おのにち

おのにちはいつかみたにっち

主語のデカい話に気をつけろ

こんな記事に、軽くモヤッとしてしまいました。

akasugu.fcart.jp

 

妊娠中の女性が、職場で経験した体験談を書いているのですが主語がデカい。そしてモヤッとした気持ちのまま話が終わってしまいます。

いや、それこそがリアルな現実なんだろうけど、対応策とかもうちょっとさぁ…ゼクシィBABYは妊婦さんが参考にするためのサイトなんだから…

 

漫画に出てくるお局さまは確かにイヤミで不愉快そのものですが、作者が勤めている会社自体は妊婦に理解がある様子。
イヤミを言っているのも他の社員からも煙たがられている様子の女性ただ一人。

記事冒頭に書かれている『女の敵は女』なんて主語のデカい話ではなく、私の職場のイヤミな人、という至って個人的な話だと思うんですが…!

記事が掲載されているゼクシィBABYは妊娠、子育て中の人が参考にするための体験記サイトなので、ブコメ欄にもありましたがこの話のどこを参考にしたらいいの?とかなり疑問。

 

自分のブログでやれ、っちゅう話ですよね。
こんなイヤミを言われました、ヒドーイ!とか私的な話として書く分には自由だけど、社会の問題提起をするような場で『女の敵は女!』なんて対立を招くような書き方をされるとさすがにモヤモヤしてしまいます。

 

私も漫画に出てくるお局上司と同世代だけど、こんなしちめんどくせーイヤミ言わねーわ!相当めんどくさい思考回路だよ?

こういう人はお局になる前からイヤミな性格だったと思われます!一緒にしないで!

 

この「一部の迷惑な人と一緒にしないで」問題、様々な場面で見受けられます。

たとえばTVのスカッとする話などで、ずうずうしいオッサンオバサンが難癖つけてタダ食いしようとするシーンとか。

違うよー!それオッサンオバサンだからずうずうしいんじゃないから!
単なる犯罪だから、とっとと警察呼んで―!

 

昨今、SNSで一番可哀想な目に合っているのは男性全般でしょうか。
痴漢、盗撮=男性、みたいな言い方をする人がいてさすがに酷い。

痴漢盗撮=性犯罪者でしょう?
比率として男性が多いのは確かだけれど、だからって=で結ばれたら人類=犯罪者になってしまう。私の夫や息子達、何の罪も犯していない人達を犯罪者呼ばわりするのはやめて下さい。

 

よく知らない、あまり付き合いのないクラスタを個々の人物ではなくネットに書かれている総評で判断して、毛嫌いしてしまうというのはありがちな感情だと思います。

実際の子どもと話した訳でもないのに、これだから子どもは…とかさぁ。
みんな違うよね、同じ5歳でも大人より静かに出来る子と動物より賑やかな子がいるのが保育園の常識です。

 

だからこそ主語の大きな話は危うい。

えーお局様ってそうなんだ、警戒しておかないと、女の敵は女!なんてネットで読んだことに影響を受けて身構えすぎると、今度はこちらが『なぜか最初から敵意むき出しの扱いづらい人』と敬遠される可能性大な訳で。

 

私が女子高生だった頃に人気だった、コバルト文庫に出てくる仮想敵もだいたい『若い子の気持ちが分からない、頭でっかちの独身女教師』で、当時はけっこう真に受けてましたっけ。

実際に学校にいた先生は優しい女性ばっかりで、どこに敵が⁉と戸惑いましたが。

 

オールドミスのババアだって、私たちと同じ女性なんだよ、そんなに変わらないんだよ、と当時の風潮を笑い飛ばしてくれたのは花井愛子さんの『山田ババアに花束を』でしょうか。でもさー、山田ババア42歳なんだぜ…当時の40代は既にババアか…きつい…

 

山田ババアに花束を (講談社X文庫―ティーンズハート)

山田ババアに花束を (講談社X文庫―ティーンズハート)

 

 

 話が脱線しました。

とりあえず主語の大きな話に騙されない、主語の大きな話を書かない、が今日の結論。

 

私自身、振り返れば主語のデカい話を書いてしまったこともあるんですけどねー。

例えば下の記事。
ショッピングモールの子どもコーナーや授乳室付近に出没し、いきなり説教を仕掛けてくるジジイの話とか、私は当時定期的に遭遇してたんで、あるある論として書いてしまったんですが、冷静に振り返ればかなりのレアケースですよね⁉

特殊な変人の話で社会を語っちゃあかんわ…そもそも用事もないのに授乳室近辺を一人でウロウロするジジイ、変態やんかーー!

 

yutoma233.hatenablog.com

 

大人しそうな見た目のせいか、田舎在住なのに変態にエンカウントしがちだった私、どうも変態への敷居が低いと言うか、変態で社会を語りがちなので気をつけたいと思います。

 

yutoma233.hatenablog.com

 

 変態は!レアケース!変態で社会を語らない!

今日の反省は以上です。

 

なろう小説たくさん読んだからオススメ&感想

表題通り。

今月はなろう小説にハマってしまい相当数読破したので、オススメ順に感想を書いていきます。

 

1・本好きの下克上

 

本好きの下剋上?司書になるためには手段を選んでいられません?第一部「兵士の娘I」

本好きの下剋上?司書になるためには手段を選んでいられません?第一部「兵士の娘I」

 

 

『小説家になろう』の完結小説を読み始めるならまずはこれから!

