おのにち

おのにちはいつかみたにっち

小説で描く疑似科学-『彼女がエスパーだったころ』宮内悠介

宮内悠介さんの短編集、『彼女がエスパーだったころ』を読んだ。

ライターの「私」が様々な事件に取材を通じて関わっていく、ノンフィクション風のSF短編集。

筆致は冷静でリアルなのに、扱われる題材は疑似科学ばかり。
火を扱う猿にスプーン曲げの出来る美女、ロボトミーめいた脳手術、言葉で浄化した水…

ライターである『私』は当初、科学的なリテラシーを持ちながら事件に関わっていく。
内心ではいわゆる似非だと疑いながら。

しかし物語が進むにつれて彼の認知は曖昧になって行く。
そして主人公が感じた迷いに決着を付けないまま、物語は幕を閉じる。

 

 

彼女がエスパーだったころ (講談社文庫)

 

 

科学の真偽を暴くこと

 

さて、この物語はスプーン曲げや水への声かけ、セックスカルト宗教などの非科学的なものをモチーフとして扱っている。しかも、ものすっごくリアルに。

このお話はあくまでもノンフィクションなのだけれど、スプーンも水もカルト宗教も、現実の事件が即頭に浮かんでくる。

 

…正直、すごく面白くて色々考えさせられたのだけれど、感想が書き難くて困った。

放射能によって汚染された水が声掛けによって浄化されるとか、Twitterに上がってたら正論で大炎上するヤツでしょう⁉

ギリッギリを攻めすぎですよ宮内センセー!

 

結局この物語が内包している『問題』こそが、物語が曖昧に終わる理由なのだと思う。

 

あとがきでも著者本人が語っている。


信じることの出来ない『手かざし』での治療現場を見たこと、しかしその場には第三者が踏みにじってはいけない何かがあると感じた事。

けれどもその一方で、得体の知れない水や癌は放置しても治るといった数々の情報から私たちは身を守らなくてはならないと思う事。

 

つまり科学的な知見を大切にしながらも、狭間にあるものを受け入れることは出来ないか?という知的実験を描いたのがこの小説なのだ。

 

『薄ければ薄いほど』という短編では、末期がんなどの患者のためのホスピス「死を待つ家」の話が描かれる。

普通のホスピスとは違い、そこでは『量子結晶水』なる謎の生理食塩水が配られる。
「薄ければ薄いほど効果がある」という原則に基づいて配られるその生薬は十の六十乗倍以上に希釈されていて、計算上元の薬剤はほぼ含まれない。

つまりは単なるプラセボなのだけれど、その薬についてライターである主人公が記事に書いてしまったこと、そしてその薬を用いることへの世間の反発が物語の主題となる。

 

ホスピスで静かに死を待つ女性、かずはの「外部の声が聞きたい」という希望に応じて主人公はニュースに寄せられた『世間からの声』を読み聞かせる。

『患者は希望を欲するものだと思いますし、それはやむを得ないと思うのですが、科学的真実が覆い隠されるようなことになるなら、残念なことと言うよりありません』

『個々の信仰は自由ですが、親が子どもに医療を受けさせないような事態は避けねばなりません』

次々と寄せられる正論に、死を待つ彼女は何と答えるのか。
その答えこそが、一番胸に刺さる。

 

 

私自身、疑似科学には批判的な方だと思う。

反ワクチン主義やレメディ、宗教的理由による輸血拒否なんかで助かるはずの命を落とした話を聞くとこの科学の進んだ時代にどうして?と思ってしまう。

 

でもその一方で、反ワクチン主義を表明した人のTwitterがガンガン炎上していく様子や、寄せられすぎる正論はむっちゃ怖いとも感じる。

みんな命を大事にして欲しいと思うからこそ、意見を寄せているはずなのに、『ウィルスまき散らすなとっとと〇ね』ってどういう事やねん⁉

他人の迷惑即デスなの?
アレルギーで予防接種出来ない人とか、肩身狭くて言えないよね?

