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甲鉄城のカバネリ-全話感想を書いていく 詳細・ネタバレあり

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今回は久々のアニメ紹介!

2016年春アニメ一番人気の作品、『甲鉄城のカバネリ』。
見事に家族でハマっております、久しぶりに全話リアルタイム(といってもAmazonプライムだけど)で視聴したいアニメ。

初の全話感想が書けたら書いてみたい、まとめたい!と思っております。

こちらの記事にどんどん追記して行く予定です。
長くなりそうですが、よろしくお願いします~。

  

【甲鉄城のカバネリ】作品情報(公式HPより) 

 監督:荒木哲郎
脚本:大河内一楼
キャラクター原案:美樹本晴彦
制作:WIT STUDIO

キャスト
生駒(いこま):畠中 祐
無名(むめい):千本木彩花
菖蒲(あやめ):内田真礼
来栖(くるす):増田俊樹
逞生(たくみ):梶 裕貴  
鰍(かじか) :沖 香苗
侑那(ゆきな):伊勢茉莉也
巣刈(すかり):逢坂良太

美馬(びば) :宮野真守

kabaneri.com

 

【甲鉄城のカバネリ】 視聴方法 

フジテレビ『ノイタミナ』にて毎週木曜24:55~。
Amazonプライムビデオにて毎週木曜27:00~配信中。

 


「甲鉄城のカバネリ」PV第一弾_2015.12.17解禁

PV第一弾はこちら。

 

 【甲鉄城のカバネリ】音楽

  

KABANERI OF THE IRON FORTRESS

KABANERI OF THE IRON FORTRESS

 

 

 OPはEGOIST(エゴイスト)が歌う「KABANERI OF THE IRON FORTRESS」。

発売初週に約3万枚を売り上げ、EGOISTのシングルとしては前作「リローデッド」(2015年11月発売)などが記録した6位を上回り、自己最高の記録となった。 

 

・サウンドトラック

 

甲鉄城のカバネリ ORIGINAL SOUNDTRACK

甲鉄城のカバネリ ORIGINAL SOUNDTRACK

 

 

『甲鉄城のカバネリ』のオリジナルサウンドトラック。
『ギルティクラウン』『進撃の巨人』『機動戦士ガンダムUC』『アルドノア・ゼロ』など数々の話題作の音楽を手がける、人気劇伴作家・澤野弘之による。
『甲鉄城のカバネリ』全16曲を完全収録。 カバネリ音楽の決定盤です。

 

【甲鉄城のカバネリ】あらすじ 

 

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 舞台は極東の島国・日ノ本。
世界は噛んだ人間をウイルス感染させ同族に変える怪物、カバネに覆い尽くされていた。
感染を防ぐため、生き残った人間たちは駅と呼ばれる砦に暮らし、駿城と呼ばれる装甲蒸気機関車で駅間を行き来して暮らしている。

主人公は顕金駅に暮らす少年、生駒。
かつてカバネに妹を奪われた少年はカバネに対抗する技術を日々研究していた。

そんなある日顕金駅を訪れた少女無名。町をカバネによって失った生駒は、彼女の目的地、金剛郭に共に向かうことを決意する。

とにかく絵がキレイ!なのがこの作品の特徴。
特に背景や女性キャラクターの美しさは凄いです。

作品のこだわりっぷりについては、ひそかブログのひそかさんが書いています。
ひそかさんは作品考察も凄いのでいつも参考にさせて頂いております!

 

hisoka02.hatenablog.com

 

 【甲鉄城のカバネリ】第1話 「脅える屍」感想

 

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※感想にはがっつりネタバレも含まれます!未読の方はアニメを見てから読んで下さい。

 

顕金駅で蒸気機関車の鍛冶として働く生駒は、日夜カバネを倒すための研究に明け暮れていた。

そんなある日、カバネに襲われた駿城(装甲蒸気機関車)の扶桑城が顕金駅に激突。
顕金駅の住民達はカバネの餌食となってゆく。

逃げ惑う人々の中、生駒は自らが発明したツラヌキ筒の威力を試そうとカバネと対峙。
見事カバネを倒す事に成功するも、噛まれた傷口から自らもカバネとなりかけてしまい…。

 

とにかく気合が入った第1話。


映画のように美しい映像、音楽!キャラクター原案が美樹本晴彦さんなので、どこか懐かしい雰囲気もあります。

時代劇のような武士の出てくる世界に、駿城と呼ばれる装甲蒸気機関車、そこに現れるカバネと言う名のゾンビたち。
時代劇+スチームパンク、と言った風情の不思議な世界観ですが、主人公生駒は屈折しながらも真っすぐ生きようとする、正統派の熱いキャラクター。