私がなろう小説にハマったきっかけは『本好きの下克上』第一巻を図書館で借りたことからでした。面白すぎて続きが即読みたくなり、結局サイトから3日ほどで読破してしまいました。

前世(極度の本オタク)の記憶を持ち、魔法の存在する異世界に生まれ変わった少女が活躍する異世界転生ファンタジーですが、めぼしい敵はおらず、主人公の目標も本に囲まれた生活を送ることと至って現実的な部分が面白い。

知識はあるけれど体力0ですぐ死にかけるという虚弱設定も物語を盛り上げてくれます。 世界設定も良く練られていて、荻原規子さんの「西の善き魔女」を思い出しました。児童文学のかほり漂う良質のファンタジーです。

 

小説家になろう「本好きの下剋上」へのリンク

http://ncode.syosetu.com/n4830bu/

 

2.無職転生~異世界行ったら本気出す

  

無職転生 ?異世界行ったら本気だす? 1 (MFブックス)

無職転生 ?異世界行ったら本気だす? 1 (MFブックス)

 

 

トラックに轢かれて命を落とした30代無職引きこもり男性が異世界に生まれ変わり、今世こそは本気出す!と成長していくファンタジー。

「本好きの下克上」もそうですが、幼少期、少年期、学園編とパート毎に分かれていて共感しやすく読みやすい構成になっています。

 

エルフの幼馴染、格闘系お嬢様、合法ロリ先生が登場するハーレム系ですが、主人公の家族が主要な登場人物になっている所が面白い。
強く、勝てなかったはずの父親がいつのまにか腑抜けて自分を頼り切っていて…みたいな家族ドラマがハーレムものに混じってくるの、ちょっと珍しいですよね。
男友達が主人公の添え物じゃなく個性を持ったメインキャラクターとして物語に絡んでくるところも良い。

単なる恋愛ハーレムじゃなく、家族、友情という絆を描こうとしている所が面白かったです。

 

そういえば前段で紹介した『本好きの下克上』も両親や姉といった血縁者が重要なキャラクターとして最後まで登場するんですよね。

私が子どもの頃読んだファンタジーは主人公が孤児だったり、孤独なパターンが多かったのですが…いつごろからファンタジーの世界に家族や、大世帯の仲間たちの登場が増えたのでしょう?

子ども部屋のように個(孤)の時代から、シェアハウスなどの全体で共有する文化へ社会が移り変わって来たことが、物語世界にも反映されているんでしょうか?
どの時代から物語の様式が変化してきたのか、調べたら面白そうです。

 

話が脱線してしまいました。
そんな訳で無職転生、なかなか盛り上がるファンタジーでした。

残念なのはラストが少し静かすぎる所かな?
続編があるのかも知れませんが、ここから先は別のお話…的な〆は少し盛り上がりに欠けました。

 

https://ncode.syosetu.com/n9669bk/

 

3.盾の勇者の成り上がり

 

盾の勇者の成り上がり 1【電子版書き下ろし付】 (MFブックス)

盾の勇者の成り上がり 1【電子版書き下ろし付】 (MFブックス)

 

 

これはちょっと人を選ぶ作品かも知れません。でも物語の設定がきっちり練られていてラストも盛り上がり、面白いです。

 

ただ…主人公がゲスい。あまりにもゲスすぎる。

普通の、ちょっと孤独なオンラインゲーム好きの大学生が別世界に召喚され勇者となる、しかしスキルがショボかったことから差別やとんでもない裏切りを受け一人城を後にする…というツラミな地点から物語が始まるので仕方がないのですが。

主人公の強さの根源も「恨みつらみ」ですからね。FFのトンベリかっ。

 

終盤村を作り、たくさんの仲間を作るあたりでだいぶ報われてはくるのですが、そこまでの恨み満載過程がちょっとキツイしゲスい、それに残酷要素満載。

ただこれだけアクの強い、個性が前面に出てくるファンタジーって珍しい。
自分の好きに書ける「なろう小説」ならではの物語ですね。

 

しかし世界を襲う波の襲来や異世界融合という設定は『幻想水滸伝ティアクライス』やん⁉と思いましたが… 多分読んでる中高生は知らないのでネタバレせずに済むのでしょう。私はオチが分かってしまってちょっぴり興ざめしました。

 

https://ncode.syosetu.com/n3009bk/

 

4.聖女の魔力は万能です

 

聖女の魔力は万能です (カドカワBOOKS)

聖女の魔力は万能です (カドカワBOOKS)

 

 

こちらはまだ完結していないのですが、「本好きの下克上」のように文章が綺麗で読みやすく、丁寧な設定が好感度大の作品。

ハードワークで疲れ切ったヒロインが世界を救う聖女として異世界召喚されるのですが、一人のはずの聖女がなぜか二人も。

一人は可憐な女子高生、ヒロインは疲れ切ってクマを作ったメガネの会社員。

王子さまは女子高生を聖女認定し残されたヒロインがブチ切れる…という所から始まるファンタジー。

社畜体質なヒロインは平穏な王宮暮らしに落ち着かず、放置されているのを良いことに植物研究所でポーション作りに精を出します。この製薬作業が「エリーのアトリエ」っぽくて楽しい!

