週末は子どもの大会があり、早朝から車で送っていく機会が増えた。
だいたい朝の五時、今の季節だと昇る朝日と共に国道という名の山道を駆け降りていく。
昨日雨が降ったせいか、朝の空気も道も、清々しくて心地よい。
まだ始まったばかりの街並みを眺めていると若かりし日々、オール帰りの朝を思い出して懐かしくなる。
あの頃の朝は始まりではなく終わりの朝で、仕事に向かうらしき人の群れとすれ違いながら、少しばかりの罪悪感と二日酔いの吐き気を抱いていたものだった。
当時の私は、本当に未来の自分が規則正しく働くような大人になれるのかと、少しばかり疑っていた。
けれど今気がつけば、あの頃の私が思う『普通の大人の皮』を被って生きる私がいて、なんだかおかしくなる。
あの頃の私と今の私。
道は繋がっているはずなのに、時々遠い点と点のような気分になる。
どうやって今まで上手くやってこれたのだろう?
それとも何となく流されてきて今があるのか。
とりあえず焦燥に駆られる朝を抜けて、義務感に追われる朝にたどり着いた今のわたし。
早く誰のものでもない私だけの自由な朝を得たいものだ…なんて理想の老後に思いを馳せていたら、どうやら今朝は地域のクリーンアップデーらしく、お年寄りたちが草刈り機を抱えめちゃくちゃ勤勉に働いていて。
婦人会、老人会、地域ボランティアなんて脳裏によぎるワードと共に現実に帰りました。
私だけの時間、なんてもしかしたら非実在なのかも知れませんね…?
ちょうど車のオーディオから流れていたラップの歌詞まで『味噌つけてキュウリ食べたい』と歌っているように聞こえて、山道でタヌキに化かされたような気分になりましたとさw
※なおキュウリは実在した。