おのにち

おのにちはいつかみたにっち

世界で一番不幸な人は

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なんだか最近痴漢に関する諍いが話題になっていて、ネットを見るたびザワザワしてしまう。

安全ピンで刺す、という自衛策が巡り巡ってじゃあ男性の側は人の心を傷つける悪い女性をフルボッコにして子どもの産めない体にしてやろうぜ!それこそが公平、という質の悪い風刺漫画が出回る地獄。

 

他国では外を一人で歩いていた、男女交際をしていただけで女性が殺害されてしまうような事件が未だに起きている。悲惨な現実をそのまま漫画にして、何が風刺だと言うのだろう?

 そもそも安全ピンを使う手法も昔から周知されていたらしい(elve姐さんも学生時代の友人の話を書いていた)。

しかし2~30年経っても被害者の側が、それも子どもが戦ってるのかよ⁉と駅のホームで追われる犯人の映像を見て戦慄した。

自分で声を上げなくちゃいけない被害者も辛いし、たまたま若い女性の近くに立ってしまい冤罪に怯える男性も辛い。早く電車内にもカメラを設置してその場で確認できるようにしてほしいと思う。

マイカーや自宅と、一般人だって防犯のために監視カメラを取り付けるのが常識になってきた世の中だ。

個人情報ガーなんてよく聞くけれど、痴漢の顔がバッチリ映し出され、交際相手を刺殺した犯人の顔がカワイイと話題になるのを見るたびに個人の虚しさを実感する。

いまや誰にも見られたくない・写されたくないと思うなら限界集落に引っ越すか自宅に引きこもるしかない。

それでも何かが起こった時には、小学校時代の同級生まで引っ張り出して犯人像が構築される。

『私』とは私を認識する他者がいるから存在できる幻影にすぎないのだ。

 

 

ふと、以前仕事を辞めた時に感じた寄る辺のない寂しさを思い出す。

 今の私は仕事があり家庭があり趣味の仲間もいてようやく、己の存在意義を感じられている。しかし年をとれば自然と職を失い、子どもが巣立つ日も来るだろう。

その時にまた新しいコミュニティを構築できるのか、それとも寂しさに折り合いをつけて上手く生きていく方法を見出せるのか。


私がザワザワを感じた痴漢に関する諍いも、根底にあるのは存在を認められない事への寂しさがあるのではないか、なんて身勝手に推測してしまう。

以前独身のまま子宮を切除しなくてはいけない女性が混乱する思いを書いた増田があって、そこに『でも今まで女の特権(恩恵?)を授かってきたじゃん』みたいなブコメがついていて戦慄した。

 増田はモテないとか喪女とか散々自分のことを自嘲していたのに、しかも病気で手術を控えているのに、それでも増田の方が自分より幸せに見えるのか。

どれだけ寂しいのか、どれだけ不幸なのか。

 

川崎もそうだけど、どんな事件も本当の対策は孤立した人間をどうやって寂しさから救うのか、って事なのかも知れない。

 

 

以前全ての男に平等に女を分配しろ、なんてスレを見かけた。

生きた人間は無理だけど、希望者全員に性と家事を補ってくれるアンドロイドが配布されるようになったら寂しさは埋まるのだろうか?

それともベーシックインカムのようにみんなに均等にお金を?

 

しかし同じものを同じように与えても、きっと『世界で一番自分が不幸』な人間は生まれてしまうのだろう。

人より悲しみを強く感じたり、物事を悪い方に見てしまいがちな人は、感受性の濃淡が強いのかも知れないと思っている。

 

SNSで怒りや悲しみを表明する人がいたら優しく寄り添ってくれるAIなんかが生まれたら少しは埋め合わせ出来るのかなぁ?

私は結構、機械に夢を抱いている。
早く来てくれ私のちぃよ。

 

 さて、自分の孤独や寂しさ、世の中は不平等だと感じてしまう心を暴力や暴言に変えないためにはどうしたら良いのだろう?

 それはきっと誰にでも起こりうる事だから、それぞれが自分なりの対処方法を考えて、備えていかなければいけないのだと思う。

 

痴漢も殺人犯も寂しい言葉を吐く人も、みんな分からないくらい遠くにいる訳じゃない。

 とりあえず私にも起こりうる事なのだ、と覚悟をして心の準備をしておく事。
今日の課題はこんな感じです。

 

それでもまぁ、とりあえず今日も空は青い。ゴハンは美味い。
そうやって目を逸らしながら生きていけばなんとかなるのかも知れないよね?

 

 

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