おのにち

おのにちはいつかみたにっち

読書

暗い夜道と物語の目線

お風呂上がりにコートを羽織って家から5分の自販機まで歩いた。 明日の遠足用に、水筒に入れるはずだったアクエリアスを先に風呂から上がった子どもが見事に飲み干してしまったからである。普段はお風呂上りには牛乳かお茶派なのに。 これは遠足用、と言って…

【直木賞】恩田陸の本領発揮!「蜜蜂と遠雷」感想

久しぶりの恩田陸新刊、「蜜蜂と遠雷」。分厚いし、二段組みだし。これは読むのに時間がかかりそう…なんて思っていたら、疾走感のあるエンタメで一気読みしてしまいました。 表紙の印象通り、今作は「白」の恩田陸。明るい恩田陸作品が好きな方にオススメの…

「エスカルゴ兄弟」に学ぶ、おいしいごはんの作り方

こんにちは、みどりの小野です。今日は津原泰水さんの「エスカルゴ兄弟」の感想を。 ミステリ、ホラー、ラノベにSFと幅広いジャンルで書き続ける津原さんの最新作はなんと料理小説! 主人公は出版社の新人編集者、柳楽尚登。実家はうどん屋、調理師免許を…

「探検家、36歳の憂鬱」ー角幡唯介が語るノンフィクションの分岐点

今日はノンフィクション作家、探検家 角幡唯介氏の初のエッセイ「探検家、36歳の憂鬱」の感想。 「空白の5マイル」「アグルーカの行方」などの傑作ノンフィクションの舞台裏、そして探検とは何なのか、ノンフィクションとは何なのか。色々考えさせられる…

三崎亜記と町の感覚

三崎亜紀さんの「メビウス・ファクトリー」という本を読んだ。ME創研という企業がすべてを統治する町にUターンしてきた一家の物語。 三崎さんが描く「町」はまるで生き物の様で、少し気持ち悪い。「メビウス・ファクトリー」には集団に属しているときの心…

【FeBe】でミステリを聴こう!真夏に楽しむ『クリスマスのフロスト』

FeBeのオーディオブックを試させて頂いたので、今日はそのレビューを。 「クリスマスのフロスト」という渋い傑作ミステリを耳で楽しめる、というなかなか面白い体験でありました。 [オーディオブック版]クリスマスのフロスト 著者:R.D.ウィングフィール…

もう一度学びたい!基本の文章術ー『新しい文章力の教室』

今日は自分が参考にしている文章術の本のはなし。アマチュアブロガーが本を読んで学んだ、基本のキ!の話ですが、これから書いてみたいと思う方がいらっしゃったらぜひ読んで見て下さい~。 基本のキ、はこの本から「新しい文章術の教室」 まずはいろんなブ…

【kindle Unlimited読み放題】で人間は一日に何冊マンガが読めるのか試してみた

こんにちはみどりの小野です。 突然ですが私には小さな特技があります。それは『本を読むのが人より少し早い』ことです。 そもそも読書速度の全国平均というものを知らないのであくまでも主観の話になってしまうのですが、「読むの早いよね」と周りによく言…

理想郷は何処にある?–我もまたアルカディアにあり/江波光則

今日は最近読んだSFの感想。江波光則さんの「我もまたアルカディアにあり」。 初めて読む作家さんでしたがタイトル&あらすじに惹かれて衝動買い。結果大当たりでした。 色々考えたくなる、語りたくなる魅力のある物語。 家賃無料、生活費無料。働かなくても…

エンターテイメントの匙加減「竜と流木」篠田節子

身内が手術する事になり、仕事を休んで病院へ。軽い手術とはいえ全身麻酔。年も年なので終わるまで待機です。 待っている間に、篠田節子さんの『竜と流木』を読みました。表紙を開けると『もう南の島でぼんやりできない!』というキャッチコピー。 大人にな…

孤独な天才の行く先は?~森博嗣『χの悲劇』

森博嗣、Gシリーズ10作目『χ(カイ)の悲劇』読了。 χの悲劇 (講談社ノベルス) 作者: 森博嗣 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/05/07 メディア: 新書 この商品を含むブログ (5件) を見る 実は最近惰性で読んでいて、そろそろ止めようか…と思っていたG…

才能って、天才ってなんだろう?「さよならクリームソーダ」

額賀澪さんの「さよならクリームソーダ」読了。 プールと制服姿の学生を描いた表紙に、学園ものかと思ったら美大の男子寮を舞台にした喪失と再生の物語でした。 刺さる言葉が沢山あって、背中を押されるように一気に読み終わって。 才能ってなんだろう?そん…

和菓子と小さな幸せの物語「アンと青春」

やっと出た! 坂木司さんの「和菓子のアン」続編、『アンと青春』読み終わりました。 あいかわらずほんのり甘くて優しくて、元気が出て。疲れた時に口に入れたくなる小さな甘いものみたいな作品。 和菓子のように細やかな幸せをくれる物語でありました。 和…

【Kindleコミックまとめ買いセール】開催中!オススメ漫画を書くよ

先週の土曜日、私は恐ろしい恐ろしいブログを見てしまったのです。 kun-maa.hateblo.jp kindleストアで最大50%OFFKindleコミックまとめ買いセールが開催中。キャンペーンは2016年6月23日(木)23:59まで。 なぜか90%オフになっているセットが81件もあったり…

トリッキーなおすすめミステリ・ベスト7

ちょっと前にこんな増田を読んだのです。 anond.hatelabo.jp ミステリが好きすぎてしょうがないおじさんが、生ける屍の死や七回死んだ男みたいに現実ではありえない事が起きる異種ルールのミステリを教えて欲しい、という記事。 こういう話楽しいですね。ブ…