 

それから年代的には『あなたの知らない世界』育ちなので、霊能力者も超能力者もいない世界はちょっと寂しいなんて思ってしまう。

カルト宗教とか詐欺は確かに怖いんだけど、グレーなもの全てを撤廃した『科学的に正しい世界』も病院の廊下みたいに空虚でかなり怖い。

 

誰もがいつかは必ず死ぬわけで、でも望み通りの大往生なんてなかなか叶わないから、やっぱり神様とかご先祖様がいたらいいよななんて、たまに仏壇とお墓に手を合わせるだけの人間でも思うんですよ、きっと最後は祈るんですよ。

…まぁそんな時に『病気が治る水』売りつけられたらブチ切れると思うんですけど、でもそれを買う人を嘲笑っちゃいけないんだと思いました。

 

ホントに色々考えさせられる一冊。
いつか、神様に縋りたくなるほどの経験をしたら科学との距離感も変わるのかな?
そんな訳で、もっと年を取ったらまた読み返したいと思います。

それではまた!

 

彼女がエスパーだったころ (講談社文庫)

彼女がエスパーだったころ (講談社文庫)

 

 

透明ミニーガール

 

職場の近くで無料コンサートがあり、お昼休みに同僚男性と赴いてみた。

 

目立たないように一番後方の席に座る。
歌っているのは趣味でギターを嗜み、オリジナルのフォークソングを作っている60代の女性。

 ロングの髪は赤茶に染まってソバージュが掛けられている。
ふわふわしたワンピースは薄い花柄模様。


細身で小顔で、歌声もかわいらしい(かわいらしすぎて後方まで聴こえないのが難)。

どうやら日々の生活をテーマに歌詞を作っているらしく『7月4日に携帯無くした』などというメモみたいな歌詞が聴こえてくる。

 
前列では同級生と思しき男性陣が団扇で扇ぎながら歌に聴き入っている様子。

 


どうにも馴染めない雰囲気を感じ、こそっと数曲で撤退して来た。

 

 冷房の効いた職場に戻ると、30代の同僚男性が辛辣な一言を。

 『いやぁ、昔は美人だったんでしょうね!』

 
あいたたた!

若いからこそ言える無邪気な一言に、私の方が胸が痛くなってしまった。

 

  確かに、『昔』を引きずったままの人だった。

美人の面影は残っており、長い髪もワンピースも、かつてはすごく似合っていたのだと思う。


ただし60を過ぎれば誰の髪だって当たり前に腰が弱り、薄くなったり白髪も交じる。

 そうやって髪質や、肌の色艶さえ変わった年代で若かりし頃の髪型が似合うかというとそれは…

 
でもなぁ?

辛すぎる真実に、同じく加齢を感じ始めたお年頃の私は抗いたくなる。

 
若作りって誰かに迷惑?
そんなに見苦しいものなの?

 
かつての美人が今もアイドルごっこを続けていたとしても、彼女のおかげで同級生の男性陣がきゃっきゃうふふと若返れるのだとしたら、それはそれで幸せな事なんじゃないだろうか?

 

アイドルの握手会なんかを見ていても思うけれど、輪の外にいる人間からしたらどんな熱狂だってちょっと痛痛しく思える気がするのだ。

  

だからあそこでアウェーだった私達が『痛たた…』と感じるのは当たり前の話で。

 

会場のファンと彼女自身が盛り上がっていれば、それはとても良いコンサートだったのだ。

 


でもなぜか、『かつての美人』が気になる私。
たまたま通りすがっただけなのに、どうして?