とりあえず1話だけでも見てみよう、と思った人をぐっと引き込む、見事な話でした。

 

【甲鉄城のカバネリ】第2話「明けぬ夜」感想

 

脅える屍

 

なんとか助かった生駒。カバネに包囲された顕金駅から逃げるため、装甲機関車「甲鉄城」に向かう。一方顕金駅を治める四方川家の娘、菖蒲の前には、謎の少女、無名が現れる。無名はその圧倒的な戦闘力で、甲鉄城への路を切り開いていく。

 

ラスト、『人間』では無くなってしまった事で同じ駅の人間から見捨てられた生駒。

そんな彼が怒りを露わにしながらも自分を切り捨てた人間達を救うために力を尽くすシーンが熱い。涙を流す彼の脇を無情にも汽車が走り抜けていくシーンも。

でも彼の熱意はちゃんと伝わっていた。

「あそこにいるのはカバネなんかじゃない!俺の友達だ!」

生駒の同僚であり親友、逞生の言葉はカバネを恐れ疑いのあるもの全てを殺すしかなかった今までの生き方を乗り越えた言葉です。

そして大活躍の無名ちゃん。戦闘シーンは圧巻。

 

【甲鉄城のカバネリ】第3話「捧げる祈り」感想

 金剛郭を目指して走り出した甲鉄城。
しかし機関車の中では人間とカバネの間「カバネリ」である生駒と無名への不信感が…。

なんとか機関車は走り出したものの、父亡き後領民の統制がままならない菖蒲。
生駒と無名は最後部に隔離、人々からは恐れられている。
少し打ち解け始めたところで、カバネリの弱点が露呈。

血を飲まないとカバネみたいになってしまうのね…。
せっかく打ち解けてきた無名は妊婦のカバネを切り捨てたことで子どもに怯えられ、血を失った生駒はカバネ化し菖蒲を押し倒す、と次回が気になる展開!

 

【甲鉄城のカバネリ】第4話「流る血潮」感想

 

信頼を失い、最後尾車両に閉じ込められた生駒と無名。
その頃菖蒲も商人達に詰め寄られ甲鉄城の指揮権を受け渡してしまう。

その行為が仇となり、コースは危険な山越えに変更、生駒と無名の車両は切り離されそうになる。その時襲ってきたのは剣を使うカバネ、ワザトリ。

武器を使うワザトリに苦戦する武士たち。
仲間を一人失い、来栖は傷を負う。

閉じ込められた生駒と無名は車両の上を走り前部車両を目指す。

 

血を失い力尽きる生駒と無名。

菖蒲の「これは契約です!私の血と引き換えに戦いなさい」がカッコよかった。
自ら先陣をきって最前線へ赴いたときに、菖蒲様の覚悟は決まったんでしょう。

勝ちどきを上げ、カバネリへの空気が変わった甲鉄城。
菖蒲は指揮権を取り戻し、彼女自らが血を与えたことで協力者も増えます。

いい流れで終わった4話でした。

 

【甲鉄城のカバネリ】第5話「逃げられぬ闇」感想

 

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カバネに滅ぼされた八代駅で、甲鉄城は生存者を拾った。 生存者の中には無名の昔なじみ榎久がいた。彼は甲鉄城に馴染み始めた無名を弱くなったと指摘する。 焦った無名は、自ら無謀な戦いを選択し、窮地に陥ってしまう。

 

子ども達に受け入れられてきた無名。
少しづつ皆に馴染んできた彼女だったが、一人の男とあったことで顔色が変わる。
男の名は榎久。彼はどうやら無名を知っているらしいが…。

僅かでも鈍れば見限られる。使命を果たせ、人でいられるうちに。
榎久のなかなか意味深な脅し文句。

人でいられるうちに、とはどういうことなのでしょうか?

