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おのにちはいつかみたにっち

『僕は会社員という生き方に絶望はしていない。』を読んだ

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人気はてなブロガー・フミコフミオ氏の著作「僕は会社員という生き方に絶望はしていない。ただ、今の職場にずっと……と考えると胃に穴が開きそうになる」(タイトル長げぇよ)を入手したので今日はその感想を書いてゆく。

 

まずは数ページめくって思ったこと。

よ、読みやすい…!

いつもの通りの改行ナシ・変態的文章濃度なのだが、縦書き、文字下げ、空白を設けた構成なので10割増しで頭に入ってくる。

これが編集の力なのか?

 

内容もいつものブログよりは穏やかで、夫婦や家族の話が多めのエッセイ集(ただし皮肉はいつも通り満載)。

私はフミコ氏の奥様が好きなので、妻エピソード満載が嬉しかった。

皮肉と愚痴に満ち溢れた、いつも通りのフミコ・ペーソスなのだが夫婦の話はほんの少し柔らかで、暖かい…ような錯覚を覚える。

これは奥様の人柄がなせる技に違いない、といつも影の立役者だけを尊敬している。

 

 

 

ぼくは会社員という生き方に絶望はしていない。ただ、今の職場にずっと……と考えると胃に穴があきそうになる。

 

 

フミコフミオの『妻』ファンの私としては貴重な奥様が登場する連載「フミコフミオの夫婦前菜」も毎回楽しみにしていたのだが、夫婦がテーマなのに『一人で食べてきてよ』と言われた第7回目から度々、今回は一人で…という説明がつくようになり、終盤に至ってはサラリーマンがお昼にちょっと豪華なランチ食べてるだけ、という単なるブログに。

そして偉大な奥様を頻繁に召喚しなかった呪いのせいなのか、企画どころか「みんなのごはん」というコンテンツそのものが終了してしまった。

やはり奥様怖いスゴイ。
これは崇め奉るしかない。いあ!いあ!

 

最終回。とっても良い話なのだがやはり妻の姿はない。いない理由すら、ない。

r.gnavi.co.jp

 

 

さて、この本の帯にはフミコ氏のコメントが書かれている。

普通の人間が普通に生きているうえで感じる納得のいかないこと、もどかしさならイヤになるほど知っている、これはそうした日々のやり過ごし方を真空パックしたものだ、と。

その言葉通り虐げられつつもどこか穏やかな日々の様子が独特の(ひねくれた)視点で描かれている。

しかしかつては『さえないオッサン(オプション:ED)』という最底辺代表として健やかに己を自虐していたフミコさんも、時代の変化で時には『既婚者のくせに!会社員のくせに!』と僻まれるようになってしまった。

更にはEDという立たない宝刀も、時の流れと共に病ではなく常態となりつつある。

き、きっつー。

 『普通』がもはや普通じゃない、そんな時代が来てしまったのかも知れない。

 

それでもフミコ氏はいまも変わらず、ケータイを恐るべき速度でポチポチ打ち続けておられる。

 

その筆致は今日も、のびやかに陰険だ。

 

ほぼ同世代の私としてはフミコ氏が書き続けておられる事がなんだか心強く、有難い。

そんな訳でこれからも奥様と御夫人と細君のご活躍を心待ちにしております。

 

そしてそんな素敵な奥様がガンガン登場する一冊「僕は会社員という生き方に絶望はしていない。ただ、今の職場にずっと……と考えると胃に穴が開きそうになる」とってもオススメです!