クリスマスが今年もやって来る。
肌寒くなりましたね。お元気ですか。
クリスマスが近づくと、恋の話がしたくなります。
コンビニバイトの女の子に恋をした話、はたくさん落ちていますが逆はあんまり聞きません。
今日は遠い遠い昔、女子高生だった私が少し大人の人に恋をした話です。
高2の頃、春休みの三月に近所のコンビニでバイトをしていました。
早朝からお昼過ぎまで。
ビジネス街だったので、お客は会社員の方が多かったです。
まだ慣れない頃、一人でレジに立っていたらタバコの銘柄を略称で言うお客さんが現れました。(セッターとか、そんな感じ)
わからなくてまごまごしていたら後ろに並んだお客さんがぼそっと番号を教えてくれました。
会計の後その人にこっそりお礼を言いました。
彼は小さく笑ってくれました。
次の日の朝も彼に会いました。
なんとなく、お客様へのいらっしゃいませ、とは違う挨拶をするようになりました。
いつも七時半前、割とすいている時間帯に来るので目につくのです。
当時はずいぶん年上の人だ、と思っていましたが今考えれば24、25歳くらいでしょうか。
背が高くて大きい、熊のような人でしたが優しい声をしていました。
彼は毎日暖かい缶コーヒーを買っていきました。
「糖尿病になりますよ」なんてふざけて言ったら、おまけについていたミニカーをくれました。
「いらないから」
私も要りませんよ、なんて言ったけれど毎日たまっていくミニカーがその内楽しみになりました。
ミニカーがきっかけで、話がはずむようになりました。
この種類は買ったっけ。この赤いのが欲しいです。
好きな車は?ミニ・クーパーだけど、このセレクションにはありませんね。
そうやってミニカーをほぼコンプリートしたころ、私のバイトも最終日を迎えました。
その人も、四月からは遠い町に転勤になると言っていました。
最終日のレジで、私はいつものミニカーと小さな軽い包みをもらいました。
「退職祝いです」
中身はなんですか、と聞くと「ミニカー」。
最後までミニカーですか、と笑いました。
家に帰って包みを開けてみると、それは私が好きだと言ったミニ・クーパーのミニカーでした。
青空みたいなきれいな色。
付箋が一枚ついていました。
メッセージはたった一言、『寂しくなります』。
手も繋がなかったけれど、今でも町で空色のミニを見かけると心がチリン、と鳴るのです。
いかがだったでしょうか。
今回新しいカテゴリを作ってみました。
その名もズバリ、恋愛。
今回評判が良ければ、クリスマスやバレンタインなど、人恋しくなるイベントの前に悪意愛をこめて書こうかと思っています。