脳科学者、茂木健一郎さんの新作『ペンチメント』発売を記念してTwitterで#ベンチメント祭りが開催されているのに昨日気がつき、ハッシュタグ巡りをしてきました。
茂木さんの新作小説から生まれた #ペンチメント のハッシュタグ、好きなんだよなー。
— SHUJI TAKEI(#1 武井修志) (@shujitakei1st) 2018年10月29日
誰しもが持ってる小さな後悔。
『ペンチメント』とは絵画用語で、油彩の下に描かれた書き損じのこと。
イタリア語の後悔、pentirsから生まれた言葉だそうで、だから#ペンチメントとは私たちの心の奥底に隠された密やかな後悔の物語なのかなぁ、と思うのです。
Twitterに描かれたいろんな人のささやかな後悔、ペンチメントな物語がとても切なくて、我が身に重ね合わせたくなって…秋の夜長にピッタリなハッシュタグです。
例えばこんな呟き。
子供の頃、親の留学のため家族で渡独。言葉の通じない外国で支えにと親が買ってくれたお人形、帰国する頃にはボロボロに。もうこの子から独立できると思い、いらないと言ったら、捨てるのならともらってくれた人がいた。でも人にはあげたくなかった、複雑な思い出。#ペンチメント
— れいこ (@rekoshuka) 2018年10月30日
お人形は大事な友達だったけれど孤独の象徴でもあり、だから帰国の際に置いて行きたくなる気持ちはとてもよく分かる。でも一方で自分だけの孤独を他者にあげたくなかった、という気持ちもよく分かるのです。
そんな風に小さな感傷と後悔で、私たちは出来ている。
子供の頃、友達何人かと弟とで「マッチ売りの少女」を読んでいたら悲しすぎて号泣してしまった。
— てぃの (@JwBEBpv0hAFmfmU) 2018年10月28日
泣いてるのが恥ずかしくて、「弟が虐めた」と嘘をついてしまった。
みんな弟を責めたが弟は何も言い返さなかった。
きっと弟はもう忘れてるけど、私はずっと忘れられない。#ペンチメント
整形手術や性転換で、誰だってお金さえあれば理想の自分を追求できる世の中になりました。それでもどんなに過去の自分からかけ離れた姿になっても、名画の下には本当の私、小さな後悔が隠れている。
大事な人を亡くしたこと、言えなかった言葉…そんな小さなペンチメントにひたる秋の夜長はいかがでしょう?
ハッシュタグ#ペンチメント の先に、たくさんの物語があなたを待っている。かつての自分の胸の痛みに、よく似た呟きがきっと見つかるはずです。
海外で生まれ育っていた頃、人種的な酷いことを突然言われることがよくあった。その度に英国人の祖母は、私の孫はあなたと同じ地球人だ、美しい子でしょう?と堂々と切り返してくれた。今は自分で切り返す。グランマ、あなたが守ってくれたのは私の自尊心です。#ペンチメント
— ぐりら (@apricot_port) 2018年10月27日
茂木健一郎さんの新作と合わせて、しばらく#ペンチメントな世界に浸りたいと思っているおのにちです。