今一番続きが楽しみなマンガ、「Landreaall」の新刊をようやく読み終わったので、今日はこちらの紹介を。
「Landreaall」(ランドリオール)は、現在25巻まで発行されているマンガです。
一応少女マンガというジャンルになるのかな~。大人が読んでも面白い、というか大人だから刺さってくるシーンが結構あると思うので、老若男女問わず読んでほしい本。
Landreaall 25巻 限定版 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)
- 作者: おがきちか
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2014/12/25
- メディア: コミック
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物語の舞台はアトルニアという架空の王国。長い戦争のあと革命が起き、ようやく国が平和になって19年ほど経っています。国は落ち着いてきていますが現在の王は空位のままです。
主人公は領主の息子で、王位継承候補者の一人であるDX・ルッカフォート。
彼の住む街はこの地にかつていた竜を封じた女性、マリオンによって守られています。マリオンは竜を眠らせるため大樹に姿を変え、歌で静め続けているのです。
DXはマリオンに恋をし、竜を倒し彼女を解放するために妹のイオン、忍者の六甲と共に旅に出ます。
紆余曲折の末、DXは栄誉と傷を手に入れます。
と、ここまでが三巻。ここまではプロローグみたいなお話なんですね。
竜との戦いによって英雄になったけれど、自分の小ささ、足りないところにDXは気が付きます。世界の広さを知ったのです。
しかしここで臆してはいかん 実際に確かめて初めて己の糧になるのです
彼らの先生の言葉が響きます。
がらっと変わって4巻からは学園編。
王都に出て、王立学校に通うようになったDX、イオン、六甲。
学園編になって、DXのルームメイトの竜胆や、商人のライナスと従兄弟のルーディ、騎士志願のカイル、同じ王位候補者のティ・ティなど、魅力的なキャラクターがたくさん出てきます。
皆が家族のようだった辺境の街とは違い、王都では身分の差や権力争いが渦巻いています。
そんな中で、身分や立場を超えて大切な「友達」になってゆく彼らの姿がいいです。
中でも私が好きなのはDXが一番最初に友達になるフィル。
彼は下町育ちで、貴族の多い学園では不良扱いされています。ちょっとひねくれてるけど、身軽で器用ないい奴です。
彼が、馬術試合で勝ち進むDXの力になりたいと、いままでのプライドを捨て、張り合って来た先輩たちに頭を下げ「おねがいします、助けてください」と真っ赤な顔で言うシーンが大好きです。
彼はその時、王や貴族のための従騎士になる、と道を決めるんですね。
そんな風に、それぞれが自分たちの将来を考えて、向き合いながら助け合いながら成長してゆく姿が描かれて行くマンガです。
とにかく好きなエピソードだらけなんですが、一番好きなのは12、13巻。
DXや六甲、竜胆がいない学園にモンスターが来襲、孤立した学生たちが立ち向かう話です。
イオンちゃんがDXや六甲のいない中で、自分の立場に悩みながらできることを探していく姿、涙が出ます。ルームメイトの女子たちも、イオンちゃんに触発されてどんどん逞しくなって、ステキです。
身分が違うから、女性や子供だから、守られているだけでいいのか。そういう風に、危機の中それぞれが考えていきます。
騒ぎが収まって、下町の家を心配し帰るフィル。騎士団が守っただろう、という生徒たち。そんな彼らにフィルは「下町エリアに騎士団がくるわけねーだろ!」と軽く言い放ちます。
フィルが帰った後、落ち込む生徒たちがいいです。
フィルの言葉になにも言い返せなかった、一緒に戦ったフィルの家族を騎士団は守らない。それが僕たちのめざす騎士団なんだろうか。
「いつか言えるわ、君たちの家は安全だ、って!」
落ち込む彼を励まして彼女が言います。今日戦った仲間たちがいずれ騎士や議員になる。そうしたら新しい騎士団はきっと下町を見捨てない、そうなると約束して、と。
現在は新たな王位候補者や、革命の時の話が明らかになっていて、どんどん面白くなってきています。ずーっと読んでいたいから、まだまだ終わらないといいなあ。
「Landreaall」、人間ドラマの他にも、明かされていく謎や伏線がすごくいい作品です。興味が湧いたら、是非読んでみてください!
一番好きな表紙。イオンちゃん可愛いよイオンちゃん。