無名ちゃんの本気の戦いにはタイムリミットがありますが、少しづつカバネ化してしまう、なんてこともあるのでしょうか。
そして仲間らしき死んだ少女の記憶。

榎久と会った事で落ち込み、追い詰められた様子の無名。
一人で戦いに行く、と宣言します。

そして死んでしまった犬に「いらないって捨てられる前に死ねてよかったね」と。

これは自分を重ねてますよね。無名ちゃんは誰かの犬なのか。
だからこそ役に立たなくなったら殺される、と怯えているのか。

タイトル通り、彼女の逃げられない闇が覗いてきました。

クレーンを上げ、その下を通過する作戦も無茶をした無名のせいで失敗。
彼女を見捨てられない生駒はクレーン操作を投げ出し落ちた彼女の元へ向かう。

無名は強いけれどまだ12歳の少女。
だからこそ無邪気に子どもたちに笑いかけ、素直に膨れる。
生駒との出会いで子供らしさを取り戻してきた無名でしたが、彼女のことを犬や兵士のように扱う「上の人間」がいるんでしょう。

死んだ少女のようになることを無名は何よりも恐れている。
「捨てられる前に死ねて良かった」と思う程に。

だからこそ、有能な所を見せなくちゃという空回りだったんだろうなー。

彼女は無事なのか、そしてカバネの集合体「黒煙り」。
こんなのどうすりゃいいの、という5話。

 

 

 

【甲鉄城のカバネリ】第6話「集う光」感想

 

甲鉄城は巨大なカバネの塊――黒けぶりを前に立ち往生していた。 一方、生駒と無名は廃駅の底に落ちていた。周囲はカバネ、無名はガレキの下敷き、援護は望めないという絶望的な状況で、それでもなお生駒は前を向いた。

 

岩の下敷きになりながらも、あたしは弱くないんだ…と涙を浮かべる無名そんな彼女に「なに言ってんだ!お前どう見ても弱いだろ!」と言い切る生駒。

今までの彼女の価値観では「弱い」=切り捨てられる、だったんでしょうね。

襲ってくるカバネから無名を助けるために敵を引き付ける生駒。

回想シーンでは無名が母を失った過去も。
この頃の彼女はまだ幼い。
最後に彼女を助けた男が何度も名前の出てくる「兄さま」なんでしょうか。

ところで無名はいつカバネに噛まれたんでしょう?
この時既に?12歳になった頃?カバネリ化しても成長はするのかな…?

ボロボロになりながらも無名を助けた生駒、二人を迎えに来た仲間たち。

皆に助けられたことで少しスッキリした様子の無名。

タイトル「集う光」はバラバラだった心が一致団結し始めた…ってことでしょうか。
黒煙りを倒すシーンは無茶苦茶熱かった!まるで最終回のような6話でした。

 

【甲鉄城のカバネリ】第7話「天に願う」感想

 

顕金駅を出てから初めて、甲鉄城は人の暮らす駅――倭文駅に着いた。生駒たちは買い出しに出かけ、久しぶりの平安を味わう。一方、菖蒲は倭文駅に食料を分けてくれるよう交渉する。しかし、どの駅も食料は貴重で……。  

 

ようやく安全な駅について一息つく仲間たち。七夕を忘れていた無名のために七夕を祝おうと準備をする。

ずっと食べたかった饅頭を頬張る菖蒲様可愛いです。菖蒲様より照れる来栖も。

最初の頃は指導者として自信なさげだった菖蒲様も鍛えられてきたようです。
笑顔で要求全部ゲット!

その一方で駅内部では陰謀の匂いが。
10年前のあの日に何があったのか?どうやらそれが物語の鍵のよう。

 

「私は同じ私かな、もうこの心は消えてなくなっちゃうのかな」

どうやらカバネリはいつかはカバネになってしまうさだめのようです。
無名ちゃんの言葉が辛い。

いつかは自分が倒しているカバネになってしまう、と思いながら戦い続けていたんだろうな…。

そんな彼女に、先のことが考えられない皆に、「生きてる以上は望みたい!」と生駒が熱い一言を。

「田んぼも駅も全部取り戻す!」
無名もきっと助ける。

生駒の強い意志と希望が燃え上がった回。

 

【甲鉄城のカバネリ】第8話「黙す狩人」感想  

 無名の慕う兄様は、カバネを狩る特殊部隊――狩方衆を率いる美馬だった。だが、人々から英雄と讃えられる美馬のことを、生駒は信じられない。彼こそが、無名をカバネリにした元凶だったからだ。

 

ついに無名の兄さま登場!
無名が慕う「兄さま」は、カバネを狩る特殊集団『狩方衆』のリーダー美馬だった。
嬉しそうに見上げてまとわりつく無名と、美馬をうさんくさげに睨み付ける生駒が対照的です。

前回生駒が無名のことを自分の妹と重ねるシーンがありましたよね。
彼にとって無名は放っておけない妹のような存在。
そんな無名をカバネリにした美馬への疑惑はつのるようです。

そして駅を襲う大量のカバネ、それを外に出て屠る狩方衆!
無名ともう一人のカバネリの女の子のコンビネーションがかっこいい。

そして戦いの終わった戦場で美馬の命を狙う榎久。
仲間だった筈の彼は一度切られたのでしょうか?
助けを求める彼を容赦なく切った美馬に生駒が見たものとは…?