物語は今だ中盤?なのですが、聖女の力の源に読者はほとんど気が付いている、知らないのはヒロインだけ…くらいの地点で止まっております。

 

くっそうイチャイチャしやがって…っ!世界を救うのは所詮愛なのかよ⁉とヒロインのスローテンポな恋愛に地団駄を踏んで下さいw

 

https://ncode.syosetu.com/n8139dg/

 

 

5.竜の子を産んだら離縁されたので森で隠居することにしました

 

 

竜の子を産んだら離縁されたので 森で隠居することにしました

竜の子を産んだら離縁されたので 森で隠居することにしました

 

 

 

こちらも未完結作品。
書籍版が発売されているのでラストはそちらで読めるのかな?

『竜の子~』は異世界転生ではなく、竜が稀に現れる世界で100年毎に竜の子を産む血筋に生まれた人妻が主人公のファンタジー。

竜の子を産む、といってもファンタジーだから目が覚めたら竜の赤子が…的な話かと思ったら普通に分娩シーンがあって少し凍りました。

ウロコが!爪がっ!

竜の子を産んだヒロインは離縁され、子どもと二人森で暮らすのですが王子様と結局イチャイチャしやがってリア充爆発しろ…という物語。

ヒロイン人妻、出産、子育てという展開が面白いですね。
ボリュームも文庫本一冊分くらいなので長大な『なろう小説』群の中では読みやすいと思います、完結してないのですが…。

 

https://ncode.syosetu.com/n4895df/

 

 

6.借り暮らしのご令嬢
 

 

借り暮らしのご令嬢

借り暮らしのご令嬢

 

 

ちくしょうイチャイチャしやがってシリーズパート3!

美しい伯爵令嬢から蔑むような眼差しで見られたことを根にもっていた貧乏騎士の主人公は腹いせとして没落した彼女を使用人として雇い入れます。

「ざあまみろ、こきつかってやる!」

 

…とあらすじは黒いのですが主人公が朴訥とした働き者でイイ奴、ヒロインも当初から素直で素朴ないい子なので実際はものすごくほのぼのとした恋愛ものですw

食べ物やドレス、建物など描写が丁寧だから絵が浮かんできて楽しい。
登場人物もみんなほのぼのしてますし。

可愛らしく優しい、童話のようなファンタジー。
こちらも文庫本一冊程度のちょうど良いボリュームなのでサクッと楽しめます。

 

https://ncode.syosetu.com/n8162dc/

 

7.武姫の後宮物語

 

武姫の後宮物語 (カドカワBOOKS)

武姫の後宮物語 (カドカワBOOKS)

 

 

 行き遅れの軍人令嬢が帝国の権力争いに巻き込まれ、後宮へ。
愛憎渦巻く後宮で、優しい年下皇帝に思わずときめいてしまうのだが…。

前半は恋愛に疎い元軍人のヒロインが不慣れな後宮でトラブルに巻き込まれるというありがちな展開ですが、なぜかお嬢様だらけの宮中でブートキャンプを始めてしまうあたりから物語は急展開。

ひたすら筋トレ、体力、バイオレンス。
筋肉は世界を救うという素晴しく脳筋な物語でした…どうしてこうなった…

美人なのにおバカで人間を超越したヒロイン、ヘレナが可愛いです。

完結済みなのでイッキ読みできます。少女マンガチックなのに格闘やらサバイバルやら、いろんな要素が混ざっていて楽しいですよー。

https://ncode.syosetu.com/n1037cw/

 

 8.夜伽の国の月光姫

 

夜伽の国の月光姫

夜伽の国の月光姫

 

 

とある小国に美しいお姫様が一人。しかしお姫様は人とは違う白い髪と赤い瞳を母親から忌嫌われ、高い塔の上に幽閉されていたのです…。

なんて童話のように美しい設定のファンタジーなのですが、さすがはなろう小説。
お姫様の前世はひきこもり気味、酒とギャンブルピンサロが大好きなおっさんだったのです…!

そんな訳で塔の上から王子様に救い出されたお姫様は、『理想の引きこもり生活をぶち壊しやがってこのリア充野郎がッ!」と王子を逆恨み。

王子様とのラブストーリーならぬ、いかにして優しい王子様をぶちのめすか?という逆襲型コメディドラマが幕を上げるのです。

 

タイトル同様、静かで美しい表紙ですが静謐なファンタジーを想像していたら詐欺に合いましたが(笑)ピントの外れたヒロイン(おっさん?)アルエがとにかく可愛い。

眉目秀麗、言葉遣いはたどたどしい幼女キャラなので周りから愛されまくってますが中身はおっさん、見た目は月光、特技は激昂というブチ切れキャラです。

中身がおっさんなのでもっと男性向け展開になってもおかしくないのですが、基本童話タッチのほのぼのした可愛らしさで女性にも読みやすく、楽しめます。

第一部は完結済み、今は第二部が連載中です。
かわいいお姫様(だがおっさん)とネズミの執事の可愛らしいファンタジー、ほのぼのしながら爆笑したい方におすすめです!

https://ncode.syosetu.com/n4138ck/

 

 

さてさてそんな訳で急ぎ足ですが「小説家になろう」サイトで読める小説を数点、紹介させて頂きました!