 
…実は私は、年相応という言葉を異常に気にしがちな人間である。

 

理由は分かっている、私が20代だった頃、紅白水玉模様の80年代スタイル、いわゆるミニーマウスワンピで町をウロついていた若作りの母親が脳裏をよぎってしまうせいだ。

 
あの頃の母を恥ずかしく、痛々しく思っていた気持ちが蘇り、今の自分も同じような痛さを再現してやいないかと胸が苦しくなるのだ。


でもその一方で、母親にも好きな服を着る自由がある、それを認めてあげられない、恥ずかしいなんて思ってしまう娘の私はなんて不寛容なのだろうと自分の心の狭さに胸が痛くなったりもする。

 人の心は難しいものだ。

  


ただ…実は最近気がついた事があって…

 

好きな服を自由に着こなす、若作り万歳!の母だから、当然同じような若作り仲間にシンパシーを感じているのだと思い込んでいた。

 ところが先日テレビに映っていた娘とお揃いのワンピを着た50代の母親を見て一言…

 
『若作りねぇ、恥ずかしい!』

 
???かつての貴女がそこに居るんだがーーー!

   

…なんつーか、人は思った以上に自由というか、我が身を振り返らずに好きなことを言う生き物なのだなぁと実感した。

 
だから私も、客観性とか見苦しいとかあんまり深く考えすぎず、好きに生きて好きなことをボヤけば良いのだ。

 
それでもやっぱり色々ごちゃごちゃ、余計なことを考えて過ぎてしまうのも私らしさなんだろうけど。

 

 

赤い髪を揺らして歌っていた人の姿が、ナンバーガールの歌う『透明少女』に重なってみえる。


赤い髪の少女、暑い季節の中で狂っていけ、走っていけ。

 
いつだって青春だ、みたいな言葉を信じきれないくせに憧れている私もいる。


大人にならなきゃいけない私達。

それでも今年の夏は暑すぎて、狂いたくなる気持ちも分かるのだ。

 

 

ライヴ・アルバム ?サッポロ OMOIDE IN MY HEAD 状態

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『言の葉の庭』感想

 今頃、『言の葉の庭』観ました!
ちょうどAmazonプライムが新海誠推ししてて、雨も降ってたから勢いで!

 

恋愛モノはいまいち興味が湧かないジャンルなので避けていたのですが、実際観てみたらかなり面白かった!

そして何かを書かずにはいられなくなりました…。

 

現在公開中の『天気の子』に寄せられる熱い感想もそうですが、良きにせよ悪しきにせよ、「何かを語りたくなる作品」ってのは良いもんですよね、物語の中に語られるべき文脈があるってことですから。

そんな訳で今日は今更ながら『言の葉の庭』に寄せる拙い感想です。

 

背景素晴らしい

 

言の葉の庭

 

まずは散々言われてることですがやっぱり背景!素晴らしいです!

 雨に煙る高層ビル群、駅の人いきれ、そして新宿御苑の柔らかな緑…
綺麗にも程がある!

もうね、御苑のあずまやで雨を眺めながら金麦呑みたくなりました。
アルコール持ち込み禁止!って立て看板がしつこいほど描かれてますけどw

ストーリーはともかく、御苑の緑、あずまやで佇む二人の絵を眺めるだけでも楽しめるアニメです。

 特に終盤、突然の雷雨であずまやに走るシーンが良かったな…

 

 ツッコミどころ満載のストーリー

 

さて、ストーリーにおいてはちょっと気になるシーンがたくさんあります。

 

主人公タカオの家は母子家庭で、タカオが専門学校の学費を稼ぐためにバイトに励むのはそのせいだと読み取れます(だから兄が家を出る時に親子で話しあうカットでは母親しか登場しない、タカオが子どもの時は父親の姿があるので死別か離婚だと思われる)。

割と派手めで、ちょっとチャラそうに見えるおかーさんですが(長男に対抗して私も彼氏と住んでやる、とか言っちゃうし)Wikiでは職業『大学職員』となっています。

まぁ大学職員だって片親なら子どもの学費に困るのも分かるのですが、何もそんなレアな職業にしなくても、と思いました。

精神年齢が高いタカオの育ちを説明づけるなら、お水の方が自然な気が…スポンサーの意向?