無名に甲鉄城のカギを奪うようにと無理を言って、上手くいかなければ「彼らはお前に嘘をついたのだ」と不信感を植え付ける。

城内にカバネを集め、謎の巨大心臓を置く…。

とにかく怪しい美馬様でした。

一緒に金剛郭へ向かうことになりましたが、これからどうなるのでしょう?

 

【甲鉄城のカバネリ】第9話「滅びの牙」感想

 

甲鉄城は金剛郭へ至る最後の砦−−磐戸駅に到着する。 幕府は、民衆の声望を集める美馬を警戒し、金剛郭への道を閉ざそうとするが、美馬は磐戸駅の領主に会談を求め……。 ついに、美馬と狩方衆による倒幕が始まったのだ。

 

領主との面会を果たす美馬、菖蒲。
美馬は正体を現し、領主を殺し侑那を傷つけ、菖蒲を連れ去る。

美馬の命令で駿城を中に入れるだけ、と信じた無名は門を開けるが、駅内になだれこんできたのは多数のカバネだった。

自分と同じような母子が命を落とす様子にこんなはずじゃなかった…と絶望する無名。

その頃無名と同じカバネリであり、姉のような存在でもある滅火は美馬の手で黒血漿を打たれ、融合群体となる。

滅火は最後、美馬の頬に落ちる汗に恐怖を見たんでしょう。
どんなに心を奮い立たせても死の恐怖だけは拭い去れない。

そんな美馬に優しく微笑み、彼に殺されることを選んだ滅火。
彼女は美馬に自分の全てを与えてもいいと思っていた。
彼の心は変わらないと分かっていても。無償の愛情。

滅火は美馬の中に潜む迷いや弱さも見透かして、愛していたのでしょうか…。

【甲鉄城のカバネリ】第10話「攻め上ぐ弱者」感想

  

克城に連結された甲鉄城では、逞生たちが狩方衆の厳しい管理下に置かれ、血を採取されていた。絶望する人々の中で、生駒は諦めず反攻作戦を企図する。自由と誇りと、無名を取り戻すために。

 

菖蒲は囚われ、後を追った来栖は行方不明。

甲鉄城の人々は血を採られるだけの虜囚と化していた。
菖蒲と無名を助けるために、生駒たちは決起する。

檻の中の生駒と逞生が拳を合わせるシーンは二人の友情を感じさせます。

一方美馬から命じられ、自分が門を開けたことで人々が命を落とす様子を見た無名は美馬の元を離れる決意をします。
しかし、美馬の策略により囚われて意識を失う羽目に。


鍵を奪い、先頭車両を目指す生駒たち。
途中までは上手くいったが、全ては美馬の策略だった。
ここで生駒をかばった逞生が命を落とす。

逞生のセリフが…来栖に撃たれそうな生駒をかばえなかったこと、ずっと引け目に感じていたのですね。
親友を失い失意の生駒は、更に美馬によって操り人形にされた無名に刺され、海に落ちてしまう!

 

【甲鉄城のカバネリ】 第11話「燃える命」感想

 

美馬は、父親である現将軍・興匡と10年ぶりの再会を果たす。
その裏で無名のヌエを準備しつつ。
一方、なんとか一命を取り留めた生駒だったが、自信と気力を失い、心が縮こまっていた。
カバネを見ても怯えることしかできない生駒だが……。

 

逞生死亡、生駒は海に落ちる、と作戦は大失敗。
鰍は逞生の骸に縋り付いて涙する…。

「殺せばいい!手が血に塗れるまで」ついに鰍も切れました。

美馬はひたすら強さにこだわるけれど、それは本当は己の弱さを覆い隠すためなのかも知れません。
その一方で菖蒲や鰍といった力を持たないはずの弱者が見せる強さ。

美馬は強いものだけが生き残る公平な世界を謳うけれど、周りの人を身を挺して守れるような強さを持っているのは逞生や菖蒲、鰍といった最初に切り捨てられそうな弱者なんだよな。
そして甲鉄城の人達は弱い者同士助け合って生き抜こうとしている。
美馬の理想と現実の人間たちの強さの対比が面白い。