今現在も「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった」「金色の文字使い」「北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし」「薬屋のひとりごと」などをブックマークし同時進行で読み進めています。

物語に全身で浸り込める長編一気読みも楽しいけど、色んな本を1章づつ読み進めるのも好きなんですよね。チョコ食べて次はポテチだ!みたいな感じで。
しかしハマりすぎて睡眠時間が足りてません…

 

とりあえず読書の秋、手軽にファンタジーが楽しみたいなら「なろう小説」なかなかオススメですよ!

 

VUCAの時代を生き抜く方法

現代はVUCA(ヴゥーカ、ブーカ)の時代と呼ばれているらしい。

VはVolatility(変動性)、Uはuncertainty(不確実性)、CはComplexity(複雑性)、AはAmbiguity(曖昧性)を指す。

つまりVUCAとは予測不能の時代という意味なのである。
2020年以降にはかなりの確率で地価が暴落し経済が後退する、なんて噂もあるらしい。

地価下落「2019年1月開始」説は本当か? 専門家も賛否両論 (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

 

その一方でIoTやAIの進化による第4次産業革命なんて話もあり、この先何が求められているのか、どう生きていけば良いのか予測し難い。

変動し、不確実で複雑かつ曖昧な『VUCAの時代』だからこそ、アップデートや新たなスキルの獲得が必要不可欠になってくる。

 

という訳で最近大人のリカレント教育(学び直し)が話題なのだろう。

日本女子大学では2007年から女性のための再就職支援プログラム「リカレント教育課程」を開講している。こちらは大卒資格を持つ女性が産休、育休後に復職する際のスキルアップに更なる資格取得や再学習を支援する、というプログラムらしい。

たとえ大学を卒業しても一度キャリアが途絶えてしまえば資格取得や再学習を経ないと所得向上は難しい世の中。

 

つまり、『まだサラリーマンで消耗してるの?』的考えは既に古い。
本業+副業、2足のわらじを履いて更に学習… 不測の事態を乗り切るために3本脚の「ヤタガラス化」を目指す。それがVUCA時代の生き抜き方となるのだろう。

 

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…さて、流暢な口調で語ってみましたが。

正直皆さんどうっすか?感じてますかヴゥーカの時代?
私?正直あれっすよあれっすわ。 めんどくさいんだわボォーケ!(ダジャレが言いたかっただけ?)

確かに私自身もなんか勉強しないと、手に職持たないと、なんて手話学んだりブログ書いたりしてますことよ、人混みに流されて。

流されやすい体型してますし横幅的に…ってボォーケボォーケ!(語感が気に入った模様)

とにかく時代に追いつかなきゃな、とは思うんですよ。
現代ってみんな勉強熱心だし、頑張ってますよね?
勤務時間外に個人で勉強会とか、自費で研修とかこんな田舎でもよく聞く話です。

でもなぁ、でもさ。

時々は思いますことよ句読点つきで。

な、ま、け、た、い!

 

もうね、過ぎ去った時代を懐かしんでも仕方ないのは分かってるんですけど。
私の祖父とか、定時で帰ってきて孫とTV見て瓶ビールあけて明るいうちに夕飯済ませて食後は自分の小屋に籠って趣味の木工やって。一軒家建てて、二人の子どもは大学と専門学校へ。それでも定年後は年金貰って農協の世界遺産ツアー行って…

小さな町役場の職員ですよ?それでも豊かに暮らせる余裕があの時代にはあった訳で。 言っても仕方ないんだけど、うーらーやーまーしーい!
羨ましさだけで100㎉消費出来るくらい、ジタバタ出来ますわよわたくし!

 

もちろん今の方が、昔より暮らしやすいです。
洗濯機も、掃除機も、食器洗いまで全自動。オール電化で灯油を入れる煩わしさからも解放されて、料理だって時短が当たり前になってきて。

その代わりに共働きが増えたけど、家事分担も常識、託児だって空いていれば1歳から可能。だから昔のように、ある程度自由な時間はあるはずなのに、いつも将来への不安と学びへの焦燥感に追われてて。

先行き不安という負の付喪神を倒すために菅原道真を召喚したけど実は道真もマイナス側だったので双方が肩にのしかかってくる、的な負担ですわよこの重さは。

 

結局のところどれだけ学んでも、様々なスキルや資格を身に着けても貯金を増やしても結婚しても子どもがいても「将来への不安」という漠然とした感覚からは逃れられないわけで。例えるならばディストピアSFみたいな、希望を見出し難い時代に生きている感じがします。

そして学びも勿論大切なんだけど、みんな自分の得意なこと、興味のあることに特化して学びすぎて(また自称専門家になりやすい時代で)それが衝突の原因になってる気もしたり。大切なのは理念の正しさとか言論で勝つ事じゃなくて、現実社会の生きやすさに繋げることでしょう?

とはいえ増田の「保育園おちた」が国会で取り上げられる時代なので、いまや炎上こそが社会を変える一手なのかも知れませんが。

 

さてさて、そんな訳でVUCA(ヴゥーカ)の時代をどう生き抜くか、という話に戻ります。勉強しても、副業を得ても、先行きへの不安感を拭いきれない時にはどうしたらいいのか?

