おのにち

おのにちはいつかみたにっち

苔むした川原を眺めていれば幸せな人生だった。

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何言ってんだコイツ、的タイトルですが割と本気です。

えっと、先日職場の飲み会の席で、時間とお金があったら何処へ行きたいか?みたいな話をしていた訳です。

台湾で食い道楽とか、ハワイでアクティビティ三昧とか、いやいや温泉でまったりと…なんてみんな盛り上がる盛り上がる。

 

そんな楽しい時間、ほろ酔いの小野の頭に浮かんだ行きたい場所とは…

子どもの時行った、夏の川原でした。
水が奇麗で、ハゼや鮎が泳いでいて。

流れは一見静かに見えるけれど、滝つぼ付近は引き込まれそうなほど急になるから気をつけて。それでも急流を越えてたどり着いた滝の裏側から見る世界は光に溢れてとっても綺麗。

高い木立に覆われた静かな水の中で、ひとしきり遊んで体が冷えたら川原の大きな平たい岩の上にうつ伏せになって甲羅干し。

そして、隙間に生えた美しい苔のフサフサを日が暮れるまで凝視したい。
苔にっ…入り込みたいっ…!

 

小さい頃から、苔とか花の中心部分とか、細かいものが密集しているさまを近接で見るのが好きでした。 ものすごく、夢中になれる。

こういう趣味をなんというのだろう、と思っていたら安野モヨコさんがエッセイ『美人画報ワンダー』の中で言語化してくれていた。

 

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花に、入る…!

 

正にそういう感じ!

ミクロのものに集中していくと、誰の嫁であるとか母であるとか、様々な肩書きから自由になれる。それから明日やるべき事、帰り道の買い物メモなど、意識下にある様々な箇条書きもどんどん真っ白になっていく。もっともっと集中していくとお腹が減ったとか肩が凝ったなんて身体的欲求からも解き放たれてどんどんどん…ワタシハ…コケ…

ここらへんで、鼻先が苔にくっつきそうになってはっ!と我に帰る。
たまに無心になりすぎてよだれを垂らしていたりする。 苔によだれを垂らす女。色々ヤバい。

苔とか、花とか、ミクロの世界に入り込むのはすごく楽しい。
無心になれるし、はっ!と我に帰ったあともなんだか心が軽くなる。

今でもダリアとか、アネモネとか、中心部分が美しい花を一つ渡されれば1時間は暇をつぶせます。でも最近はたった一人で1時間暇を潰さなくてはいけない状況になかなか陥らないので、ミクロには相当ごぶさた気味。

子どもに声を掛けられたり、スマホが鳴ったり、そういうのでふっと我に帰っちゃうんだよなー。

 

そんな訳で今日は金と暇があったら行きたい場所は苔の中、というお話でした。

飲み会の席でそれを言ったか、って?
職場では常識人気取りなのでもちろん内緒ですよ、ふふふのふ。

 

ただ…疲れた時は給湯室のタオルのループとか、スポンジのブツブツを凝視しながら呆然としてるんで…バレてる気はするんだ…

軽く吐血モノだよねっ♡今日はそんな感じです!

  

美人画報 ワンダー

美人画報 ワンダー