こんにちはみどりの小野です。
最近ますます盛り上がっている「短編小説の集い」。遅くなりましたが感想ようやく書き終えました。
今回は部長のも入れて全２３作品！さすがに大変なので短い感想しか書けませんでした。素人の拙い感想だと思って軽く読んでくださいね。
菅野樹さんの「雨宿り」。過去作品の手直し、ということで私も一度ブログで読んでます。「二番目は、ないのかよ」ここが一番きゅん、でした。
ポニョさんの「私の代わりに空が泣く」。昔話、というコメント通り、小説というよりエッセイ風です。でも痛い気持ちが伝わってきました。個人的に、辛かった過去を振り返って書ける人は強い人だと思ってます。
葉月さんの「Over the Rain」。超短編、とありましたが確かに物語の途中の回想シーン、といった感じでした。ドラクエの宿屋を思い出しました。続きはあるのかな？
添嶋譲さんの「天気予報」。SFでありながら業務内容が公務員的でリアルなところが面白いです。忘れられてた法律が助け舟になるところも。
貫洞沙織さんの、「あの瞬間を胸に」。ほぼ自分の経験、との事でしたが主人公が敦君に惹かれていくところとか、それをクラスメイトの女子に指摘されるところとか、物語性があって良かったです。雨の中プールで泳ぐシーンがドラマチックでした。
星屑くるみさんの「雨がざんざか降っている」。自暴自棄になっている女の子の話。
紡木たくの「ホットロード」を思い出しました。思春期の上手く生きられない感じが伝わってきます。
余談ですが乳揉みシーンだけでエロ書いちゃった、とドキドキしていた私はいきなりラブホに結構驚愕しました。
ドーナツさんの「此岸」。文章が堅いと言われるそうですが、小林多喜二や太宰風の文体なんてなかなか真似たって書けませんよ！ドーナツさんの読んできた本や素養から現れる個性だと思います、羨ましいです。
前作の続きですね。まだ未来にもがいている少年たち。今は上手くいっていないけれど、正は母のことを気遣っているのが伝わります。これからどうなっていくのだろう。
カクタニヒロマサさんの「雨男」。雨雲から逃げるために俊足になったのに雨雲を追っかけまわす男。あらすじ読んでもよくわからないでしょう？
でも本当にこういう話で、しかも共感出来てしまう。すごいなぁ。
水城さゆさんの「なんとかの嫁入り」。
狐の嫁入り、晴れているのに急に雨が降り出す天気のことをそう呼ぶのだそうです。そんな天気の中結ばれる二人と引き裂かれる恋人たち。
故事と狐の様、とからかわれた女の子を結びつけるところが面白いと思いました。
いわきちひろさんの「雨のち晴女」。
雨女、といじめられる女の子の話。最後主人公の気持ちが吹っ切れて、さあっと晴れる所が心地よかったです。
秋桜みりやさんの「これが、私の歩く道」。旅行記ですね。浅草を歩きながら、自分の人生について考えている、という雰囲気。雨はいつ登場するのだろう、と思っていたら自分の心の中に雨雲がかかっていたのですね。
お花畑あたまさんの「いつか雨の降る公園で」。
長い髪に白いワンピースでずぶぬれになる絵里が中学生の時の絵里が見た自殺者と重なってゾワゾワしました。良かったハッピーエンドで、良かった見つけてくれる人がいて。
ふのい倉津浦さんの「カットスリック」。バイクレースのお話。こういう、自分の知らないジャンルの話大好きです！自分では絶対に書けない、趣味や仕事を生かした話が書ける方って尊敬します。照れる母ちゃんが可愛かったですね。私の脳内では「バリバリ伝説」のしげの秀一さんの絵でマンガ化されてましたw
えこさんの、「探検隊は今日も行く」。
小さな探検隊のお話。子供の頃こっそり廃屋探検をして梯子を登ったり小さな冒険を楽しんでいたころを思い出しました。最近えこさんが書かれているバレーボールの話もそうなんですが、誰の心にもある小さな気持ちやもやもや、あるある！という共感を文章にするのが上手な人だと思います。
