ジャズトランペッター、日野皓正さんの騒動が最近話題である。
かんそうさんの記事を見ていたら『ドラム日野ビンタ』とめちゃくちゃ的確にまとめられていてタイトルだけで噴いた。
で、ドラム日野ビンタ事件、私は太田派である。
暴力ダメ絶対。
なぜか、と言われたら法がそうだから、としか答えようがない。
じゃあどうやって止めるのか、という話があったが素手でドラムをたたいている様子をみんなで冷めた目でみていたらいつかは止まると思うのだが。
それとも彼はトランス状態をあの後5分も10分も持続出来るのだろうか?
その域まで達してしまったら速やかに警備員が排除でいいと思う。
うわぁ…と少年に観客がドン引きするのと、ビンタ日野にドン引きするのと。
私は前者の方がコンサートの雰囲気を壊さなかった、と思う。
それともビンタ日野は自分が悪役になることで少年の名誉を守ったのだろうか?
...ビンタしなきゃこのコンサートはこんなに報道されなかったんだろうから、それも違うか。
色んな考え方があるんだと思う。
みんな様々な持論を展開している。
暴力と体罰の違い、師と教え子という関係性、やんちゃだった頃の自分の話。
果ては芸術についての考え方にまで話は及んでいた。
結局のところ、コンサートに行っていない私に真実は分からない。
教育委員会はビンタはしていない(頬に当たらなかった?)と言っているし、少年の態度があまりにも逸脱していた、という意見もあった。
でも、(ビンタがあったとして)少年がやんちゃで聞き分けなかったら叩いてもいいのか?
もし彼がTVに出て、いかにも...と言った容姿だったらみんな『なるほどこれは仕方ない』と納得するのか。反対に大人しく真面目そうな子どもだったら『そこまでしなくても…』と思うのか。
こういう風に心情で罪の重さが変わる、って考え方を法的には情状酌量、というのだと思う。
確かに情は大事。
先日の赤ちゃんの泣き声議論(べビハラ...なんて使いやすく危険な言葉!)でも、泣いて当たり前じゃなく申し訳ないという気持ちを表に出せばそれでいい、という意見があった。
これは情の考え方そのもの。
こうすれば角が立たず、生きやすいだろう、とは思う。
ただ子どもを連れて歩くのはお母さんだけじゃない。
例えば金髪刺青のお父さんが朝の満員電車に子連れで乗ったとする。
子どもが泣いて、お父さんは構わなくて。
だったらそれは非常識でみんなから非難されても、おかしくないのか?
ちゃんとして見える人は子連れで電車OKで、ちゃんとして見えなきゃダメなのか。
..正直てめぇの指針なんて知らねーよ、とブチ切れたくなってきた。
誰だって、正規料金払えば好きな時間に電車に乗って良くない?
朝の満員電車がほぼ会社員で占められていたって、そこに異分子が乗るのは自由やん。
大多数に合わせた方が生きやすいのはよく分かるし、私だって実践している。
でも大多数に合わない人間は叩いていいのか、って言ったらそれは違うだろう?と思うんだよな。
だから私は最終的には情じゃなく法で物事を見るべきだ、と思う。
この人はダメで、この人はOK。
そういう考え方ってやっぱり危険じゃないのか。
どうしても自分に近い側をヒイキしたくなっちゃうもんじゃないのか。
私は裁判官じゃない、他者を裁く権利なんかない。
だったら最終的に指針になるのは法なんじゃないのか。
...ドラム日野ビンタ事件の場合、殴られたとされる少年側は納得している、という話だったので、結局日野さんに罪はないのだ、と思いますが。
ビンタ日野呼ばわりされるだけでも、充分に代償は支払った、と思いますし。
でも擁護は出来ないなー。
私は太田さんの言った
「いや、言ってわかんなかったらビンタすりゃ良いってことは、日野さんのこれが気に入らないって人がいたらビンタすりゃいいわけ?」
という言葉すごくよく分かる。
いや、師弟関係だから…というなら日野氏の師匠(100歳)が出てきてコンサート中逸脱した日野氏をビンタしたらいい。
そしたら今度は日野氏の師匠の師匠(120歳)が墓場から蘇ってきて行きすぎだ、とビンタする。
次は日野氏の師匠の師匠の師匠が…。
な?終わんないからやめとけってば!
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