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フリーゲーム『セブンスコート』が面白い!ファンレターを送りたくなる物語

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ゆうべふらふらとネットサーフィンしていたら、とれいCさんがかなり昔に紹介していたフリーゲーム『セブンスコート』に引っかかってしまった。

もう私、このゲーム評価しまくりよ!

 なんて熱い言葉に惹かれてついつい深夜からプレイ開始。
『ノベルスフィア』を利用すれば、ダウンロードしなくてもスマホやパソコンのブラウザから直接読めるタイプのノベルゲームなのでハードルは低い。
最初はちょっと覗いてみようかな?なんて軽い気持ちだった。

 

sakenominimal.hatenablog.com

 

結果…3時間ぶっ続けでプレイ。一晩でエンディングまで辿り着いてしまいました!
一応セーブも出来るんですが、途中でやめられなくなってしまい最後まで。

おかげで今日はむっちゃ眠いです。そして目が少し腫れています。
だってこのゲーム泣けるんだもの!重いです、響きます、後引きます。
それでも出会えて良かったな。そんな感じの物語です。

 

ノベル型の無料ゲームで遊ぶのは多分初めて。『セブンスコート』は、ノベクタクルさんの『ファタモルガーナの館』という有料ゲームの登場キャラクターが登場するパラレルもの。
本編『ファタモルガーナの館』は未プレイですが、それでも分からない設定や不明瞭な点はなく、完璧に楽しめました。

無料で、ダウンロード不要で、サクサク読み進めるだけの簡単ゲーム(2~3時間程のボリューム)ですので、興味がある方は私の紹介文を読む前にとにかく遊んでみてくだせぇ。
下のノベクタクルのリンクから飛んで、ノベルスフィアの再生ボタンをクリックすればOK!
ゲームの前説代わりに、物語の主人公、Dark†Knighのウェブサイト「ロワイヨムヘブン」(特にBBS)をチェックしておくとよりスムーズに物語が楽しめると思います。

 

ファタモルガーナの館 - Novectacle ノベクタクル -

 

ファタモルガーナの館

ファタモルガーナの館

 

 

物語のあらすじ

 

とにかく読め!で終わりたいんですが、それではあんまりなので多少あらすじを。
主人公はフリーゲーム制作者Dark†Knight(ダークナイト。もちろんHN)。

ゲームが好きで、自分のゲームが作りたくて制作会社に入社したものの、現実はそんなに甘くない。精いっぱい考えた企画は、批評家きどりの先輩達から上から目線で駄目だしされてばかり。

耐え切れなくなった彼は、その頃大人気だった女子大生が一人で作成したアプリゲームをプレイ。こんな稚拙なゲームでいいなら俺だって…!と夢を抱き仕事を辞め、自分だけのゲームを創り上げる。

それが妖精と対話し、自分だけの妖精を作り上げる対話型シュミレーション『フェアリーハウス』。ところがダークナイトが心を込めて作ったはずのゲームはどれもイマイチな評価ばかり。
夢破れ、自分のサイトの管理もおろそかになっていた頃、女性ファンからの真摯な感想をメールで受け取る。

匿名からの痛烈な批判に慣れきっていたダークナイトにとって、ゲーム慣れしていない彼女からの純粋な称賛は眩しいものだった。そして実際に会った彼女は更に眩くて、彼は一目で恋に落ちてしまう。

彼女に喜んで貰えるようなゲームを作りたい。社会から認められたい、という意地から解き放たれ、次に作るゲームは少し違ったものになるはず…だった。

ところが新作ゲームの公開日。
ダークナイトが居たのは、見知らぬ墓場。
懐には『ゆうしゃ』のカード。
そこは彼がかつて想像して、企画倒れに終わったRPGの世界だった。
仲間はいつもBBSに集っている常連たち。
どうやら皆新作ゲームをDLした瞬間、この異世界に飛ばされてしまったらしい。

