おのにち

おのにちはいつかみたにっち

世界は建前で出来ている

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送別会なんて行きたくない、みたいな記事を読みました。
気持ちはすっごく良く分かる!

私も若い頃は飲み会が嫌いでした。
お金も時間も無駄になるし、何よりその場の話題や雰囲気に馴染めなくて、居心地が悪いだけだったから。

なんとなくこの増田を書いた人も20代くらいなのかな、と思います。
20代の感覚と、30~40代の感覚ってやっぱり違うので(仕事意識とか、建前の使い方とか)飲み会と言う本音が出てしまいがちな場で居心地が悪い、というのは当たり前の気持ちなんじゃないか、と思うのです。

anond.hatelabo.jp

 

ただ、建前はやっぱり大事なんじゃないかと思うんすよ。

増田は上司からの呼び出しをくらい、全否定された反動もあると思うけど、余りにも率直に本音を言いすぎ!

「親族の集まりがあるとか、結婚式の二次会があるってわざわざケロッと嘘ついて参加できませ〜ん申し訳ないです〜うとでも言えばよかったです?そっちの人の方がわたしは人としてどうかと思いますよ、わたしは今回参加しません」

分かる、分かるけどこれでは上司が増田を敵認定してしまいます…。

 

ちゃんと仕事してればそれでいいじゃん、って増田は思うかもしれないけど、実は大半の職種は『組織の中で上司や同僚と上手くコミュニケーションが取れるか』っていう人間としての基礎部分に重きを置いている訳で。

やることやれば浮いていても許されるのはデザイナーとかエンジニアとか、実力が試される本当に一部の職種だけだと思います。
そしてそういう職業の中でも首を切られず、重用されるのはちゃんとコミュニケーションが取れる、送別会などの場できちんと礼儀が尽くせる人だと思うのです。

 

送別会って、実はかなり仕事に役立つ場。

増田は自分の職場が保育園だと書いていたけれど、定年退職する上司は関連機関に天下りするかも知れないし、異動になった先輩の保育園は来年増田が行く所かも知れない。

こういう時にきちんと相手の名前を呼んで、大変お世話になりました、と礼儀を尽くしておくだけでも相手は増田を無下に出来なくなると思うんです。

これってさ、怖い話をすると牽制な訳。〇〇さんのこういう所尊敬してます、大変お世話になりました。ニッコリしながら腹の内は恫喝っすよ、わざわざ礼儀尽くしてやったんだからそっちも礼儀払えよ、忘れんなよゴラァ!

 

面倒な気持ちも分かるけど、そうやって職場の人間と恫喝知り合っておくって地味に大事。飲み会でほんの少し相手のプライベートな話を聞くだけで、仕事だけの関係から、小さな縁が出来る訳ですよ。

そうやって細やかな縁をたくさん繋いでおくと、ただの同僚から、顔見知りや友人にステップアップ出来る訳で。

知っている同士だと、声を掛けたり手助けしたり、お互いにコミュニケーションが取りやすくなる。そうやって仲間を増やすと仕事も順調に進むんだよね。

逆に仕事でしか縁のない、よく知らない人間には嫌な仕事を押し付けやすくなる。みんなが嫌がるような仕事は、よく知っている人間には頼みずらいですよね。
人間関係を構築せず、よく知らない人という立場でいると、そういう時に重宝されてしまうかも知れません。あとはまぁ、色んな情報仕入れておくといざって時に恐喝して上位に立てるよね!

 

飲み会の場で仲良くなった者同士がチームを組んで仕事の情報をやり取りする。仕事の成果じゃなくて、人間関係の構築が強く評価される世界。
そんな風に書くと増田はそんなのズルじゃん、って思うかも知れません。

そうだよね、でも結局上司も人間で、だから世界はズルいんだよ、と私は思ってしまいます。

私が上司だったら、仕事は出来るけれど飲み会に来ないのでプライベートがまるで分からず何を話していいのか分からない増田と、ちょっととろいけれど飲み会で隣の席に来てくれて、共通項がたくさん見つかった部下がいたら、共通項の多い部下の方を重用すると思います。仕事は自分がフォロー出来るし、空き時間に何を話したらいいか分からない苦痛を味わうくらいだったら、話しやすい相手をどうしても優先してしまう。コミュニケーションやっぱり大切。

 

そもそも世界は建前だらけだと思いません?最近の人生百年時代構想だって、若者が足りねーんだから引退してる暇ねーぞ高齢者!死ぬまで馬車馬のように働けー!を『いくつになっても輝ける、一億総活躍社会』と美しく言い換えてるだけじゃん。一億馬車馬社会っすよ正しくは!

 

言葉を飾るなんて軽い手間で生きやすくなるなら、やった方が得だと思いませんか?
「すいませんその日はおばあちゃんの還暦のお祝いが…」とかテキトーなこと言っとくだけで家族を大事にする子、とかイメージ戦略的には優位な訳っすよ。

ちなみに還暦、古希、喜寿、米寿と年寄りのお祝いは4回くらいあっから!じいちゃんばあちゃん父親母親全部カウントしたらかなりサボれるよ!やったねたえちゃん!

 

と、まあそんなことを書き散らしながらも増田の青さが眩しい、羨ましい私もいます…。20代の頃は建前もお世辞もうまく使いこなせなかったもんなー。

世の中建て前ばっか、上手く立ち回れー、なんて汚れっちまった大人の意見です。
そんなに気にしないで、ただあまり意地を張ったりせずに、凹んだり反省した時は素直に態度に出してくださいね。

あなたの心の中の言葉は、思ったより周りには届いていないもんです。
みんなエスパーじゃないし、どんなに偉そうな人でも実は自信が無かったりします。
若くて元気な増田が周りに意地を張っちゃうと、相手は馬鹿にされてる?舐められてる?なんて感じて更に意固地になってしまいます。

礼儀も建前もめんどくさいけど、ちゃんと義務をこなしておけばきちんとリターンが帰ってくるからそう捨てたもんじゃないっすよ。

この世界の共通言語は未だに任侠映画なのかなぁ、なんて思ってます。
義理と人情が物をいう。どうかウザい説教喰らわないように、ほんのちょっとだけお控えなすって。 

 

本音×建前 カルタ

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