団塊の世代(65だからジュニア?)で、雇用延長を続けていた女性上司がついにこの春で退職を迎えてしまう。
ただでさえ数の少なかった60代の女性職員、最後の一人である。
結婚退職が当たり前だった時代に、結婚、出産後も仕事を続けてきた方だけあって、優秀だし仕事愛が凄い。
何を聞いても答えが返ってくるし、新しい技術の習得にも余念が無く、男性上司のセクハラにもビシッと注意できる立場や貫禄もお持ちという非常に頼りになる上司だったので退職が残念である。
さて、そんな風に完璧な上司にも一つだけ欠点がある。
それは若者への苦言がキツイ、という事である。
身だしなみに気を使っていなかったり、寝ぐせのついている職員には苦情をチクリ。
容姿をもてはやす男性上司の言動が苦痛だ、という女性職員には容姿もスキルのひとつだから上手く使いこなせ、と手厳しい一言。
当然若者たちからは感覚が古いとか放っておいて、と大反発である。
身なりに関しては、確かに若者たちの感覚が本当は正しいのだろうな、とは思う。
職場は仕事をするための場所なんだから、ヒールやらスーツやら旧来の礼儀をいつまでも要求され続けるのはおかしい。寝ぐせがついているだのメイクが濃いだの薄いだの、他人がアレコレ口を出す問題ではない、とも思う。
けれども理想や正しさと今・ココの現実は乖離している事が多いもので。
婚活とか、そうじゃないですか?
身なりや容姿で人を判断するのはいけない事だけれど、それでも最低限のマナーをクリアしなければ写真の時点ではじかれる。
婚活ほどではないけれど、うちの会社にも最低限のビジネスマナーは存在し、上司が場にそぐわないと判断した人間は窓際部署に配属されることもある。
ただその時に理由をハッキリクッキリ伝える上司はいないので、上司の苦言は受け取りかたによっては役に立つ一言なのかも知れない。
容姿をもてはやされる女性にそれはスキルだ、と言った問題については…
女性の結婚退職が当たり前だった時代に育ち65まで仕事を続け、課長職まで昇りつめた時点で、上司は既に伝説のポケモン級の猛者な訳である。
本人の努力は勿論だけれど、恵まれた環境や資質など、数々の強運に恵まれた上で今、この場にいる訳で。
ところが本人はご自分の特別すぎるスペックをあまり理解しておらず、頑張ればみんな行けるよ!ぐらいの勢いで背中を押してくる訳で…
そこに乖離があるんだよなぁ。努力だけの問題じゃない。
メンタルも気性も、人それぞれなんですってば!
私も今頃になって気が付きました。
あまりにも子持ちに配慮が無いと話題だった前職の女性上司。
あの人も今思えば伝説ポケモンだったのか⁉
とにかく、最後の団塊女性上司の卒業。
頼れる人を失って、今後の仕事がちょっぴり不安です…。
今週のお題「卒業」
苦言にはせめて糖衣が欲しい氷河期世代です…