ところがダークナイトには肝心の新作ゲームの記憶がない。
ここは本当に彼が作り上げた世界なのか?元の世界へ帰る方法は?
ネットで知り合った4人はゲームクリア目指して冒険の旅に出ることになる…。

 

『かんそうぶん』を贈る意義

 

はてさて、この物語の主人公、ダークナイトくんは物語の冒頭、ネットの悪意に揉まれて疲れ切っています。とにかく話題になりたくて、売れたくて。
ゲームを作る基準も「目新しい」とか「他にない」とかそんなのばっかり。奇をてらいすぎたり、自分だけのこだわりに酔いしれたり、ユーザー目線が足りないと突っ込まれてばかりです。

そんな彼を変えたのは、一通のメール。
普段ゲームをしない女性からの、純粋な感想、シンプルな賛美。

そんな褒め言葉がシンプルに嬉しくて、主人公の意識は少しずつ変わって行きます。
世間に認められるゲームじゃなく、彼女が喜んでくれるような、彼女のための物語を作りたい。

遊ぶ人の目線に立つ。それは大切な人に楽しく遊んでもらいたい、自分の作った物を好きになってもらいたい、という誠意や真心から生まれてくるものなのかも知れません。

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けれどもそんな主人公の真心や誠意は結局世界に届かなくて、彼は物語の終盤荒んでいってしまう訳なのですが…

ネットの世界では、悪意の込められた声の方が大きく響いてしまう事がある。
優しい言葉もちゃんとあるのに、悪意に気を取られて見えなくなってしまったり。

でも実際は、はた迷惑な『荒らし』にだって彼の側の事情があって、本当は作品を誰より深く愛してくれていたりする。

でも書かれた言葉の『裏にある事情』は見えないし届かない。
だから私たちはインターネットのむこう側に言葉の通じない、悪意に満ちた怪物を創り出してしまうのかも知れません。

怖いものと向き合って、理解しようと努力するより、言葉なんて通じないと一方的に蓋をしてしまう方が楽だもんね。殺人者は異常で特別な人間だと、病理ばかり探すニュースと同じ。本当にそこに居るのは、私たちと同じ人間なのに。

 

実際に会ってみたら違った、本人を前にしてそんな言葉は言えない。
ゲームの中でダークナイトくんたちは反発を感じていた相手や事象に対して、そんな風に感じます。

それはブログを書き、SNSで交流する私たちにも通じる話じゃないのかな。

とりあえず私は、現実世界で言えないような言葉を誰かにぶつけるのはやめようと思いました。顔の見えないインターネットだけど、アイコンの向こうにはちゃんと生きた人間がいるんですもん。

自分が言われたくないような言葉は、相手にも言っちゃダメ。
それは子どもによく言い聞かせる言葉です。
ネットマナーなんていうと難しく感じてしまうけれど、基本は結局、現実社会と同じなのでしょう。

それから、批評家になりすぎないこと!
好きだ、面白い、笑った、泣けた!と感じる作品と出逢えたなら、照れずにシンプルにちゃんと賛美を伝えること。

単純に褒めるとバカっぽく見えそう、とか斜に構えて俺が及第点を付けたならそれは褒めていると言っても過言ではない、とかどうでもいいからそういうの。

本当に好きな作品なら、『自分』がどう見えるか、なんてくだらない事に拘らず素直に賛美を伝えてもいいんじゃないのかな?作品がどう世間から評価されているかより、自分が最初に感じた気持ちが一番でしょう?それを読んだ作家さんが喜んでもらえて良かった、またこういう作品を書こう、と思ってくれたならそれは最高のWin-Winじゃないっすか。

さて、今日はこんな感じです。
セブンスコートの登場人物たちに別の結末はあるのかな?
今度は本編を遊んでみたいと思ってますが…そっちもかなり泣ける、重い感じなんだよな…。気力、体力のある時に挑もうと思います!それではまた。