 

 

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…たまにはこんな顔して、魂抜いて、虚空を眺めてみるのもいいのかも知れません。色々詰め込みすぎなんだよね、私たち。 題してBAKA(バーカ)の時代、なんつって。

 

本末転倒チェックリスト

「チェックリストは苦手なのよね」

そういわれた日のことを唐突に思い出した。
10数年前、手続きに膨大な書類が必要な窓口に勤めていたころの話だ。

短い白髪を奇麗な赤に染めて、グレンチェックの洒落たコートをまとった女性が、必要なものが多すぎて忘れそうと笑った。

私はよく分かります、と頷いてチェックリストを差し出した。
大きく読みやすい文字で、必要書類が分かりやすく箇条書きされた、A4サイズのチェックリスト。こちらの書類を揃えればお手続きは簡単に終わります、という塩梅だった。

ところが女性は苦笑いしてこう言った。

「チェックリストは苦手なのよね、書類を揃えてチェックを入れるだけで全部が終わった気分になっちゃって。肝心の手続きを済ませるエネルギーが残らないの」

「なんていうか、チェックリストにチェックを入れることが目標になっちゃうのよ。肝心なのはそこから先なのに」

その頃の私はまだ若く、時間の余裕も持ち合わせていたので彼女の気持ちが理解出来なかった。そうなんですね、とお茶を濁して話は終わった。

 

あれから4010余年。押し寄せる白髪肉波シミ小じわ、今ならわかる貴女の気持ち(唐突なきみまろ口調)。

チェックリストで終わった気分、チェックリストが目標。
日々そんなことばっかりだ、脳内のチェックリストに追われて。

 

掃除洗濯布団はフカフカ、毎日三食栄養バランス。
確かに全部達成できた日には満足して眠りにつけるのだけれど、時折目標を見誤ってしまう。

例えば掃除と洗濯が終わらないからと子どもの試合の応援をサボってしまった時。
掃除を終わらせることが、洗濯物を干すことが最終目標ではないのだ。
それらは全て私の最終目標「家族みんなの幸福値を高める」ための一手段にすぎない。

チェックリストをこなすことを目標にしてはいけない。
家の中が多少散らかっていようが、晩御飯が冷凍ピザだろうが、今日は頑張ったねぇ、凄かったじゃん!と喜び合いながら食卓を囲んだ方が幸福値は上がるはずなのだから。

 

小さな目標をクリアしていくと簡単に達成感が得られてそれだけで満足してしまうからいろいろ危険なのである。

例えばステップアップのために日々勉強するのは大切である、資格を取るのも。 しかし一日1時間勉強することにこだわりすぎて肝心の昇進や転職チャンスを得られる場に出かけなくなってしまったり、資格を取るだけで満足してしまって活用を忘れたら意味が無いのである。

ええまさに自分の話ですがなにか⁉みーみーがーいーたーい!

 

…さて、耳なし芳一状態になってしまったところで私の最新☆本末転倒チェックリストを紹介したい。

 

・お酒は週末だけ。
・お菓子や甘い飲み物は摂らない。
・夕食は就寝2時間前までに済ませる。
・運動一日1時間。

 

ダイエットのためにこの4か条を実践すること1ヶ月、ちゃんと達成できているし健康になった気はするのですが…

 

健康過ぎて体重が増えました。
運動、禁酒して睡眠時間もバッチリ、秋のゴハン美味すぎぃ…!

 

で、でも健康診断でウエストが増えたと咎められたことから始まったダイエットだから…肝心なのは体重じゃないの、最終目標は健康のはずなの、でもやっぱり納得いかなーい!

本日の後悔は以上です…

 

ツリーチェックリスト

ツリーチェックリスト

 

 

ネガティブ・ケイパビリティが教えてくれる、萌え絵嫌悪論への抗い方-その2

さて、前回はシュナムル氏によるTwitterでの発言から始まったラノベ表紙問題、NHKの特設サイトに登場したキズナアイが批判されたキズナアイ騒動…そういった萌え絵嫌悪論はかつての有害図書問題の焼き回しなのではないか、そして出版側は待つこと耐えること、つまりネガティブ・ケイパビリティという力で事態を乗り切ってきた、という所までお話ししました。

 

yutoma233.hatenablog.com

 

 

今回は萌え絵嫌悪派はかつてのPTAのような一大勢力となり得るのか?そしてPTAが行った有害図書規制は本当に正しかったのか?というお話です。

 

そもそもかつてPTAが行った有害図書問題とは、本当に子どもを暴力や性的表現から守るためだけのものだったのでしょうか?

もちろん本当に、子どもの事を考えて行動した親も存在したのだろうと思います。

しかしヤングサンデーなどの青年誌にまで規制の手を伸ばすのは明らかにやりすぎですし、1950年代の悪書追放運動では手塚治虫の「鉄腕アトム」までもが焚書の憂き目に合わされています。

私が疑問に思うのは、鉄腕アトムを燃やした人が、月刊マガジンの「いけないルナ先生」を回収に追い込んだ人たちが、本当にその作品のことを知っていたのか?ということです。

1950年代は漫画全てが、そして1990年代にはちょっとエッチな漫画が、その内容に関わらず槍玉に挙げられていたように思えます。

その根底には新しいコンテンツはとにかく避けたい、見たくないという「生理的な拒絶」が隠れていたのではないでしょうか?

