おのにち

おのにちはいつかみたにっち

40代ですが40代に蹴られました

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月980円で読み放題の、Kindle Unlimitedを利用している。
実際には読み放題より借り放題という言葉の方が実際にそぐうサービスだが(返却が必要)有料図書館だと思えばそれなりに便利。

ただしラインナップに偏りがある&読める本が定期的に変わるので、読みたい本が揃っている月だけ入会するようにしている。
入りっぱなしだと結局読まなくなって会費だけ払うようになってしまったり、勿体ないですからのう…(貧乏性)

さて、そんな貧乏性なので入会している間は普段読まないような本もどんどん借りて読む。 定額制だと数ページで辞めても惜しくない。そんな気楽さが嬉しい。

最近ではホリエモンの『多動力』が面白かった(現在はUnlimited対象外)。
いくら彼の著作を読んでも、メルマガを購読したとしても、真似なんか出来っこないじゃん!という独自性が凄い。

もちろん玉石混淆で、読んで良かった、後日紙の本も買いたいなんて思える名作と出会えることもあれば数ページで合わないと諦めてしまう本もある。

 

さて、私は基本つまらないと思った本のレビューは書かないことにしている。
面白いとかつまらないとか、その感想はあくまで私の主観でしかないし、時間のムダ、なんて正直にレビューに書いたらその本を本当に必要としている人に届かなくなる。

『すごくつまらない、時間のムダだった』という人と『とても面白かった!泣けました』という人が両方存在しうるのが本の当たり前なのである。

だから「その本がつまらなかった」のではなく、私が「その本のターゲット層ではなかった」のだろうと、大人しく本を閉じている。普段は。

だがしかし…
今日はどうにも喉の奥に小骨が刺さっているので、ほんの少し愚痴を言わせてもらいたい。苦手な人はここで離脱しちゃってください!

 

さて、私が読んだのは手軽なコミックエッセイである。
40代の日常あるあるネタを軽いタッチで描いていく。白髪、物忘れ、体力...読みやすく共感しやすい話ばかり。

しかし後半に思いがけないどんでん返しが待ち受けていた。

 

だって40なんだも?ん!

だって40なんだも?ん!

 

 

ある時、町で高校時代の同級生にすれ違った作者。
かつてはプライドが高かった彼女が今やスニーカー、垂れ下がった尻におばさんクサい恰好、やつれたスッピン姿で歩いていた。 これが43歳の現実なのか…とショックを受け声もかけられない。

でも…!私は40代になっても美味しいものもオシャレも大好き、情報ツウで人気者。
若い頃となんら変わらない、私は私なりに40代の真実を作っていこう!そう気を取り直し、 END。

 

ちょ…待てよ!

あ…ありのまま起こったことを話すぜ…俺は自分ら世代のあるあるネタを楽しく読んでいたつもりだった…しかし終盤に突然日曜日の自分が登場、仲間だと思っていた作者はそんな俺にショックを受け、でも自分は違うもんね♡と後ろ足で砂を掛けていった…な…何を言っているのか分からねーと思うが俺もなにをされたのか分からなかった...恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

 

例えば10代20代向けのティーン誌で、テンプレ通りのおばさんを登場させ『ああはなりたくなーい』と嘲笑うのは昭和の時代からのお約束である。今さらとやかく言わない。他にもギャルがオタクを嘲笑うとか、決して許されることではないけれど属性の異なる者同士が理解できない、と互いに悪口を言い合うのはよくある話である。

 

でもまさか、白髪が増えたとか物忘れが増えたとか、さんざん40代あるあるを描いてきた作者が「でも私はあんなおばさんじゃないもんね」的オチを持ち出すとは思わなかった。 このラストはなんなのか。どこ目線なのか。

さすがにこれはインディーズだろ、読者目線を持てなかっただけだろ…?と裏書きをみたら主婦の友社だった。 いいのか主婦向けでこのネタ!?編集者つかなかったのかな?

怒りとかつまらなさ以前に驚愕を覚えた。なかなか味わえない読後感だった。

 

とにかく『○○に比べたら幸せ』みたいな比較は非常に愚劣な行為だと思う。 自分の幸せくらい誰かと比較検討しなくったって分かるでしょうがバカチンがぁ!

○○よりは幸せ、と自分の心を慰められるのはアンネ・フランクのように本当に苦境に置かれた人くらいだ。 収容所送りにされた友よりは幸せなのだから、と己の境遇を慰めるのは生きるための最終手段だから仕方ない。

 

でも、もしも。
おしゃれで美味しい物や流行をたくさん知っているはずの作者が。
あの友達よりは幸せ、という基準でしか自分を慰められないのだとしたら?

それはとってもスースーしてくる想像で。
冷たくなった秋の風と相まって私の心を凍てつかせたのでおでん煮ました...

おでん熱っつ! くらいでいいじゃんねぇ、幸せなんて。
誰かよりは幸せ、なんてコスい幸せに浸るよりおでん汁ダクにしとけやでんでん!
それじゃ昆布もグダグダになった所で今日はおしまいっ!

 

おでんくん―あなたの夢はなんですかの巻

おでんくん―あなたの夢はなんですかの巻

 

 

こんなオチじゃアレなので面白かった本も紹介!

 『玉妖綺譚』は宝玉に宿った精霊を使役し魔を倒すという『破妖の剣』を思い出すファンタジー。文章が綺麗で正統派児童文学の匂いがする所が好き。続き買います!

玉妖綺譚 (創元推理文庫)

玉妖綺譚 (創元推理文庫)

 

 

『名探偵の証明』は名探偵とは何ぞや?を描いたハードボイルドミステリ。メタな雰囲気が好きなシリーズ。苦悩を抱えた名探偵蜜柑ちゃん良いっすよ…!

名探偵の証明 《名探偵の証明》シリーズ (創元推理文庫)

名探偵の証明 《名探偵の証明》シリーズ (創元推理文庫)