ビジョルドが送る傑作ファンタジー「チャリオンの影」

晴天続きの五月も終わり、だんだん梅雨入りですね。植物にとっては恵みの雨ですが、食べ物はすぐ腐るし、外で遊べないのでリビングが小学生男子に埋め尽くされています。 雨で少し湿った男子が一杯いると、家の中はなんだかアリの巣みたいな匂いがしますよ、…

あたしの新井素子論~おすすめ本13冊

今日は高校2年生の時に作家デビューし、1980年代のラノベ、SF界を牽引した作家新井素子さんについて。 学生時代に大好きだった作家さんでしたが、ふとしたきっかけで読み返すとまた新たな発見がありました。今回はそんなお話です。 最初に本のレビュ…

今日は現実に帰る日-朝井リョウ「ままならないから私とあなた」

朝井リョウさんの小説「ままならないから私とあなた」を読んだ。 小学生の時からの親友同士が大人になるまでを描く表題作「ままならないから私とあなた」、体育会系で仲間には何もかもさらけだせる、と信じていた男が知らない世界の一面を知る「レンタル世界…

かわいいの果てに何がある?近藤史恵「岩窟姫」

近藤史恵さんの「岩窟姫」を読んだ。近藤さんは明るいコージーミステリ、サスペンス、本格推理物も書く多彩な作家さん。人の心理、特にその裏側にあるものを描くのがとても上手い。 自覚したくない、けれど誰しもが抱え持っている嫉妬や怒りといった感情を重…

渋谷直角、奥田民生になりたいボーイボサノヴァカバーを歌う女の話

ライターで漫画家の渋谷直角さんという人が好きだ。 同世代のせいか、ネタがツボ過ぎて面白い。彼の書いた本を一気に三冊読んでしまった。 「直角主義」、「カフェでよくかかっているJ-popのボサノヴァカバーを歌う女の一生」、「奥田民生になりたいボーイ出…

メアリー・スーを殺して~乙一に酔う!素晴らしい幻夢の世界

短編集「メアリー・スーを殺して」を読みました。 乙一、中田永一、山白朝子、越前魔太郎という4人の作家が書き、安達寛高が解説をする7つの異なる世界の物語。 メアリー・スーを殺して 幻夢コレクション 作者: 乙一,中田永一,山白朝子,越前魔太郎,安達寛…

あなたを救うもう一つの世界~川端裕人「声のお仕事」

こんにちはみどりの小野です。 今日は川端裕人さんの「声のお仕事」を読みました。 気象を予知する能力を持つ〈空の一族〉をめぐるファンタジー、「雲の王」「天空の約束」が好評の川端さん。 今回はガラッと変わって声優業界で奮闘する青年のお話。 20代…

百通りの女は一様に怖い~「ナイルパーチの女子会」

柚木麻子さんの「ナイルパーチの女子会」を読み返したので感想を。 一回目はとにかく怖い、と思った本。2回目は…怖いけれどもこの感情は私にも覚えがある、と気がついた。 登場人物は女性ばかり、表紙はふわふわ美しい。でも怖くて生々しい。ブログを書いて…

美味しいランチで職場のゴタゴタを解決?「ランチのアッコちゃん」

柚木麻子さんのベストセラー、「ランチのアッコちゃん」を今頃読みました。「本屋さんのダイアナ」も、「ナイルパーチの女子会」も大好きな作家さん 。 すごく流行ってる本だし、読もう読もう、と思いつつも手が伸びなかったのは「アッコにおまかせ」を思い…

おすすめしたい私の面白本。連想読書ガイド10

タカラ~ムさんという人の「ガタガタ書評ブログ」というブログが面白くて、最近よくチェックしている。 説明しすぎない書評スタイルが素敵だし、なにより紹介されている本がみんな好みだ。 s-taka130922.hatenablog.com 先日紹介されていた、「きっとあなた…

ファンタジーで現実逃避?おすすめファンタジー5選。

週の真ん中すいすいすいようびー。今日は木曜日ですけれど。 とりあえず仕事も学校も、週の真ん中くらいになると逃避したくなりませんか? 休みたい、現実から逃れたい。 今日はそんな貴方におすすめしたいファンタジーの紹介です。 移り変わる世界「グラン…

本なんて読まなくてもいいよブックガイド

昨日の記事にこんな風なコメントを頂きまして。考えたのです。 Daisuke-Tsuchiya その前に活字が苦手なんですが、活字嫌いでもサクッと読めるものもぜひ教えてください。 menheraneet これ面白そうですね。気になる!/前のコメにありますが、自分も活字が本…

「九月の恋と出会うまで」感想-恋愛小説が苦手なあなたに、オススメしたい恋物語。

恋愛小説が苦手。 実は私のことです。 いや、マンガとか、小説でも淡い恋の始まり系は大好きなんだけど。キュンとします、萌えます。 苦手なのは一昔前に流行った「大人の」恋愛小説。林真理子さんとか、渡辺淳一さんとかさぁ。 特に渡辺淳一さんは20代の…

恒川光太郎『スタープレイヤー』あなたの10の願い事は?

今日は恒川光太郎さんの「スタープレイヤー」、「ヘブンメイカー(スタープレイヤーⅡ)」の感想です。 恒川光太郎さんについて 恒川光太郎さんは「夜市」(日本ホラー小説大賞)でデビューした、ホラー作家さん。2014年の作品「金色機械」では日本推理作家協会…

世界の果てのミステリー北山猛邦「少年検閲官」

2016年の「このミステリーがすごい!」が発売されて、一番嬉しかったこと。 それは北山猛邦さんの「オルゴーリェンヌ」が10位にランクインしていたこと! このブログでも過去に紹介している北山猛邦さん。 yutoma233.hatenablog.com 物理トリックに定…