hjsmhさんの、「雨虫」。雨に当たると死んでしまうのにカッパを着て仕事に出かけていくお父さんがなんかリアルですね。雨に襲われて人類はどうなってしまったのか。
雨から逃げ延びる人々と絶対に安全な場所に立てこもる政府との戦いとか色々ハリウッドな妄想が浮かんで面白かったです。
きまやさんの「私は家に帰りたい」。これすっごく面白かったです！最初は主人公が夫が居ながら彼氏と不倫旅行に出かけてしまう、という共感できないタイプで。
でも小さな事件がきっかけでそんな彼女が本当に求めているもの、それらの代償行為として不倫やドライブでごまかそうとしていたんだ、と気が付いて走り出す。
わたしたちの本当に心安らげる場所。家に帰りたい。
真山秋春さんの「名前のない怪物」。虐められている側であるはずの少年の目が怖い、と思っている少女の話。虐めが行われている中で普通にラインの話をする同級生が怖い。それから人に合わせず思うことを言う少年の強さも。少女が少年の目の中に見たのは自分の偽善とか、疚しさなんでしょうか。
まさりんさんの「会社をやめた日のこと」。ケンジが退職した日のこと、猫をもらった日の事。私が短編小説の集いに参加したのが第７回で、毎回ばらばらのお話、世界になってしまうんですが、今回まさりんさんの過去の短編小説も読んで、ずっと僕とシホとケンジの世界のお話なのだ、と感動しました。世界やキャラクターが自分の中で生きているからどんどん話が作れるのだ、と思います。
まとまった一冊の本になりそうですね。私はそういう短編集が大好きです。
早海徒雪さんの「雨は激しく」。知らないけれど知っているような男が訪ねてきて、晴れているのに彼は濡れていて。混乱と、シャワーが雨のように流れるバスルームにあるもの、の答え。
怖くてミステリー風で、面白かったです。
秋桜みりやさんの「ナガレオチルモノ」。今回２作目の投稿でしょうか？すごいな、力が入ってますね。和風のファンタジーと言った感じでしょうか。少年と巫女の問答が、立場の違うものの物の見方という感じで面白かったです。
カルキ水さんの「カムタナクニ奇譚：雨止まぬ森の木々」。アイヌの小人、コロボックルを思い出しました。リュックに詰まった冒険道具や食料、お昼ごはんにはテーブルまで登場と、絵本のようなわくわくする美しい世界ですね。
最後に主催者虚無透さんの「優しい雨が降っていた」。現代日本が舞台なのに、高齢者ばかりになってしまった団地と言う場所が火星のような異界に見えて面白いです。
知らない老婆に引きずられて別の世界に連れて行かれるような不安感。もし妻が許してくれなかったら、もしかしてこの場所で求められるがままに国之を騙って生きるのでしょうか。
と言うわけで全２３作品！書き終わりました。文字数はそうでもないのですが、感想というのは何度も読み返したりしないと上手く書けず結構な時間がかかります。
今回掛かった日数は３日間、時間は６時間ほど。すごく肩が凝った！
「短編小説の集い」、作品数が増えてきて読むのは楽しいのですが感想が少し大変になってきましたｗ自分のブログの更新もだいぶ止まってしまったし。
全部ではなくて書けそうなのだけ、にしようかなとも思ったのですが、初めて参加した時に色々な方が全部の作品の感想を書いてくれて、自分宛のもきちんとあった時の嬉しさが忘れられないので悩みます。選ぶとつい読み慣れている古参の方の作品の感想だけになりそうだし。
次回は発表順で偶数番号だけのレビューにしようかな。それだと半分で済むし、公平だし。まだ次回参加できるかもわかりませんが、手抜き方法を編み出そうとする私です。
とにかく参加者様主催者様、感想をわざわざ読んで下さった皆様ありがとうございました～。
あ、自分のに言及するの忘れた…。
もう力尽きて何も思いつかないので微乳は正義！でお願いします。肩凝らないし。
