おのにち

おのにちはいつかみたにっち

2018-01-01から1年間の記事一覧

取り次ぐ先のない電話

時折、どこに宛てたものなのかわからない電話を受け取ることがある。 職場の窓口に電話をくれたおばあちゃんは、今日届いた郵便の内容で困っているようだった。しかし封筒の色や形を言われても、それだけではどんな内容なのか、どこから送られてきたのかも、…

肉欲ハイウェイスター

丁寧な暮らしに憧れている。 暮らしの手帖は子どもの頃から好きだし、クロワッサンの体に良い調味料特集なんかも買っちゃう(ただしオニギリは素手で握らない)。 美容院ではリンネルなんかも読むのだけれど、残念なことに私はナチュラルカラーのコットン素…

脱・トウモロコシヘア!40代からのおすすめヘアケア

こんにちは!アラフォーど真ん中、みどりの小野です! 艶々の三つ編みがしめ縄のようだったあの日から幾霜月、最近は毛が痩せてきました…身は肥えるのに毛は痩せる、これいかに?なんてトンチごっこをしている場合ではありません。 犬も猫も馬も人も、等級を…

いらないものは要りません

独身時代、短期間だけ勤めていたスーパーの店長からブランドバッグを貰いそうになったことがある。 いきなり職場で高そうな包みを渡され、店長は既婚者、私も彼氏が居たし、そのようなモノを貰うような親密な仲では決して無かったため、いやいやいやいや店長…

目が離せなくなる不思議なサーカス-『カラヴァル 深紅色の少女』

『カラヴァル 深紅色の少女』読了!全世界でベストセラーなんて華々しい肩書きのジュブナイル(YA向け?)ですが、カラフルで映像的でとっても面白かった。 ディズニーシーやシルクドソレイユのショーを活字で読んでいるような、不思議な感覚をもたらしてくれ…

アムンセンになれなかった男

5月21日の朝、登山家の栗城史多さんがエベレストで命を落とした。 今はただ、ご冥福をお祈りいたします。 エベレストは一人で登れる山ではない。 無謀な冒険はガイドやシェルパ、同じチームの仲間など沢山の命を危険に晒す羽目になる。彼自身の技能が足りて…

屋根裏の小人

祖父母の住む古い日本家屋には屋根裏があった。ロフトスペースなんてオサレなもんじゃなく、梁がめぐらされて薄暗く埃っぽい、昔ながらの天井裏、というやつ。 子どもの頃、私はここに入りこんで小さな風穴から下を覗くのが大好きだった。 私は祖父母の一番…

前髪は悩ましい

分量は全頭髪のわずか10%にも満たない、そんな微量の毛束を人は『前髪』と呼ぶ。 古来より人の前髪は象徴的に扱われてきた。 まだあげ初めし前髪の、と藤村の詩にもあるように、切り揃えていた前髪を日本髪に結い上げ、額を出すのが少女から女性になる、一…

屋上の夢と、万城目学『バベル九朔』

古いビルの屋上に建てられた、小さなプレハブ。貯水タンクの隣に並ぶその建物の前には物干し竿が置かれ、干された洗濯物がそこに住む人の気配を感じさせる… 首都高を走る車の窓から、そんな景色を眺めたことはないだろうか? 私はある。そしていつも密かに憧…

食べログジジイの思い出

はてなブログを始めたのはなぜ?そんな風に聞かれたことがある。 きっかけはインフルエンザで5日間暇だったから。当時スマホに入れていたニュースアプリがよくはてなブログの記事を拾ってくるからはてなに親しみがあった、そんな話をした。 とはいえもう一度…

美人の欠点

かつて、素晴しい美人で仕事が出来て声もキレイで、みたいな完璧に近い女性と仕事をしていたことがある。彼女はほぼほぼ、完璧だった。たった一つの欠点を除けば。 彼女の欠点。それは、仕事が暇になると店内のお客さんを眺めて批評を始めてしまうこと。しか…

世界はアイドルで出来ている-柚木麻子『デートクレンジング』

〈妊活〉のために仕事を辞め、実家の喫茶店で働く佐知子。彼女の親友である実花は、10年間人生を捧げてきた仕事に挫折し、突然〈婚活〉に走り始めます。佐知子は、誰よりも輝いていたはずの親友のその姿に違和感を覚え、2人の関係もぎくしゃくしていきますが…

爪とスケッチブック

久々に少し爪を伸ばそうかな、淡いマ二キュアでも塗ろうかな…と思ってガラス製の爪やすりを買いました。 Clarente 爪やすり ガラス製 ケース付 つめやすり甘皮 ケア 大小2個セット 出版社/メーカー: クラレント メディア: その他 この商品を含むブログを見…

西尾維新『悲終伝』感想‐伝説の終わりにようやく。

遂に、ついに西尾維新の伝説シリーズを読み終えた…っ!第一巻『悲鳴伝』の発売から6年。 悲鳴伝、悲痛伝、悲惨伝、悲報伝、非業伝、悲録伝、悲亡伝、悲衛伝、悲球伝、悲終伝…と全十巻。すべて500ページ越えの大巨編。長かった…そして重かった。 一冊一冊が…

心ここにあらず日記

4月である。 子どもが一人、中学生になったら生活パターンが色々変わって、子どもはもちろん私自身が順応に苦労している。 部活の朝練があるので6時には家を出る息子のために、毎朝5時起きで朝食を作る生活。たけのこの様な勢いで伸びる育ち盛り、むろん朝か…