 

私自身、なんとなく子どもにYOUTUBEを見せたくない、という不条理な感情に囚われたことがあります。しかし小説に良書と悪書があるように、YOUTUBEが全て悪である、などという不条理な事態はあり得ない訳です。根底にあるのは私自身がYOUTUBEを見慣れていない、という拒否反応だけ。

そんな拒否反応もYOUTUBEのフィットネス動画を見慣れたら止みました。
アニメもマンガもVチューバー動画もラノベの表紙も、あくまでコンテンツの外側にしかすぎません。本と同じく、良いものも悪いものもある。
大切なのは自分の感情が不条理であると気が付くこと、そして苦手なものを学んでみることだと思うのです。

 

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 さて、現代の萌え絵問題に移ります。

 ラノベ表紙問題、バーチャルアイドル騒動は単に萌え絵だけの話ではなくジェンダー論争と複雑に絡み合っています。
今回はシンプルに、萌え絵への嫌悪感だけを議題に上げたいと思います。

 

例えばこちらの児童書の萌え絵化というTwitterまとめ記事。

togetter.com

 

基本は最近の絵本に萌え絵が使われているのは時代の流れである…というもっともな話ですが、中にはやはりこの絵柄は酷い、こうした本を与える親の気が知れないとおっしゃるかたもいます。愕然としたり、違和感を覚えたり。

これもまた、新しいコンテンツへの「生理的な拒絶」なのでしょうか?

  

「なんとなく、気持ち悪い」

 

萌え絵の問題はマンガよりも複雑です。

萌え絵についてはマンガのように見慣れないもの、新しいものという意識よりも、表舞台に出てきてはいけないものという禁忌感を抱いている人が多いのではないかと思うのです。

 もしかしたらその「禁忌」は1990年代の、苛烈なオタクバッシングから生まれた感情なのではないでしょうか?

 

“宮崎勤”を探して

“宮崎勤”を探して

 

 

実は私自身、地元の山中を走る萌え絵のラッピング電車を初めて見かけた時は少したじろいでしまいました。猫と女の子が描かれた可愛い電車に、何故羞恥を覚えてしまったのでしょう?

私の中にも未だ、オタク的要素を表に出すと叩かれるというあの当時の禁忌感が残っているのだと思います。

 でもそれはあくまでも1990年代の苛烈なオタクパッシングを生きた人達、そしてそういう親に育てられた子どもだけに通じる価値観です。今を生きる子ども達は過去の事件など知りません。ただ流行りの絵柄を消費しているだけ。

 昔の絵本も現代の絵本も、絵柄が多少変わっただけで内容は同じです。
人魚姫の露出も同じ、子ども向けですから過度に性が強調されている訳でもない。

 

もちろんエログロ暴力はゾーニングされなくてはいけません。
でも絵本の絵柄が今時だからと言うだけで子どもに与える人の気が知れない、とまでおっしゃるのは行き過ぎではないでしょうか?
きっと鉄腕アトムを焚書にした人達も、その当時はこう信じていたのでしょう。

この本は子どもに悪影響を及ぼすに違いないと。

 

 

私は昭和の有害図書問題も現代の萌え絵嫌悪も、根底にあるのは知らないもの、そしてかつて忌み嫌われていたものへの生理的な拒絶だと思っています。勿論有害図書問題から時が過ぎ、性的なコンテンツが台頭しすぎた感は否めませんが。

しかしこうした拒絶は新しいコンテンツが一般的に普及し始めた時によく起こり得る問題です。NHKに登場したキズナアイに関する騒動などは、正に新しいものへの抵抗感を覚えた方も多かったのではないでしょうか。

 

 さて、では萌え絵嫌悪派はかつてのPTAのように多数派になり得るのでしょうか?
それとも萌え絵やバーチャルアイドルはかつての漫画のように当たり前のコンテンツとしてお茶の間に君臨するのでしょうか?

 

これもまた、時間の問題のような気がするのですよね…だって会津の山中でさえ、かわいい萌え絵電車が走っているのですよ?誰だってそのうち見慣れてしまうと思うのですが。

 

現在Twitterなどで萌え絵への抵抗感を表明しているのは30代over、オタクへの誤った価値観を植えつけられた大人と、そんな彼らに育てられた子ども達ではないでしょうか?

10~20代、多くの若者たちからは既に、オタクは恥ずかしいという意識が消えているように思えます。

 

勿論萌え絵を用いたコンテンツにもゾーニングは必要だと思いますが(成年向けよりも過激な作品が最近増えて来たのでは?)萌え絵のすべてが気持ち悪いなんて論調は10年後には発言者にさえ理解しがたい、古びた感覚となっているはずです。

漫画への抵抗感を時間が解決してくれたように、萌え絵が常識となる未来は多分すぐそこです。

慣れないもの、嫌いなものに抵抗感を覚えてしまうのは仕方がないことですが、もしもそれが言語化しようのない「なんとなく気持ち悪い」という感情論ならば、時間が解決してくれるかも知れないと信じて、曖昧なままにしておくのも前記事で紹介したネガティブ・ケイパビリティ、この世界を生き抜く知恵です。

そして萌え肯定派の私たちもまた、かつての漫画がそうだったように時間が解決してくれる問題だと信じて、口を噤んでおくのが良策なのかも知れません。

 

本当に素晴らしいもの、私たちが愛するものはどんな規制にあってもきっと、滅びないのだから。 

 

 

ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 (朝日選書)

ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 (朝日選書)

 

 

ネガティブ・ケイパビリティが教えてくれる、萌え絵嫌悪論への抗い方

 黄金頭さんのこの記事を読んで、帚木蓬生氏の『ネガティブ・ケイパビリティ‐答えの出ない事態に耐える力』という本を買ってみた。

 

goldhead.hatenablog.com

 

これがしみじみ面白い。
作家であり、精神科医である著者が「人生を生きやすくする負の力=ネガティブ・ケイパビリティ」について語っているのだが、このネガティブ・ケイパビリティという能力こそが、逆境を生きぬくために必要不可欠な力なのではないかと思わされる。


では具体的に「ネガティブ・ケイパビリティ」とはどのような能力なのか?

