話題のゲーム『十三機兵防衛圏』。
プレイしました、クリアしました!
めっちゃ面白かったので今日は感想と考察を。
『十三機兵防衛圏』とは?
主な舞台は1985年の日本。
突如出没した怪獣を13人の少年少女たちが『機兵』と呼ばれるロボットに乗り込んで倒していく…というSFアドベンチャーゲーム。
前述の通りロボットで戦うバトルパート『崩壊編』、各キャラクターが世界の謎を解いていくアドベンチャーパート『追想編』、そしてアーカイブ的な『究明編』の三部に別れている。
で、13人のキャラクターを操作しながら10分程度の物語を読み進めていく『追想編』がめっちゃ面白い!
追想編では『かまいたちの夜』のようなフローチャートが表示されるが基本は一本道。かまいたちのように栞を探して迷うことも無く、サクサクとゲームが進む。
サウンドノベルを読み進めていくような感覚。
けれども各キャラクターのリアクションや台詞がいちいち可愛い、面白い!
ゲームの音声はついついスキップしがちなのだが(字幕で見た方が早い)このゲームはじっくり付き合えた、なんなら放置した時のリアクションや台詞まで楽しんでしまった。
1パートが10分程度という短さと、台詞自体も短いのがポイントなのかも?
13人の断片がくっついて一つの物語になるので、物語にありがちな最後のネタばらし的説明超過・長台詞が少ないのだ。
漫画もゲームも、口頭じゃなく背景で設定を語ってくれよと思う派なので、このちょっと説明不足な作りが逆に面白かった。
一つ一つの物語が短い&説明が足りないのでヒキが強く、えっえっ何で?この後どうなった?と次々別のキャラクターの物語を紐解いてしまう。
30時間ほどでコンプリートできる短いゲームなのだけれど、このヒキの強さでついつい全員のパートを詰まるまでプレイしてしまい(1部ずつ読み終えるとバトルパートの『崩壊編』に突入する)正直あっという間でした…。
ただプロローグは残念ながらイマイチだったかも…?
ネットでの高評価を知ってから購入したのでそのままプレイを続けたものの、前情報なし・体験版プレイだったら購入しなかったかも知れません。
冒頭はとにかくロボット推しだったのと、作画にも癖があったので。
でも物語を進めてキャラクターに親しみを持っていく内に、あざとい機兵起動のポーズがなぜかカッコよく見えるようになるんですよ、ハマるんですよ!
一見男性向けのゲームなんですが、物語の主題は恋愛なので女性も絶対ハマるヤツですってばコレ。
色んな映画・アニメ・ゲームのテイストが混ざってるんですが私はかつて『花とゆめ』で大人気だったSF恋愛漫画(ネタバレなのでタイトルは伏せ)が頭に浮かんで離れませんでした…。
なお13人のキャラクター、みんな個性的で好感が持てるんですが私は焼きそばパン・比治山隆俊君が一番のお気に入りですw
色々策略渦巻く中で比治山くんパートだけはめっちゃ分かりやすい…過去も未来も変わらない直情さが好き。
比治山くんの焼きそばパンルートはかなりの癒しでしたが三浦君が『隆俊さん…』って呆れるのもめっちゃ分かる。三浦君が頑張ってる時に何やってるんですか隆俊さん!
堂路桐子?のせいで半年も日雇い・野宿生活を強いられたのにすぐ懐くあたりもかなり好きですw
物語の謎
さて、ここからは考察…というかよく分からなかった部分の話です。
なるべくぼかして書きますが、このゲームはネタバレ0でプレイしないと面白くないと思うので、これから購入予定の人は読まないでくれ!
物語の謎…というか、セクターで起きた事件は全部綺麗に解けていると思ったんですが(究明編を読み込めば繋がる)冒頭部、コロニー内での事件は通信データでしか確認できないのでちょっと曖昧じゃないですか?
なぜ犯人がここまで絶望してこんなことをやらかしたのか?とか、部下の子どもを救う、頼れるリーダーだったはずのⅠがOを話し合いではなく撃ち殺してしまった理由もイマイチ分からない。
OがⅠと対立した理由もいまいち分からないんですよね…たとえエネルギーを自分達の生存のために使ったとしても、一時しのぎにしかならないし未来がないのは分かってたはず。人類の存続より少しでも長く一緒にいる事を選んだのかなぁ。
Oは冷静そうですけどHあての通信では結構甘々でしたもんね…
ただOを撃たれたHがⅠ一派を撃ち返しちゃうのはめっちゃよく分かる、分かりやすいw
たぶんⅯは同士討ちの前に亡くなってると思うので、Ⅰは仲間を撃ってでも計画を成功させたかった…のかな?ⅠとMの通信ありましたっけ?
子ども抱いてるシーンしか思い浮かばないんだよなー。
多分地球汚染事故による絶望が根底にあってみんな壊れていった…んだろうけど、そこらへんのパートは全部通信の断片だから亡くなった順番も理由も説明に乏しい(最後に残ったのがI田&Sだと分かる程度)。
Sのやらかし理由も曖昧だったような。
ヤク中?パートからS自身が心の弱い、流されやすい人物だってのは分るんですが。
裏切りってのはI田はGの手先だった事?その上Mは横流ししてたし、最後は同士討ちだしで人間なんてクソだわって思い込んでしまった?
ここらへんの事故とかみんなの亡くなり方とかはもうちょっとはっきりくっきり、切ない終わりを描いといた方がラストの感動が深まった気もするんですが…
ボリューム的に無理があったのでしょうか、それとも逆にこの物足りなさが物語の余韻に繋がってるのかな?
私はこの初期ストーリーを補完したくてアーカイブを読み漁ってしまったので、まんまと、思惑通りって奴なのかも知れません…w
とにかく『十三機兵防衛圏』面白かったです!
30時間程度で全コンプリート出来てしまうのがちょっと残念、もっとおまけ要素が欲しかったかも?
でもこういう短さが逆に時代に適しているのかなー。
あとは創作で補完ですね!そんな訳で今年の夏は同人誌…待ってますw