 
それからユキノが元彼である体育の先生?と電話するシーンですが、元彼はベランダに出て電話、カーテンの向こうには女性の影とむっちゃ既婚者っぽいのが気になりました。多分新しい彼女なのでしょうが…。

 ぱっと見ヒロインが既婚者と付き合っていたようにも見える、もしかしたら実際に不貞を働いていたのでは?という疑惑を抱きかねないのでカーテンの向こうの女性は不要だったのでは?

 
そしてクライマックスのマンション踊り場抱擁シーン。

 
今まで無口で大人びていたタカオが唐突に子どもに返り、しかも饒舌な説明口調で自分の心情を分かりやすく語りだします。

 説明で物語を畳むのも、ある程度は仕方ないと思うんです。
45分とかなり短めの映画ですから。

 

 そこでタカオがユキノを泣かせる台詞を吐くわけなのですが…
私はその前段の、

あんたが教師だって知ってたら俺は靴のことなんてしゃべらなかった、どうせできっこない、叶いっこないと思われるから

に違和感ヒシヒシでした!


高校生ぐらいの子が自分の夢に不安を覚えるのは自然な事ですが、劇中のタカオは学校よりも靴を作る方が楽しいと感じていて、バイトも全部将来の学費や夢のためで迷いなく未来へ突き進んでいるように見えました。

家庭背景もあり、とにかく早く自立にしたい、自分の好きなことだけをやりたいタイプの子に見えたので、そんなに自信なさげなシーンあったかなぁ?と。


ユキノへの憧れも、最初は『会社をサボって昼間からビールを飲む悪いオトナ』という社会の枠からはみ出した者の気持ちであり、自分も早くそうなりたい、という気持ちの表れだと思っていました。


しかし実際には彼女はとても身近に居て、しかも自分の学校で起きた問題で追い詰められていた。タカオになら、彼女が辞めてしまう前に出来る事があったのかも知れない。

 

しかしタカオは学校にまるで興味を持たず、自分の夢ばかり追い続けていたから、結局好きな女性を助ける事が出来なかった。

 
タカオが自分の夢を追い続ける=好きな事ばかりじゃなくて、もっと周りを見渡せる大人にならなくちゃいけないのだと自覚したのが学校の廊下でユキノとすれ違うシーンだったのだと思います。

(そう自覚したからこその「何やってんだ俺」的なセリフ、そして自暴自棄になり先輩と殴り合う)

 
だからあのマンション踊り場のシーンでは騙されていた事への怒りじゃなくて気がつかなかった自分への自省の方が相応しいと思ったのですが…

でもその後の

あんたはそうやって大事な言葉は絶対言わないでずっと一人で生きていくんだ

 

は良かったですね!俺を頼れよ!って感じで。 

 

 
そして一番気になったのがユキノの足を測定するシーン!!

 
美人には大まかに二種類あると思うんですね、一つは自分の美を上手く使いこなせる、自覚のあるタイプ。もう一つは美人である事に戸惑いを覚え、地味な服装や髪型で隠そうとしてしまうタイプ。

 上手く他者からの嫉妬をかわせなかったユキノは明らかに後者だと思われます。

 
なのに!!なぜ!!

梅雨時、パンプスを履いて歩いたナマ足を、躊躇いもなくベベーン!とベンチの上に出せるのですか!?

あの日あの時あの状況で、拭きもしない足をドヤっ!と出せるのは叶姉妹ばりに自分に自信のある美女だけです!!

なぜちょっとためらったり、背中を向けて汗拭きシートやハンカチで足を拭くシーンが無かったのですか⁉恥じらってこそのフェチでしょうがぁぁぁあ!

 

えーと、そんな訳でこの作品について私が一番申し上げたいことは

『恥じらいがあってこそのフェチ心』

以上です…そして色々申し上げましたがやっぱり好きです、『言の葉の庭』!

