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目が離せなくなる不思議なサーカス-『カラヴァル 深紅色の少女』

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『カラヴァル 深紅色の少女』読了!
全世界でベストセラーなんて華々しい肩書きのジュブナイル(YA向け?)ですが、カラフルで映像的でとっても面白かった。

ディズニーシーやシルクドソレイユのショーを活字で読んでいるような、不思議な感覚をもたらしてくれる物語です。

それなりのボリュームのある一冊なのですが勢いがありテンポも良く、気が付けばあっという間に読み終えてしまいました。

 

物語のあらすじ

 

カラヴァル(Caraval) 深紅色の少女

 

主人公は島を治める総督の娘、スカーレット。
母親が失踪した後、娘に異常な束縛と暴力を振るうようになった父から、妹のテラを守る事だけを願って生きている。

そんな彼女がずっと夢見てきたのは、子どもの頃祖母が話してくれた不思議なお祭り「カラヴァル」へ参加すること。

ゲームに勝てばどんな願いでも叶えてくれるという魔法のゲーム「カラヴァル」、そして謎のゲームマスター、レジェンド。

幼いスカーレットは救いを求めるつもりでカラヴァルの主催者レジェンドに何度も手紙を出し続けるが、返事が来ない。

ところが父親が勝手に決めた縁談が決まり、諦めの気持ちで出した最後の手紙の返事に添えられていたのはずっと憧れ続けてきた『カラヴァル』への招待状だった!

結婚式の日取りが迫る中、スカーレットは自分より先にカラヴァルの世界へ飛び込み、レジェンドに連れ去られてしまった妹テラを救い出すために5日間の不思議なゲームに挑む羽目になるのだが…

物語のあらすじはこんな感じ。
実の父から暴力と恐怖で支配され続けてきた少女、スカーレットは慎重で臆病で、他者を容易に信用できない性格です。
そんな彼女にとってなにより大切な物はたった一人の妹、テラ。

顔も知らない相手との縁談を不安に思いながらも、自分たちを父親から引き離してくれるかも知れない…と妹の身を守るためだけに、嫁ぐ決意を固めています。

父親を怒らせたらどんなことになるか分からないから島を出られない、カラヴァルにも行けない…そう渋る姉を無理やり船に乗せ、不思議なゲームに参加させるのは自由奔放な妹、テラ。

テラとスカーレット、そして二人を島から連れ出してくれた謎の船乗りジュリアン。3人はカラヴァルの開催地へと旅立ちます。

しかし先に上陸したはずの妹の姿はなく、スカーレットはテラを無事に救い出すためにジュリアンと共にゲームの誓約書に印を押す羽目に。

そこから始まるゲームは、不思議で怖くて目が回る遊園地のよう。
昼夜が逆転し、運河が巡らされた美しい街、隠し通路がある宿屋。気分で色を変える魅惑的なドレス、様々な場所に隠されたゲームのヒント。

誰が味方で誰が敵なのか?なにも分からないまま、スカーレットは妹を探すのですが…。

とにかくカラフル、映像的な物語!
既に映画化が決定している、という話も納得です。
まるで『不思議の国のアリス』みたいで、映像化したらとっても映えそう。

シリーズ物らしく全ての謎がこの一冊で明らかになる訳ではないのですが、とりあえず主人公スカーレットの恋と冒険には幕引きがされているので安心です。

 

あまり難しいことは考えず、描かれた筋書きに流されて楽しめる。
本当にサーカスを見ているような気分になれる一冊。エンタメとしてはなかなかいい出来なのではないか、と思います。中高生の女子ならなかなかハマりそう!映画化されて、ヒーローを甘いマスクのイケメンが演じるならなおさらw

ではでは、今日はお手頃なYAファンタジーの紹介でした。
ただ残念ながらお値段だけは手頃じゃない(ソフトカバーなのに1800円ナリィ!)ので図書館、もしくは文庫待ちをオススメかも…?

 

カラヴァル(Caraval) 深紅色の少女

カラヴァル(Caraval) 深紅色の少女

  • 作者: ステファニーガーバー,西本かおる
  • 出版社/メーカー: キノブックス
  • 発売日: 2017/08/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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