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八咫烏シリーズ第4弾~空棺の烏が面白い!

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 今日は今一番好きな和風ファンタジー、『八咫烏シリーズ』の最新刊「空棺の烏」を紹介します。

シリーズ累計15万部と、どんどん人気になってきたこのシリーズ。

卵から生まれ、人と鳥の姿になれる八咫烏の住む世界山内。

山内を統べるのが東・西・南・北の4つの宗家と王である「金烏」。

今回は王と宗家一族を守るため優秀な武官を養成する学校『勁草院』に入学した少年たちの物語です。

 

空棺の烏

 

少年たちの学園生活が面白い!

 八咫烏シリーズ第一作、「烏に単は似合わない」は大奥のような場所を舞台にした少女たちの物語でしたが今回は少年達の武官養成学校での生活を描いた成長物語。

第一作から登場している《普通の》次男坊、雪哉とその同期の少年たちが主人公です。

 物語は17歳とは思えないくらいの巨漢、茂丸の話から始まります。
田舎育ちの平民茂丸。故郷を襲った敵から仲間を守るため、自分に出来ることをするために入学した彼。その大きな体に似合う広い心を持ち、階級差を気にせず自然体で生きるムードメーカーです。

 それから第一作に登場した西家の姫君真赭の薄の弟、明留。
姉に似た赤毛の美少年ですがなかなか威張りん坊で上目線の階級主義者。

 そんな明留とは正反対の立場にいる最下層民、下人育ちの千早。
千早は誰よりも腕が立ち、頭もいいのですが貴族が大嫌い。

 そして一見人当たり良く、普通の武家の息子に見える雪哉。
第2作、「烏は主を選ばない」の感想でも書いた通り、一筋縄ではいかない性格です。前作ではまだ子供らしいところもありましたが高校生くらいの年になり、覚悟も座り更に性格が悪くなっております(だがそこがいい)。
コードギアスのルルーシュ様っぽいですね。ただまだ覚悟が決めきれてなくて心が揺れたりする男の子(ああそこがいい)。

 前半は彼らのように一癖ある少年たちが学校の中で権力争いやスポーツで競い、試験続きの毎日の中で団結したり、スネイプ先生みたいに意地悪でえこひいきな先生に悩まされたり。

スネイプ先生が出てきたところでも分かる通り、すごくハリポタ風です。
でも今回も物語をひっくり返すのが上手い作者らしく、本当の思惑が見えてきて、なるほどこれが伏線だったのね!と思わされます。
すべては黒幕の思い通り…なのかも知れない前半ですが、少年たちがぶつかり合い互いに理解しあう様子がとてもいいのです!

 

物語の全景がだんだん見えてきた。猿とは?そして「玉依姫」。

 

 物語が終わるかに見えた終盤、世界は大きく揺らぎます。八咫烏の世界を脅かす「敵」が現れるのです。人間を喰らう『猿』。しかし八咫烏も猿も、どうやら同じく人型を取れる生き物。結界のようなもので隔てられている猿と烏、二つの世界。

猿と八咫烏はなぜ敵対しているのか?

山内の危機に現れると言われる『真の金鳥』とは?

4家のうち2家を味方につけ、地盤を固め始めた皇子ですが、今後他の2家はどう出るのか。そして戦いの行方は?

ますますこの先が気になる終わりなのでした…。

次回作「玉依姫」は2016年の夏刊行予定。すべての謎が明かされる…と書かれております!遂にラストか!

何度も書いてますが「獣の奏者」や「守り人シリーズ」、「巫女ソニン」なんかが好きな人なら絶対はまる、地盤のしっかりしたファンタジー。

ミステリ的な話の展開も面白いし、「西の良き魔女」みたいにキャラ萌えの要素もしっかり。

アニメ化してくれないかな~、この世界を映像で見たいな~。
そんな風に感じている、今一番のおすすめ作品です。

 

yutoma233.hatenablog.com

 

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 私のちょっとした反省は、第三作「黄金の烏」を飛ばしてこれを読んでしまったこと、しかもそのことに本の後ろの広告で気が付いたこと…。
いや少し繋がらないなとは思ったんですがそんな事をぶっちぎる面白さだったんです。ちゃんと感想書いてるのに何故。

そして1,2、4しか置いてない地元図書館!なんで!3も買ってくれ!
1,2を文庫で買ったので3は文庫化まで待つ予定なんですが、待てるのか私。 

以上、みどりの小野の、今日のオススメ本でした~。