 

 

小説 言の葉の庭 (角川文庫)

小説 言の葉の庭 (角川文庫)

 

 

 

@キモリプおじさんの変容

 

※この物語はフィクションです。
フ、フィクションって付けときゃなんでもフィクションになるんだからね!

 

さて、とあるSNSに人気女性声優がいたとしよう。

『今日はとろーり三種のチーズ牛丼食べたよ!』(すき屋のステマ)

《以下リプライ》

「すき屋かな?美味しそう!」(あるある)

「明日のお昼はすき屋にします♡」(信者表明)
「惜しい!正しくはとろ~り三種のチーズ牛丼だお☆」(校正系)

「僕はカレーです!」

 

き、聞いてねぇ~~~~!

 

声優のタイムラインで聞かれもしないのに自分の話をはじめちゃう、でもよく見かけるよねこういう人…

キモリプ呼ばわりされるほどの存在ではない、でも話の流れ上(小)キモリプおじさんとしておこう。
性別はともかく、年齢も分からないのに『おじさん』とは何ぞや?という論争もあるが今回はさておいて置く。

 

まぁとにかく、それからも(小)キモリプおじさんの快進撃は続く。

 

『今日は○○ちゃんとタピオカったよ♡』
(○○ちゃんの方が顔が大きく見える画像付き。しかし○○ちゃんは逆の写真をUPしているのでお互い様である)

《以下リプライ》

「カワ(・∀・)イイ!!冷たい飲み物でポンポンこわさないでね(^^)/」(田舎の祖父母)

「同じタピオカ飲みに行く~~!」(追体験系信者)

 

「僕はカレーです!」

 

やっぱり聞いてねぇ~~~~!

 

しかしそんな(小)キモリプな返答も、回数を重ねるうちに見慣れてくるもので。

 

『今日はスタバ「僕はカレーです!」

 

『今日はやよい軒「僕はカレーです!」

 

『今日はライブ「僕はカレーです!」

 

お前は、カレーか!?

 

そんな風に脳がバグって来た頃、(小)キモリプおじさんの見せ場がやって来る。

 

『一人が寂しかったりそんな夜もあるよね…同じ月を貴方も見ているのかな?』

(ちょいエロ部屋着画像つき)

 

「ババ様!タイムラインに赤い光が見えます!どんどん増えてるみたい!」

「こうなってはもう、誰も止められないんじゃ…目を閉じておれ…」

 

《以下リプライ》
「太もも太もも太もも太もも」(赤い目の王蟲系)

「寂しい時はいつでもDM

「頭ポンポン

「膝枕して

 

次々と押し寄せる、自称彼氏系信者の波!

声優が誘ったとはいえこれらのリプライはあまりにも…

 

そんなタイムラインに、一筋の光が!

 

「僕はカレーです!」

 

カレー!お前がいて良かったカレー!

こうなると彼はもはや(小)キモリプおじさんではない。

○○ちゃんのタイムラインに常駐するカレーである。

「僕はカレーです!」が無いとみんながカレーの生存を心配する、そんな存在。

 

さて、このようにキモリプは『慣れ』で変容する。

割と世の中、そんなもんだと思う。
キモイもウザイもハラスメントでさえも、見慣れてしまえば違和感は失われる。

 

だから?