 

虜囚を装い、ついに父と面会した美馬は昔貰った刀を差し出し、せめてこれで首を撥ねてくれ、と懇願する。
良かろう...と刀を手に取る城主。
しかし剣には仕掛けがあり、父はカバネに。

群集心理を巧みに操り、『恐怖に』父を殺させた美馬。彼の脳裏に浮かぶのは恐怖心から己の息子の背中を斬り、「やったのは恐怖だ」と言い訳する父の姿。

しかし父の死体を蹂躙するものは殺したり、仲良く馬に乗った日の記憶が蘇ったり、美馬の心中は複雑な様子。

恐怖心を克服し、己の息子を素直に愛することが出来れば良い父親だったのかも知れません…。

 

一方検閲の檻に入れられたままの甲鉄城の人々の元には金剛郭で生き残った人々が襲い掛かる。

 「お前たちのせいだ」
恐怖心から己を見失う群衆に、菖蒲は命を懸けて問いただします。
本当の敵は誰か、見失ってはいけないと。

人は恐怖で簡単に己を見失う。けれど言葉で良心は取り戻せるのだ、と菖蒲が身を持って証明してくれました。

 

生駒は命こそは助かったものの、片腕と気力を失いカバネに怯える始末。
そんな生駒を見つけたのは来栖と狩方衆のヘンな医者。

一度は心折れかけた生駒ですが、無名に守られたことを知り、命を懸けて彼女を救うことを誓います。

生駒のセリフが熱い!
『俺の誇れる俺になるんだ!』

妹を救えなかったことをずっと悔やんでいた生駒。逞生が今度こそと生駒を救ったように、あの時の弱い自分の心に打ち勝つために立ち上がる!

融合群体となった無名を救えるのか?

 

【甲鉄城のカバネリ】 最終回「甲鉄城」感想

 

美馬の計略と、ヌエとなった無名、そして流入したカバネにより、金剛郭は崩壊しつつあった。そこに生駒が到着する。
自らの体を再び改造した生駒は、無名を救うために、敵だらけの金剛郭に踏み込んでいく。

 

絶望的なラストしか思い浮かばなかったカバネリだけど…最終回、良かった!
本当にいい終わり方でした。

 

無名がコアになった融合群体は金剛郭を打ち壊していく。

黒血漿の力でパワーアップした生駒と来栖がようやく到着し、無名の元へと向かう。
しかし二人は引き離され、行け!と言われた生駒は無名の元へ走る。

来栖がかっこいい。
道中も頻繁に「お前は何だ?」と生駒の意識確認係だし。
こんなに面倒見のいいキャラに変貌するとは思いませんでした。

 

そして美馬と生駒、ついに二人の一騎打ち。
「恐れを知らぬ魂」をずっと待っていた美馬。
「それを狩る」ことで、自分もそうなれると願っていたのでしょうか?

そんな美馬のセリフ「見つけたか、臆病者を」。
誰よりも強い男を装いながら自分の中にある父と同じ「恐怖心」に気が付いていた美馬。父の恐怖心に殺されかけ、親子の絆を失った美馬にとっては生駒の恐怖心を持たぬ魂は憧れであり殺したいほど憎いものだったのかも。

美馬の最後は無名が。

「私達は弱くても生きるよ」
弱くても生きていていい。生駒のくれた希望に生きることを肯定された無名はついに美馬の「強くなければ生きられない」という洗脳から解かれ自由になったのでしょう。

 

みんなが待ってる!
鰍の声に走り出す無名たち。

ただいま、お帰り!のシーンがたまらない。
そしてダメかと思った生駒も息を吹き返す。
生駒は美馬の最後の攻撃の際に白血漿を打たれ救われていた様子。

海を行く甲鉄城。

カバネの恐怖は変わらぬまま、金剛郭も失ってしまいましたが共に行くことになった狩方衆達もいますし、彼らなら金剛郭を壊した後生き残る計画も立てていたはず。

無名を人間に戻し、美味しいごはんをお腹いっぱい…の夢はきっと2部に持ち越しですね。

色々な物を失いましたが、無名は子どもらしい素直な気持ち、生きることへの肯定を得、生駒は無名を救うことでずっと抱えていた無念を晴らすことが出来ました。

駆け足気味の物語でしたが、ラストの希望は清々しかった。
続編に期待!

 

小説 甲鉄城のカバネリ 暁 (マッグガーデンノベルズ)

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