こんにちはみどりの小野です。今日はちゃんと(?)本の話。
ゆうきまさみさんのデビュー35周年記念ムック、「異端のまま王道を往く」。
実は発売日に購入してもう2回読みました。ものすごく満足で、読むだけで完結してしまってたのですが、ようやく感動がこなれてきたので(頭の中で消化された感じ。)感想書いてみます。
同人時代から現在まで。過去の名作をもう一度読まずにいられない。
35周年の名に相応しく同人時代から現在の作品まで、丁寧に解説されてます。特に「パトレイバー」や「究極超人あーる」に関して深く考察されていて読み返したくなること必須。
野明や後藤さん、あーる君にもう一度会いたくて。今週は懐かしのマンガ週間になってしまいました。
豪華な特別寄稿!
色んな漫画家さん、作家さんの寄稿がすごく豪華です。イラストは高橋留美子さんから始まって、安野モヨコさんにとり・みきさん、出渕裕さんに吉田戦車さんなどなど。個人的には藤田和日郎さんの描いた『薄暮のクロニクル』雪村が好きです。似てるんだけどやっぱりタッチが藤田先生。すごく愛情を感じる絵ですね。
森博嗣も登場!羽海野チカ、荒川弘の対談もあります。
羽海野チカさん、荒川弘さんとの対談もありました。これもすごく楽しくて読み応えありなので、羽海野さん、荒川さんファンの方にもぜひ読んでほしい。連載中考えたことやキャラクターの役割など、素直に話していて面白い。
羽海野さんは後藤さんに憧れていて、荒川さんは後藤さんみたいな大人になりたかった。そんな話にも二人の人柄が出てますね。
ちなみに後藤さんは40歳くらいの設定だったそうです。今の私、あんなかっこいい大人になれているだろうか。
個人的にこれは…!と思ったのが森博嗣さんの「ゆうきまさみみたい」。ゆうきまさみさんと森博嗣さんは同じ年同じ月の生まれだそう。生きてきた時代が一致している二人、よく似ています。森さんがゆうきさんを一言で表すと「飄々」。でもそれは森博嗣の作風でもあります。
キャラクタの台詞がちょっと変で、なかなかに自然だし、切れ味があるし、特に悪者なんか恰好良いことを臆面もなく語るし…。
森博嗣のゆうきまさみ評は森の作品についてよく語られてることそのもの。
保呂草さんはちょっとパトレイバーの内海さんに似てるかな、などとキャラクターを重ねてしまいました。
マンガ家になったきっかけがわかりやすい。
ゆうきまさみさんが漫画家としてデビューするまでの話がマンガで描かれていています。アニパロから始まって、面白いと受けたことで調子にのって描きつづけ遂にはデビュー。
今でも締切があるから描ける、描いたら喜んでくれる人かいるから調子に乗った、という話が冒頭のインタビューで語られていて。喜んでくれる人がいるから調子に乗って、という言葉はブログ書いてる方なら思い当たる節があるんではないでしょうか?
上手く乗せられること、それから締切があることが作品を描きづづけるには必要なようです。
一つ不満があるとしたら。
今回のムック。たった一つだけ不満と言うか不安があります。あんまり完璧に網羅されつくされていて、これが最後のゆうきまさみ作品紹介になってしまったらどうしよう!と。ずっと連載を続けてきたゆうき先生。『薄暮のクロニクル』も盛り上がってきたし「ディス×コミ」も大人気。この2つの作品が終わった後もまだまだ書き続けてほしいと思ってます。次は40周年記念ムックだ!