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感情を表に出さない人の顛末

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 感情が表に出ない人っているよね?
怒りも焦りも、喜びすらもフルフラット。

感情を顔に出さない人は、普段であれば付き合いやすい。
ところがみんなが焦ったり、怒っている時にはその落ち着きが裏目に出ることも。

今日は私の職場にいる、感情を表に出さない人のお話である。

 

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諸事情により、業務内容は限りなくフィクションにさせて頂く。
まず、私はチャーリーのチョコレート工場で働く緑のツナギを着た平社員のウンパ・ルンパ。今回の主役、感情を表に出さない彼は緑のウンパ・ルンパA(エース)。

その他に私と同じ緑のウンパ・ルンパ平社員がたくさん、緑のウンパ・ルンパ上司がいる。

さて、私たち緑のウンパ・ルンパチームは普段キャンディ作成をメイン業務としている。
ところが年に一回、社長のワガママにより赤チームが作った特製チョコレートにプラチナ・チケットを封入する、という時間外業務を行わなくてはいけない。

ランダムにみせかけたチケットは実は精巧なヤラセで、何番の箱のシリアルナンバー○○のチョコに封入、と細かい規定があるからかなりめんどくさいのだ。
チケットはそれなりの枚数があり納期も厳しいから、緑チーム全員で協力して作業を行う。

この業務のリーダーはウンパ・ルンパAだが、あくまでも私たち全員に任された仕事である。 しかしAだけが期間中この業務のみに専念している、という事情もあり、Aを『手伝ってあげている』という意識を持つ者も多い。

ウンパ・ルンパは時間外業務を嫌う生き物なので、みんな早く帰りたい、とっとと終わらせたいと願っている。リーダーであるAに掛かるプレッシャーは激しい。

それなのに、必要なチョコレートを作り、納入するはずのウンパ・ルンパ赤チームが納期が予定より1週間ほど遅れる、と電話で連絡してきた。
ただでさえ忙しいスケジュールの中、1週間の遅れは大幅な予定変更を余儀なくされる。

しかし感情を表に出さないAは平静のまま電話を置き、赤チームからの連絡を上司に報告した。 

 

Aが席を外した後、上司は大げさにうめき声を上げながら赤チームの納期遅れを皆に報告する。まったく、人ごとみたいな顔しやがって、とAをディスることも忘れない。

赤チームの責任であるはずの遅れはAへのイライラにすり替わってしまう。

結果、Aは自分の仕事への責任を感じていないのではないか、巻き込まれる方はたまったものではない…と淀んだ空気が蔓延していく。

悪い事をした訳でもないのに、気がつけばAは針のむしろである。

 

『感情を表に出さない』のは悪いこと?

 

さて、Aはどう振る舞えば良かったのだろうか?
私だったら、と考えてみる。

まず電話を受けた時点で、「えっ!?」などと声を荒げ、オーバーリアクションでアタフタしながら困ります、なんとかなりませんか…などとゴネたであろう。

それで納期が戻るなら問題解決だし、無理でも『私が一番納得していない』というPRにはなる。

ゴネてもダメだった場合は、いかにもトボトボと意気消沈した様子で上司に報告に向かう。みんなにすいませーん、などとアッピールするのも忘れない。
そしてその後「すいませんだなんて逆に偉そうだよね、みんなの仕事だし大した責任者でもないのにー」などと自分を下げるように見せかけながらこの仕事はオマエラ全員のものなのだぞ、と全体責任を印象づけておくことも大切だ。

最後にまったく赤チームってば、と仮想敵を作り、上司になんとか言ってもらえませんか、と上に仕事を振っておく。これで悪いのは赤チームであり、使えない上司である…という意識が緑チームに共有される。

リーダーはあくまでも被害者であり、私たちは仲間なんだ、と全体に思わせることが出来れば仕事はやりやすくなる。

しかしながら、と更に私は考える。

ええええ!?なんてアタフタしたり、凹んだり焦ったり怒ったり。
それはいつも落ち着いたAらしからぬ行動だ。

分かりやすいリアクションは周囲の理解を深める効果がある。
でも私たち全員が、リアクション芸人になれるわけではない。

向き不向きと言うものが人にはあるのだ。

だいたい、顔に出ないから焦っていない、責任を感じていない...なんて思うのは余りにも浅慮な気がする。

リアクション芸人な私は、リアクションが強すぎる感情を紛らわせてくれることを知っている。表に出さない人の方が、よっぽどキツイのではないだろうか?

 

その後の結末

 

さて、感情を表に出さないAは本当はどう感じていたのだろうか?
その答えは三連休明けにもたらされた。

Aが胃を壊し、入院したのである…。

 

結果として私たち緑チームはリーダーのA抜き、という大幅な戦力減で時間外業務に挑む羽目になった。私たち全員の目標は『早くお家に帰りたい』だったのに。最悪な結末。

 

そんなわけでこれが感情を表に出さない人の顛末である。

私達はどこで間違ったのか?
誰が悪かったのか?

私はチーム内に敵を作り、Aを追いつめた上司の責任だと思う。

上司にはガチでAが責任を感じていないように見えた、のかも知れないけど。
たとえそれが真実だとしても、たった一人を責めたって自分の正義が充足するだけ。

私達の最終目標、とっととお家に帰りたいには何の役にも立ちはしない。
あの時上司としてやるべきだったのは赤チームへの督促か、最終的には社長への抗議である。残業代ちゃんと払えウンパルンパ!

 

余談として

 

私は個人的に、感情を表に出さない人が好きである。それは作為に満ちた私の真逆にあるのだけれど、私にとって彼らは非常に合理的で付き合い易い人種なのである。

最悪なのは自分の言いたい気持ちやら正義感やらを優先しすぎて、肝心の目標を忘れてしまう人達。

正しさだけを追及しすぎて、何の役にも立たない事で誰かを責めたり怒ったり。
得られるのは自分の心地良さだけ?素直って言えば聞こえが良いのかも知れないけどさ。

自分に正直になるために周りからドン引きされるんじゃ意味ねーだろ、と思う。
そうして周囲から得られなくなる承認欲求のために、どんどん謎の正義やら自分に正直ィ!な気持ちはエスカレートしていくんだろうし。

 

ではでは、今日のドス黒い寓話はこんな感じです!

アドバイス貰って話の繋がりを意識して書いてみましたが...結局意識が混濁していくんだよなウンパ・ルンパw結局私は感情が表に出ない人に憧れているのかも知れません、その方が冷静な文章を書けそうだもんね!