本の中では『「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力」あるいは「性急に証明や理由を求めずに、不確実さや不思議さ、懐疑の中にいることができる能力」を意味する』と書かれている。

世の中に溢れている「こうすれば、簡単に、苦労なしで問題が解決できる」系の本はネガティブ・ケイパビリティの逆、ポジティブ・ケイパビリティと呼ばれている。

簡単にいえば自分の悩みをスッキリ解決できる、すぐに得られる答えを求める能力がポジティブ、逆に解決しない答えを抱えていても持ちこたえていくことが出来る能力がネガティブ、ということなのだろう。

 

私はずっと、例えば強制収容所のような過酷な環境で、生き残る人と命を落とす人の違いはなんなのかと考えていた。

体力や年齢の違いは勿論、それ以上に不条理を生き抜く意志の力が必要なのではないかと。その意思の力に「ネガティブ・ケイパビリティ」という名前をつけてみれば、実にしっくり収まってくれる。喝采モノである。

早急な解決だけが良策ではないと語る本に、スッキリを覚えるのは我ながら短絡的で矛盾しているのではないか、と苦笑したくもなるのだけれど。

 

萌え絵とネガティブ・ケイパビリティ

 

まぁそんな訳で、簡単に解決できない問題に対して性急に答えを求めない能力「ネガティブ・ケイパビリティ」は多種多様な価値観が言語化されるようになった現代にこそ、必要な気がします。

例えばシュナムル氏によるTwitterでの発言から始まったラノベ表紙問題、NHKの特設サイトに登場したキズナアイが批判されたキズナアイ騒動。

こうしたジェンダーに関わる炎上を見るたびに、短文で簡単に自分の言いたい事だけを発言できるTwitterで、複雑な問題を語るのがそもそもの間違いなのではないかと思ってしまうのです。

強い言葉を吐かざるを得ない意識の根底にはその人が過去に経験した出来事ー強い干渉、もしくは非干渉があるのではと思います。でもそうした根底にある物語はたった140字では書き表せません。そもそも書いている当人ですら、自分の根底にある痛みから目を逸らしている場合もあるのかも知れません。

 

男女共に自分が生理的不快感を感じるものを探し、その根底にある「なぜ」を追求することこそが、各々の解決に繋がると思うのですが、見たくないものからは目を逸らしたいのが人間のサガと言うものです。分かりやすい悪を探し、お気持ちで自粛を要請する。ポジティブで現代的なやり方です。

そもそもTwitterというコンテンツそのものが分かりやすく、インスタントにーつまり「ポジティブ寄りに」出来ている。こうした場所は、置かれた価値観、常識によって答えが変わってくる複雑な問題を語るには向かない、議論の場に適していないと思うのです。

では、どうするべきなのでしょうか?いくらネガティブ・ケイパビリティが大切だと言っても、分断を放置しっぱなしにしておくのはどうも落ち着きません。

 

過激なラノベの表紙や、バ―チャルアイドルのノースリーブ衣装は本当に女性の権利を侵害しているのでしょうか?
私は過去に起きた事件に答えがあるような気がしています。

 

キズナアイと有害図書問題

 

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そもそも萌え絵は本当に、女性の権利を侵害するものなのでしょうか?

私自身はラノベ、アニメ、ゲームといったオタクコンテンツにどっぷり漬かった萌え肯定派の人間です。

ラノベの表紙は昔からあんな感じだし、キズナアイちゃんはマシーナリーとも子の次にカワイイ。衣装だって普通としか思えません。

しかし私の考えがオタク文化に親しみすぎた、歪んだ物なのではないか、と危ぶむ気持ちも多少はあります。

 

権利侵害という言葉を聞いて真っ先に頭に浮かんだのは1950年代ごろから始まった有害図書問題です。

PTAが主体となったエロ、グロ、暴力表現への抗議活動により、各都道府県で青少年保護育成条例が制定され、各知事の指定を受けた性や暴力に対して露骨な表現のある作品は18歳未満に対しては販売してはならない、という制定が出来ました。

1990年代には有害コミック運動が勃発。
当時人気だった「北斗の拳」や「ドラゴンボール」まで暴力的であると批判を受けたそうです。

そして特に槍玉にあげられたのが性的な描写を含む漫画。
月刊マガジンの「いけないルナ先生」やヤングサンデーの「ANGEL」などは書店から回収される騒ぎに。今考えると少し不思議ですね、両誌とも子ども向けではないのに。

今一部のコミックに付けられている「成年向けマーク」はこのときの騒動を受け、それぞれの出版社の自主規制、自主判断でつけられたものなのです。

 「いけないルナ先生」が回収だった時代から考えれば、確かに昨今のラノベの表紙は少々過激であると言わざるを得ません。

シュナムル氏の「ラノベ表紙を気持ち悪いと娘が言った」発言はジェンダー、性の抑圧と一見現代的な要素をまとっているように見えますが、主張自体は1950年代からPTAが言ってきた内容となんら変わりありません。