私は我が身を振り返る。

キモリプが多いと周囲からは言われがちな私のタイムライン。

でも本人にはその自覚は無くて、それってつまり…

 

@@@@@(自己規制)(この物語はフィクションです

 

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非モテの魂百まで

前回、人気ブログ『結婚物語。』に関する記事を書きまして。

 

https://ameblo.jp/kekkon-monogatari/entry-12492794430.html

ameblo.jp

 

元記事はなかなかドラマチックなストーリーだったのですが、私は「せやかて工藤!」にドハマりしてしまい違う世界線に移行してしまいましたとさ…

 

yutoma233.hatenablog.com

 

まぁ、その話はともかく。

結婚なんて、当事者同士が価値観を擦り合わせていく話なんだからご祝儀も包まない他人がとやかく言う時点で野暮ってもんですよね、分かります。

 

でも私がどうしてもダメだったのが 結婚物語。ラストに出てきた『彼女の好きな所100個を書いた本をプレゼント』って所で…

 

ああー!もうダメーー!こんな本を自分がもし貰ったら?なんて想像した時点で涙が滲んでくるーー!受け取った時点で『デュ、デュフフフ…さ、サーセン』とか気持ち悪い引き笑いが出てくること間違いなし!

ど、どうせオラに百も良いとこなんてないんだな、終盤は真っ白に決まってるんだな…なんて悲嘆に暮れて最後のページからめくってしまうこと請け合い!

そして50個埋まってた時点でもう号泣っすわ!こんな!私の!良いところを50も見つけてくれるだなんて!アナタは現代のポリアンナかっ!…ん?右手親指がキレイ、右手人差し指がキレイだと⁉やめろ、手の指で10個稼ぐのをやめろ!何っ、今度は足の指編に突入だとーー!

 

…と、こんな風に勝手に貰った事も無い本の想像をして身を震わせてた訳ですが…

 

 

ねぇ!いくらなんでも自己評価低すぎやしないですか私の恋愛観!


こんな私だって今や既婚・子持ち・主婦・会社員・PTA役員・ブロガーと肩書きだけはてんこ盛りよ!麻婆豆腐だって手作り(ただし豆腐とひき肉除く)出来るし餃子も得意よ!ケーキも焼けるし丸鶏も焼くし焼く気になれば家だって焼けるわよ!焼かないけどね晩餐館!あとはエクセルだってワードだって使えるわよ!使いこなせねぇけど!職場の電話だって出るしなんならクレーマーと敬語でケンカするし(金も出さねぇ客は豚よ)学校の壇上で挨拶だってこなすわよ!だってお母さんジャンケンで負けて副会長なんだもん!

…と、こんな風に生きる上でスキルは一杯身に付いてきたはずなのに、作れる料理を書いていけば(カレー上手いとか、餃子上手いとか)良い所だって50は余裕で埋まる筈なのに、なんでこれが対・異性の評価となるだけで

『デュ、デュフフフ…さ、サーセン』

となっちゃうのさーー!

 

 

…ええ、思い返せばモテない青春時代を送ってきましたとも…


思春期は激太りだった私、人生初のモテ期は婚約期間中でした。
結婚前の女は痩せるってホントなんですね、なんなら後数回結婚して痩せたい、モテたい(おい

ところが恋愛や人生に関する経験値をいくら積んでも、自分の価値換算基準?みたいなものは非モテピークだった思春期に固定されてる気がしてツラタンです。

 

もう結婚して子どもがいる人たちがさ、デオコ買ってキャッキャウフフして『でも俺女の子の匂い知らない…」とか震える気持ち良く分かるよ!

その女の子はさ、雨の日のバス停で手を繋げなかったどころか隣に座る事さえ許されなかった、幻の女の子なんだよ!長い黒髪を耳に掛けた時に甘い香りがするんだけど、でも俺たち非モテはいつだってバス停のフレーム外で雨に濡れてるんだよぉおお!

私だって!あの頃映画館で手を繋いだ幻の彼が実在してさえいれば『初デートでココイチなんてありえなーーい』とか言えたのに!実際は「え、トッピング頼んでいいんですか?しかも割り勘?デュ、デュフフフ、サーセン」だよ婚活なんて一生出来ねぇよ!想像の中のモテ野郎が進撃の巨人すぎて立ち向かう気すらしねぇよ!

