。

暮らしの手帖は結構ハマった。
料理や手芸、生活のあれこれはまだ早かったけれど、巻末のエッセイや読者コーナー、本や映画の紹介は面白かった。

大人になってから「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる」を買った。
読んだ当時も古めかしく感じたのだけれど、その旧弊さが今は逆に豊かで、美味しそうで大好きな本だ。

  

巴里の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)

巴里の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)

 

 

 自由な読書の不自由さ

 

大人になった今、好きな本を好きなだけ読めるようになった。

自由になるお金も少しはある。
Amazonがあり、絶版本だって予算が許せば買える。
電子書籍も、図書館にもいつでも行ける。ネットの向こうにも文章が溢れている。

読み放題、贅沢な日々を送れる今。
実は少し、つまらないことがある。

それは目新しい、初めて知った!と言う驚きと出会えないこと。

自分でお金を出して買う本は、どうしても好きなジャンル、知っている作家に限られてしまう。図書館で借りるのも、自分好みの本ばかり。
それでも読み切れないくらい、好きな本はたくさんある。

本でも映画でもアニメでも、好きなジャンルの物ばかり手を出してしまいがちではないだろうか?それでも勿論、充分楽しめる。

ただ1つのジャンルを極めすぎると目が肥えてくる。
あれ、この展開〇〇で見た。面白いけれど、〇〇には敵わない。
そんなふうに感じてしまうようになったら、あなたは飽和状態なのかもしれない。

世の中面白い本も映画も山ほどあるけれど、時代を超えて愛される神作品とはなかなか巡り会えない気もする。

 

そんな時、昔読んだ父の時代小説やら、祖父の農業雑誌を思い出す。
どちらも普段は絶対読まないジャンルなのだけれど、読むものがなくて仕方がなく手を出した。

読んでよかった池波 正太郎。
それからキウイに雄雌があることを知った時の驚き。

自分で本を選ぶことを能動的読書、と言うならばそれはさしずめ他動的読書。

読むものがない、と言う理由で何の気なしに読んだ本の数々を思い出す。
そこには、ハズレもあるけど新しい驚きがあった。

知らなかった!エウレカ!と思うような本と出会えたときは、シナプスが火花を上げるほど面白い、ワクワクする。
そんなスパークが他動的読書にはあった…気もする。

私の知らないスゴ本は、あなたの家にあるのかもしれない。
今年は苦手なジャンルの本も、月に数冊はチャレンジしてみようと思う。

あなたのシナプス、鈍ってませんか?
女子大生ジャンルに飽きたなら、次はスカトロにGO! (そうじゃない)