おのにち

おのにちはいつかみたにっち

田舎暮らしの散歩道

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私は福島県の会津地方に住んでいる。
人口が2万人にも満たない小さな田舎町。

一番近いコンビニまで車で10分かかる。

イオンもない、マックもない、ガストもユニクロもない不便な町。

でも家から5分歩くと手に入れられるものがある。

土日の日中でも車すら通らない私一人の散歩道。

 

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リンゴ園や畑の側を通る農道で、農繁期や日中は作業をしている人が多いのだけれど、オフシーズンや夜なら道路一つ貸切ったような気分になれる。

田舎に住む人なら、知り合いに会わないで済む散歩道を一つは持っているんじゃないだろうか。

誰もが顔見知りの田舎町。
安心だけれど濃密な付き合いが重く感じられる日もある。

今日は挨拶したくないな、一人でぼんやりしたいな、という時私は誰もいない農道を歩く。

 

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瞑想は苦手だ。
家にいると静かでもあれをしなくちゃ、これもしなきゃと次々にやることが浮かんできてちっとも空っぽになれない。

でも何もない道をスマホも持たず音楽も聞かずに歩くと心が空っぽになるような気がする。

焦っていても、怒っていても、結局私には私に出来ることしかできないのだから、と気がつく。

空も山も高くて遠くて大きいから、余計自分の小ささに気がつくのだろう。

自分の部屋でも一人になれるけれど本やテレビやパソコンなど余計な情報が多すぎて、自分と向き合えない気がする。

何もない場所へ行き、誰もいない道を歩く。

それだけで心が軽くなるのを感じる。 

 

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イライラした時は5分でもいいからこの道を歩く。
怒りに任せて全力疾走するときもある。

昔は嫌なことがあると夜中まで頭から離れなくて眠れなかった。
そんな時一人で散歩すると忘れられることに気が付いた。

それから私は安眠で、夢すら見ない。

悪夢も心のもやもやも、みんなあの道に置いてきてしまったんだろう。


時折は晩御飯を回転ずしやピザのお取り寄せにして楽をしたい日もある。

映画館や博物館がもっと近くにあったらいいなと思う。

図書館の蔵書も少ないし、本屋さんも小さい。

不便は数えられないほどあるけれど、私専用の散歩道には変えられない。

眠れない夜もかつてはあったので、要らないことを考えずにぐっすり眠れる今がどれだけ幸せなのかも分かっている。

思い悩むことの全ては、どうにもならないことばかりだから。

 

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田舎暮らしのあなたなら、きっと自分だけの特別な場所があるはず。

都会のあなたにだって、大好きな場所があるかも。

海や空や山や、スカイツリーだっていい、自分の小ささを自覚できる大きな物のある場所を見つけてください。
出来れば一人になれたらもっといい。

そんな場所を、スマホを持たずイングレスもしないで、ただ歩いてみて下さい。

身近になかったら、天気のいい日に遠くの町まで誰もいない場所探しに出かけるのもいいかも。

あなたの『考えても仕方ない』を置いてこれる場所。

田舎には、たーんとありますから。

 もし良かったら、きてみっせ。

今日はそれだけのお話。