 

えーとそんな訳で もう結婚しているのに・いい大人の筈なのに・妄想非モテ被害報告で盛り上がれる方ー。いらっしゃいましたら、昼間のファミレスでドリンクバーオンリーで『ココが辛いよリア充恋愛』というお題で盛り上がりませんか?

私が泣いた『耳をすませば』鬱シーン総集編でもイイですよ…
テーマソングはティモテ風に、非モテ―、非モテ非モテーでお願いします!

 


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結婚物語のフェイクはどこに?

はてなで大人気の、結婚相談所のブログを読みました。
いつもは楽しく読めるんですが今回はちょっとモヤっとする話だったぁ!
書籍化に向けてお忙しいのか、フェイクを盛り込みすぎたのか?

 

ameblo.jp

 

そもそも設定が豪華すぎです!

ヒロインは北川景子似の美女、35歳。
関西弁で明るい性格、英語と中国語がペラペラ、フリーで年収600万、元CA!どこででも暮らせるし親との同居もOK!

私だって欲しいわこんな嫁ーー!

お相手への希望は自分と同じ年収600万。しかも50歳まで可!
こんな奥さんがいたら早期退職への夢が広がりまくりじゃないですか?
北川景子を陰で支える専業主夫楽しすぎ…アレ、でも北川景子が専業主婦になりたいのかな?もったいない、せっかくのキャリアが泣くぞ北川ぁ!

 

…えーと、北川景子に感情移入しすぎました。可愛いですよね北川景子。あんなに美人なのに食べるの下手くそだったり変顔を撮られがちだったり、意外と不器用そうな所がとても好きです。

 

と、まぁそんな北川景子ですから結婚相談所でもブイブイ言わせまくる訳です。

年収600万どころか1000万、2000万プレーヤーも続々参入。
たっくさん選り好みして色んな人と会ったのち、気になる男性を見つけます。
背が高く好みのタイプ!でも年収は400万!名前は工藤!

連れて行ってくれる場所はココイチにマックだし、デートには水筒持参。
親は高齢、一人息子でマンションのローンも抱えてる、ごく普通のサラリーマン。

でも彼とは4時間ぶっ続けでお茶できる!
楽チンで居心地が良く顔も好み、そんな工藤!
いいじゃんか北川、工藤を養おうぜ!
初めてのデートなのに4時間雑談して飽きない男なんて超レアだぜ⁉

 

しかしそんな北川景子の前に香港からの刺客が現れます。


年収1500万、身長180越えの超イケメン、家族もみんな資産家で不動産もたらふく所有、そしてそんな富豪が北川景子の外見だけでなく人柄にも惚れ込んで、即交際を申しこんでくるのです。

 

香港の夜景をバックにイメージしてみて下さい!
跪いてプロポーズする大富豪!


しかし乱の頭によぎるのは工藤の面影。

新一のヤツ…今頃なにしてるんだろ…?

ところが彼女たちが滞在するホテルには実は爆弾が仕掛けられており、逃げ遅れた乱を助けるために新一は…

「らぁん!」「しんいちーー!」

 

…と、まぁそんな訳ですから当然北川は工藤を選びます。
単なる北川景子と見せかけながら実はちょっぴり頭が尖っており、特技は空手だったので仕方ありませんね。

 

でもって工藤には秘密がありますから結婚前にはちゃんと打ち明けておかなくてはいけません。

「実はオレ…」

 

タワマン住みで資産家の息子だったんだ!

 

 

工藤ーー!アカンて工藤ーー!
ホントに打ち明けなきゃならんのはソコじゃないやろ工藤ーー!
みんな知ってる!みんな既に知ってるからそろそろ言ったげてーー!

しかも香港在住1500万なんてスペック持ち登場後だと700万の年収もふぅん、って感じになるわ!アカンて、金持ちが飽和状態や!

だいたい工藤以上のスペック持ちがみんな正直に北川口説いてんのに何様や工藤ーー!

