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五十嵐貴久/マーダーハウス感想-とっても素敵なシェアハウスにようこそ!

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五十嵐貴久さんの『マーダーハウス』読了。
ミステリだと思ってたけど終盤かなりホラーテイスト。
春の夜に震える読書と相成りました…。

 

マーダーハウス

 

 

物語の舞台は鎌倉。バス停からは徒歩15分。人気のない林を抜け、坂道を登った先にある瀟洒な洋館、それがシェアハウス『サニーハウス鎌倉』。

大きな庭にはプールやジャグジー、地下にはシアタールーム、一階には広々としたリビング。個室は18畳あり、それぞれの部屋にバストイレ付きだからプライベートも快適に過ごせる。そんな理想のシェアハウスが、なんと光熱費込みで月々4万5千円!
敷金0、礼金0。しかも家具は備え付けって、誰だって住みたくなる物件じゃありませんか奥様。

もちろん物語の主人公、大学生の理佐ちゃんはウッハウハで『サニーハウス鎌倉』にやって来ます。

迎え入れてくれたのは美男美女揃いのルームメイト達。
超豪華なシェアハウスで、まるでドラマのような生活が始まる…と思いきや前住人が行方不明になっていることが分かり、そこから不穏な影が立ち込めるのです…

 

鎌倉の森の中に立つプール付きの豪華シェアハウス、そこで暮らす男女8人。

これって『テラスハウス』の新シーズン⁉
物語の前半は正にそんな感じで、若者たちのきゃっきゃうふふの青春のあれこれが描かれていく訳なのですが、所詮は他人同士。

新潟育ちで素朴な理佐ちゃんにも、だんだんシェアハウスの闇が見えてきます。
一見仲が良さげに見えても影では悪口を言っていたり、男性を取り合ったり年齢で差別したり。

そこで事件が起きる訳なのですが、この後の展開は物語の帯にだいたい書いてあるなぁオイ…!

こういうのはもっとキラキラした、青春っぽい表紙で『テラハ』っぽさをウリにした方が楽しめた気がー。私は図書館で帯無しバージョンを借りたので、終盤にコレってサイコミステリかよ!?と驚けて良かったです。

 

物語を一言で言い表してしまうとテラハ+サイコ。
ベタ満載なんだけど、ベテラン作家らしく上手くまとまっていて、ゾワゾワ怖くて面白かったです!こういうサクッと読めるミステリー結構好きです。

ちょっと肌寒い夜に、自分の部屋で一人静かに読むことをお勧めします…それではまたー。

 

マーダーハウス

マーダーハウス