今村昌弘、『魔眼の匣の殺人』読了。
主要ミステリランキング第一位を総なめにした話題作『屍人荘の殺人』の続編です。
メインキャラ2人は前作から引き続き、ストーリーの流れも前作ラストで登場した謎の組織を追って山あいの集落へ…という感じなので、前作は読んでおいた方がいいかも。
さて、タイトル通り「屍人」が大活躍した前作とは異なり、今回は『魔眼』-いわゆる千里眼や予知能力がテーマとなっております。
少し地味?いやいや、表紙を開けたらこれですからね…。
集落&館マップ!
この図を見て胸がワクテカする方は読んだ方が良いと思われます。
みんな大好き、閉ざされた館モノ!
前作はゾンビがいるから外に出られない、と言うかなりの変化球でしたが、今回は一本だけしかない橋が焼け落ちた、という古典的な手法になっております…好きっ!
ゾンビという飛び道具+正統派ミステリが前作の特徴でしたが、今作も予知能力によって予告された連続殺人事件、ただし謎解きは本格と言う絶妙なバランスになっております。
ネタバレしちゃうとつまらないから、あまり詳しくは書けないけど行ったきりの足跡をつけるトリックとか正統派でいいですよね…白い服を着た謎の男が角を曲がったら消えるのも!わ―いみんな古典で読んだ展開!大好き!
えっとこのままだと古典ミステリっぽい!好き!というシンプルすぎる感想になってしまう!それだけではあまりにもアレなんで、簡単にあらすじをば。
前作『屍人荘の殺人』で思わぬ事件に巻き込まれた葉村譲、剣崎比留子。
二人は前回の事件の主犯である班目機関の痕跡を追い、かつて彼らが研究をしていたという山奥の実験施設を訪れる。
施設の呼び名は『魔眼の匣』。そこには予言者として村人から畏れられているサキミ、世話係の神服が住んでいた。
ところが彼らが訪れたのはサキミによって『この場所で男女が二人ずつ、四人死ぬ』と予言された11月の末だった。
予言に巻き込まれる事を恐れた村人たちによって、施設と集落を繋ぐ橋が燃やされ、魔眼の匣にいた人間達はみな、陸の孤島に閉じ込められてしまう。
その場に居合わせたのは機関の謎を解きたい譲と比留子、取材に来た記者の臼井、サキミに会いに来た高校生真理絵と茎沢、たまたまバイクのガソリンを切らしてしまった会社員の王寺、墓参りに来た元村民の朱鷺野、車が故障した師々田親子、予言者サキミと神服。
はたして11人の中で生き残るのは誰なのだろうか…?
物語の先が気になって、グイグイ一気読みしてしまいました!
GWにオススメのミステリです、それではまた。