おのにち

おのにちはいつかみたにっち

一泊では無理がある-弾丸社員旅行のお話

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旅が好きだ。

しかし大人の休日俱楽部の看板を見ると頭突きをかましたくなるのは私だけだろうか。
これからを楽しむ大人たちへ。優雅な二人旅。
クワッ!くわっくわっ!あふラーーック!

カシオペアデラックス17万円也。
カーッ、ペッ!

 

こんなアヒル気質になってしまったのは、定年後はJTB世界遺産ツアーに行けると無邪気に信じていた、少女時代のトラウマだろう。

 

誰が想像しただろうか?
年金が60過ぎても貰えない、年寄りだらけのディストピアを。

あの日の私に伝えてほしい。
定年後は優雅な生活どころか、生ある限り働き続けなくてはいけないのだと。そして仮想通貨買っとけと。

 しかしそんな奴隷生活の私にも、家族旅行というささやかな楽しみは残されていたはずだった。

一泊でハワイ旅行できそうな額が吹っ飛んでいくディズニーランド(節子、あれ夢の国やない銭の国や)。

目を離せば溺れ死ぬ海水浴。

土手を転がりアブの巣に突っ込んだハイキング。

都会なら…と地下鉄に乗れば手を振りほどき雨に濡れた階段をジャンプ、岩に染み入る頭蓋骨の音。

お出かけしても死なない、安心して旅を楽しめる年頃には、親よりも友達を優先するようになっていて休日も部活で埋まっていたり。

かといって夫婦揃って旅に出れば家が全焼してるんじゃないか、なんて心配で落ち着かなくてウダウダウダな昨今…!

 

そんな私の光、しあわせの青い雲、青雲(盆アピール)。
それは皆がめんどくさいと忌み嫌う社員旅行なのである…!

 

 

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トライアスロン社員旅行

 

 若い頃は貴重な休暇を消費する、社員旅行が大嫌いだった。
温泉だの、宴会メインで、ただダラダラと酒を飲むだけ。
しかも酌やら、つまらない自慢話に付き合わされるという消耗オプションまで付いてくる。

 でも今の会社に入ってから、年に一度の課内旅行が楽しみになってきた。
メンバーは10数名。

私と同じ小、中学生の父母多数。
いわゆる『子どもの部活に縛られて、なかなか旅行なんて行けない』世代である。

 

社員旅行は貴重な旅チャンス。
温泉や宴会なんて日帰りでも出来る。

旅だ!足を伸ばすのだ!観光地を巡れ!るるぶ持ってこーーい!

そんな訳で一泊二日に日本人の勤勉性で全てを詰め込んだら南は沖縄、北は北海道まで旅することが可能なことに気が付いた。

本当に色々行った、遠かった。

 

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長崎では憧れの軍艦島上陸にオランダ坂でカステラ試食巡り、グラバー園でドレス着てコスプレ大会、造船所見学まで詰め込んだ。小樽も楽しかった。夜景に土方歳三の地碑、ラビスタ函館ベイの朝食、五稜郭タワーにラッキーピエロ。

 

疲れたからちょっとお茶、なんてまったりタイムは人生の甘えだ。
名所名物人気グルメを山ほど盛り込んだ、大人のガチ旅行には休みなどない。
もしツアやじゃらんの特集を見て移動距離長すぎ、現実的じゃないなんてほざいていた私が甘かった。

人が本気を出せば二日で名所百踏破も夢ではない。四国のお遍路だって行ける!

 

実を言えば、行きは楽しい、帰りは怖い弾丸トライアスロンツアーである。
正直帰路の新幹線では白目を剥いている。

 旅行後数ヶ月は(やっぱり家が一番だな…旅はもういいや)なんて思うくらい消耗する。

それでも不思議なもので、旅に出る秋が近づいてくると今年はどこに行く?なんてウキウキワクワク、ガイドブックをめくる私がいるのである。

今年も行くぞ48時間耐久社員旅行!

打倒優雅な大人旅!

 

でも…私が大人の休日俱楽部の看板を蹴っ飛ばしたくなるのってもしかしたら憧れの裏返(日記はここで途絶えている・ただの屍のようだ