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アニメ版「すべてがFになる」感想と原作の話。

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アニメ版の「すべてがFになる」第一話見ました。

森博嗣さんが大好きなのでこの作品は見逃せません。

原作ファンにも、初見の人のためにも。

原作、ドラマ、アニメの相違点なんかをつらつらと書いてみたいと思います。

 

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原作版あらすじ

 

密室から飛び出した死体。究極の謎解きミステリィ。
コンピュータに残されたメッセージに挑む犀川助教授とお嬢様学生・萌絵。

孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季(まがたしき)。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平(さいかわそうへい)と女子学生・西之園萌絵(にしのそのもえ)が、この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。

 

簡単に言うとN大工学部助教授の犀川と恩師の娘で教え子の萌絵が活躍する理系ミステリィ、と言ったところでしょうか。
様々な事件を紐解くトリックと、人嫌いの犀川、過去のトラウマを抱える萌絵、孤高の天才真賀田四季のドラマが絡み合っていくストーリーです。

 

原作、ドラマ、アニメの違い

その1・研究室

 犀川先生の部屋は観葉植物が置いてあり、コーヒーのポットはひび割れています。

ドラマも、アニメもコーヒーポットはちゃんとひび割れていました。

こういう細部にニヤッとしてしまいますね。

ただドラマの犀川先生の部屋はちょっとごちゃごちゃしすぎかも。

犀川先生は物を大切にしているコレクターだと思うんですよね。

アニメ版の部屋の方が原作に忠実だと思いました。

そしてウザいことを言うと犀川先生のパソコンはマッキントッシュなのです!

 

その2・ヒロイン萌絵の容姿

 

ドラマ版の萌絵はロングヘアにスカート姿、と女性らしいファッションでした。

でもこれは原作だと物語の後期か、高校生の頃の萌絵のイメージなんですよね。

天才真賀田四季と初めて会った頃、物語序盤はボーイッシュで派手なファッションが多いです。

 

たとえば原作「すべてがFになる」で、犀川の研究室でコーヒーを入れる萌絵の服装はこんな感じ。

いつものことだが、目立つ服装だった。鮮やかなピンクのタンクトップに薄いグレィのジーンズ。髪は短くストレートで、シャツと同じピンクのイヤリングを片方だけしている。よく見ると、イヤリングはガラス製で象の形だった。

アニメ版の萌絵はパンクで派手な感じのファッション。肩の空いたTシャツにショートパンツ、髪もショートボブで原作のイメージ通りです。

ただ萌絵はモデルの様にすらっとした美人なので小柄でファニーな雰囲気のアニメ版のルックスはちょっと違うかも。

ビジュアルイメージはドラマ版、武井咲さんがぴったりだと思います。

短い前髪も可愛かった!

 

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その3.犀川先生

 

犀川先生のイメージはアニメ版が近いですね。
もっと冴えない感じでもいいかも知れない。ヘビースモーカーでインドア派なのであの顔色の悪い感じ、正にです。

見かけはパッとしない先生が実はすごく頭が切れて女性にもモテる、というギャップが犀川先生の売り(萌絵も友達からあんな先生のどこがいいの、とよくからかわれてます)なのでダサい感じで良いのです。

綾野剛はすごーくセクシーでカッコよかったのですが、あれだと萌絵がなぜ先生に魅かれたのか明確にならない気がするんですよね。

いやまぁ綾野剛、大変おいしそうでしたけどね。

 

その4.研究室のキャラクター達

 

物語を脇で盛り上げてくれるのが研究室のメンバー。

特に助手の国枝桃子さんと院生の浜中君はレギュラーメンバーですね。

もちろんドラマにもアニメにも出てました。

性別不詳、無口でかっこいい国枝先生は女性に人気だと思います。

ドラマ版ではとにかく美人(水沢エレナさん)!かっこいいけどちょっと女性的すぎて無理があったかも。

アニメの国枝先生は短髪でパンク風。ちょっと怖い雰囲気で、良かったです。

ちゃんとイケメンな所も嬉しい!

浜中君は、ちょっと抜けてる癒し系のキャラクターで萌絵に甘いというか弱い所があるんですが。

浜中君はドラマ版がこれだ!って感じでした。

そうそう浜中君だよ~ってくらいに浜中君。

アニメの浜中君はね…。

リア充になってた(泣)

理系の大学院生で女子にもてなくて萌絵にちょっと憧れてるけど一つも相手にされてないのが浜中君のいい所なのに!

なんか違う~と思いましたがまぁいいです、浜中君はチョイ役だから(え?)!

 

その5.ストーリー展開

 

ドラマ第一話では、シリーズ1作目「すべてがFになる」冒頭~シリーズ2作目「冷たい密室と博士たち」のストーリーとなります。
作者森博嗣さんは2作目を一番先に書いたのだそうです。
物語のキーとなる真賀田四季が登場し、物語も盛り上がるFを最初に持ってきたのは出版社側の意向だったそう。

だからドラマ版の展開はある意味原作通り、と言えるのですが…。

「冷たい密室と博士たち」はシリーズの中でも地味なお話なので、序盤に持ってくるのはどうだったのかなー。

アニメ版は今の所ほぼ原作通りの展開です。多少端折られてる部分もありましたが時事ネタもあるので仕方ないですね。

アニメ、ドラマの原作について詳しく

アニメの原作は公式サイトで「すべてがFになる」「四季(全4冊)」と書かれています。
 

www.f-noitamina.com

 

オープニング、エンディングで流れる日記を読み上げているような男性の語りは四季シリーズからですね。

一つ気になったのは「すべてがFになる」はシリーズと追記されず「四季」は(全4冊)と書かれていること。

 

ドラマ版の方は「すべてがFになる」他S&Ⅿシリーズ作品、と書かれていて、シリーズ5作品が原作となっています。

アニメの方は真賀田 四季の物語がメインになって来るんでしょうか。

アニメの開始に合わせてオーディオドラマも『四季』のタイトルで10月9日よりⅾアニメストアにて配信が開始されています。

今後の展開が楽しみです。

anime.dmkt-sp.jp

 

 

最後に 

作者森博嗣さんがメフィスト賞を受賞してデビューしたのが1996年。

手元にある本の奥付を見ると「すべてがFになる」講談社文庫版の初版発行日は1998年と書かれています。

私がS&Ⅿシリーズにはまったのは文庫化されてからですから出会いは17年も前になります。

そんなに前の本がなぜ今ドラマやアニメ化されているのか。

今でも古びない原作の魅力は勿論の事、私と同じように20代10代の時にFシリーズに痺れた人達が制作の側に回ったんでしょう。

物語に今の時代が追いついてきた、というのもあるかも。

当時はちょっとクールで冷めた世界観だと思ってましたが、今改めて読むと他人に干渉したり気持ちを勝手に慮ったりしない、距離を保ってくれる犀川先生って理想の先生だなぁ、と。

S&Ⅿシリーズに描かれてた犀川先生独特の(暑苦しくない、スマートな、個人を大切にする)仕事観、人生観は今や当たり前の認識になってる気がします。

私達が「すべてがFになる」時代に追いついたのかも。

ええ、だから今日はすべてがFになる日。

おしまいっ。

 

すべてがFになる (講談社文庫)

すべてがFになる (講談社文庫)