 

まぁ乱さんはいつもスカしてて嘘をつくのがドヘタな工藤くんが好きなので仕方ありませんね。

 

しかし北川景子なら、年収400万の工藤とだって充分幸せになれるし、超高級ホテルや豪華な食事が無くたって好きな所100個を書いた本をプレゼントしてくれればそれだけで…

 

うん?ごめんね?
好きな所100個を書いた本ってスゲー重くね?

 

…さて、今回の結婚物語に仕込まれたフェイクはどこだったのでしょうか?

私は、「好きな所100個を書いた本をプレゼント」がフェイクだったらいいなぁと思いました…

 

 

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40代は保険の見直し時

 家族が怪我で入院した。
親族のしがらみで掛けていたJ〇の健康保険(保障は厚いが掛金が高い)でがっつりカバー出来たのだが、サブで掛けていたアフ〇ックのがん保険の特約が失敗だった。

いまどき入院5日目からって…!

 

思えば前回保険の見直しをしたのは30代、子どもが産まれてライフスタイルが変わったタイミング。

 

20代の頃は親族のしがらみで加入した積立型のクソ高い保険に加入していたのだが子どもが生まれて退職、掛金が負担になってきた。

そんな訳で30代、当時は専業主婦だった自分の保険は掛金の安いものをセレクト。
今もその時加入した県民共済とア〇ラックの保険を継続している。

 

現在40代、健康診断はいつもA判定だがいつ更年期がやってきてもおかしくないお年頃。

健康なうちに、老齢期を支えられるような保険に入っておかねばと夫婦で保険の見直しをすることにした。

 

私が子どもだった頃、高齢者の入院はとにかく長く、寝たきりのまま病院で最期を迎える…というのがよくあるパターンだった。

今は医療制度も変わってきて入院はできるだけ短期間、ガンでも通院での治療が当たり前になってきた。

周りの高齢者を見ても、入院+手術の高額負担より、毎月数回の通院に掛かる交通費+毎月数万の医療費負担がキツいという話をよく聞く。

今後はそこのところを上手くカバーできる保険を探したい。

保険の窓口いかなくっちゃ…ネットで探した方が安いだろうか?

 

20代、30代、40代とだいたい10年が保険の見直し時期なのだろう。

若い頃はめったに病院に行かないから保険の有難みが分かっていなかった。

 

今になって振り返れば、健康保険にちゃんと入っていて良かったと思う。

ちょうど10年に一度くらいは入院や手術で使う機会があって、色々差し引いても国内旅行分くらいはプラスになったので退院後に湯治に出かけたりして楽しめた。

もちろん今まで納めた掛金全額と比べたらマイナスなのだろうけど、貯金だけで備えておくのはやっぱり怖いから保険は欠かせない。

 

個人的には健康保険は車の自賠責みたいなもんじゃないかと思っている。無保険で車を走らせるのは怖い。人間だって同じような感覚。

ただ掛金はそれなりに負担になるので月2千円で済む県民共済、自賠責感覚でオススメっす!

 

 

最近は老後の備えとして個人年金保険や終身保険も気になっている。

積みたてNISAも始めた(始めたというか、現在設定途中で泣いてます。手数料が安いというのはそれだけ自分の手間が増えるということなのだな、色々学ばされるぞ楽天!)。

 

しかし、最近興味があること/手続したことの内容が 保険、年金、つみたてNISA 。

 

どれもだいたい、雑誌クロワッサンの特集で見た…後は着物に興味を持てばカンペキ…

 

『女の人生クロワッサン』とかつて人気漫画家伊藤理佐さんがおっしゃっていた。

正にクロワッサンな人生を送っている私、正解すぎてぐうの音も出ません。

本当は『婦人画報』のような優雅な人生を送りたかったのですが。
今週の特集「京都」?うん、用が無いっ、残念…!

 

婦人画報 2019 年 08 月号

婦人画報 2019 年 08 月号