一日はコーヒーのかほり

さて、私はいわゆる粗忽者である。ドジな私、てへぺろ♡なんてかわゆさで押し流せる時は過ぎさった。 今は粗忽。単に粗雑。 そんな訳で金曜日も給湯室でインスタントコーヒーを一杯分、お湯を入れる前に床と自分にぶちまけた。 そこまではOK、よくあること…

ブログと献立

今日は私が好きなブログを3つ、紹介したいと思う。 一つは映画メイン(小説も素敵)のブログ、もう一つはケーキメイン。最後の一つは文章が素敵で、どれもよく読ませて頂いている。 mujina.hatenablog.com kato.hatenadiary.com d.hatena.ne.jp 私はもとも…

たけのこを食べる祭り

週末にたけのこを丸ごと茹でて食べたので、そのログです。いあ、いあ! ①たけのこが均一価格だったので、欲張って一番大きなたけのこを買ってしまう。 そしてこれからたけのこを茹でる。伝わるでしょうか、この驚愕のデカさ…!たけのこパーリーや! pic.twit…

棘のある新卒

もう4月も半ば。 新しい学校、新しい職場。まだドキドキの人もきっと多いはず。 私の近くの席にも新採用者がやって来たので、こちらまでワクワクです。 さて新卒といえば、数年前昔の職場で出会った青年を思い出します。 せっかくの新卒カードを棒に振って…

遠いあなたの夢を見る-山白朝子『私の頭が正常であったなら』

山白朝子さん(いまだに乙一、と呟いてしまう)の短編集「私の頭が正常であったなら」を読みました。 喪われた人を想う短編集、と言ったらいいのでしょうか。読みながらずっと、死と私を隔てるものについて考えていました。 冒頭の『世界で一番短い小説』は…

ファッションはやっぱり愉し/千早茜『クローゼット』

今日は一万点以上のアンティークドレスが眠る、私設美術館を舞台にした物語『クローゼット』の感想です。 いつも完璧には程遠い、いわゆる『ファッション道』を語れない私ですが、それでもこの本はとても楽しかった!母親のスカートをまとってロングスカート…

町と、私の領域

子どもが中学生になったら、自転車で学校へ通う中学生のことが目につく/見守るという意識が芽生えてきた。 小学校も新一年生が増えたので、連絡物を配布するために新しい家の場所をたくさん覚えた。 子どもが育つにつれて、自分の領域が広がっていくような…

前方からMISIA

まだ肌寒い春の朝、道の先から音楽が聞こえてきた。 黒っぽいスーツを着たお兄ちゃんが、リズムと共に近づいてくる。 これは春のアレな人か…と道路の反対側に逃げたくなったが交通量の多い出勤時間帯、道を渡りようもなくメロディがやってくる。 この曲は…聞…

物語の歩み-孤独から境界の物語へ

かなりぼんやりとした雑感だけど、最近の物語について思うことをメモしておく。 1970年代生まれの私、ちょうどふすまで仕切られた家族の空間から、ドアで仕切られた個人の空間へと住居が移り変わった時代に生まれ育ってきた。一人に一つの子ども部屋、が…

蔵屋敷の老婦人

仕事を終えて家に帰ってきたら、今朝キレイに掃いたはずの玄関がグラウンドのように土埃にまみれていて、靴がたくさん転がっていて、一瞬うああああとなりました。 いや、みんな元気でいいんだけどね⁉なぜこんなに黒くなる…自宅でマーキングすんな…とぼやき…

世界は建前で出来ている

送別会なんて行きたくない、みたいな記事を読みました。気持ちはすっごく良く分かる! 私も若い頃は飲み会が嫌いでした。お金も時間も無駄になるし、何よりその場の話題や雰囲気に馴染めなくて、居心地が悪いだけだったから。 なんとなくこの増田を書いた人…

タッチパネルがしゅきぃ!

飲食店のタッチパネルなんていらない、という記事を読んだ。 news.infoseek.co.jp タッチパネル、結構重宝してる派なのでそうですかぁ?と軽い反論記事を書いてみることにする。 私にとってタッチパネルとは家族で行く回転寿司とか、同じく家族で行く安価な…

横浜卒業旅行

土日に息子の小学校卒業祝い、ということで横浜に行ってきた。 時間が取れずたった一泊の小旅行だけれど、スカイツリーに登り、中華街のバイキングを食べ、八景島シーパラダイスで遊ぶという本人の希望をすべて網羅した子どものための小旅行である。 まずは…

謝恩会がやってくる、いあ!いあ!

息子が今年中学生になる。 会津地方の多くの小学校ではなぜか、母親たちが先生に感謝の舞を捧げる、という謎の風習が構築されている。 いわゆる地獄の謝肉祭というやつだ(肉は捧げません)いあいあ! そんな訳で謝肉祭謝恩会が今週末に開催されるため、準備…

全て打ち消して、私を

今年も3月11日がやって来ました。あの日の私はたわむ家から飛び出して、赤子と抱き合って蹲っていました。 7年経っても未だに生々しくて、あまり詳細な話は書けないのですが、ほんの少しだけ、私があの日から学んだことを書いていきたいと思います。 最近都…