子どもに性的なものを見せるな、というゾーニングの問題です。

 

有害図書~有害コミック問題は主に子を持つ親が中心となって全国的な騒動になり、多くのマンガが槍玉に上がりました。
親たちが子どもに暴力的なもの、性的なものを見せるなと要求し、その結果多数の本が回収や発禁に追い込まれ、有害図書や成年向けマークと言ったゾーニングが当たり前になりました。

現代のPTAにはあの頃のような活気はなく、マンガもまた子どもに対する強い影響力を失いました。

あの頃のPTAに変わって盛り上がっているのがフェミストと呼ばれる女性達、そしてマンガに変わって槍玉にあげられているのがバ―チャルアイドルや萌え絵のような、子どもたちに強い影響力を持つコンテンツなのではないでしょうか?

全ては形を変えて、同じことを繰り返しているだけなのです。

 

1990年代、マンガに対する強い弾圧に出版社側は本を回収し、販売を停止したりマークを付けたりと配慮の姿勢を見せました。

そして年月が経ち、今や大人も子どもも、マンガを当たり前のコンテンツとして受け入れています。作品の内容に関わらず「マンガを読むとバカになるから子どもには読ませたくない」そんなことを言う親が、かつては本当に実在していたのです。

こうやってかつてはさんざん悪書扱いされたマンガへの評価が変わったのは、やはりネガティブ・ケイパビリティ、すぐに解決できない問題に耐える力だったのではないでしょうか。

マンガを読んで育った世代がそのまま大人になり、マンガが悪いものだという価値観を持つ者が居なくなった。早急に答えを求めず、待ち続けることで事態は改善されたのです。

では萌え絵嫌悪論者にも、そんな風に待つことで立ち向かえばいいのでしょうか?
しかしそもそも萌え絵嫌悪派はPTAほどの勢力を持つ多数派なのでしょうか?
そして子どもを守れとPTAが行った有害図書規制は、本当に子どものためだったのでしょうか?

 

長くなりすぎたので続きはまた次回。
次回は見慣れないものを拒絶する心理というお話です。

  

ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 (朝日選書)

ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 (朝日選書)

 

 

リンダキューブアゲインの思い出

飲み会の席でクリア出来なかったゲームの思い出、という話で盛り上がった。ポートピア連続殺人事件と共に浮かんだのが『リンダキューブアゲイン』である。

ポートピアをクリア出来なかったのは私がまだ小学生で、攻略サイトもない時代(ファミ通頼り)だったせいである。迷路で死にまくり、その後犯人はヤスだと友達から聞いてやる気が失せた。

 

リンダキューブは大人になってから購入したプレステのゲームで、シナリオA、Bはクリアできたのだが最後のメインシナリオ、動物を100種類集めるというのが地味に面倒くさくてクリア出来なかった。つがいを揃えないとダメとか、一撃で倒すと体が飛び散ってしまい捕獲したことにならないとか、色々設定が厳しかった思い出が。

 

リンダ キューブアゲイン PlayStation the Best

リンダ キューブアゲイン PlayStation the Best

 

 

そんな訳で結局私の箱舟は旅立たなかったのだが、このゲームのことは今でも記憶に残っている。猟奇的で暗いストーリー、気味の悪い動物たち。

 

さすがに飲み会の席で他人に勧められるようなゲームではないので、ブログで勧めておくことにした。残念ながら今はPS3かPSVitaがないと遊べないようですが。

 

一番好きだったのが、日が経つにつれて町から人がいなくなり、廃墟を歩いているような気分になれる所。

隕石が落ちて滅亡することが決まっている惑星から、様々な動物を救うために箱舟に集めて旅立つ主人公と、その彼女の物語なので、箱舟に乗らない他の住人達は普通に宇宙船で他の惑星へと、一足先に逃げ出してしまうんですね。

誰もいなくなった都市は異様で、素敵なんだけどお店が次々閉店するのでのんびりしていると何も買えなくなってしまうという難易度の高さ…

 

 

田中達之作品集CANNABISWORK

田中達之作品集CANNABISWORK

 

 

 田中達之さんの絵も暗くて大人っぽくて、好きだったなぁ。

終わりを迎える惑星に、最後に残った者の物語。
小説だと『屈折する星屑』というタイトル通り屈折した青春SFもオススメ。
舞台設定も物語の救いの無さも、どこか似ています。

 

屈折する星屑 (ハヤカワ文庫JA)

屈折する星屑 (ハヤカワ文庫JA)

 

 

明るく希望に満ちた物語も好きだけど、暗くて辛くて、救いの見えない物語に惹かれる時もあります。

誰もいない町で、何処に行くかも分からない舟に乗せる凶暴な生き物を集める。己の仕事に疑問を覚えながらも暗い雪の中をさまよい歩き、動物を爆殺して捕獲失敗、時には返り討ちに合い、武器が買えずに行き詰まる…。

お金も時間も足らない、ままならない人生のような物語。
それがリンダキューブなのです。

…えっと、ゲームがあまりにもリアルに世知辛すぎて、色々悲しくなってきましたが…
とにかく今日はリンダキューブが好きだったよ、という浅い話でおしまいです。

それではマタンゴ。