おのにち

おのにちはいつかみたにっち

外見と内面の齟齬

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 今頃AmazonプライムでFate/Zeroを見ている。
実はこれが初Fate。ほとんどの皆さんがご存知の物語だろうが、なかなか面白い。

かつての英雄の霊が現代の魔術師たちの召喚によって具現化し、自らを呼び出したマスターと共にすべての願いをかなえると言われる聖杯を手に入れるための戦いに参じる、という物語である。

物語の軸となる英霊が、高潔なる魂と聖剣を持つ伝説の主、アーサー王。
謎と伝説に満ち、騎士道の手本たるブリタニアの王の実体は、金の髪と青い瞳を持つ可憐な乙女であった...というのが物語最初のポイント。

この可愛くも凛々しく、高潔でアホ毛なセイバーを見ていて私が感じたのは『魂と器の齟齬』という言葉でした。

  

Fate/Zero Blu-ray Disc Box Standard Edition

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たましいとうつわのそご。

いきなり難しい漢字が飛び出しましたが、つまりガワとナカミが食い違っている、ということ。

故国のためならばその身を捧げても構わない、という強い理想や騎士道精神に溢れ、エクスカリバーという強力な武器を持つセイバー。

しかしその姿は可憐で小柄な少女そのもので、その殉教の姿勢が痛ましいと思われてしまう。

 物語にはその他にも外見と中身が食い違っている人たちがたくさん登場します。

心優しく好奇心旺盛で、人間味に溢れているのにその実体はホムンクルスにすぎないアイリスフィール。

聖職者であり、敬虔に育てられたにも関わらず自分の内の闇から逃れることのできない綺礼。

 騎士道に忠実で、マスターへの忠義だけを望んでいるのにその身が持つ異性を魅了する呪いから逃れられないランサー。

小柄で貧相な体躯と童顔に、似つかわしくないほどの自尊心を抱えてもがいているウェイバー。

 外見と中身が上手く調和しているのは豪放磊落なアレクサンドロス大王(イスカンダル)、ライダーくらいでしょうか?

外側と中身、理想と現実。
そんな風に相反するものがFate/Zeroのテーマだったような気がします。

さてさて、実はまだ全話見終わっていないのでFateの話はこの辺にして。

 

外側と中身の齟齬

 

つい先日、とある方のツイキャスを聞きまして。

ジョヴァンナ(id:giovannna) さんという、女性はてなブロガ―さんが話していらっしゃったのですが、声が理想すぎて…!

なんつーか、緒方恵美さんみたいな素敵声。蔵馬ーーー!(例えが古い)

(ジョヴァンナさんのブログはこちら。ツイキャスも要チェックだ!)

something-new.hatenablog.com

 

小学生の頃、初めて自分の声をテープに録音して驚きました。
自分の耳にはもうちょっと落ち着いて聞こえるのに、どうしてこんなに高いの⁉と。

その違和感は大人になっても続いています。
褒めて頂くことも多いのですが、自分の中ではもうちょっとくっきりはっきり話しているつもりなのに、どうしてこんなに嚙み噛みのふにゃふにゃなんだ…と毎回げんなりです。

私のイメージする/自分の耳に聞こえる声はジョヴァンナさんの声に近いのです。
これは理想と現実の齟齬、という奴でしょうか?

 

声のほにゃららさ、小柄で童顔な見た目もあいまって、リアルではほっこり癒し系扱いされることの多い私ですが、内面はけっこう意固地だし負けず嫌いだし頑固だし辛辣だったりします。

はてなでも優しい/いい人認定されることが多いですが、それは自分の嫉妬心やら怨念なんか簡単に表に出してたまるかよ、という負けず嫌いな性格のせいです。裏では段ボールボッコボコです。

 ポケモンで例えるなら外見がタブンネ、中身はイワーク(中身が見掛け倒しって言うな!)。

 

思春期の頃は女の子らしい服装がイヤで、映画「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」のジェーン・バーキンに憧れてボーイッシュな洋服ばかりを好んでいましたが、あれは中性的で手足の長いバーキンだから似合うファッション。

背が低く丸い私には到底似合わない…と気づいてからはシンプルコンサバ系ですが、本当は可愛いよりも辛口に憧れます。

だがしかし、オーバーオールは一生似合わないだろうな…トイレめんどくさいし(違)

 

[映画パンフレット]ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ je t'aime moi non plus (1976年/フランス) / 監督:セルジュ・ゲンズブール 出演:ジェーン・バーキン[1995年7月22日発行]
(さすがにノーブラは真似しませんでした)

 

さてさて、今日のお話はあんまり結論がなかったりします。

ではなんでこんな話をしたかというと、職場で地元のイベントに合わせて、ピンク色のナイロンジャンパーを作ったのですが、これが完璧な薄いダサピンクってやつで…!これを着せられている自分の腕を見るだけで背筋が凍るのです。

合っていないと思う色の服を着せられるって、こんなにもストレスだったのか…と凹んでいるから、こんな話を思いついたのかも知れません。でも上司は似合うっていうんだぜ?そう言うなら窓口だけじゃなくてダサピンクを全員強制義務化してくれ...分かち合おう!

 

外見と内面の齟齬を抱えている人は、結構多いんじゃないのかな、と思います。
これが性差も伴う違和感だと性同一性障害、と呼ばれるのかも知れません。

Fate/Zeroのライダーみたいに、外見と内面が調和出来てる人にとって、世界はどんな風に見えるのだろうか?と憧れたりはしますけれど、それは所詮絵に描いたモチ。

見た目通りの人間なんて、つまんないぜ!と精一杯虚勢を張って、今日はおしまい。